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コンタクト・ゾーン
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コンタクト・ゾーンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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この作品だけではなく弥勒やインドクリスタルでも描かれていますが 先進国の人間が抱きがちな傲慢さに満ちた旧時代的生活への一方的な憧れとか 革命側が押し付けてくる荒唐無稽な理想論を一刀両断してくれるのは気持ちがいいです。 三人の中では真央子が一番共感しやすいかな…。 次々と変わる戦況にハラハラしながら読み進めましたが最後は綺麗に終わって安心しました。 今までユーゴ紛争でジェノサイドに至った経緯について、理屈では分かっても心情的にいまいちピンと来なかったのですが 本作を読んでから少し理解出来たような気がします。 バランスを保って共生していたからこそ、ふとしたきっかけで爆発してしまう怒りがあるんだなと…。 | ||||
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この本ではじめてこの作者の本を読みました。 入念な下調べの上に書き上げた超大作、と言えるのではないでしょうか。 冒頭の3人の考え方、様子、言動、ふるまいが、後半どんどん変わっていく様がとても面白かったです。 変わっていくというより、むしろ元々あった自我が目覚めて、研ぎすまされていくという方が正しいのかもしれません。 日本という安全で豊かな国で埋もれていた自分という生き物が、生きるか死ぬかという状況に直面して、 うごめき、変化し、本来あるべき姿で現れて来るとでもいうのでしょうか・・・。 自分は主人公達と同じくらいの年なので、時代は違いますが考え方などよくわかり、興味深かったです。 なぜ彼女達がそれぞれの選択をしたのか、というのも同じ日本に生きる同年代だからこそスッと腑に落ちたように思います。 性格も考え方もバラバラの主人公3人ですが、現代女性は少なからず彼女達のかけらを内面に包括して生きているのではないでしょうか。エンタテイメントとしても十分に魅力的な本作ですが(ドラマにして見たい!)なんだかモヤモヤして生きてる現代女性にもおすすめの一冊です。読み終わったあと何かしてみようという気持ちになるのではないでしょうか。 | ||||
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この本、情景が手に取るように目に浮かぶ。ストーリー展開が都合よい気も無きにしもあらずだったが、トピックがありそうでなかったモノだったので、新鮮だった。エンターテーメント物としても読めるが、いろいろと考えさせられることが多い作品。ありがとうございました。 | ||||
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舞台は東南アジア。フイリピン、ブルネイ、マレーシア近辺に設定の架空の島国テオマバルの一島バヤンである。観光でここのリゾート・ホテルに来た、真央子、祝子、ありさの女性三人組が内乱に捲き込まれる話だ。 「インコは戻ってきたか」は東西に分断されたキプロス島で、やはり紛争に捲き込まれるのだが、あれは現実の国で対立は現在進行のもの。これは架空の違いはあるが、同じく異文化接触地点(コンタクト・ゾーン)とて、より一層民族の争いに力点が置かれている。 最初は典型的な日本の若い女性の、浮かれた観光旅行で、顰蹙の思いで見ている訳だが、サバイバル生活や、無秩序な反乱軍同士の争いの中で、見違えるように逞しくなってゆく彼女達。 辿り着いた地元民の段々畑(棚田)の村。東南アジア各国に結構多い棚田の大変な作業だが、必要なだけ収穫していたのんびりした生活が、太平洋戦争時侵入した日本軍により、多毛作を強制され、それが売るほどの豊かさになったとは皮肉だ。彼女たちがこの村で農作業などで変わり、それぞれの役割を見つけていく。 この村を統べる長老や村長達の、武器無き故の無法者たちとの対峙で、いろいろ考えた末の決断による行動は見事で、最後は村を守るための壮烈な事態となるが、感動を誘う場面だ。かつての沖縄では、中国と日本の狭間で、武器なき国の琉球の高官達の抵抗が書かれた、大城立裕著「小説 琉球処分」を想い起こした | ||||
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普段テレビで「戦争」という言葉を聞いても、「ああ、またやっているのか。」とあきれるだけでした。 しかしこの本は死が身近に迫る戦地に生きる人々の生活を、たまたまそこにたどり着いた観光客の視点から、生々しく見事に描いています。 「独身女性三人組」と2時間ドラマにでもありそうな設定ですが、2時間ドラマにはない「いつ誰が死ぬかもしれない」「誰が悪いのかもわからない」恐怖がひしひしと伝わってきます。 そして、最初は印象の悪かった主人公たちの感情の変化に、だんだんと同調できるようになりました。 日本の多くの地域は戦時でも空から攻撃されるだけでしたが、ゲリラ戦ってこんな感じなんだ、と恐ろしくなりました。 たまに、恐ろしい描写・難しい言葉も出てきますがスラスラと読めます。 細かい設定に疑問を抱くことも無きにしも非ずですが、エンターテイメントとしてはいい作品だと思います。 2時間ドラマをみるよりも、この本を読むことをお勧めします。 世界が平和になりますように。 | ||||
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猫も杓子も海外に行き、しかも主たる目的は買い物。 現地のディープな文化や政情になどそれほど興味なし。 今(2009年)は不況なので激減したかもしれませんが 景気のいい頃はそんな日本人女性が世界各地に溢れていました。 この作品の主人公もそういう範疇に入るのでしょうが 女性たちのそういう外側の部分はさておき 私には、どんな危機的状況でも生き抜く彼女たちのたくましさが とても魅力的に感じられました。 ディープな海外ツアーに興味のあるかたは、この作品で仮想体験できるかも。 | ||||
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力のある著者ですが、まず作品のアイデアに驚きました。内容も楽しみました。が、下巻では少し飽きてしまい上巻ほど夢中になれませんでした。正直、もう少し短くてもいいのでは、と思ってしまいました。 | ||||
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力のある著者ですが、まず作品のアイデアに驚きました。 内容も楽しみました。が、下巻では少し飽きてしまい上巻ほど夢中になれませんでした。 正直、もう少し短くてもいいのでは、と思ってしまいました。 | ||||
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カバーの粗筋を読む限りでは、浅田次郎氏『オー・マイ・ガーッ!』ばりのドタバタ道中記かと思いきや、そこは一筋縄ではいかないこの作家。一見おバカな時代遅れのバブリーOLと思わせながら、それほどお気楽ではない現実と意外にマジメな内面が描かれていて、溜飲が下がる。同世代の働く女性なら、主人公3人の言動や価値観のどこかに自分と共通する部分を感じるはず。最も傑作なのは、自分が理解あるいはコントロールできる(と信じている)ステロタイプな女性像に当てはめてしか他人を見ないオヤジでおマヌケな現地の日本人ガイド。よくいる今時30〜40代の典型的な日本人サラリーマン。読みながら何度、「そうそう!こういう奴いる」とツッコミたくなったか。解説を書いている大学教員の認識もその例外ではなく、もしや小説に悪ノリして露悪的に書いた?と疑りたくなるほど。解説までまるごと楽しめます。 | ||||
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リゾート地で買い物を楽しむ、これぞ日本のOL!!という3人組。 彼女たちが、情勢不安な地へ買い物旅行へ行く。 これまた、非常識極まりない旅行者。 世界各国を旅行した私も、こんな人をたくさん見て「はぁ!?」と思ったことがたくさんありましたが、この3人もまさしくそれでした。 最初はイライラしてしまいましたが、人間生きるためには変わるしかありません。 それぞれが、文化や習慣、考え方の違う地で生き延びなくてはならなくなると、驚くほどの順応性を発揮します。 それをうまく描けていると思いました。 祖国へ帰れるか分からない不安。 いつ殺されるか分からない不安。 そこで笑い合える幸せ。 そんなものを感じることができました。 冒険小説のようで、人間の成長を読みとることのできる作品です。 | ||||
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当初の3人の女性は、どうしようもなく軽く描かれている。 政情不安定な地に、バカンスと買い物をしに来る時点で、既に軽過ぎる。 しかし、3人は軽いばかりではなかった。 その後に直面する場面場面での、3人の行動は頼もしい。 この村の文化は、日本とは天地程異なるが、生きるためとは言え、うまく順応しようとする。 3人のうち、一見最も思慮深い様で、実はその逆だと感じるのが医者の祝子だ。 村の一人の老人の臨終に際して、医療行為を強要して、人々の顰蹙を買うという下りがある。 この村では、病院でのいくつかのケースとは異なり、人が人らしく死ねる。 医療に対する、祝子の様な上辺だけの理想は、時に有害だ。 物語は、生きて日本に帰れるのか?というスリリングな綱渡りの連続だが、 3人は価値観の相違の狭間で悩み、順応しようとする。 このあたりに、読み応えを感じる。 著者の名著「弥勒」は非常に重いテーマを扱っているが、本書も根底では似た部分がある。 しかし、比べて本書は雰囲気が軽く、ずっしりとした重みはあまり感じない。 それはそれで、気軽に読めるという利点もある。 下巻での結末はある程度想像出来るが、 下巻でも、展開にスリルがあり、印象的な結びとなっている。 また、各章に付記された小タイトルは、なかなか魅力がある。 テーマは重いが「楽しめる」作品だ。 | ||||
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普段は全く無関心な分野であろうアジアの地域紛争や民族問題、イスラム原理主義などが物語りを通して身近な問題として実感できる作品でした。またその舞台の中で、三人の主人公が生き延びる為にそれぞれの性格の持ち味を発揮しながら逞しく生き抜いていく様は圧巻でした。 何より地域紛争の場面はリアルで、今もなお世界のどこかで起きている内紛やテロの恐ろしさを今までとは違う視点で感じる事ができました。 相当の下調べの元に完成した作品だと読み終わった後に実感します。 近隣の諸外国について、過去の日本について、日本における女性という立場において、いろんな視点を新たに発見できる作品でした。 | ||||
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しっかりとした情景描写に、その土地の空気と不安な気運が伝わるようだ。生真面目な、着々と積み上げる作風は、いつもながら、安心して、読み進めることができる。手に汗にぎる展開は、存分に楽しめる。殺戮描写も、ほどよい程度だ。しかし、結末は、十分に予想される、想定範囲内で、読後感の満足度は、いまいちか。 | ||||
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私と同年代の女3人の奮闘、 同じ状況になることは、まず、ないと思いつつ、 読まずにはいられない衝動にかられました。 かなり分厚い本でしたが あっという間に読んでしまいました。 3人のまったく違った性格の女性の集まり。 結婚をしてない30代の女の集まりってこんな感じじゃないですか? 結婚してない人が減ってきて、しょうがなく(?) ヒマな人が集まって・・・性格バラバラな集まりになっていく・・・ こんなときはあたしはどう行動するか?なんて考えながらよみました。 30代の女性に読んでもらいたいです。 | ||||
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30代後半にさしかかった三人の女性たちが、本書の主人公だ。三人とも、本当はかなりの潜在力はあるし、給料だってそこそこもらっている。だが、出世したり、世間から認められることもない。いい男とも結婚できないし、欲求不満状態に陥っている。 そんな彼女らの楽しみは年二回の海外旅行だ。しかし、今回はいつもと違った。旅行先の東南アジアの架空のビーチリゾートが、過激な革命運動に巻き込まれてしまったのだ。その混乱と戦乱の場を彼女らがサバイバルしていく過程で、日本では見いだせなかったユートピアを見いだすのである。 東南アジア島嶼部の内部に、自給自足可能な豊かな村人たちの生活があったのだ! 篠田節子の示すユートピアは、男性中心のイデオロギーの過剰を、断固として批判したものである。イスラム原理主義か反イスラムか、民族解放か帝国主義かといったイデオロギー闘争は、実は男たちの政治権力闘争にすぎないではないか、女たちがコミットするには価しないものだ、というわけである。むしろ、地に根ざした、村人たちの共同体こそが信頼に足るというわけだ。 なお、小説上の三人の日本女性たちは、帰国後、日本社会からバッシングを受けることになるのだが、まさに最近のヴォランティア・バッシングを想起させる。ボランティア的生き方を許容しない日本社会を、篠田はすでに先取りする形で問題提示していたとはいえまいか。 ちょっと残念だったのは、篠田が丁寧に描いた東南アジア島嶼部は、現実にはあり得ない設定だということである。たとえば、閉鎖的共同体でありながら、英語が通じる開放的社会というのはちょっと矛盾している。あるいはマレー社会に、食糧を自給できる豊かな村なんて、あるだろうか。どうせ架空のユートピア社会を描くのならば、もう少しその説明を簡略化したほうが、読者には親切ではなかっただろうか。そのため、減点1.5としたい。 | ||||
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緻密な取材を重ねて書かれたであろうと思われる、篠田さんらしい作品だと思いました。 性格・外見・育ち・仕事。何もかも違っている三人の女性たちに共通しているのは、30代半ばで未婚。日々の生活に半ば嫌気を差しながらも、心の中にぽっかり空いた穴を、他の何かで埋めようと躍起になっている事。 そんな三人の女性たちが、自らの運命を変えるようになるとは知らず、リゾート地へ旅立つ・・・。 私は読後、「こういう生き方もあるのか」と思いました。自分の固定観念に縛られていてはいけないなぁと。平和であり平和ではいような、豊かでありそうでないような日本の中にいて、私も本の中で主人公たちと一緒に冒険し、考えたので、かなり読み応えがありました。 | ||||
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イッキヨミでした。 国際政治というか、他国の内紛をあそこまで書けるか・・・と、驚きました。私が、その方面に至って弱いからかもしれませんが。 スリリングなロマンなんて、もうこの国には残ってないのよねぇ。 主人公が男だったら、ナニヲイマサラということになるんだけど、女たちがそうなんだっていうことをはっきりさせるところが、やっぱりこの人のウリでしょう。そして、そのウリは、新しい舞台を得て、マンネリ化していないと思いました。 | ||||
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イッキ読みしました。 国際政治というか、他国の内紛をあそこまで書けるか・・・と思いました。 3人の女性主人公は、ほんとは強すぎるから、日本じゃココロが死んでたんでしょうなぁ。 そういう女を書くのは篠田節なのかもしれないけれど、新たな舞台を得て、マンネリになってないんじゃないでしょか。 | ||||
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