■スポンサードリンク


時の渚



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
時の渚
時の渚 (文春文庫)

時の渚の評価: 4.23/5点 レビュー 22件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.23pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(1pt)

仏教小説として読むと滋味深い

私立探偵が老人の依頼を受け35年前に手放した子供の行方を調べる。老人は当時妻を出産で亡くし、頭にきて医者を殴り、生まれたばかりの子供を持って病院を飛び出す。公園のベンチでしょんぼりしているところをたまたま通りかかった女性が話しかけてきて子供をくれという。女性は先月死産したばかりだった。都合よすぎるが、まあそういう女性と公園ででくわすこともあるだろう(偶然その1)。女性には事情があり奇しくも隣家にいた臨月の女性と戸籍交換する。まあ事情が重なる人がすぐ近くにいることもあるだろう(偶然その2)。
探偵の行く先々に親切な人がいて、うさんくさい探偵にペラペラ喋って協力してくれる。まあそういう人も世の中にはいる(偶然その3)。積極的に協力して戸籍をとってくれたり、それをファックスしてくれたりもする。しかも、だいぶ昔のことなのに、細かいことまでよく覚えている。まあ世の中には昔のことを鮮明に覚えている人もいる(偶然その4)。次につながる糸口が見つかり、探偵はそれを辿っていく。
一方、探偵は3年前に妻子をクルマで轢き殺されていて、現在起きている連続殺人事件の犯人と同一人物であることがわかる(偶然その4)。その犯人は、なんと老人の探している息子と同一人物である。のちに違うことがわかるが深く関係している(偶然その5)。極めつきは、探偵その人が実は取り違えられた赤ん坊で、その相手が犯人の親だったということ(偶然その6)。まあ最初に探偵が35歳だということが書かれているから、何かあると思わせているんだけど。

人の縁は本人の知らないところでいろんな人とつながっている。仏教小説として読むと滋味深い。そういう期待をしないで読んでいたから、そういう意味でどんでん返しである。
時の渚Amazon書評・レビュー:時の渚より
4163200703

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!