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シーズ ザ デイ
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シーズ ザ デイの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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「リング」「ほの暗い水の底から」が映画化までされていることで有名な著者ですが、今作の方が私にはなじみ深いです。 私個人としては、「鈴木光司」といえば「シーズザディ」です。 幼き日の私は、せいぜいジャンプでマンガを見て楽しむ程度のことしか知りませんでしたが、何気なく読んでいたこの作品にはより深い面白さがあり、大げさな言い方ですがね、人生の見方が変わりました。 ただ読み返すと登場人物が色々と、よくないなあというか正確に難がありますね。 それも含めて実に人間を描写できている作品だと思います。 | ||||
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南洋の海とヨット、そして海を越えた多重層的な運命の重なり合いの物語です。ヨットによる大洋横断のリアリティに感心しつつ、明かされていく幾つかの真相に振り回されながらも、やがて一点に向かって集約していく喝采のラスト。肌触り・感触の異なる作品を次々描きつつ大きく期待を裏切ることのない著者にはほんとうに感心してしまいます。 この作品では特にヨットと海の存在感が際立っています。著者が過去に漁船に乗っていたことがあり、現在も船舶免許を持っていると聞いて当方ガッテンしました。 また良作をお願いします。 | ||||
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南洋の海とヨット、そして海を越えた多重層的な運命の重なり合いの物語です。ヨットによる大洋横断のリアリティに感心しつつ、明かされていく幾つかの真相に振り回されながらも、やがて一点に向かって集約していく喝采のラスト。肌触り・感触の異なる作品を次々描きつつ大きく期待を裏切ることのない著者にはほんとうに感心してしまいます。 この作品では特にヨットと海の存在感が際立っています。著者が過去に漁船に乗っていたことがあり、現在も船舶免許を持っていると聞いて当方ガッテンしました。 また良作をお願いします。 | ||||
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主人公の船越達哉とかつての恋人・月子。 二人の娘・陽子。 蒸発した船越の父。 船越のヨットの前オーナー岡崎と娘の稲森裕子。 そして上巻には登場しない水上朝代。 これらの人物達が複雑に絡まり合い、1本の糸となった時に初めて船越は光に迎えられ、太陽を掴み取る。 現在の自分が過去を振り返りつつ隠された真実へとたどり着くという手法は、クックの『記憶シリーズ』に通ずるものがあるが、途中から結末が予想できてしまうのは技術的にクックほど長けていないのか、それともわざとなのか。 ストーリーの展開は非常に面白く、最後まで一気に読み進ませるものがあったのだが、なんとなくラストが投げやりのような気がしないでもないので、星は1つマイナスです。 | ||||
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フィジー沖で沈んだヨット。そのヨットに隠された秘密とは・・・ ヨットの上で生を受けた、船越の娘、陽子。生まれる運命でなかった陽子と共に、再びフィジーへ。 フィジーでヨットと共に沈んでいった女性、朝代は・・・ 沈んだヨットの謎は知るべきだったのか、知らないほうがよかったのか? 最後の結末には衝撃と共に感動すること間違いなし。 読み終わったらその日はいい気分でいられるでしょう。 少なくとも私は、そうでした。 ぜひとも読んでもらいたい。 | ||||
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物語は血の繋がりを通しての主人公の再生が描かれる冒険小説。16年前の悲劇、そしてその悲劇を再び見つめ直す機会と、新たに知った真実。それらを乗り越え、親子の友情とヨットを舞台とした人間模様が巧みに描かれています。ただ気になったのは、主人公の背景は細かく描かれているものの、登場人物である友人である岡崎や昔の恋人だった月子についての描写が若干不鮮明で、岡崎と娘・裕子の関係や、月子の今の家庭での姿が曖昧なように感じ、展開として良かっただけに、ややこれらの気になるところがあったのは残念ですが、ラストの清々しさは印象に残りました。 | ||||
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鈴木光司もマルチジャンル作家であるなあ、とつくづく思う。この作品は作者の趣味の一つであるらしいヨットを材料にして、世界への冒険の夢や、家族や仲間たちとの絆、そして15年前に主人公を襲った遭難の謎に迫るミステリーとを、綯え合わせたような長編である。 この作者、驚いたことに先の展開を決めずに書き始めてしまうらしい。文章が、平易でわかりやすく、なおかつ表現力に優れているという点にプラスして、書きたいことが作者のうちにきっちりとあることで、初めて実現される、得意なテクニックだと思う。 数人の女性が登場するのだが、これでもかこれでもかと言わんばかりに最悪の性格を見せつける女性キャラが、読んでいて本当に許せなくなってくるのだが、作者はこの作品は悪人探しではないのだよとでも言わんばかりに、復讐もなく、審判もない。人間たちの小賢しい企みを嘲笑うかのように、海の強烈な力だけが小説全体を領している。ここにまぎれもなく存在するのは海を冒険し、突き進んで行く、あくまで肯定的な生命であり、それらの価値だ。 作者とおそらくは等身大の主人公を船出させ、日常の狭間から遠き大洋に、読者ごと引っ張ってゆく。『リング』シリーズからは、またぐっと離れた地点での鈴木光司的世界。ほんとうに人間がよく書き分けられており、そのどれもが個性的で、深く重い。味わい深い物語は、印象的なラストシーンで締め括られる。海と人間の関係というのは、何ゆえに、かくもドラマチックなのであろうか! | ||||
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