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1Q84



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【この小説が収録されている参考書籍】
1Q84 BOOK 1
1Q84 BOOK 2
1Q84 BOOK 3

1Q84の評価: 3.66/5点 レビュー 986件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.66pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全622件 321~340 17/32ページ
No.302:
(5pt)

物語の本質

BOOK 2の帯にも書かれている、教団のリーダーの言葉。
「心から一歩も外に出ないものごとは、この世界にはない。
心から出ないものごとは、そこに別の世界を作り上げていく」
この言葉が物語の本質を表している。
これは徹底した唯心論であり、宗教というものにも繋がり
信仰の<信>ということにも深くリンクしているように思う。
僕は村上さんのファンというほどではないが、いくつかの作品は読んでいる。
その中でもこの1Q84は、恋愛、ミステリー、なにより作者の思想が詰まった
かなり個性的な作品だと感じた。まだ沢山の謎が残っているが、それはそれで明らかにならない
ほうがいい。全部を説明すると興醒めしてしまう。そういうところをちゃんとわかっている
のが村上春樹の良さでもある。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.301:
(5pt)

四巻が楽しみ

ここまでの解釈は人によって様々ですので、敢えてこの場で持論を展開する気はありません。 ただ一つ言えるのは、この小説は元々4部構成であり、ストーリーが完結していないということです。 BOOK1からBOOK3までだと3ヶ月×3=9ヶ月で中途半端ということも理由として挙げられますが、何よりも3巻までのストーリーで完結すると考えると、リトルピープルの持つ意味や、わざわざマザとドウタを一つの主軸としてここまで述べられてきた意味が失われるからです。 4巻では恐らく、青豆の身に起きたことの意味や、作者の意図するストーリーの主題そのものが見えるに違いありません。 少し気が早すぎるとは思いますが、4巻の発売がとても楽しみです。レビューを書くにあたり、ネタバレしないように頑張りました。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.300:
(5pt)

読ませる、引きずり込まれる。でもまだ全容は見てない気がする・・・

BOOK3は目次を見ず(先入観を排除)いきなり本文に入り、思わず「そういうふうに来るの・・・」と言っていた。私にとっては思いがけない冒頭。そのまま引きずり込まれ、家事・介護・仕事の中この本で2回は泣き2日で読了。読ませる力に驚く。私の心に潜む"揺れるもの"を自覚する。
牛河、タマル、ふかえり、天吾の父が何者であるかが、見えてくるBOOK3。新たな空気さなぎが何のドウタを見せるのか?予想される新たな登場人物の安否は?私はまだ1Q84年から出られず夜空に月の数を確認する。BOOK4が待たれます。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.299:
(4pt)

村上版「失われた時を求めて」(長さが)の予兆?

物語の射程距離が途方もなく長いことが、いよいよ明らかになってきたような気がする。
Book1と2を読んだ時点で「4巻まではいくかな」と思っていたけど、
これは4巻じゃ終わらないな、という気がしてきた。
埴谷雄高の『死霊』みたいに、村上春樹のライフワークになっていくんじゃないだろうか。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.298:
(5pt)

エッソ看板の虎は新たなる世界への謎賭け?

村上春樹さん作品のド素人ですが(だから?)自分なりのペースで読みやすい良い作品でした。
ただ前回までは2or4章毎のペースでしたが、今回は"牛河"さんのおかげ(?)で3章毎ペースになりました。。。
圧倒的で衝撃的で絶望的なBOOK1,2に対し、今回のBOOK3では馴染んだ登場人物達が自ら解毒剤的に物語を導き解決
していってくれた感じでした。同じ作品ですが1,2と3は"別モノ"的な読みごこちがまた良かったと思います。
好みはあると思いますが…やはり ”BOOK3 出てくれてありがとう”が素直な感想です。
程よい謎を残した心地よい"完結"的な雰囲気と更なるストーリー&謎解きへの"継続"をまだまだ期待させる感じは
海外ドラマ『LOST』シーズン3(作品全体的な世界観もなんとなく)に似た感じでした。
『LOST』ファンはこの作品に親近感を感じるのでは無いかと思います。逆もまた。
余談ですがエッソ看板の虎の向きの謎賭けは…翌年1985年の阪神"タイガース"優勝への予兆をパロったものでしょうか???
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
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No.297:
(4pt)

この作品は

熱狂的なファンという訳ではないが村上氏の長編、短編、ノンフィクションとある程度の作品は読んでいます。 この作品は同氏の著である『アンダーグラウンド』と深い関わりが見えるのだが、『アンダーグラウンド』以来の村上氏は何をテーマにし、また読者には何を届けようとしてこの作品を書いたのかを思いながら読みました。作品の手法としては、前作『アフターダーク』のような各々の登場人物の時間の流れを表現し、またその人物達に対し、客観的且つ読み手が入り込み易いように三人称で書かれているのが印象的で、ストーリーこそBOOK3では意外性に欠けるが終始読者を引っ張って行く力がある。 純粋に文学を愉しむには事足りるが、そこに村上氏に対する過度の期待をしていた読者は物足りない読後になりうる可能性も無くはない。しかし、伝えるに当たり、文法的な表現力やストーリー性はあくまで手段でしかない。もちろんそれだけとってもこの作品は非凡でありとても素晴らしい物語だと思うが、この作品の核となっている部分(村上氏の狙い)は私たちの日常に対しての警鐘なのではないのかと思う。それは各々の読者が感じる部分だと思うのだが、私個人としては物事の本質に対しての無関心さへのではないのかと。よく咀嚼する事がこの本の味を引き出せるのではないかと思う。お金儲けやノーベル賞狙いでは無い事を信じたい。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
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No.296:
(5pt)

長年のテーマに対する回答だったと思います

村上春樹氏の小説はほぼ読んでいます。
今回の作品では何がテーマになり、何が解決されたのかを考えながら読んでみました。
一つは時間論、もう一つは孤独の問題をどうすればよいのか?だったと思います。
プルーストの『失われた時を求めて』が登場することからも示唆されているように時間論はこの小説の重要なテーマだったと思います。
流れるとか止まると言った時間論ではなく、存在を規定するであろう時間の必要性についての言及だったと思います。
簡単に言えば、感じる時間についての説明がなされていたと思います。
誰に対しても平等にあると思われがちな時間は決してそうでなく、どのように感じ得るのかを説いたのだと思います。
この時間論は孤独の問題に接続します。
次に、孤独の問題です。
これは僕の勝手な解釈ですが、『アンダーグラウンド』から抱えてきたオウム真理教が社会に受け入れられ、排除された原因の根本が孤独の問題であり、その解決策をどうすべきかを悩んだ結果が書き記されたのだと思います。
牛河氏が「ソーニャに出会わないラスコールニコフ」と述べた部分にそれがあるのだと思いました。
3名の孤独を抱えた登場人物の対比から「孤独」と「一人」を導きだし、そして孤独であることとは何かを説いたのだと思います。
ドストエフスキーの『罪と罰』において「大地にキスをすること」が救いであったのですが、この作品では誰かを想うことが救いの一要素であったと読めました。
誰にも愛されたことがない人が救いを探し、求め、そしてそれを見つけるまでの過程が書かれており、宗教の根本的な部分を暴露したのだと思いました。
それはオウム真理教に傾倒していった人々に対する回答であり、現代において生きにくさを感じている人々に対する回答なのだと思いました。
この回答を提示するために3人称を使用されたのだと思います。
誰の声でもない、しかし誰の声でもあるような存在の使用です。
テーマとしては非常に重苦しいのですが、僕には比較的しっかりした回答を提示していただけたと思いました。
問いとそれを解くための道筋は難解なのですが、回答はシンプルで誰にでも受け入れられるものだったと思います。
それこそ真理であり、ある意味では定義なのかもしれません。
1と2とは違ったテーマで3を書かれたと思います。
村上春樹氏の力量に驚嘆させられた1冊でした。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
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No.295:
(4pt)

世界は確かにそうなっているのかもしれない

Book1、2を読んでからだいぶ時間が経ってしまったので、記憶の隙間を埋めながら読むことになった。
600ページという膨大な量の割には、また村上春樹の他の著作よりもサクサク読めたのは、ストーリーが極めてシンプルだったからだ。
ただ、ストーリーがシンプルであったとしても、その背後にある村上春樹が描こうとしていたものは、どうだったのだろう。
難解だったのか、単純だったのか。
壮大なラブストーリーといえばそれまでだが、その物語、文脈、言葉の奥深くにはそれ以外の要素も十分に感じることができる。
【1Q84】に限らず村上春樹の物語は【世界は確かにそうなっているのかもしれない】という示唆を与えてくれることだ。
自分が存在するこの世界とは別にあるかもしれない世界(言葉は単純だが、言いたいことは無意識下にある世界とも言い換えることができる)との歪み、ゆがみをかいま見る。
その深く薄暗い深淵を覗きこむ作業が、村上春樹の物語を読むということになるような気がしている。
Book3に関しては私個人の感想で言えば、完全なエンターテイメントだ。
村上春樹独特の言い回しや描写、シークエンスは健在だが、圧倒的にエンターテイメントだと思う。
それが良いのか、悪いのかは個々人の村上春樹に期待するものによって違うだろうけれども、
私は今までにないくらい村上春樹の物語の中ではクリアな物語だった。
確かに物語の展開は予想できるし、大方その通りになる。
それが一体なんなのだろうか。村上春樹に私が期待しているのは前述したような【世界は確かにそうなっているのかもしれない】という示唆を与えてくれることだ。
居心地の悪い、空気が肺に届ききれていないような不安定さ、不完全さ、違和感を村上春樹の物語を通して
この世界と村上春樹が描くような世界とのあいだにある深く、暗い溝を恐れながら、見てしまうのだ。
それはひどく観念的で、不明瞭なものだ。
Book3では今までのそれとは違う。
さて、果たしてBook4はあるのだろうか。
伏線うんぬんではなく、私はこの【1Q84】に描ききれていないであろう物語を知りたいと思う。
それがどんな物語であれ、文章であれ、表現であれ、言い回しであれ、知りたいと思う。
それを感じさせてくれたBook3は私の中では、嬉しい限りだった。
★4つは、Book4が出ることを期待して、あえてひとつ少なくした。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.294:
(4pt)

珍しく

この人は「最後どうなったかは読者の判断にに委ねる」というパターンが多いが、
今回はきちんと物語を終わらせていた。
いつもはもどかしく感じているのに、いざ此処まで書かれると逆に少し違和感を
覚えなくも無い。
残った疑問
「ブン」の死は何者の仕業で「つばさ」は何処へ行ったのか?
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.293:
(5pt)

おもしろい!

1990年からの20年という歳月は、なんだかあっという間に過ぎてしまい、
正確な時間の流れに身を置いていないような気が、常々していたのですが、
この本を読んで、ようやく20年という時間を、本来の長さで感じることができました。
おもしろかったです。こんなにおもしろい小説ってなかなかないと思います。
4巻が出たらとてもうれしい。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.292:
(4pt)

ハードボイルド小説のような面白さ

『物語の中にいったん拳銃が登場したら、
それはどこかで発射されなくてはならない』ルールを
確信犯的に破ってしまった村上春樹の新たな章は、
Book2までの登場人物たちが
作者の手を離れて一人歩きし始め、
福助頭の牛河を狂言回しにして、
ある一点に向って交錯していくのですが、
村上春樹は結末を想定せずに、
登場人物たちと詰め将棋をしているような、
鬩ぎ合いを楽しんで書いている節があり、
その先の読めないスリリングな面白さは、
ハードボイルド小説を読いでいるようで、
最後まで飽きませんでした。
Book3は青豆と天吾の1Q84からの脱出物語で、
ふかえりとリトル・ピーブルがほとんど登場していないので、
多分1Q84のBook4<1月ー3月>は、
1Q84年の入り口が出来るまでの誕生秘話を、
ふかえりとリトル・ピーブルを中心にした物語として、
明らかにしていくのではないかと思いました。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.291:
(4pt)

王殺しの後日譚と竜殺しと

 BOOK1,2はテーマこそ重厚であったものの物語としては未完成のまま終わった。その点が不満な方にはこのBOOK3は「『王殺し』の後日譚」としてかなりの満足感が得られるだろう。依然いくつかの謎は残るが今回はこれで終わるもよし、BOOK4を書くもよし、と思う。
 文章の完成度はさすがに村上春樹、その緻密さ、リズム感、表現力の豊かさには他の追随を許さない圧倒的なものがある。三人の視点・距離が徐々に縮まっていき最終地点に向かって収斂していく流れはスリリングで久々にサスペンス小説の趣さえ感じさせた。
 天吾の「深い孤独が昼を支配し、大きな猫たちが夜を支配する町。美しい河が流れ、古い橋がかかっている。でもそこは僕らの留まるべき場所じゃない。」という表現はどこか「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の静謐だった世界を連想させる。しかしあれが主人公の内的世界だったのに対してこの1Q84という世界は決してそうではない。オウム真理教事件等を通じて現実世界と向かい合い、「物語の力」により世界を良い方向に変えていこうとする村上春樹の新しい挑戦である、ととらえるべきなのだろう。
 一点だけ気になるのは「謎のエネーチケー集金人」がこの小説にとってどんな意味を持つのか分かりにくい点。「オッカムの剃刀」的に徹底的に余計な推測を排除して残った事実だけで説明しようとすれば「この男は死ぬまでNHK集金人であることをやめなかった」という単純な事実しか残らないが、敢えてこれに推論を付け足すとすれば「本当は実子ではない天吾と彼を産んだ母を意識下では憎んでいて、彼に関わる人物に嫌がらせを続けていた」と言うところか。ユング的に分析すればこの物語は「王殺し」と「竜殺し」が並存した物語かもしれない。それ故小説中でおよそ哲学とは縁の無い殺し屋のタマルにユングを語らせているのがとても印象に残った。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
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No.290:
(4pt)

結論は、BOOK4を読んでから…

どうにもこうにも、この作品の最終評価はやはり、予想される完結編(サブタイトルはやはり「1〜3月」になるのでしょうか?)のBOOK4 を読了しないと出せませんね。。結末にへの壮大な期待感の中で、このBOOK3は幕を閉じられています。オビとかにある出版社さんのキャッチコピーからしても、物語の継続を示唆していますしね…第四巻への向かっての、主人公ふたりの壮大な邂逅、がこの作品のメインテーマのようです。「ねじまき鳥」シリーズの時は、かなり間隔が空いたようですが、超個人的希望としては、今年中には読んでみたいです。。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.289:
(5pt)

久しぶりに別の世界へきたかのような感覚を味わえた

昨年、1と2を読み、今回3が出ると話題になっていたので
買ってみました。
2で一応、完結していたように感じたので
3の筋について、あまり、最初は
興味なかったのですが、
読むうちに、どんどん、引き込まれて
ざーっと、最後まで目を通してしまいました。
そして、もう一度、長ーい文章を
ゆっくり味わいたくなって、
いろいろな場面を、隅々まで目をとおしています。
村上春樹さんの小説を読むと、
まるで別の世界にトリップしたような気持ちになります。
日常につかれている自分にとっては、
それを忘れさせてくれる独特の世界観です。
まるで、こどものころ、初めてものすごい
できた漫画や、物語、映画をみたような、
そんな読みごたえを、
大人なって感情がやや磨滅した私に、くれます。
本当にうれしい小説です。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.288:
(5pt)

1984年についてもきっちりと語られる?

BOOK2完結の時点では、これ以上語らず読者に余韻を与えて終わる可能性を持たせていた。それでも良かったのだ、その時点では。結局上梓されたBOOK3ではもう徹底的に最後の最後まで描写しようという方向に振れた結果、極上のエンターテイメント性と爽快な読後感が獲得されているが、同時に十分に語られていない「残り」についてもきっちり描かなければならない責任が生じてしまった。そう、結末が語られずに退場してしまった登場人物はまだ残っている。ここまで描いてしまった以上、不在のまま本当の幕を下ろすわけにはいかなくなった。今回ばかりは。何よりも本来のバックグラウンドであった1984年そのものが行方不明になって久しいのだ。どうやらメタレベルで拡散していた主要な語り部達がそれぞれ意思を持ち、ここに集結しただけなのだ。何かが起こるのはこれからであり、当然結末はその先に無ければならない。BOOK1読了時点でもっとも知りたかったことは何一つ語られていないのだから。1Q84はエンターテイメントであるという宿命を背負ってしまった。もうとことんまでやるしかないのだ。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.287:
(5pt)

シンクロニシティ

三巻目で実感した。村上さんは、もしかしたら人の集合意識(シンクロニシティ)を表現したかったのではないかと…。登場人物それぞれの章は、本人たちの無意識を表現したもので、読み進めるにしたがって、共時的に表れ、絡みあっていく。私達の無意識が強い意図に変わった時、願いは叶うのかもしれない。また、自分が心にふたをした過去の思い出をいつも無意識に頭に浮かべ、自分をどこかで無意識に思い出してくれている人がいるかもしれない、と甘酸っぱい気持ちにさせてもらった。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.286:
(5pt)

こんなにも純粋に人を思うことができるのか・・・・現代人の失ったもの

いろいろ、賛否がかしましい。話題性のある作品であるからだろう。相変わらずの、レトリック、形容の仕方、言い回し、暗喩と比喩、メタファーでBOOK3はたいへんわかりやすい。
青豆が天吾を思う切ない気持ちが痛いほど伝わってくる。人は、幼少時代に愛情に接していないと、社会性を構築することができなくなるといわれている。愛されているという、至極当たり前に思えることにすら実感として経験できなかった二人の、切ない思い。青豆のその気持ちを思うだけで、涙が出そうになる。BOOK1、2と読み進んできた自分のなかに、青豆が住んでいるのだ。
これから読まれる方、すでに読了された方様々な期待と意見があろうが、人が人を思う気持ちという心のありようの根本に立ち返ったつもりで、この物語に接してもらえないだろうか。
この物語は、読者の心の鏡なのかも知れない。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.285:
(5pt)

風の歌より継承されてきた隠喩という火星人語が成した物語革命

意識/無意識、主観/客観と簡単に二元化できない境界を掘り下げることで
フィクション/ノンフィクション、物語/現実という
小説という表現媒体を支える根本的な概念を覆す
世界文学史上前代未聞の怪作ではないでしょうか。
もはや既存の言葉を流用/再構成するだけの、
批評などという後追い行為では、語ることのできぬモノだと思います。
ヴィトゲンシュタインが挿入されていたのは、彼の有名な言葉
「会話は存在しない。言語ゲームがあるだけだ」を受けてのものか。
『1Q84』の登場が、既存のあらゆる小説と批評が
想像力の乏しい言語ゲームにすぎなかったと知らしめてしまう気がします。
この観点から改めてみると、
『1Q84』、イチ・キュー・ハチ・ヨン
というタイトルからすでに、言語ゲームに喧嘩売る気満々だったんだなと
その、ただの思いつきでない革命への準備の周到さ、計算高さに、脱帽します。
凄い。
センスのかけらもないうすら鈍い批評家たちがどう言おうと村上春樹は天才でした。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.284:
(5pt)

ファンとしては大満足

book3やっと読み終わった 。なんか、これ村上春樹とは違う人が書いたんじゃないか…?? とおもうくらい、今までの文章とは違ってびっくりするところが多々あった。牛河が謎を解いていく時の切り返しや、選択の絞り方が都合よすぎる様に感じたり(話を進める為に) さいごまた、階段で戻れるのは最高に嬉しく感じたし、いい結末だと思うんだけど、なんか、流れがサラサラし過ぎて、ダイナミックな話のわりに、重みにかけるなあ…と思った。 ファンとしてはもっとこう、いつもみたくじらしてほしいという気持ちも否めなかった。 全体的にもそんな印象。 読み易くはあるけれど、ものたりなさが残る。 後読感も、今までの作品とはちがって素晴らしく晴れやか。(3の時点でだけど。。もしこれから、またいつもみたいな作風に戻っていつもみたいな終わり方をする、、というbook4がでたら凄い) だけど自分はこれで全然嫌な感じはしなかったし、率直に、こんなのもあっていいのかなあ♪って感想。 ただ、ほんとに彼がかいたのかなあ?? ってやはり思った。book123の中で、3が一番テンポよく、分かりやすく感じた。 一番、スラスラと読むことが出来た。 彼の作品らしくはないけれど スラスラと読めるって非常に大事かとおもう。 難解なストーリーや、癖になる言い回しも大大好きだけど 小学生のときに好きだったのは前者のような文章だ。 でも、人ってどこか癖のあるものがたりに惹かれてしまうのかなあ。。。 彼の物語は彼らしいからいつも、 価値があるのだろう。 そして 彼の物語は 社会的にものすごい『ベストセラー』でありながら 合う合わないが非常にはっきりしている小説で、 好きな人には『自分だけ特別の本』という愛され方をしていると凄く感じる。 自分は、大好きだ。単純に面白く、格好良く、 何度読んでも 飽きない。 私の中で、何度読んでも飽きない本は、彼の本だけ。そんな自分の様なファンを充分に満たしてくれる一冊だと思う。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.283:
(4pt)

着地でややぐらついた感じ

予想していたより、遙かに面白かった。とくに第27章の滑り台のシーンは美しく、白眉だと思う。先に進むのが惜しくて、ここを3度読み返したぐらい。ほんと、ここで物語が終わってほしい、と思った。ま、むりだけど。でも逆に、第31章の最後は書きすぎていると思う。もうここまでくれば、読者が「まあ、こんな風になるだろうね」というようにしか展開させようがないのだから、もっと刈り込んで余韻を残して欲しかった。書きすぎで全体の印象が安い感じになっていると思う。惜しい。可能なら文庫化するときに、ちょっと手を入れていただけると嬉しい。もっとも、これは、Book4が出ないという前提でのお話。出るのだったら、評価を留保しますが。まあ、使い切っていない設定も残っているので読んでみたい気もするけど、基本的には、Book4いらないような気がします。(なんて、春樹さんにいってみてー。)
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257

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