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キョウカンカク 美しき夜に
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キョウカンカク 美しき夜にの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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主人公の特殊能力で、犯人は判明しているのだが、世間的には犯行動機の説明がつかないし、物証もない……という、出だしからして「ミステリの体裁をとった超常の力での、辻褄合わせと解決の物語」。 精緻な著述や心理描写に裏付けされた、納得の謎解きが読みたい筋には、期待外れの作品とみられる恐れもあるが、『伝奇もの』として読み、『物語のあるべき解決(それは犯人が逮捕されました、を意味しない)』を楽しむ向きにはおすすめ。 変、そして、面白い。 | ||||
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10年02月のノベルス版を改題,大幅改稿.『第43回メフィスト賞』作品の文庫化です. 目玉とされたホワイダニットの部分は,良くも悪くもメフィスト賞らしいのですが, 斜め上だったこともあり,驚きはあったものの冷静に受け止められたように感じます. ただ,そのぶっ飛んだ動機を含めて,事件自体が猟奇的で重苦しいものだったにしては, 主人公と語り部の少年との軽いノリなど,その雰囲気に少し違和感を覚えてしまうことも. また,美しい主人公が過去を抱え,謎多き男との間にも秘密があることを匂わせたり, 同じ台詞を繰り返す金髪少年など,取って付けたようなキャラクタ設定にはガッカリで, 少年の苗字と著者のそれとを似せ,読み違いをさせるやり取りは気持ちの悪さを覚えます. 事件にまつわる伏線も回収はされるものの,その撒き方には不自然さが目立っており, 間違い推理から真実を…という流れも,そのん説明が長くなる終盤はダレた感が否めず, 事件は解決しますが,背後に控える事情はすべて次以降という話運びにも不満が残ります. | ||||
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共感覚とは音や感情が「見える」、匂いが「聞こえる」といった 特殊な知覚現象であり、現実に実在する− 死体を燃やす殺人鬼・フレイムに妹を殺された高校生の天弥山紫朗は 音が見える探偵・音宮美夜と捜査に乗り出すものの 殺害動機、犯行現場、犯人像ともに謎は深まるばかり フレイムは単なるサイコキラーなのか、、、 懸命にも、美夜は共感覚という武器を駆使し ある人物の声から犯人を特定することに成功する 第43回メフィスト賞受賞作でありノベルスで出版されていた『キョウカンカク』を 全面改稿した本書 ホワイダニット(動機のミステリ)の新たな金字塔として帯で紹介されていますが 予想外な展開もなく、予定調和に物語が進んでいくので 正直な感想としてはラノベに近くミステリーと言えるほど精緻な構成ではないと思います (訂そうの可愛らしさから思わず購入したのですが) ただ共感覚という着眼点が面白いだけに むしろ、映像化した方が楽しめる作品なのかもしれません | ||||
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メフィスト賞受賞となると自然にハードルが上がってしまいますが、宮部みゆきのクロスファイア路線の特殊な能力を持つ少女が連続殺人犯を追い詰めていくパターンの話です。連続殺人が起こっているのにどうもあまり緊迫感が感じられないし、登場人物の配置からすぐ犯人とおぼしき人は見当が付いてしまいます。犯人が使う不可能犯罪トリックが殆どトリックになっていませんが、新機軸と言えるのは犯行の動機くらいでしょうか。この動機は確かに過去のどのミステリーにもなかった唯一のもだと思います。スケールのでかい話なのに登場人物の徒歩圏内で解決しているような何か狭い世界観なのは否定しようがない。 この美少女探偵のキャラと能力がメインのライトノベルっぽさを感じてしまう。重厚な小説というより漫画の原作とかみたいな雰囲気。 デビュー作としてはまとまっている作品だと思うが、突出した要素はあまり感じられない。 メフィスト賞作品としてはちょっと期待外れですかね。 | ||||
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共感覚を持つと言われる少女、音宮美夜が警部から依頼されて、異様な連続殺人事件の探偵役をつとめるというもの。 共感覚といえば、詩人ランボーが母音をそれぞれ色にたとえた詩が引き合いに出されることが多いように、芸術家や子どもによく見られる感覚どうしの転位現象と理解していました。自分でもそれなり色聴(Dの音は青色など)はあるような気がしますし、わりあい自然なことと思っていましたので、それを使って探偵をするとはどういうことか、ひじょうに興味を持ちました。 しかしここでヒロインがもつ感覚とは、人の声に色がつくだけでなく、自殺願望とか、殺人衝動とか、声のはらむ感情まで感じ取ってしまうもの。これは一般的な共感覚の範囲を超えた設定で、一気に引き込まれました。その彼女が、「真っ赤にとがって見えて」殺人衝動をあらわす声の持ち主を、犯人と断定してしまい、その裏を取ろうとするのですが・・・ 終わりの50ページ、謎解きに入ると、それまでせっかくひっぱってきたストーリーの整合性と緊迫感が、銃が暴発するように飛散してしまいます。ここはさすがに、どうかと思いました。この犯人の設定は、それまでの世界観を攪乱し、ミステリと思ってきたものが、「ドグラマグラ」な世界に突入し・・・大風呂敷がたためず、裂けてしまった、というかなり不消化な後味でした。 近作の『空想探偵と密室メイカー』も、探偵役に異常能力を付与していますが、そちらは物語として破綻せず、うまくまとまっています。 探偵を普通の人間にせず、宇宙人だの超能力者だのにする設定は、ミステリジャンルに対してミステリ自体がツッコミをするという批評性の面白さがあるので、これからも注目していきたいと思っています。本作も中盤までは、ヒロインの存在や感覚の描きかたには、ひとつの世界観を構成するリアリティがありました。 | ||||
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最初の数ページを読み、購入しました。 内容、表紙ともに私好みでサクサク読めました。 しかし、他のレビューワーさんもおっしゃる通り、最後まで犯人が誰なのかを想像しながら読みましたが、 犯人像は少し期待から外れました。 これは犯人当て、と言うよりは、犯人の動機に重点があったのかもしれません。そこは作者のみぞ知るということで。 あと、少し個人的な意見ではありますが、「その人にしか見えない感覚を他人に共有してもらう」ことの難しさに触れていて、 少し物語が破綻してしまうのではないかと不安になった部分がありました。 やや後味が残りましたが、全体的には面白かったです。ありがとうございました。 | ||||
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