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暗黒館の殺人
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【この小説が収録されている参考書籍】
暗黒館の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.41pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全41件 21~40 2/3ページ
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館シリーズを並べてみてもひときわ目に付くボリュームの今作。 一巻は、舞台となる暗黒館とその関係者との顔合わせと言ったところでしょうか。 「視点」が登場人物に乗り移るといった少し力技とも感じる手法で、主要人物である中也を中心に、館を取り巻くさまざまな事情を読んでいくことになります。 500ページを超える導入部となるわけですが、過去作と比べても多種多様な人物が登場し、暗鬱とした館の雰囲気とは裏腹に常識的な感性を持つ(様に見える)中也の友人「浦登玄児」が案内役を務めるため、思いの他ライトで読みやすく感じました。 今作を読む直前に江戸川乱歩の「孤島の鬼」を読んでいた事や、同シリーズの過去作を思わせるような台詞なども興味をそそる要因の一端になったと思います。 この巻の最後に、中也は暗黒館の核心に踏み込む事になります。 一年に一度ある「ダリアの日」を終えた彼が目を覚ました時、彼の目には何が見えているのでしょうか。 | ||||
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まず…「館シリーズ」を全て読んでから読むことをオススメします。それでないと、この独特な世界に入りにくし、過去のシリーズとの意外な繋がりに驚かされることもなく“もったいない”ような気がします。 館シリーズのファンとしては、今までのシリーズのどの作品よりも、ものすご〜〜〜く読みづらい作品で最初は戸惑いました。そしてひたすら長い!推理小説でこんなに長い作品を読んだのは初めてかもしれません。そしてこのシリーズの主役である鹿谷が(登場人物一覧には出てくるのに)全く登場しないのも驚き。 そんなわけで特異な文章と特異な設定で最初は読み進めていくのに苦労しましたが、小説の世界に入っていけるようになるとどんどん夢中になって読むことができました。かなりグロテスクな話なんだけど、「いけないと分かっていながら覗き見る本能」とでもいうのでしょうか、あるいは「嫌悪しつつも見てしまう人間の性(さが)」とでもいうか…目を離すことができず一気に読んでしまいましたね。推理小説といよりはホラー、しかもゴシックホラーかな。 後半、どんな展開になっていくのか楽しみです。 そして、恐らくは一番のミソである“視点”の謎についても… | ||||
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何千ものパズルを一つ一つ組み立てている。なるほど「これだけのページが必要だった」と作者が語る意味は分かる。何気ない一つのピースがあとで大きな意味を持つ。 ただし、本格推理と言えるかは疑問。一気読みしたくなることはなかった。 むしろ、とばし読みをしたかったくらいだ。 表現力があれば、もっとじっくり読ませる内容だろう。 優秀なミステリとは、最高の舞台と最高の文章が融合したものだと考える。 そこまでの文章力を磨いてほしい。 文庫の1巻だけ買って読んではいけない。次を買いたくなくなる。 買うときは全巻そろえて買いましょう。 | ||||
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綾辻の「館」シリーズの集大成。4冊で2600ページの超長編。まさに「ゴシック」と呼ぶのがふさわしい、近年稀に見る巨大構築物。 しかし、、、さすがにやりすぎだよね、これは。 まずとにかく、長い。長すぎる。しかもテンポが遅いから、延々と話が続いていく感じが読んでいてかなり苦しい。最近の綾辻らしいといえば綾辻らしいのかもしれないけど、それでもやはり読者のことを置き去りにしている感は否めない。 #それともこの作品について行けないようでは、綾辻ファンとしては失格、ということなのだろうか。 同じような「4冊組超巨編ミステリ」としては、「人狼城の恐怖」(二階堂黎人)が代表作として挙げられるが、本作品はそれとは全く違う。「人狼城」はあくまでも本格ミステリであり、息もつかせぬ展開で最後のカタルシスまで一気に読者を導いてくれたのに対し「暗黒館」は・・・。 さらに作品全体を貫く「謎」についての解決も、かなり微妙。フェアかアンフェアか。ミステリかアンチミステリか。ここでもやはり「人狼城」が見事に謎の崩壊を提示してくれたのに対し、「暗黒館」の歯切れの悪さが目立つ。 本作品、綾辻ファンとしては、読まざるを得ない作品であるのは確かです。また「館」ファンとしては、その集大成として非常に感慨深い作品になることは確かです。 それだけに、なんともアンビバレントな読後感を残してしまうのは、やはり残念ですね。 | ||||
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核心に迫ろうとすると邪魔が入る、という流れが延々続き、 視点の変わり方にも仕掛けがあるのはよくわかるのだが、 くどいぐらいな書き方に、読んでいて正直 長い!と腹立たしくなったところはある。 トリックも偶然任せというか、それあり!?と思わなくもないが、 私自身は単純に面白いとは思った。 それだけに、この無駄に長いとしか思えない展開が悔やまれる。 | ||||
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久々の館シリーズということと、本の厚さに惹かれてわくわくしながら本を開きました。 思わせぶりに登場する「江南さん」と「私」。 館の怪しげで陰鬱な雰囲気の描写は最高で、隠し部屋や特徴ある登場人物達…。 舞台環境は今までのシリーズの中でも最高ではないでしょうか? しかし、「私」の描写がまるで小野不由美さんの「屍鬼」を読んでいるような感じを受け、ダリアの祝福の話の辺りからますますその感を強めました。 謎解きというよりは、ホラーミステリーという内容です。 ただ、館シリーズを初めて読む人向きの内容ではありません。 何冊か、できれば3冊以上館シリーズを読んでから本作を読むことをお勧めします。 | ||||
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綾辻ワールド全開の世界観。あまりの濃密な雰囲気に目眩がしそうな感覚にとらわれる。 綾辻氏の世界観にどっぷり嵌りたい、という人にはお勧め。 ただ、ストーリーの割には、あまりにも分量が多い。「濃密な描写」と「テンポ良いストーリー展開」は同居し得なかったのか。初出が連載形式だったが故の結果なのかもしれないが、個人的にはこの雰囲気は凄くよかっただけに、ストーリーテリングの切れ味がいつもの綾辻氏ほどではなかったように感じられたのが残念である。 | ||||
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問題なのは、偶然が多い事です(作中にも「こんな偶然の一致が」という記述があります)。 最初からある予想はしていたのですが、それがまさか偶然に支えられているとは夢にも思いませんでした。 シリーズ全編に共通して関係する人物の登場は嬉しいのですが、あまりにも長すぎて楽しむ余裕はありませんでした。 というよりも、ミステリとしてはイマイチと思いますが、やはり雰囲気はあり読みがいは感じました。 初代当主がどうなったのかなどは誤魔化された気がしましたが、余韻は残りました。 | ||||
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ホラーと言うか、ゴシックと言うか、今までの館シリーズと比べると、少し毛色が違って感じてしまいました。どちらかと言うと囁きシリーズに近いかな。 | ||||
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推理モノファンの方ならご存じ、 本格派の綾辻氏の『館』シリーズ第8弾 今までの『館』シリーズの集大成な作品です。 (なので、せめて『十角館』と『水車館』、 ついでに『黒猫館』も読んでいた方がいいです) 今回はテイストがかなり変わっていて、 私は京極テイストを感じました。 なんだか幻想的で、 視点による不可思議な展開や 心理的な『スイッチ』とかが 京極シリーズの『狂骨の夢』を喚起したのかも。 文章としてはあんまり上手な作者さんじゃないので、 コンセプトはとても面白いのに 何だか書き切れていないような、 それなのに無駄な重複感が残念です。 作中の「私」とは誰なのか?が、 私にとって最大の『にやり』でした。 今までの『館』シリーズ、 正統派本格推理とはちょっとテイストが違います。 今回は謎解き云々より、読みにくさを耐え抜く根性が必要になりますね。 | ||||
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待ちに待っていたのにな、という読後感は否めない。ただしほぼ十年ぶりに読むアヤツジ なので、読んでる自分の変化も考えなければ、とか思ったり。 館シリーズである必要性が感じられない。なんかこう、理詰めの感じがいいのになあ、 十角館やら迷路館やらのときみたいにびっくりさせてよ、みたいなフラストレーションが残る。 このがっかり感は「人形館」に続くワースト2と言えますな。 これだけ長い理由も謎。さんざんおどろおどろしさに耐えつつ待ったのに・・・ もったいつけられた割にはしょぼい結末。私は本格推理小説が読みたかったのですよー。 こんな雰囲気の話ではらはらしたいんだったら、山田風太郎でも読んだ方がよっぽどいい時間 つぶしになります。 私は彼の似てる作品には「霧越邸殺人事件」を思い出しましたね。 尤も向こうの方ができがいいと思いますけど。 とまあ、さんざんけなしてしまいましたが、今までの館シリーズを制覇してきたアヤツジストのみなさまには、 それでも必読の書、と言えるのではないかと(おい)。暗黒館は、今まで館シリーズを読んで きた方だけに意味のある趣向がいろいろ凝らされております。 綾辻ファンを名乗り続けるための一冊ということになりましょうか。 他の館シリーズをお読みでない方は、★をもう一つ減らしてください。 | ||||
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館シリーズの集大成とも言える長編で、原点ともいえます。館シリーズ特有のからくり趣味は健在なのですが、むしろ本作では話に重点が置かれ、作者が館シリーズを通して表現しようとしている世界観が全面に押し出されているように感じます。ホラー映画のような雰囲気の舞台と登場人物。読者を混乱させる叙述。推理を楽しむというよりは、話の世界観に酔うといった楽しみです。(本格推理を期待して読むと肩透かしかもしれません)館ファン必読の一冊!(逆にシリーズのファンでないと楽しめないような;) | ||||
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期待せずに読み始めてすごい驚愕を得た時計館に比べ、期待しすぎてしまったので残念。面白いには面白いと思うが、あまり考えすぎないように。 | ||||
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「囁き」シリーズや「館」では異色の「人形館の殺人」に近い雰囲気ですね。以前からミステリとホラーの融合を目指しているような気はしていたのですが、やはり、ある意味中途半端な印象は拭えません。この作風なら「囁き」シリーズとして出して欲しかったです。もちろん「館」シリーズ特有のパズラー的要素はかなりありますが、それと同じくらいオカルト嗜好。そして、文章の構成が「囁き」シリーズや「最後の記憶」に近いです。作品の完成度は低くないのですが、「館」シリーズでは今まで同様に、”人知を超えた悪意”のようなものよりも”被害者や犯人の心理”の部分をもっとしっかり描きこんで欲しかったです。首を長くして「館」シリーズを待っていたのでショックです。次回作に期待・・・は、最早できないんでしょうね。この展開では。 | ||||
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やはり読み終えて感じるのはちょっと長すぎたかな・・・ってとこです。内容としては最後の締めくくりといい私としてはスッキリできて良かったのですが、随所に見られる「視点」の変化にはちょっとついていきにくかったです。まあ、この点は「殺人鬼」と似ているかなって思ったりもします。時間的に余裕のある方はぜひどうぞっ | ||||
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本当に待望の綾辻作品!!読ませて頂きましたとも。が、何故かしっくりこない。過去・現在入り乱れて複雑で難解。でも、正直ちょっと悲しかったです、綾辻さんの勢いが感じられませんでした。トリックも人間性も・・。期待していました。期待していただけに本当に悲しゅう御座いました。次回作、何年後になるのかな?期待して待つ! | ||||
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読み切りの推理小説として読むには、ちょっと辛い作品だと思います。 このシリーズを知らなければ、ピンと来ないです。 「視点」の移動は、すんなりと受け入れ難かったですし、展開がゆっくりとしているので、読んでいて中だるみしてしまいました。 推理小説として楽しめたか、と言えば必ずしもそうではありません。 ですが、館シリーズを通して読み、謎に包まれた「彼」の人となりに興味を抱いていた私にとっては、結果的には楽しめるお話でした。 水車館や人形館が、作品の雰囲気的に似ていたかなぁ、と思います。 | ||||
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トリックうんぬんと言う前に、まず、本格の雰囲気を出そうとするあまり、登場人物があまりにも非現実的。一々怪しい人物や雰囲気を作ろうとするのはわかるが、登場人物が、わざわざあらゆることに対して講釈たれたり、危ない想像したりと本当にわざとらしい。そもそも、読者は、これから事件が起こると思うので、その準備をしながら読むのは当然とおもうが、登場人物まで、「何か起こる」という様に行動するのはおかしい。確かに、「本格」のイメージはあるような気がするが、一々登場人物の考えや妄想を活字として読まされるのは苦痛でしかない。 | ||||
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いやぁ、本当に出たんですね『暗黒館』……などという感慨に耽りつつ、早速頁を捲ります。先ず引っ掛かったのは、その大仰な言葉使い。クラシカルというか、オールドスクールというか――ノスタルジーさえ喚起させる様な。ちょっと辛く感じる人も中にはいらっしゃるかもしれません。然し、綾辻作品、特に「館」シリーズのこれは特質とも言えるかもしれないし、また作者のおそらく意図的なものであるかも――ならば、その目論見に読者として乗って行こうと思った瞬間から、スッと力が抜けて楽に読み進められるように。「嵐の山荘」「密室」「連続殺人」。来ましたねぇ。大枠の仕掛けに関しては――多分、看破するのは難しくないと思います。そしてもう一つの重要なテーゼについても、判る人には判るでしょう、という感じです。綾辻さん本人言うところの、「ミステリ作家綾辻の存在証明」と呼ぶには相応しい内容であると思います。『霧越邸』に少し、トーンが似ているかもしれません。 | ||||
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著者が身を削って書き上げたものに対し、ほんの数日で読んだ私が言うのは大変失礼と思うのだが、発言が許されるのなら、入れ込み過ぎて空回りしてしまった感じがした。もちろん、傑作ぞろいの館シリーズのそのどれもが高レベルだから、自然と期待感は膨らんでしまい、評価の対象が高くなってしまうのだが。 例えば、湖上の孤島に4つの館は必要なのだろうか。TVゲームをやっているような感がする次々と出現する扉や、登場人物の秘密は、推理小説におけるフェアーさを欠いているのでは、などと思ってしまった。(双子姉妹をもっと掘り下げて欲しかった) 否、推理小説ではなく、ファンタジーとして読むと納得がいくのだが、館=珠玉の推理小説傑作集と言う構図が出来てしまっている私の頭には、本書が物足りなかったのも事実である。 しかし落胆してはいけない。本書によって新しい読者を開拓出来るだろうし、とにかく力のこもった読者必読の書には間違いない。 次作にも期待しています。 | ||||
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