赤朽葉家の伝説

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評判

赤朽葉家の伝説の評価:

3.77/5点 レビュー 107件。 B ランク

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平均点3.77pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全203件 81〜100 5/11ページ
No.123
(5pt)

時代を見る眼の確かさ

女三代の壮大な物語ですが、とにかく読ませます。
作者のストーリー・テラーとしての実力を感じずにはいません。

しかし、この物語はそうした物語の面白さだけではありません。
終戦から復興の時代、バブル期、そして現代と、その風俗の変遷だけでなく、そこに生きる人間の心情風景が実にうまく表現されています。いや、それ以上かも知れません。
と言うのも、そこに書かれている彼らの気持ちは、すべて納得の出来るものであるだけでなく、言われてみればなるほどそこに生きた人たちの気持ちは、こんな風に纏められるんだと言う酷く感心しました。

作者の時代を見る眼の確かさをそこに感じました。
それがあるからこそ、こうした「全体小説」を書き得たのだろうと思います。
その感覚が、時代を的確に掴み、そこに登場する人物に生き生きした動きをさせる血を注ぎこむことが出来るのでしょう。

見事な「全体小説」です。
赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)より
4488472028
No.122
(3pt)

こうした類いの作品に、「日本推理作家協会賞」などという冠を被せてしまうのは、どうかと

最初にはっきりと言っておきたいのだが、この「赤朽葉家の伝説」は、いわゆる推理小説の範疇に属するような作品ではないと思う。こうした類いの作品に、生粋の推理小説ファンにあらぬ期待を抱かせるような「日本推理作家協会賞」などという冠を被せてしまう選考委員の見識は、私はどうかと思う。 

と、ここまで純粋な推理小説としての評価としては厳しいことを書いたのだが、この作品を一般小説として割り切って読んでしまえば、決して面白くない作品ではないと思う。

この作品は、三部構成となっており、赤朽葉家の三代の女性を中心に描いた物語だ。物語の構成としては、終戦後から現代に至る日本の世相の移ろいに、登場人物の設定を投影させるという手法を取っており、決して深さを感じる物語でもないのだが、不思議に、それなりに面白く読めるのだ。おそらく、特に、万葉、みどり、タツ、真砂、毛毬、百夜、蝶子といった女性の登場人物のキャラクターの作り方が非常に上手いのが、この物語を面白くさせている大きな要因になっているのだろう。 

この作品は、全三部のうち、第二部までには全くミステリ色はなく、全体の75%以上が経過した第三部に至ってようやく過去に起こったという殺人事件が明らかにされ、やっと推理小説らしくなってくる。ところが、皮肉なことに、物語としては、逆に、ここからパワーがガクッと落ちて、凡庸になってくるのだ。その原因は、現代日本の世相を反映させた瞳子のキャラが、万葉や毛毬と比べると、あまりに平凡で魅力に乏しいことと、推理小説としての内容の乏しさの両方にあると思う。 

推理小説として見た場合、素人探偵役の探偵振りは、探偵のレベルにも達していないものだし、真相をミスリードしているある出来事も、そのままストレートに描いたのでは推理小説にもならないということから、読者を惑わすために無理矢理仕込んだとしか思えない苦しいものだ。厳しいことを言うようだが、推理小説としては、見るべきものは全くない作品だと思う。 

赤朽葉家の伝説 Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説より
4488023932
No.121
(3pt)

こうした類いの作品に、「日本推理作家協会賞」などという冠を被せてしまうのは、どうかと

最初にはっきりと言っておきたいのだが、この「赤朽葉家の伝説」は、いわゆる推理小説の範疇に属するような作品ではないと思う。こうした類いの作品に、生粋の推理小説ファンにあらぬ期待を抱かせるような「日本推理作家協会賞」などという冠を被せてしまう選考委員の見識は、私はどうかと思う。 

と、ここまで純粋な推理小説としての評価としては厳しいことを書いたのだが、この作品を一般小説として割り切って読んでしまえば、決して面白くない作品ではないと思う。

この作品は、三部構成となっており、赤朽葉家の三代の女性を中心に描いた物語だ。物語の構成としては、終戦後から現代に至る日本の世相の移ろいに、登場人物の設定を投影させるという手法を取っており、決して深さを感じる物語でもないのだが、不思議に、それなりに面白く読めるのだ。おそらく、特に、万葉、みどり、タツ、真砂、毛毬、百夜、蝶子といった女性の登場人物のキャラクターの作り方が非常に上手いのが、この物語を面白くさせている大きな要因になっているのだろう。 

この作品は、全三部のうち、第二部までには全くミステリ色はなく、全体の75%以上が経過した第三部に至ってようやく過去に起こったという殺人事件が明らかにされ、やっと推理小説らしくなってくる。ところが、皮肉なことに、物語としては、逆に、ここからパワーがガクッと落ちて、凡庸になってくるのだ。その原因は、現代日本の世相を反映させた瞳子のキャラが、万葉や毛毬と比べると、あまりに平凡で魅力に乏しいことと、推理小説としての内容の乏しさの両方にあると思う。 

推理小説として見た場合、素人探偵役の探偵振りは、探偵のレベルにも達していないものだし、真相をミスリードしているある出来事も、そのままストレートに描いたのでは推理小説にもならないということから、読者を惑わすために無理矢理仕込んだとしか思えない苦しいものだ。厳しいことを言うようだが、推理小説としては、見るべきものは全くない作品だと思う。 

赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)より
4488472028
No.120
(5pt)

野心壮大な幻想大河小説

この作家、男みたいなペンネームだが実は女性。ミーハーなイメージもあるが、新しい世界文学の特集を組んだ雑誌で、有名な学者と堂々鼎談をやっているほどの読書家。この小説は、大河小説であり、マジックリアリズムで、となると『百年の孤独』を連想するが、本人が言及しているイザベル・アジェンデの『精霊たちの家』がより近いのかもしれない。というわけでなかなか野心的な、構えの大きな作品。
 島根で製鉄業で一家を成した赤朽葉家なる家の半世紀にわたる歴史を、そこに嫁いだ山の民「サンカ」の娘、万葉を中心に描いた大河小説。大河小説というのは無数のエピソードから成って、一つの大きなストーリーや事件をめぐるわけではないから、ある種の読みにくさはあって、どんどん読む、というわけには行かない。だが面白さには捨てがたいものがあって、ちびちび読んでいるうちに面白さも読むスピードも上がる感じ。とくに第二部がいいと思う。人物も、その二部で活躍する毛毬と、その母親の万葉がよかった。
 万葉には未来を透視する力があるが、そうして幻視してみた未来が、不思議に郷愁のような懐かしさやら、時代の変化への感慨やら、移ろい行く時の哀しさやら、サスペンスやら、いろいろ味わいを与えている。かつ、この家の様子の変化とともに日本の時代の変化もわかる、当たり前といえば当たり前の二重構造もいい。
 「殺人者」と題された最終第三部は、一種の謎解きストーリーでもあって、なかなか込み入った仕掛けが為されている。そこに浮かび上がるのは、ほとんど主人公ともいえる「時」というテーマであり、また全編を貫くイメージの豊かさである。結末は、時代の流れと人の生というテーマをまとめる効果もあり、カタルシスもあって、よくできた見事な締めくくり。しかし、スタイルとしては、こうして生真面目に自分の問題として書かれると、時代が重なることもあって、普通の現代の小説である。その分神話性は薄れ、女性特有とも思われるとぼけたユーモアも真剣さの中で影を潜めて、悪くはないのだが、むしろ面白さは減じて、その点ちょっと期待はずれのような物足りなさも残った。

赤朽葉家の伝説 Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説より
4488023932
No.119
(5pt)

野心壮大な幻想大河小説

この作家、男みたいなペンネームだが実は女性。ミーハーなイメージもあるが、新しい世界文学の特集を組んだ雑誌で、有名な学者と堂々鼎談をやっているほどの読書家。この小説は、大河小説であり、マジックリアリズムで、となると『百年の孤独』を連想するが、本人が言及しているイザベル・アジェンデの『精霊たちの家』がより近いのかもしれない。というわけでなかなか野心的な、構えの大きな作品。
 島根で製鉄業で一家を成した赤朽葉家なる家の半世紀にわたる歴史を、そこに嫁いだ山の民「サンカ」の娘、万葉を中心に描いた大河小説。大河小説というのは無数のエピソードから成って、一つの大きなストーリーや事件をめぐるわけではないから、ある種の読みにくさはあって、どんどん読む、というわけには行かない。だが面白さには捨てがたいものがあって、ちびちび読んでいるうちに面白さも読むスピードも上がる感じ。とくに第二部がいいと思う。人物も、その二部で活躍する毛毬と、その母親の万葉がよかった。
 万葉には未来を透視する力があるが、そうして幻視してみた未来が、不思議に郷愁のような懐かしさやら、時代の変化への感慨やら、移ろい行く時の哀しさやら、サスペンスやら、いろいろ味わいを与えている。かつ、この家の様子の変化とともに日本の時代の変化もわかる、当たり前といえば当たり前の二重構造もいい。
 「殺人者」と題された最終第三部は、一種の謎解きストーリーでもあって、なかなか込み入った仕掛けが為されている。そこに浮かび上がるのは、ほとんど主人公ともいえる「時」というテーマであり、また全編を貫くイメージの豊かさである。結末は、時代の流れと人の生というテーマをまとめる効果もあり、カタルシスもあって、よくできた見事な締めくくり。しかし、スタイルとしては、こうして生真面目に自分の問題として書かれると、時代が重なることもあって、普通の現代の小説である。その分神話性は薄れ、女性特有とも思われるとぼけたユーモアも真剣さの中で影を潜めて、悪くはないのだが、むしろ面白さは減じて、その点ちょっと期待はずれのような物足りなさも残った。

赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)より
4488472028
No.118
(3pt)

推理小説のつもりで読んだのに

私個人的には、推理小説として購入し、その思い込みのまま読んだので、殺人事件、犯人そして、謎解き、期待を裏切るどんでん返しといったお決まりのパターンでなく、どちらかというと時代物を読みきった後の満足感に近いものを得た感じです。そういった点では、面白くファンタジー溢れる作品で、決して嫌いではないですし、とても面白く一気に読みきりました。ただトリックにはめられたという「やられた感」を求めていたので、ちょっぴり不完全燃焼。
赤朽葉家の伝説 Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説より
4488023932
No.117
(3pt)

推理小説のつもりで読んだのに

私個人的には、推理小説として購入し、その思い込みのまま読んだので、殺人事件、犯人そして、謎解き、期待を裏切るどんでん返しといったお決まりのパターンでなく、どちらかというと時代物を読みきった後の満足感に近いものを得た感じです。そういった点では、面白くファンタジー溢れる作品で、決して嫌いではないですし、とても面白く一気に読みきりました。ただトリックにはめられたという「やられた感」を求めていたので、ちょっぴり不完全燃焼。
赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)より
4488472028
No.116
(5pt)

最後まで読んで「ああ、良かった!」

最後の第三部まで読んで「ああ、良かった、面白かった」と思わせる実にストーリ・テリングの巧みな小説である。第一部を読んで「おっ!」と思わせ、次の第二部に引き込まれるが・・・・・。 途端に「なんでやねん!」って感じで「どこで読むの止めよかな」とまで思わせる。戦後昭和史なんかどうでもいいって感じ。この本のどこが「第60回日本推理作家協会賞受賞」って感じである。  我慢して第三部になだれ込むと、これが一転ミステリー調。「私は人を殺していた!」という祖母の最期の一言に孫である「わたし」が探偵役となって真相を追及する。 作者の「文庫版あとがき」に書かれているように、この作品は「全体小説」を目指したものであり「初期の代表作」となりうる作品であると思う。 女性作家が書いたにしては相当重厚な作品であると評すれば、作者には失礼かもしれない。しかし、本作品は桜庭にしか書けない女三代記である。やはりこの作家は読者の期待を裏切らないエンターテインメント作家である。
赤朽葉家の伝説 Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説より
4488023932
No.115
(5pt)

最後まで読んで「ああ、良かった!」

最後の第三部まで読んで「ああ、良かった、面白かった」と思わせる実にストーリ・テリングの巧みな小説である。第一部を読んで「おっ!」と思わせ、次の第二部に引き込まれるが・・・・・。 途端に「なんでやねん!」って感じで「どこで読むの止めよかな」とまで思わせる。戦後昭和史なんかどうでもいいって感じ。この本のどこが「第60回日本推理作家協会賞受賞」って感じである。  我慢して第三部になだれ込むと、これが一転ミステリー調。「私は人を殺していた!」という祖母の最期の一言に孫である「わたし」が探偵役となって真相を追及する。 作者の「文庫版あとがき」に書かれているように、この作品は「全体小説」を目指したものであり「初期の代表作」となりうる作品であると思う。 女性作家が書いたにしては相当重厚な作品であると評すれば、作者には失礼かもしれない。しかし、本作品は桜庭にしか書けない女三代記である。やはりこの作家は読者の期待を裏切らないエンターテインメント作家である。
赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)より
4488472028
No.114
(5pt)

読み応え有る女達の歴史

3代にわたる女性の人生、というとありきたりなのですが、日本が高度成長する中で得た物失った物を見事に描いています。戦後を生きた万葉は漫画の虫師に出てきそうなシャーマニズムを体の中に残しています。次世代の毛鞠は私と同じ、高度成長期の騒然とした日本を生きます。そして現代、よりどころのない若者の瞳子。万葉とその姑タツ、いじめっ子みどりとの場面は秀逸で息子や兄の死が残酷で儚くて・・・それとは対照的に子供を産む女性の逞しいこと!!大地に根を張るように体を張って家、家族を守り時には脳天気にそして悲しみを背負って生きていきます。自由なはずの現代っ子が本当に自由なのか?説教臭くなく哲学のように難しくなく、さりげなく私たちに問いかけてきます。私は泪兄さんと万葉の時が止まったような世界が好きです。
赤朽葉家の伝説 Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説より
4488023932
No.113
(5pt)

読み応え有る女達の歴史

3代にわたる女性の人生、というとありきたりなのですが、日本が高度成長する中で得た物失った物を見事に描いています。戦後を生きた万葉は漫画の虫師に出てきそうなシャーマニズムを体の中に残しています。次世代の毛鞠は私と同じ、高度成長期の騒然とした日本を生きます。そして現代、よりどころのない若者の瞳子。万葉とその姑タツ、いじめっ子みどりとの場面は秀逸で息子や兄の死が残酷で儚くて・・・それとは対照的に子供を産む女性の逞しいこと!!大地に根を張るように体を張って家、家族を守り時には脳天気にそして悲しみを背負って生きていきます。自由なはずの現代っ子が本当に自由なのか?説教臭くなく哲学のように難しくなく、さりげなく私たちに問いかけてきます。私は泪兄さんと万葉の時が止まったような世界が好きです。
赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)より
4488472028
No.112
(4pt)

なんだろう?この危うさと魅力は

ともすれば凡作と言われかねない危ういストーリーなんだけどその危うさを物語りに対する情熱と勢いで一気に押しのけて、快作と呼んでもいい作品になっている。最後まで、ゾクゾクしながら読み終えた。「ようこそビューティフルワールドへ」その一言が、すべてを救ってくれている。
赤朽葉家の伝説 Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説より
4488023932
No.111
(4pt)

なんだろう?この危うさと魅力は

ともすれば凡作と言われかねない危ういストーリーなんだけどその危うさを物語りに対する情熱と勢いで一気に押しのけて、快作と呼んでもいい作品になっている。最後まで、ゾクゾクしながら読み終えた。「ようこそビューティフルワールドへ」その一言が、すべてを救ってくれている。
赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)より
4488472028
No.110
(4pt)

時代を越えるに相応しい年代記

特に第一部が古臭い世界なのに、そして文体も古風にしてあるというのに。まるで現代風に読めてしまう。第二部が秀逸で、生きる力を感じさせる。第三部になると狭かったはずの二つの世界が急に混沌と広がってくる。感情移入もせず、ただ淡々と映画のように読める小説。邦画の世界そのものとでも言えるような世界。すごい!っていうタイプの傑作では無いが。世界観が詰った名作ではある。綺麗に映画化して欲しい作品。変なキャストも宣伝もしないで。毛鞠は中谷美紀でいい。
赤朽葉家の伝説 Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説より
4488023932
No.109
(4pt)

時代を越えるに相応しい年代記

特に第一部が古臭い世界なのに、そして文体も古風にしてあるというのに。まるで現代風に読めてしまう。第二部が秀逸で、生きる力を感じさせる。第三部になると狭かったはずの二つの世界が急に混沌と広がってくる。感情移入もせず、ただ淡々と映画のように読める小説。邦画の世界そのものとでも言えるような世界。すごい!っていうタイプの傑作では無いが。世界観が詰った名作ではある。綺麗に映画化して欲しい作品。変なキャストも宣伝もしないで。毛鞠は中谷美紀でいい。
赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)より
4488472028
No.108
(3pt)

ミステリ小説ではないので注意

このミス2位で、第60回日本推理作家協会賞の作品だが、読了して、ミステリ小説ではなく女三代にわたる大河小説であると感じた。鳥取県の赤朽葉家の祖母、母、孫の生涯を日本の昭和史と重ねて描写している。作品は1部、2部、3部と分かれていて、3部だけミステリの要素があるが、その内容も結末もミステリ小説としてみると大したものではないので、ミステリ小説を期待しては読まないほうが良い。当然どんでん返しの結末があるわけでもない。一応3部の最後のほうで、祖母の残した言葉の謎が解かれるが、インパクトが薄く正直そんなことはどうでもよいと感じた。話としてつまらないわけではないが、私の好みの内容ではなかったので評価は普通である。
赤朽葉家の伝説 Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説より
4488023932
No.107
(3pt)

ミステリ小説ではないので注意

このミス2位で、第60回日本推理作家協会賞の作品だが、読了して、ミステリ小説ではなく女三代にわたる大河小説であると感じた。鳥取県の赤朽葉家の祖母、母、孫の生涯を日本の昭和史と重ねて描写している。作品は1部、2部、3部と分かれていて、3部だけミステリの要素があるが、その内容も結末もミステリ小説としてみると大したものではないので、ミステリ小説を期待しては読まないほうが良い。当然どんでん返しの結末があるわけでもない。一応3部の最後のほうで、祖母の残した言葉の謎が解かれるが、インパクトが薄く正直そんなことはどうでもよいと感じた。話としてつまらないわけではないが、私の好みの内容ではなかったので評価は普通である。
赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)より
4488472028
No.106
(4pt)

一冊で3度プラスアルファー楽しめる “今どき”の大河小説

『私の男』で’07年下半期「第138回直木賞」を受賞した桜庭一樹が、その以前に、担当編集者から「“初期の代表作”を書いてください」と言われ’06年年末に発表した作品。見事、’07年上半期「第137回直木賞」の候補作となり(ちなみに受賞作は松井今朝子の『吉原手引草』)、同年、「このミステリーがすごい!」国内編で第2位に、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門で第4位に堂々ランクインして、「第60回日本推理作家協会賞・長編及び連作短編集部門 」を受賞した。
ところは鳥取県西部の地方都市。舞台は製鉄業で財を成した旧家。物語はその女系家族三代に渡る戦後昭和・平成期の年代記である。といってもよくある重厚な大河小説でも複雑なレトロ趣味の一大叙事詩でもない。
もともとはサンカなどと呼ばれる“辺境の人”の捨て子で、玉の輿に乗った<千里眼奥様>の祖母・万葉(まんよう)、そしてレディース暴走族から超売れっ子少女漫画家になった母・毛毬(けまり)。数奇な運命を送った二代の女性の人生を語るのが、「自身には、語るべき新しい物語はなにもない」と卑下する毛毬の娘・瞳子(とうこ)である。この、「今どきの娘」瞳子の語り口は、少女コミックっぽく、なかなかで軽快である。とどこおったり、考えさせられたりすることなく、サクサク読める。それでいてその時代時代の出来事や事件・風潮が女三代の愛憎劇や家族史と密接に絡んでいる。読んでいて、こんなカジュアルな年代記もあるのだなと感心した。また、万葉の最期を看取った瞳子が、祖母の漏らした謎めいた一言に囚われ、50年以上遡る“殺人”事件を追いかけるところは、なかなか読ませる。
本書は、三代の女性の、その時代と共に生きた、生き様の物語を3回楽しめて、さらに一本、三代通してのひとつの謎を解く興趣も味わえる、ジャンルの壁を軽々と飛び越えた、異形の快作である。
赤朽葉家の伝説 Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説より
4488023932
No.105
(4pt)

一冊で3度プラスアルファー楽しめる “今どき”の大河小説

『私の男』で’07年下半期「第138回直木賞」を受賞した桜庭一樹が、その以前に、担当編集者から「“初期の代表作”を書いてください」と言われ’06年年末に発表した作品。見事、’07年上半期「第137回直木賞」の候補作となり(ちなみに受賞作は松井今朝子の『吉原手引草』)、同年、「このミステリーがすごい!」国内編で第2位に、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門で第4位に堂々ランクインして、「第60回日本推理作家協会賞・長編及び連作短編集部門 」を受賞した。
ところは鳥取県西部の地方都市。舞台は製鉄業で財を成した旧家。物語はその女系家族三代に渡る戦後昭和・平成期の年代記である。といってもよくある重厚な大河小説でも複雑なレトロ趣味の一大叙事詩でもない。
もともとはサンカなどと呼ばれる“辺境の人”の捨て子で、玉の輿に乗った<千里眼奥様>の祖母・万葉(まんよう)、そしてレディース暴走族から超売れっ子少女漫画家になった母・毛毬(けまり)。数奇な運命を送った二代の女性の人生を語るのが、「自身には、語るべき新しい物語はなにもない」と卑下する毛毬の娘・瞳子(とうこ)である。この、「今どきの娘」瞳子の語り口は、少女コミックっぽく、なかなかで軽快である。とどこおったり、考えさせられたりすることなく、サクサク読める。それでいてその時代時代の出来事や事件・風潮が女三代の愛憎劇や家族史と密接に絡んでいる。読んでいて、こんなカジュアルな年代記もあるのだなと感心した。また、万葉の最期を看取った瞳子が、祖母の漏らした謎めいた一言に囚われ、50年以上遡る“殺人”事件を追いかけるところは、なかなか読ませる。
本書は、三代の女性の、その時代と共に生きた、生き様の物語を3回楽しめて、さらに一本、三代通してのひとつの謎を解く興趣も味わえる、ジャンルの壁を軽々と飛び越えた、異形の快作である。
赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説 (創元推理文庫)より
4488472028
No.104
(5pt)

ビューティフルワールドへようこそ

意外に評価が辛いが紛れもない傑作。ただ、無類の海外小説フリークである著者による、過去の名作へのオマージュとしての要素も強いため、単品としての読後感はやや拍子抜けしてしまうのはやむをえないところか。いずれにせよ著者あとがきに言及のある作品は(大きなお世話だが)一読をお勧めしたい。一方、文体や構成には未完成な部分も少なくなく、あくまで「初期の代表作」であろう点には異論はない。
赤朽葉家の伝説 Amazon書評・レビュー: 赤朽葉家の伝説より
4488023932