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下山事件 最後の証言
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下山事件 最後の証言の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全88件 41~60 3/5ページ
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戦後の不可解な事件の一つの下山事件。 本書は関係者の孫が著作するスタイルです。 GHQ・CIA・G2・CIC・731部隊・戦後の右翼・鉄道弘済会などが登場する複雑さです。 しかし、著者が他殺説にこだわり袋小路に迷い込んだような著作です。 以下疑問点。 1他殺説としての死後轢断と鑑定したのは東大法医学の古畑氏です。古畑氏の鑑定に問題が多いのは有名です。証拠の捏造が疑われているケースまであります。冤罪事件を生み出す鑑定までした疑いもあります。 2三越などで多数の下山目撃証言がありますが偽証だ、警察による偽証強要だとの記述もあります。一人や二人ならば考えられますが多数の人間に偽証させられるでしょうか。 3下山氏の替え玉を準備したとありますが荒唐無稽です。似ている人間を探すのは大変です。探せても当人が承諾するとは限りません。時の人である有名人下山氏を見間違うとは思えません。 4血液を抜いて現場まで運搬して列車に轢かせるなんて非現実的です。自殺に見せかける他殺ならばもっと簡単な方法がいくらでもあります。 5下山油や身体の傷は自殺のためらい傷の可能性があります。油をかぶって死のうとしたが失敗し喫煙具を無くしたのかもしれません。 6他殺説通りだと463ページにある通り100名以上の人間が関与していますが彼らが秘密を守り通したとは信じられません。 7当時絶大な権力を保持していたGHQなどの組織が下山氏が邪魔ならば、くびにすれば済む話で、多数の人間を動員して殺すメリットが彼らにはあるでしょうか。 本書の中盤からは他殺論の立場で延べられる陰謀論や当時の時代背景解説などです。 そもそも自殺だった、つまり、生体轢断の鑑定が正しかったら、本書の意義はあるのでしょうか。 | ||||
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うーん。。。矢板インタビューは超面白かったけど下山本としては正直微妙でした。 矢板氏にあと2,3回インタビューしてほしかったな それの裏取った(超難しいけど)らとても面白い作品になったと思うので残念でした。 しかし森達也氏の捏造を指摘し「事実捻じ曲げてしまった人」と断罪し、「事実を捻じ曲げる過程を見たような気がした」というのは大いに同意してしまいました。 しかし著者が黒幕だと断罪したX某氏について、著者はなんの根拠もなく著者の推測の推測の推測の推測・・・の結果という感じなので、「おいおい、事実を捻じ曲げる過程を見たぞw」と突っ込んじゃいましたw あと、他殺説の法医学的な根拠となっている「生活反応がないことから死後轢死」の古畑教授の鑑定についてですが、古畑教授という人は冤罪事件4件生み出した誤鑑定ばかりしてるいわくつきな人だということは別の下山本にも出てくるし事実でもあるので著者が知らないわけないと思うのですが、あえて明記していないところに著者が森達也氏に対して断罪した「仮説に誘導とする意図」と同様のものを感じてしまったので残念でした。 こういう類の本は、納得させてほしいと思い、納得させられると「面白い本だな、凄い本だな。」、と思います。 肝心のところで憶測の憶測の憶測の・・・みたいなお話だとちときついな、というのが正直な感想ですが、もう年月が経ちすぎていて難しいんだろうな、と思いました。 | ||||
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この本は凄いです 戦後のどさくさの日本の様子が良くわかりました。 | ||||
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矢板玄、この人の名前はよく憶えておくべきでしょうね。 登場人物が多いので、自分でよく整理せなあきません。 でも最後まで読ませます。 | ||||
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戦後のいわゆる国鉄三大ミステリー事件の一つと言われるこの事件に、実は作者の祖父が関係していた? その真実を究明すべく、取材を重ねていく。フィクションという形を取りながら、実は限りなくノンフィクションに近い小説である。作者のその緻密な検証には定評がある。 興味深いのは、当時のいわゆる国鉄利権の構造は、そのまま現在の電力会社の利権構造とほとんど同じだということだ。戦後の電力会社分割に絡む利権をたどれば、おそらく深い闇に踏み込んで行くことになるだろう。 日本の政官財利権は、明治の国策会社の払い下げや、戦前の満州利権の時代、そして今日の利権に至るまで、様々な人間を巻き込みながら、脈々と生きている。 そう、利権はいつも闇の中。 さて、作者の出した「下山事件」の結論は、、、是非本書を読んでください。 | ||||
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ジャーナリストとして、作家として緻密な取材と現実的な結果を推察しています。まさに完全版ではと思いました。この書籍の参考資料も併読すると現在の政権の動きや未来予想もできるかなとおもいました。 | ||||
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事件に取り組むきっかけになった出来事から十年以上の時間をかけて、膨大な資料や、新しい証言を基に、これ程の大著を書き上げた著者の胆力には頭が下がる。 自分を持ち上げるような描写が散見され若干鼻につくし、構成があまり上手くなく、当時の社会情勢、事件の検証、証言等がランダムに書かれていて読者を混乱させるきらいはあるものの、これまで定説とされてきた「GHQ主謀説」とは違う観点の仮説を打ち出したという点も、素直に評価したい。 占領下の日本で、権力者や支配者たちがどのような思惑で行動していたのかを知り、時代の雰囲気を感じる事が出来るという意味でも、大変興味深い作品になっている。 吉田茂主謀説や三菱の関与などは、なるほどと思わされる。ただ、GHQが仲の良い下山総裁を殺すはずがないとしているが、政財界にも知人の多い有名人を同じ日本人である吉田茂が殺す事を自然に受け入れている部分は、少し首肯しかねるか。 しかし本書で最も納得出来ないのは、他の方も書かれているが、事件の結論をはっきりと示していない点。 ハードカバーで400頁以上読まされて最後の最後、随所で見られるやや気取った体の文章で書かれた結論は、曖昧で分かりにくく(少なくとも下山事件初級者の自分には)、これには軽い憤りを覚えた。 事件の性質上「真実は分からない」でも仕方がないとは思うが、著者は「ほぼその全容を解明できたと確信している」(p.430)と書いている。それなのにだ。 ここに関しては、同じく推論ながらも結論を明確に述べている松本清張の「日本の黒い霧」の方が遥かに潔い。 殺害の実行犯や、下山総裁の替え玉の名前を知りながらもそれを明かさないという姿勢も、釈然としない。 部品のひとつひとつは精巧なのだが、それらを組み上げるための設計図が無いため未完成に終わっているのに、製作者は完成品だと自負している。 情報量の多さと密度の濃さは頭抜けているだけに、そのような読後感を拭い去れなかった事が、残念でならない。 | ||||
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友達に聞いて読んで見ました。江戸時代の日本橋について調べていたのですが、地下通路があるという記述が興味深いです。 | ||||
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下山総裁の殺害事件を、多くの資料と壮大な視野から探った本である。 たくさんの人物が登場するが、索引と人物相関図は是非必要と感じました。 事件の中で登場したのは、国鉄民主化同盟の数人もそうであった。京都大学を出て重臣のカバンもちをした経歴があり、大陸にもいたことがある児玉直三は、次期総裁との連絡役でもあった。総裁の替え玉に似た人物と鉄道の中で目撃された森田という人物は、事件の日に大金を手にしたが、その後人工的な細菌に感染し死にそうになった。総裁が宿泊した、連れ込み旅館の経営者は、事件のあとで急に羽振りが良くなった。このような材料が出されているが、それについての推理は深くされていない。その辺を松本清張が生きていたらどう推理するのかと思う。 最近発行の、別人の書いた、白州次郎の嘘と言う本では警察上層部の方針が分裂し、左翼の大量逮捕にブレーキがかけられ、自殺とすることで、真犯人追及をさせなかったという説が出ていた。多くの鉄道事件が起こることにより、警察の体制が分散し捜査が弱体化したように感じられた。作者には、もう一度決定版を書いて欲しいと思った。 | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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他殺を無理やり自殺説を出したり変な事件ですね。 何冊か読みましたが、一番真相に近いと思います。 | ||||
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元もとこの事件にあまり関心は無かった上に、こちらのレビューの批判的な文章も読んだ上なので、特に期待もせずに読んでみたら、予想した以上に面白かった、という感想です。 (それならなぜ読もうと思ったかと言いますと、一種の懐古趣味です。この本に鈴木金属という会社が登場するらしいと知って、少し関心を持ちました。その昔、鈴木金属の工場の近くに住んでいたので。) 実は松本清張氏の「日本の黒い霧」(の「上」だけ)も読みました。その理由も同様で、その昔の最寄駅だった赤羽駅の周辺のことが描かれているらしいと知ったためです。もっとも清張氏は「北区のある場所」とか「ある駅」と言うのみで、赤羽駅と明示していません。米軍に遠慮したのでしょうかね。 清張氏の本に「人が入れる大きさの四角いオイルカン」という推定が書かれていますが、「それほどの大きさで四角い缶なんてあるのかな?」と思いました。そういう缶は、鉄板を相当厚くしないと強度を維持できないはずなので、コストから考えても現実的ではない、と感じました。 その点、柴田氏の本では「ドラムカンを縦に二分したもの」という推定と、その実例も描かれていて、この点は「柴田氏の勝ち」だと思いました。(40年以上の時間差があるのでフェアな勝負ではないかもしれませんが。) 矢板氏の口を通して描かれる形のキャノンの人物像が生き生きと(?)していて面白かったです。 と同時に、柴田氏が「私が知る限りで、矢板玄ほど人を魅了する術に長けた人物はいない」と書いている通りに、矢板氏の人物像も伝わってきます。 この本によると、キャノンはガダルカナル島攻防戦のアメリカ側の指揮官だったとのことで、そうだとすると、「シン・レッド・ライン」という映画でニック・ノルティ氏が演じた人物のモデルなのでしょうかね。映画では実際よりかなり高齢に描かれていたようです。 八重子さんが夫と別れた理由を「ここで書くべきことではない」と書いていますが、その少し前で、簡単に ですが、書いていますよね… で、結論としては、私の理解では、政権与党や右翼の収入源だった国鉄を改革し、与党の汚職も公表しようとしたらしい下山氏を、与党と彼らを支持するCIA・右翼が共謀して排除した、ということのようです。 まあ、そうかもしれないし、そうでないのかもしれません… で、鈴木金属は、柴田氏の考えでは、マスコミや警察をミスリードするためのおとりで、実際の犯行現場は綾瀬駅近くにあった亜細亜産業の工場内らしいと… 熊井啓監督の映画では、(名前は変えてありますが)ピアノ線を作っている会社が、胡散臭い場所として登場するようです。 その後、「日本の黒い霧」の「下」を読み始めたら、最初がダイヤモンドの話で、柴田氏の本のダイヤの話の背景がよくわかる気がしました。 柴田氏の本では、矢板氏がダイヤを埋めたのは戦後の話ですが、清張氏の本では「海軍が二万カラット以上のダイヤを、昭和19年に、那須地方のある個人宅に埋めたことがある。…黒磯事件と呼ばれた」とあります。一応別の話なのでしょうかね。 →どうやら全く別のできごとのようでした。 | ||||
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ホントに? と眉唾ながらも、面白く読みました。 史実に残らないことっていっぱいあるんだろうなぁ。 浦沢直樹の『BILLY BAT』なんかは、こういう本を読んでから読むともっと面白いと思う。 | ||||
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私が生まれる前のことなので、内容としても興味があったので面白かった。ただ、少し難しいかも。 | ||||
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完全版しか読んでいないゆえ、十分楽しめました。 近親者からスタートし、展開して行くノンフィクションはこれまでにも多々あり、珍しくはないが、が日本現代史重大事件ということになると、生存者もいるし、なおかつ以前極秘にされていることも実際に多く、かなり困難な作業だったことは容易に想像がつく。 その分、記憶の曖昧さや、歪みもあるだろう。 それを立ち止まり立ち止まり、解きほぐし、悩み、追求していく姿勢は共感が持てる。 GHQ、政治家、CIA、左翼、国鉄、右翼、財閥、それらが実名で登場するノンフィクションならではの醍醐味はじゅうぶんにあじわえる。 しかし、歴史というのは怖いものだ。 ほんの最近のことでさえ、隠蔽され、歪められ、真実を見えなくする。 そしてその上に また歴史が積み重ねられて行くのだから、ディスクロージャーや政治への監視、ジャーナリズムの適正な機能の重要性を痛感せずにはいられない。 | ||||
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早く、気持ち良い対応でした。これからも機会があればよろしくお願いします。 | ||||
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下山総裁は、他殺か自殺か。 いままでの研究史を踏まえれば、100パーセント発作的自殺と断言できます。 発作的自殺説の決定版は佐藤一『下山事件全研究』です。 このレビューをご覧の方々、あるいはこの柴田哲孝氏の本に書いてあることが事実だと思われた方々が、佐藤一『下山事件全研究』をお読みになれば、発作的自殺説が正しいことを、おそらく99パーセント程度の方はご納得いただけるのではないかと思います。 佐藤さんは松川事件の被告として逮捕・起訴され、14年間の法廷闘争の末に無罪判決を勝ち取った人物であり、完璧な左翼の方です。松川事件と同時期に起きた下山事件も、GHQあるいは日本政府による他殺と当初は考え、「下山事件研究会」の事務を引き受けたわけですが、調査を進めるとどう考えても発作的自殺説しかありえないという結論に至ります。 他殺の根拠とされた物証について、地道な調査に基づいてほぼ完ぺきな反論に成功しております。 占領史研究会という、占領期を研究する左翼歴史家の大きな研究者グループがありますが、この研究者グループも、佐藤一氏の説がまったく正しいと結論付けております。 なんでもかんでもGHQ・保守政権が悪かったと言いたい左翼の研究者グループですら、佐藤説を支持しているほど、発作的自殺説は強力です。 もともと他殺説が世間に広まったのは、松本清張氏の著作によるものですが、これはGHQの文書を、英語もあまり読めないのに都合よく解釈するなどとんでもない作品です。 私は松本清張氏は嫌いではないですが、下山事件他殺説という荒唐無稽な説を広げた罪は否定できません。 多くの方々が、佐藤一『下山事件全研究』をご存じない中で、国民的作家である松本氏の主張が国民に浸透してしまったことは残念です。 さて柴田哲孝氏のこの本ですが、フィクションの読み物としては面白くできていると思います。その点は、松本清張氏と同じです。 柴田氏は賢明な方だと思いますので、下山総裁が発作的自殺であることは百もご承知だと推測します。 しかし、下山総裁が発作的自殺説だという事実を本にしても、本が売れないですから(そもそも出版すらできないですから)、他殺説をもっともらしく見せるあの手この手を使って見事なフィクションをお書きです。 日本推理作家協会にご所属の優秀な推理小説作家柴田氏ですからその点はよくできています。 柴田氏の、人を楽しませようとするサーピス精神を美徳として評価し(勿論皮肉の意味ですが)、星5つにいたします。 | ||||
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『下山事件 最後の証言』(柴田哲孝著、祥伝社文庫)は、下山事件に関心を持つ者にとっては、見逃すことのできない一冊である。なぜなら、「GHQ(占領軍総司令部)の特務機関員だった私の祖父が、この事件の実行犯だ」と主張する著者・柴田が、事件の真相に迫った型破りのドキュメントだからである。 この作品と松本清張の「下山国鉄総裁謀殺論」(松本清張著、文春文庫『日本の黒い霧』<上巻>所収)を併読することによって、さらに知的好奇心を満足させることができるだろう。清張は、敢えて小説の形はとらずに、事実の部分と推理の部分とを書き分けた、と述べている。この戦後のアメリカ占領下に起きた怪死事件の裏に蠢く大きな謀略に肉薄しようとする清張の執念たるや凄まじい。 | ||||
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「謀殺下山事件」の映画を見たのは昭和56年の秋だった。長期出張先の長崎県大村市の場末の映画館だった。別にこの映画を見たかったわけではなかった。ただ暇な日曜の午後を潰そうとしただけだった。 そもそも昭和24年に起きた下山事件なんて知らなかったし、この映画しかやってなかったから見たにすぎない。 しかし映画そのものは非常に面白かった。というか、フィクションなのかノンフィクションなのかよく分からない展開で、多分そのときはフィクションだと感じていた。だがフィクションにしては内容が重すぎる気がしていた。まあ、そのまま現在に至ったわけだが。 で、先日テレビを見ていたらこの本の著者が出ていて、犯人は分かっているが今は言えないということを言っていた。この話を聞いて急にこの本が読みたくなってアマゾンで買って読んだわけだ。 著者は犯行の首謀者の名前をはっきりとは明かしてはいないが、結局著者が言いたかったのは、犯行の首謀者はときの○○国鉄副総裁かのちの総理大臣である△△ではないかということだ。 まあ今となっては二人とも亡くなっているし、まわりの関係者もこの世にほとんど生きていない。真相は結局闇の中だろう。 ところで、この映画だが、また見たくなってアマゾンで検索したら現在発売されていないのは勿論のこと、中古に数万円の値がついているのに驚いた。この作品は多くの人に見てもらいたいものだ。この作品が再発売されないのはそれこそこの事件を今更表沙汰にしたくない誰かの謀略ではないだろうか。 | ||||
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医学生時代、法医学の講義の中で、下山事件について、こんな趣旨の話を聞いた事が有る。下山総裁の死体に生活反応が有ったのか、無かったのか、即ち、下山総裁の轢断は死後轢断だったのか否かを鑑定したのは大学院生であった。そして、その大学院生の鑑定の為に、「下山事件」はこんなミステリーに成った、と言ふのである。即ち、下山事件における下山総裁の死体の鑑定は、未熟な大学院生がした物だった事を示唆する逸話を聞いたのであるが、その逸話を語った私の大学の法医学の講師(当時)は、決してはっきりとは言はなかったが、下山事件における法医鑑定は信頼の置けない物だった、と考えて居るのだと、学生であった私は受け止めた。その講師は、その話をなかばオフレコの裏話の様にその話をしたのだったが、その影響が有ったのだろう。私は、永い間、下山事件について、何を信じていいのか分からず、書店に並ぶ下山事件関係の本にも手を伸ばさずに暮らして来た。(ちなみに、当時の私の大学の法医学教授は、慶応系の法学者であった)従って、私は、下山事件に関する知識は極めて浅い。松本清張の著作も読んで居ないし、その他の本も読んで居ない。そんな知識の浅い人間の感想として、以下を読んで欲しい。 ここに書かれた書評(レビュー)を読むと、本書の著者の手法には、色々問題が有る様である。即ち、過去に書いた事との整合性や、事件に関する著者個人の分析などには、色々問題は有るのかも知れない。その点について、予備知識が乏しい私は、あえて論評はしない。しかし、それでも、著者の祖父が、下山事件に関はった当事者であったらしい事は、余りにも重要な事ではないか。そして、関係者の大部分が既にこの世を去った時点で、ここまで当事者に近い所からの証言を発掘した事の意義は矢張り、余りにも大きいと、私は思ふ。 『ビリー・バット』を読む前に、この本を読む事を、若い人々にお薦めする。 (西岡昌紀・内科医(下山事件初心者)) | ||||
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