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デス・コレクターズ



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
デス・コレクターズ (文春文庫)

デス・コレクターズの評価: 4.17/5点 レビュー 18件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.17pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全18件 1~18 1/1ページ
No.18:
(2pt)

ああ、だめだ

百番目の男を読み終え、本作を読み始めたが、途中でやめた。 主人公カーソン・ライダーに全く魅力を感じない。 青臭さを無理に出そうとしていて、不快だ。 もうこのシリーズは読まない。
デス・コレクターズ (文春文庫)Amazon書評・レビュー:デス・コレクターズ (文春文庫)より
4167705400
No.17:
(3pt)

名作になりえたのに!

おしい本です
もっと良くなる余地がもりだくさんです
名作になりえたと思うだけに本当に惜しいです

以下ネタバレあり
まず、翻訳がだめ
これに限りませんが、翻訳者は自分の翻訳した本を読み返しているのでしょうか?
本当に読みづらい
原書で読む能力が無い自分が悪いのですが、海外本はせめて
左ページに英語、右ページに翻訳、というスタイルでだしてほしい
(価格が倍になっても仕方ないと思いますので、検討して欲しいです)

肝心のストーリーですが、良く練られていると思います
素晴らしいと思います
でも、へクスキャンプに限らず人が死ぬ間際に、暗号のような言葉を残しますか?
具体的な名前をあげるでしょ?ここは明らかに作為的すぎます
ここをこうしなければ後のストーリーが展開しづらかったのでしょうが・・・
一言、”カリュプソ”で良かったんじゃないですか?
いやそのほうが間違いなく良かったです

細かくはいろいろありますが、本当に惜しい本です
でも一気に読みました
読む価値はあります
デス・コレクターズ (文春文庫)Amazon書評・レビュー:デス・コレクターズ (文春文庫)より
4167705400
No.16:
(5pt)

ソフトサイコかな

サイコなんだけど、どちらかというとソフトなサイコサスペンスシリーズ。
この小説で、チャールズ・マンソンだけでなく、ウェイン・ゲイシーというシリアルキラーを思い出したのは
私だけではないでしょう。
実在のシリアルキラーを参考にしている部分があると思います。
こういったコレクターも実在しますから…

でも、面白く読めました。
2作目にして、前作より洗練された文体です
デス・コレクターズ (文春文庫)Amazon書評・レビュー:デス・コレクターズ (文春文庫)より
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No.15:
(5pt)

本格推理とサイコ・サスペンスと青春小説の味わいでファンを魅了する著者の代表傑作!

本国アメリカよりも日本での評価の方が高いのではないかと思わせる玄人ミステリー・ファン好みの人気推理作家カーリイが著した代表作と位置づけされる第2作です。私が著者を最も好きな理由は、現代のミステリー界では謎解きパズルやトリックを構築する困難な道を選ばずに安易な方向に逃げる作家達が多い中で、少しも手を抜く事なく毎回趣向を変えて充分に考え抜かれた大仕掛けで読者をびっくり仰天させてくれる著者の旺盛なサービス精神と作品に対する真摯な取り組み姿勢です。著者はその全ての作品が間違いなしと太鼓判が押せて無条件に信頼でき安心して楽しめると断言して良い現代では稀有で得難い誠に貴重な作家だと思いますね。
PSIT所属のカーソン刑事が今回担当するのは蝋燭と花で飾られた女性死体の殺人事件だった。どうやら事件の背景には30年前に自らの裁判途中法廷で射殺された大量殺人犯ヘクスキャンプの件がありそうで、次第に彼の描いた病的な絵画の断片が見つかり始める。やがてカーソンは殺人に縁のある品々を取引するデス・コレクターの世界についての手掛りを追うのだった。
本書の推理の肝は何と言っても意外な犯人の趣向で、終盤でのあまりにも予想を大きく外れた真犯人の登場に一瞬まるで信じられず「まさか、嘘だろう」と呟いて茫然自失状態になりました。フーダニットに挑戦する事は推理作家にとって相当に難しいハードルだと見えて著者も本書以降は正面切ってメイン・テーマにしていませんが、本書の仕掛けは中々に巧く練られていて著者にとっては自信満々の会心の出来だと言えるのではないかと思いますね。そしてサイコ・サスペンスの面では最後の方に飛び切りのえげつないご対面のシーンを演出していましてその尋常でない狂気の発露に誰もが心底から震え慄くでしょう。本書の唯一の不満としては中盤でのアクションの少なさともたつきが挙げられますが、でもそこは事件の進行と同時に主役カーソン刑事が新たな恋に落ちて行く姿を描く事でクリアされ、前作での恋人アヴァが去ったショックを和らげると共に大きな幸福感を感じさせて明るくポジティヴな気分にしてくれます。著者の作品に於いては全ての出来事に意味がありどんなに些細な事であっても緻密に計算された上で書かれていますので、くれぐれも注意深く読まれる事をご忠告致します。そして常に高い完成度を感じさせる魅力的な作品群は決して時の流れに負けず古びる事なく今後も本格推理ファンを魅了し続け末長く読み継がれて行くだろうと思いますね。
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No.14:
(3pt)

カーリイにしては・・・。

第一作目からジャックカーリイのファンなのですが、この本は今一でした。
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No.13:
(5pt)

よかった。

もともと読みたかった本なので、気に入って当然。期待どおりということができる。
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No.12:
(5pt)

著者の力量  緻密なプロット

著者は名前しか知らず、とりあえず…の気持ちでこの
「デス・コレクターズ」と「百番目の男」を取り寄せました。

レビュー自体あまり信用していなかったのですが、これは久々の
ヒットでした。
主人公が身内の「シリアルキラー」に相談するなど、「羊たちの沈黙」に
似通った背景ですが、決して物まねではありませんでした。

薄気味の悪い「アート」や殺人者に関わる物を収集する人々。
この手のコレクターが実際に存在するからこそ描ける事件の背景なのでしょう。

次々に殺害される人。そこに残される「アート」。
主人公が相棒と一緒にその事件の背景をかぎ回と、そこには30年前の殺人事件が絡む。
過去の事件に関わった警官が、退職後もその事件の秘密を探し求める。

現実にはあり得ないような設定ですが、著者の巧みな構成によって
それがフィクションとは思えないほどに現実味を帯びています。

何よりスピード感たっぷりな展開が面白く、一気に読み通せました。
ややもすると荒唐無稽になりがちな筋をよく組み立てたものです。

コレクターの描写もまた見事。人間の暗い部分を見せつけられた思いです。
「ハンニバル」でも、ハンニバルの監視をしていた人が
「ハンニバルの拘束面(口元に穴があいている物、映画でもグロテスクでした)」を
コレクターに売るシーンがありました。
この手の物に惹かれるアメリカ人って…どうにかしてますね。

最後の場面も後味が悪くないようになっており、これもまた良いものです。
これで後味が悪いと結構嫌な物が心の中に残りそうでした。

作者の稀に見る才能が分かります。今後も楽しみです。お薦めの一冊。
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No.11:
(4pt)

テンポの良さも結末の意外性も十分

本作品は、「このミステリーがすごい!」
2008年版の第8位にランキングされているのを眼にして
読んでみようと思ったのですが、
手にとって見ると、帯広告には、
「本格ミステリ作家クラブ主催、
海外優秀本格ミステリ顕彰・最優秀作」の文字が。
2001年1月から2009年12月までの
海外本格ミステリのベスト1とのことです。

サイコ・サスペンスだということは、
背表紙の作品紹介の1行目に
「死体は蝋燭と花で装飾されていた」
という文言があることから想像がつきますが、
驚くのは展開の早さ。
この殺人現場の描写は
最初の30ページ位に出てくるのですが、
何とここまでで、
他に2件も殺人事件が発生しているという、
テンポの良さに圧倒されてしまいます。

また、探偵役のカーソン・ライダー刑事
(【僕】という一人称で描写)の境遇もユニーク。
「僕の兄」であるジェレミー・リッジクリフが
冒頭の「主な登場人物」欄に紹介されていますが、
その設定に驚きました。
遂にこんな兄弟を持つ探偵役も現れたかという感じです。

そして、この作品の一番大きな特徴は、
サイコ・サスペンスでありながら、
きっちりと本格ミステリの要素も兼ね備えているところでしょう。
事件の真相もなかなか凝ったもので、
意外性のある犯人像とともに、
その周到な犯行計画は、
読者を満足させる内容となっています。
「死の収集家(デス・コレクター)」
という題名が最後にずしりと響く、傑作といえましょう。

もっとも、この作品、
カーソン・ライダー刑事ものの2作目であり、
1作目であるとともに、
著者の処女作でもある「百番目の男」は、
2004年の発表当時ミステリ好きの間では
随分と評判になったようです。
遅ればせながら、前作も読んでみようと思っています。

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4167705400
No.10:
(4pt)

テンポの良さも結末の意外性も十分

本作品は、「このミステリーがすごい!」
2008年版の第8位にランキングされているのを眼にして
読んでみようと思ったのですが、
手にとって見ると、帯広告には、
「本格ミステリ作家クラブ主催、
海外優秀本格ミステリ顕彰・最優秀作」の文字が。
2001年1月から2009年12月までの
海外本格ミステリのベスト1とのことです。

サイコ・サスペンスだということは、
背表紙の作品紹介の1行目に
「死体は蝋燭と花で装飾されていた」
という文言があることから想像がつきますが、
驚くのは展開の早さ。
この殺人現場の描写は
最初の30ページ位に出てくるのですが、
何とここまでで、
他に2件も殺人事件が発生しているという、
テンポの良さに圧倒されてしまいます。

また、探偵役のカーソン・ライダー刑事
(【僕】という一人称で描写)の境遇もユニーク。
「僕の兄」であるジェレミー・リッジクリフが
冒頭の「主な登場人物」欄に紹介されていますが、
その設定に驚きました。
遂にこんな兄弟を持つ探偵役も現れたかという感じです。

そして、この作品の一番大きな特徴は、
サイコ・サスペンスでありながら、
きっちりと本格ミステリの要素も兼ね備えているところでしょう。
事件の真相もなかなか凝ったもので、
意外性のある犯人像とともに、
その周到な犯行計画は、
読者を満足させる内容となっています。
「死の収集家(デス・コレクター)」
という題名が最後にずしりと響く、傑作といえましょう。

もっとも、この作品、
カーソン・ライダー刑事ものの2作目であり、
1作目であるとともに、
著者の処女作でもある「百番目の男」は、
2004年の発表当時ミステリ好きの間では
随分と評判になったようです。
遅ればせながら、前作も読んでみようと思っています。
デス・コレクターズ (文春文庫)Amazon書評・レビュー:デス・コレクターズ (文春文庫)より
4167705400
No.9:
(4pt)

サイコサスペンス&本格ミステリ

”海外優秀本格ミステリ顕彰・最優秀作”(2000年1月1日から2009年12月31日の間に刊行された海外ミステリの中から選ばれたベスト1の意だそうです)という帯に惹かれて購入し読んでみました。
前半は成り行きの想像もつきにくく読むスピードが上がってこない感じでしたが、後半はどんどん引き込まれるような展開で一気に読了しました。
本書で扱われている題材はいわゆるサイコサスペンスという分野に属するものと思います。私自身は、サイコサスペンスという分野には余り興味がなかったのですが、本書は本格ミステリ作品としても優れていると思いますし、極端なグロもなく、ミステリファンであれば楽しめる一冊だと思います。
前作”百番目の男”も読んでみたくなりました。
デス・コレクターズ (文春文庫)Amazon書評・レビュー:デス・コレクターズ (文春文庫)より
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No.8:
(4pt)

《カーソン・ライダー》シリーズの第二長編

ミステリ史上に残るバカ(変態)動機が話題を呼んだ前作に続く、シリーズ第二弾。
本作は、30年前に死んだ大量殺人犯が残したという絵画に群がる人々の昏い欲望を描きながら、
巧妙な伏線(冒頭の裁判所や、授賞式の場面等々)に支えられた意外な――前作ほど“無茶”で
はないw――動機を提示するホワイダニットものとして、堅実で無理のない仕上がりとなっています。
とくに、サイコキラーにまつわる諸々の“異常性”を煙幕にすることで、真相(犯人)をカムフラージュし、
さらに事件の構図を反転させる支点にしているあたり、なかなか周到です(また、30年前に描かれた
はずの絵画とカーソンをリンクさせる、一見オカルト的で不可解な謎もよくできています)。
デス・コレクターズ (文春文庫)Amazon書評・レビュー:デス・コレクターズ (文春文庫)より
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No.7:
(3pt)

期待したほど面白くはなかった。

テーマが異常なだけが個性といえば作者の個性かな、と思いながら読み進んだ。
意外な犯人設定も何かあざとい感じがしてしまった。
モビールの町は、南部でも有数の黒人差別のあった(いまでも?)僕ことカーソンの相棒のハリーが黒人なのが意外といえば意外な感じ。
ハリーの存在がなければ、このカーソンものも興味半減してしまうと言ったら言いすぎだろうか。
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No.6:
(5pt)

楽しく一気読み

「百番目の男」で膝の力が抜けるような衝撃を味わって以来、次回作を心待ちにしておりましたが
この「デス・コレクターズ」は、期待を裏切らない見事なエンターテインメント小説でした。
頼れる相棒、ツンデレ美女、猟奇的な連続殺人、そして危険ではあるけれども貴重な助言者でもある異常殺人者・・・
ハリウッド映画から取ってきたようなベタな設定ですが、そのお約束感が心地よいです。
残念ながら前作のようなアレなオチはありませんが、
犠牲者たちのもとに送りつけられたアートの断片からとんでもないものが現れたり、その謎解きで切ない真実が明らかになったりと
意外な展開満載で、一気読みするのにうってつけの一冊です。
サイコサスペンスと聞いて、怖い話かと躊躇する人もいるかもしれませんが、
陰惨な描写はなく、軽いユーモアの効いた文章ですので、
グロい話が苦手な方でも楽しめると思います。
欲を言えば、カバーデザインをもう少しセンス良くしていただきたかった。
アートがテーマでもあることですし。
デス・コレクターズ (文春文庫)Amazon書評・レビュー:デス・コレクターズ (文春文庫)より
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No.5:
(5pt)

楽しく一気読み

「百番目の男」で膝の力が抜けるような衝撃を味わって以来、次回作を心待ちにしておりましたが

この「デス・コレクターズ」は、期待を裏切らない見事なエンターテインメント小説でした。

頼れる相棒、ツンデレ美女、猟奇的な連続殺人、そして危険ではあるけれども貴重な助言者でもある異常殺人者・・・

ハリウッド映画から取ってきたようなベタな設定ですが、そのお約束感が心地よいです。

残念ながら前作のようなアレなオチはありませんが、

犠牲者たちのもとに送りつけられたアートの断片からとんでもないものが現れたり、その謎解きで切ない真実が明らかになったりと

意外な展開満載で、一気読みするのにうってつけの一冊です。

サイコサスペンスと聞いて、怖い話かと躊躇する人もいるかもしれませんが、

陰惨な描写はなく、軽いユーモアの効いた文章ですので、

グロい話が苦手な方でも楽しめると思います。

欲を言えば、カバーデザインをもう少しセンス良くしていただきたかった。

アートがテーマでもあることですし。
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No.4:
(4pt)

「サイコサスペンス」と「謎解きパズラー」の両立

ジャック・カーリイは、デビュー作『百番目の男』が’05年、各種のミステリーベストテンの上位にランクインして話題を呼んだ。第二長編である本書は、サイコサスペンスと謎解きを見事に両立させており、ミステリーとしての完成度は『百番目の男』を上回っているといえよう。
主人公は、前作に続いて‘僕’ことアラバマ州モビール市警本部のカーソン・ライダーである。『百番目の男』の事件でようやく内外に認知された≪精神病理・社会病理捜査班≫の31才の若き刑事だ。
寂れたモーテルで女性の全裸死体が発見される。死体は拷問を受け、一度埋めて掘り返されてから、ろうそくと花で不気味に装飾されていた。のちに修道女と判明するこの殺人を、‘僕’と相棒のハリーは担当することになるのだが、30年以上前に裁判所で射殺されたシリアル・キラーのアートが事件解決の鍵だと知る。そこでシリアル・キラー(過去の有名な連続殺人犯たち)の「記念品コレクター」を調べることになるのだが・・・。
本書における事件の動機や背景の異常性は前作以上である。なにしろ「コレクター」の姿を詳述し、その価値観を読者に理解させない限り、本書の動機は説得力を持ち得ない。それほど異常なのである。加えて本書は、第一級の“サイコサスペンス”でありながら、読者を執拗に欺いてゆくとプロットの凝りようといい、意外で衝撃的な真犯人といい、“謎解きパズラー小説”の趣も兼ね備えている。身元不明者が何人も登場するが、その正体が判明するたびに、事件の輪郭がパズルのピースがはめ込まれるように浮かんでくる仕掛けになっている。
また本書は、多彩なキャラクターとさまざまなサブエピソードを持つ“エンターテインメント”であると同時に、カーソン刑事の‘僕’という一人称で語られる、屈折した若者の心情が率直に表現された“青春小説”でもある。
ジャック・カーリイは本書で更なる進化を遂げたのである。
デス・コレクターズ (文春文庫)Amazon書評・レビュー:デス・コレクターズ (文春文庫)より
4167705400
No.3:
(4pt)

「サイコサスペンス」と「謎解きパズラー」の両立

ジャック・カーリイは、デビュー作『百番目の男』が’05年、各種のミステリーベストテンの上位にランクインして話題を呼んだ。第二長編である本書は、サイコサスペンスと謎解きを見事に両立させており、ミステリーとしての完成度は『百番目の男』を上回っているといえよう。

主人公は、前作に続いて‘僕’ことアラバマ州モビール市警本部のカーソン・ライダーである。『百番目の男』の事件でようやく内外に認知された≪精神病理・社会病理捜査班≫の31才の若き刑事だ。

寂れたモーテルで女性の全裸死体が発見される。死体は拷問を受け、一度埋めて掘り返されてから、ろうそくと花で不気味に装飾されていた。のちに修道女と判明するこの殺人を、‘僕’と相棒のハリーは担当することになるのだが、30年以上前に裁判所で射殺されたシリアル・キラーのアートが事件解決の鍵だと知る。そこでシリアル・キラー(過去の有名な連続殺人犯たち)の「記念品コレクター」を調べることになるのだが・・・。

本書における事件の動機や背景の異常性は前作以上である。なにしろ「コレクター」の姿を詳述し、その価値観を読者に理解させない限り、本書の動機は説得力を持ち得ない。それほど異常なのである。加えて本書は、第一級の“サイコサスペンス”でありながら、読者を執拗に欺いてゆくとプロットの凝りようといい、意外で衝撃的な真犯人といい、“謎解きパズラー小説”の趣も兼ね備えている。身元不明者が何人も登場するが、その正体が判明するたびに、事件の輪郭がパズルのピースがはめ込まれるように浮かんでくる仕掛けになっている。

また本書は、多彩なキャラクターとさまざまなサブエピソードを持つ“エンターテインメント”であると同時に、カーソン刑事の‘僕’という一人称で語られる、屈折した若者の心情が率直に表現された“青春小説”でもある。

ジャック・カーリイは本書で更なる進化を遂げたのである。
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No.2:
(5pt)

意外な犯人に「やられた!」

モビールを舞台にしたカーソンものの2作目。
相変わらずカーソンは多感で、軽薄で、困難な事件を名推理で解決に導きます。
どこか漂う青春小説の味わいは、本作も健在です。
前作は荒唐無稽なストーリーと個性的すぎるキャラクターが、
ややもするとミステリー小説としての説得力を損なう気配もありましたが、
本作はそのあたりがうまく修正されて、
技巧が向上しています。
現在と過去の連続殺人、カルト、ロマンス等、展開はスピーディーで、
カーソンへの感情移入も犯人探しのスリルも合格点。
面白い作品に仕上がっています。
本作の見所はこんなところ。
前作で恋人となったアヴァは去ってしまいますが、
新しいロマンスが描かれます。
フランスへ出張するのですが、
会話も含めて、なかなか美しい描写です。
アメリカ人のヨーロッパへの憧れがよく現れているようで・・・。
そして最後のストーリーの盛り上がりは、
よくできています。
意外な犯人に「やられた!」と思いました。
デス・コレクターズ (文春文庫)Amazon書評・レビュー:デス・コレクターズ (文春文庫)より
4167705400
No.1:
(5pt)

意外な犯人に「やられた!」

モビールを舞台にしたカーソンものの2作目。

相変わらずカーソンは多感で、軽薄で、困難な事件を名推理で解決に導きます。

どこか漂う青春小説の味わいは、本作も健在です。

前作は荒唐無稽なストーリーと個性的すぎるキャラクターが、

ややもするとミステリー小説としての説得力を損なう気配もありましたが、

本作はそのあたりがうまく修正されて、

技巧が向上しています。

現在と過去の連続殺人、カルト、ロマンス等、展開はスピーディーで、

カーソンへの感情移入も犯人探しのスリルも合格点。

面白い作品に仕上がっています。

本作の見所はこんなところ。

前作で恋人となったアヴァは去ってしまいますが、

新しいロマンスが描かれます。

フランスへ出張するのですが、

会話も含めて、なかなか美しい描写です。

アメリカ人のヨーロッパへの憧れがよく現れているようで・・・。

そして最後のストーリーの盛り上がりは、

よくできています。

意外な犯人に「やられた!」と思いました。
デス・コレクターズ (文春文庫)Amazon書評・レビュー:デス・コレクターズ (文春文庫)より
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