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時の渚
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時の渚の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 1~20 1/2ページ
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死が目前に迫った老人から生き別れになった息子を探し出すことを依頼された主人公の捜索を中心に物語が進みます。 この手の小説では途中で新たな謎が生まれたり、邪魔をする者が現れたりするものです。ところがこの作品ではそうした要素がなく、むしろ次々に協力者が重要な情報を与えてくれます。 あまりにも順調に話が流れていくと、かえって邪推するものです。200頁を過ぎたあたりで何げなく帯を見ると「家族の絆とは何か?大どんでん返しの末の衝撃のラスト」と書いてあります。そこで「ああ、最後はああなるのだろう」と思いながら読み進めました。 すると案の定でした。 | ||||
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私立探偵が老人の依頼を受け35年前に手放した子供の行方を調べる。老人は当時妻を出産で亡くし、頭にきて医者を殴り、生まれたばかりの子供を持って病院を飛び出す。公園のベンチでしょんぼりしているところをたまたま通りかかった女性が話しかけてきて子供をくれという。女性は先月死産したばかりだった。都合よすぎるが、まあそういう女性と公園ででくわすこともあるだろう(偶然その1)。女性には事情があり奇しくも隣家にいた臨月の女性と戸籍交換する。まあ事情が重なる人がすぐ近くにいることもあるだろう(偶然その2)。 探偵の行く先々に親切な人がいて、うさんくさい探偵にペラペラ喋って協力してくれる。まあそういう人も世の中にはいる(偶然その3)。積極的に協力して戸籍をとってくれたり、それをファックスしてくれたりもする。しかも、だいぶ昔のことなのに、細かいことまでよく覚えている。まあ世の中には昔のことを鮮明に覚えている人もいる(偶然その4)。次につながる糸口が見つかり、探偵はそれを辿っていく。 一方、探偵は3年前に妻子をクルマで轢き殺されていて、現在起きている連続殺人事件の犯人と同一人物であることがわかる(偶然その4)。その犯人は、なんと老人の探している息子と同一人物である。のちに違うことがわかるが深く関係している(偶然その5)。極めつきは、探偵その人が実は取り違えられた赤ん坊で、その相手が犯人の親だったということ(偶然その6)。まあ最初に探偵が35歳だということが書かれているから、何かあると思わせているんだけど。 人の縁は本人の知らないところでいろんな人とつながっている。仏教小説として読むと滋味深い。そういう期待をしないで読んでいたから、そういう意味でどんでん返しである。 | ||||
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元刑事で、今はしがない私立探偵である茜沢圭は、末期癌に冒された老人から、35年前に生き別れになった息子を捜し出すよう依頼される。茜沢は息子の消息を辿る中で、自分の家族を奪った轢き逃げ事件との関連を見出す…。「家族の絆」とは何か、を問う第18回サントリーミステリー大賞&読者賞ダブル受賞作品。 | ||||
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笹本氏のファンです。山岳小説、警察もの色々読んでおりますが、これもとても感動しました。何より登場人物がみな温かい。つらい現実ではありますが、読後感はすがすがしさがあります。皆さんに読んでほしいと思いました。 | ||||
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元刑事の探偵が、余命短い元ヤクザの人探しの依頼を受け、ストーリーが展開される。複雑に絡み合う探し人の過去の因縁もあって、ストーリーはとても面白い。 また、ミステリー作品ながら、ハードボイルド的な色彩も混じっていて、一気読みさせられた。 終盤は衝撃的な展開となるが、偶然が多すぎる展開には、いくらフィクションと言えどもこれには無理がある、と感じたのが唯一残念な点であった。 | ||||
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こんな 過酷な運命はあり得ない....と思いながら、最終章では泣いてしまった。ヤクザの依頼者が泣かせます。 カバー下に 本作の英語 タイトルが書かれていて、こちらが似つかわしい。 | ||||
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なんとなくタイトルに惹かれて読み始めましたが、どんどん引き込まれて行き最後まで一気に読みました。ストーリーは他の方が書いておられるので詳しくは書きませんが、暗い内容なのになぜか心が洗われるような気がする作品です。読んで損はないと思います。 | ||||
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そこまで運命が絡まるものか?大変参考になり、面白かった。 探偵の父親の心情が思いやられる。 | ||||
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第七章からが来る。 目に来る鼻に来る。 ティッシュ無くして読み進められない。 図書館で借りて読んだが、手元に置いておきたいので中古で買うことにした。 余命いくばくもない老やくざの松浦、泣かせてくれるぜ | ||||
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商品は丁寧に梱包され無事期間内に受領しました。 以前から笹本氏のファンですが、この本も見ごたえがありました。 | ||||
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「息子を捜して欲しい。」元刑事で今は私立探偵の茜沢は、 死期が近い老人から、35年前に生き別れた息子の捜索を依頼された。 茜沢は3年前に妻と息子をひき逃げにより亡くしており、 犯人は分かっていなかったが、捜索の依頼と時同じくして、 同じ犯人が別の事件を起こしたとの連絡を受ける。 2つの事件を追ううちに、茜沢と事件の因果が明らかになっていく。 | ||||
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もと刑事の私立探偵茜沢は、末期がんでホスピスに入院しているもと暴力団員の老人から、若いときに見知らぬ他人に託した息子を捜し出してほしいという依頼をうける。 ちょうどそのとき、刑事時代の同僚から、茜沢が刑事をやめるきっかけになった事件の犯人の遺留物と、最近起こった殺人事件の遺留物のDNAが一致したという連絡をうけ、捜査に協力をすることにします。 息子捜しのの依頼の調査を進めながら、殺人事件の容疑者を見張るうち、次第に過去が明らかになり、最終的には衝撃の事実が。 なかなかよくプロットが練られていて、読んでいて何度か予想が裏切られました。 あれ、これで終わりじゃないのと思うと、最後に衝撃の事実が明らかになります。 ちょっと最後が冗長かなと思わないでもなかったので、星4つとしましたが、大変おもしろい作品でした。 おすすめです。 | ||||
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登場人物の描写がきっちりとしていて、とても読みやすいです。 早々から「結論が見えているな」、と思いながら読み進めていきましたが 最後にびっくりする事実が隠されていました。 | ||||
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すごい結末だ。 思わず「えっ!?」って声が出てしまった。 そして泣いた… 是非、読んでもらいたい一冊だ。 | ||||
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日本では数少ない、本格的な冒険小説の書き手である笹本稜平氏 のデビュー作である。しかし、読み始めてほんの数10ページで、先の 展開がなんとなく読めてしまう。 後はどんな味付けで楽しませてくれるか、なのだが、それにしても、 元刑事で、過去に傷を持つ私立探偵が人探しをするという、手垢に まみれたパターンである。どうなることやらと思って読み進めたが、 終盤ではそれなりの感動が待っていた。 ただ、あまりにも都合の良い設定というか、偶然の要素が多すぎる のが気になった。 臆面も無くこのような話が書ける所が、後に『天空への回廊 (光文社文庫)』や 『太平洋の薔薇 (上) (光文社文庫)』といった優れたエンターテイメント大作を ものにする下地になったのかも知れない。 | ||||
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末期ガンの老人から元刑事の探偵に依頼があった。 「生まれてすぐに生き別れた息子に会いたい」 手がかりは殆どない。35年も前のことだ。 そして依頼を請けた探偵には酷い過去があった。 二転三転するストリー。 父と子、母と子。 家族とは何なのか、家族の絆とは。 途中、冗長で懲りすぎの箇所もあるけど、 老人は35年ぶりに息子と会うことができるのか。 終章、大きな感動が待っている。 | ||||
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面白かったのでそのまま一気に読んでしまいました。文章もそんなに難しくないから読みやすい作品です。最後はすこし泣いてしまいました。小説の中でも犯人はかなり特定されて、呼んでいても怪しいのはその犯人だけども、その犯人に至るまでの過程とか環境とかがなかなか複雑でたどり着かなくて、でも飽きずに面白く読めました。 | ||||
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「太平洋の薔薇」で第6回大藪晴彦賞を受賞した作者のデビュー作。本作では、第18回サントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞した。作品の最初の数10ページで、ある程度作品の骨格は見えてしまう。しかしながら、「謎」はそれだけに終わらない。最初で見切りをつけることなく読み進めて頂きたい。「太平洋の薔薇」のレビューにも書いたが、この作者は登場人物の造型がうまい。主人公をはじめとして登場人物のそれぞれが個性を発揮し、作品に活気を与えている。「太平洋の薔薇」で、この作者と出会い、デビュー作の本作を手にしたわけだが、「感動の大作」とまではいかないまでも、ミステリーとして十分に満足できる作品であった。発表当時は残念ながらあまり話題にならなかった作品であるが、これは掘り出し物である。文庫化・大藪晴彦賞を機に多くの方の目に触れてもらいたい作品である。 | ||||
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笹本稜平の人捜しハードボイルド。やや過大評価かも知れないが、終盤に味わった痛みは大きい。それが本作の余韻を更に大きくする。大どんでん返しだね。それとともに、残っていた謎もなつなるわけか。 ふと、老人から私立探偵の茜沢圭は「息子を捜して欲しいんだよ」と持ちかけられる。松浦と名乗った老人は死期が近い。感情が映った茜沢は無償で探し始める。まず見つけるのが、息子を託した35年前のユキと名乗る女性。それが、刑事時代の友人の真田の追う女子高生殺人事件の容疑者、駒井繋がっていく。駒井は、茜沢の妻子をひき逃げした容疑者でもあった。そして、放火事件も。 繋がり方が、ラストから見ると酷だな。逆に。ユキこと、幸恵という女性にも注目が集まるがなんと言っても目を離せないのが駒井。中盤から、西尾という男とともに駒井と接触しようと試みる。 駒井とは一体なんなのか。駒井は何故多くの人を殺すのか。裏にある事情という事情。酷なほどに待ち受けているラストに、淡々と近づいているのだなと読み終えて気付く。 親子の絆、血縁関係というのが本作の重要なテーマであることも、読み終えて初めて大きく実感できる。話自体は面白いのでそれなりに読み進めるのだが。第七章と終章が圧巻。茜沢がたどり着いた真実は酷だったのだろうか。良だったのだろうか。両方だろうか。 少なからず、幸恵の存在と松浦の願望は実際言うと叶う。それはそこまで酷でもないし、ラストも別に感じが悪いわけではない。何とも言えないのは、そのあとだから。 酷く本作に感情移入してしまったので過大評価したかもしれない。第七章と終章なしでは本作は終われないだろうな。とともに、何とも言えないので続編が読みやいものだが、それは贅沢かな。巻末解説を見ると笹本稜平と言う作家の本随がここにあるわけではないようだ。と言ってもこれは笹本稜平という作家。違った長所なのだろうな。他の作も楽しみ。 | ||||
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本書は、1983年の第1回を皮切りに始まったサントリーミステリー大賞の第18回大賞、読者賞をダブル受賞した作品に若干の加筆をしたものである。系統は、人探しハードボイルド人情系といった感じ。 内容は、ある事件の容疑者に妻子を車で跳ねれられ殺された刑事・茜沢はその捜査から外される。われを忘れた茜沢は上司の制止も振りきり、辞表を叩き付け歯牙ない探偵稼業へ。そこに、かつての上司の紹介で余命少ない老人・松浦から人探しを依頼される。その人とは、35年前に生後間もなく見ず知らずの女性に託したわが子。松浦のかすかな記憶の中の糸を頼りに人探しを開始する。一方、かつての上司・真田からある事件に茜沢の妻子を跳ねた容疑者・駒井が関係しているかもしれないことを告げられ、人探しと!平行して駒井の周辺も探りはじめる。そして茜沢が追っている二つの獲物が微妙に関係していることが分ってくる。そして、その獲物は次第に重なりはじめる‥‥。 大賞・読者賞のダブル受賞をした作品だけあって、2転3転と思惑を裏切るところはさすがだ。表紙に書いてある「THICKER THAN BLOOD」が意味する通り、血縁関係が本書のカギを握る。アクションシーン満載のハリウッド映画を観ているようで、最後はお腹いっぱいで食べ過ぎになるかもしれないが、読了感は清清しい秀作である。 | ||||
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