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1Q84



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【この小説が収録されている参考書籍】
1Q84 BOOK 1
1Q84 BOOK 2
1Q84 BOOK 3

1Q84の評価: 3.66/5点 レビュー 986件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.66pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全180件 121~140 7/9ページ
No.60:
(3pt)

売ったもん勝ち

この作品を簡単に説明すると、読者への「サービス精神」を徹底的に排除して、作者の暴走する妄想だけで書き上げられたような、空前絶後のマスターベーション小説です。登場人物に共感できるような魅力がなく、感情移入という行為がまったくできないし、物語自体も緻密かつ綿密に練り上げられものではなく、行き当たりばったり的な要素が強いし、最初から最後まで、不自然さと違和感がつきまとい、読み進むのが苦痛になってきます。未完成な失敗作に村上ブランドというシールを貼り付けて無理矢理商品化したような代物です。このような作品を大々的に取り上げて、さも素晴らしい作品であるかのように騒ぎ立てるメディアにも少々問題があるのではないかと思います。ベストセラーとはマスコミの操作によってでっち上げることができると知ることができました。読書に感動を求めている方には間違ってもおすすめできない本だと思います。以上、あくまでも個人的な感想です。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.59:
(3pt)

やや残念・・・。

うーん、どうなんでしょう?物語的には面白く読めたんですが、随所にええっ!と言わざるをえない箇所ありますねえ。天吾は良く描けていますが、青豆は最後までよくわかりませんでした。2人のリンクする設定も小学校の同級生じゃあねぇ・・。脇で登場する小松さんや、エビス・・さん、人妻のガールフレンド、300万支援の人物、天吾の父親、謎の老婦人、これらはすべて中途ハンパ。大味な作品という印象です。
また、性描写が多すぎる。ちょっと間違えばくだらんエロ小説にでもなってしまいそう。作者も歳を重ねこういった性表現が小説に必要と感じるその感性が理解できません。
まあ、良くも悪くも『村上春樹的』作品であることには間違いなく、この文体に安心感を覚える読者も多いのでは・・。
1Q84 BOOK 2Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.58:
(3pt)

現代日本のマスマーケットでは受け入れられないのでは。

2000年代末期、Mixiとニコニコ動画の時代において、わざわざこういう物語をマスマーケット向けに書いても、なかなか評価は得られないだろうという印象を持ちました。
決して判りやすく面白い作品ではないので。
特定のイデオロギーを信じる閉鎖的で排他的な共同体に対して警鐘を鳴らすというのは、文芸作品の持つテーマとして、現代において非常に重要な意味を持つでしょう。
しかしながら、そのテーマは、作者がこれまで得意としてきた文章のスタイルとは馴染みがたいものであるように思いました。
そのため、以前からの読者は重いテーマに辟易し、話題作としてエンターテイメントを期待して購入した層は、作者独特の表現にも、そのテーマにもなじめず、決して楽しめる作品とはなっていないように感じました。
その結果、マスマーケット向けの娯楽作品としては、あきらかな失敗に終わっています。
商品としては、売れればいいという話もありますが。
さて、マスマーケット向けではない文学作品としてBook1のみを見た場合、そのテーマは、近代社会において普遍性を持つもので、その点は大変評価できるものとなっています。
しかしながら、作者の一種独特の雰囲気を持つ流麗な文章は、現代日本において、読者をひきつける力を失いつつあるように思いました。
わかりやすく印象的なものに瞬時に反応することと、そのフィードバックが即座に返されることが当たり前になった時代において、文章の流麗さというのは、急速に過去のものになりつつあります。
また、女性の登場人物の描写が、フェミニズムやマテリアリズムやコマーシャリズムなどを90年代と00年代に経験した後、友人・知人ネットワークの中で上手くマーケティング用語に操作されるふりをしつつも、女性であることを非常に現実的に受け止めながら生活している現代日本の女性の読者には、共感の持てるものではないだろうなという印象を受けました。
文学作品は、出版された時代や舞台となっている時代の大衆風俗の描写が目的ではないので、それはそれでよいのですが、読者の共感を呼ばない文章で構成された文学作品は、読者に何かを訴えかけるのは難しいのではないでしょうか。
個人的な感想としては、本作品を読めば読むほど、自分がそれなりにものを考えられると思っている一方で、とりたてて優れた人間ではないことも自覚している、後期資本主義社会において大衆化された大学教育を受けた男女であるという、同作者に書かれた文章の商品のターゲットの中に自分が含まれていることを意識させられます。
未知の知識を蓄えることそのものを楽しめない読者にとっては、本商品に全て目を通すのは辛いでしょう。
大衆化された大学教育で得られる教養しか持ち合わせない読者には、本書のテーマは伝わりにくいでしょう。
大衆化される前の大学教育レベルの強要を持ち合わせた読者には、ただただ退屈なだけでしょう。
翻訳後に再評価される作品であるように思いました。
結論としては、本ページをみている人びとに、無邪気に薦めることはできないので、星3つ。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
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No.57:
(3pt)

独特

常に文字でギッチリの紙面、冒頭からダラダラと続くストーリー、数ページに渡っての解説や説明……等々、読みにくい要素満載なのですが、実際読んでみると不思議なことにすらすら読める。
基本的に退屈な場面が多いものの、盛り上がるところでは一気に盛り上がります。谷間から直接山場の頂上までワープした感じです。
それは多くの退屈パートがあったからこその盛り上がりなのですが、いかんせん退屈な所が長すぎる気も……。
総評としては、「つまらない」と「超面白い!」が混ざり合った「まあ普通かな」。
賛否両論のレビューも納得できます。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
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No.56:
(3pt)

同時代作家としての村上春樹

読み終わって数日経ちますがいまだに評価がつきかねる1冊です。
村上春樹の作品をほぼ同時代で読み続けてきた自分としては、納得できる部分と釈然としないが半々といった感じです。
今までの村上春樹作品が読者をひきつけてきたのは、良くも悪くもその距離感(突き放し感)だと思います。
全てを説明することなく、物語の中心に空白を据えることで読者の想像力、感受性を引き出す構成でした。
それに比べると今回の「1Q84」は物語の構成が以前の作品とは大きく違っています。
今まで以上に物語自体をどっしりと中心に据え、細部における謎もきっちりと書かれています。(それでも謎は謎として残っていますが)
以前からの村上春樹が好きな自分としては、この変化が違和感として残っている感じです。
ただデビュー以来20年を経て、2009年の同時代にあえてこの1冊を送り出した村上春樹の意図は、再読をした上でもう一度考えてみたいと思います。
噂されているBook3が出るのか非常に興味深いです。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.55:
(3pt)

予定調和の物語

単純化することを恐れずに言えば、1Q84は偶数の物語である。青豆と天吾(2人の主人公)を交互に一章ずつ、12X2=24章に纏める構成。2つの月、世界。感応するパシバと、それを受け行動するレシバ。空気さなぎに寄って作られるdaughterと原型であるmother.
作品は著者によって完全に統御され、様々なエピソードを紡ぎながら、エンディングへと向かう。銃口を喉に入れ、引き金を引く青豆。24章で天吾の面前で空気さなぎから生まれる10才の青豆。
1Q84の世界は周到な構成を取りながら、決して作品自体を裏切り、物語そのものを「異なるもの」へと変幻することをしない。唯一、1Q84と言う表題で9をQとすることによって1+8+4=13と言う奇数、それも素数を紡ぐのみである。
小単位ではそれ相応に心を揺すぶるエピソードはあるが、究極に於いて、読者は作品を「読む」という行為に於いて、「異なるもの」、「生なる感覚」を感じ取ることが出来ない。
私は先に挙げたエピローグを正確に予想することが出来た。これは読者にとってとても不幸な事である。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.54:
(3pt)

良くも悪くも、村上春樹

1、2とも読み終えました。
少し「ねじまき鳥クロニクル」に似てるかな、と思いました。
ただ、クロニクルははっきりした結論を書かず、
読者に想像させる余白を残していますが、
こちらの方は割ときちんと説明書きがなされているように感じました。
個人の好みにもよると思いますが、
手や脇に嫌な汗をかきながら、文章からイメージを沸かせて、
色々と想像を働かせて読んだクロニクルの方がパワーがあったかな、
という感じがしました。
あと、元々そういう文体と言われればそうかもしれないですが、
この1984は特に英語に翻訳されるのを前提として書かれたような、
なんというか、英語にすると映えるだろうな、という感じを受けました。
愛が全て、とか、
とうとう村上氏も口に出してしまったか、という感じがしました。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
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No.53:
(3pt)

それなりに引き込まれるが・・。

村上さんの大ファンではありませんが、売れていると聞き「久しぶりに読んでみるか」と思い、購入。それなりに引き込まれ、Book1 を読みましたが、Book2 あたりから、「もういいよ」と思い始めました。タイトルがジョージ・オウエルを意識したようにも思わせますが、オウエルのように魂を揺さぶる内容ではありません。むしろ、和製シドニー・シェルダンと考えればいいのではないでしょうか。
追記。この本には続編があることが発表されていますが、買ってまで読む気はありません。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
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No.52:
(3pt)

腹六分目

言わずと知れた話題作。大好きな作家の新作なのに、なかなか
買えずにもんもんとする日々。やっと手に入れて読んでみたら
・・・感想を一言で言うと「もの足りない」。
前半は、いつもの通り淡々と進んで感じ。上巻の最後から後半
の1/3くらいまでは盛り上がってきてくれたのですが、その後が
尻すぼみでした。敵役(今回は宗教団体)にもっと大きな秘密
や怖さや悪さがあってくれれば良かった気がします。
上下巻読んでもまだまだ腹六分目の作品でした。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.51:
(3pt)

リアリティが感じられない

こうしてレビューを書く意義があるのか、疑問には思う。
すでに120以上もののレビューが掲載されている中で、自分のレビューが読まれる可能性は低いし、そもそもレビューがどうであろうと、読む人は読む。
でも、やはり言いたい。「リアリティが感じられないよ」と。
SFであろうと御伽話であろうと、どれだけ奇抜な舞台設定であろうと、よく出来た作品にはリアリティが感じられるものだろう。それに村上春樹は人一倍、リアリティにこだわってきた作家だと思う。
それが今回の作品ではリアリティが感じられなくて悲しかった(村上春樹は数少ない好きな作家なので、筆力が衰えたように感じられた)。とくに月の描写と、青豆が危険を省みず任務に傾倒していくあたりが決定的にリアリティ不足。どうリアリティ不足なのかは、ストーリーをさらすことになるので書けない。
前者は計算済みなのかも知れないが、後者はそのまま筆力不足なのだと思う。
と、なんだかんだいっても、あれだけ分厚い本を2冊、丸一日で読ませてしまうのだから、楽しませてもらったということで低い評価をすべきでないのかも知れないが、後半は惰性で読んだところもあるし、時間を無駄にしたような読後感が残る。
好意的に評価しても星3つというところ。
1Q84 BOOK 2Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.50:
(3pt)

期待どおり、だけど、、、

 今回の新作「1Q84」は新聞で見た書評でオウム事件もテーマになっていると知り迷わず購入しました。
 ちなみに村上作品はファンではないのですが、たまに手に取る程度ながら何時の間にかだいたいの作品を読んでいるという感じです。随筆や翻訳本も結構な数になりますが、中でもオウム事件を取材した「アンダーグラウンド」と「約束された場所で」は私自身強く興味を持って読んだ本です。村上氏についての印象もこのあたりから硬派なところもあるんだね、という感じで好感を持つようになりました。
 さて問題の1Q84ですが「期待どおり面白かった」というのが第一印象です。しかし「期待どおりでしかなかった」というもの足りなさも感じるのです。やはりオウム事件が提起していることに作家・村上の投げ返してきた球がなんだかゆるい感じがしました。
 村上氏の随筆では日課のランニングやマラソン体験とからめて日常の話題やはては作品論まで論じていて面白く読んだのですが、そのせいかどうか村上氏は作品においても走りきるイメージが最初から念頭にあるのではないでしょうか?。しかし作家たるもの松村邦洋のように途中で昏倒する覚悟も必要なのではないかとも思うのです。その点で93年に出版された中島らもの「ガダラの豚」は95年のオウム事件を予告とまではいかなくとも先取りした力作だと思います。そういえばガダラの豚と1Q84は、登場人物になんとなく似たところがなくもありませんね。
 それから私は現在、南千葉に移住して「半農半X」な暮らしをしています。1Q84には同じく南千葉の千倉も舞台として出てきます。近年は団塊世代が移住してくるこることも多く、学生運動やコミューンのエピソードを読むと、そんな人近くにいるよ、と引き込まれたのも事実です。まあ私自身がその一人なのですが。その意味でも農的なコミューンが何故どのようにして宗教団体に変容していったのかもっと詳しく書き込んでもらいたかった。村上氏はキャベツの千切りは得意のようですが、農作業の体験はないのでしょう。
1Q84 BOOK 2Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 2より
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No.49:
(3pt)

以下、続刊?

村上さんの新作、先ほど読了しました。が、「終わってないんじゃないの、これ?」というのが率直な感想です。
「小説中に提示された謎が、ほとんど未解決のまま終わる」というのは、ここ10年くらい顕著な村上さんの傾向だし、それが彼の小説をより謎めいて魅力的なものにしている側面もあるので、そのこと自体は別に構いません。でも、読了後に改めて考えてみると、今回の本は「上・下巻」ではなく、「BOOK 1、BOOK 2」に分かれているので、『ねじまき鳥クロニクル』の時みたいに、1年後くらいに突然BOOK 3が出ても不思議は無い印象を受けました。
いずれにしても、今回も(『海辺のカフカ』ほどではありませんが)十分堪能しながら読ませていただきましたが、BOOK 2の終わりのほう(特に最後の2章)は、正直、肩透かしでした。というか、やっぱり終わってないよ、これ。
1Q84 BOOK 2Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.48:
(3pt)

共感できない…かな

村上春樹のかなり熱心な読者だと思います。
自分の中に閉じこもり、ついには自分を殺してしまう「羊をめぐる冒険」や「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」「ノルウェイの森」から、自分なりのやり方で他者との関わりを模索しようとする「ダンス・ダンス・ダンス」「ねじまき鳥クロニクル」に到る過程は、ついつい本の中に閉じこもりがちな自分を励まし続け、作者と同じ問題を自分の中に見出し、同時代に生きる幸せを感じてきました。
村上春樹がオウム事件に関わることも、他の作家が小説を書き続けて行くために社会性のある話題に飛びつくのとは違うように感じています。
が、それを他の作品と同じように自分の中の問題と重ね合わせることはなかなか難しい。
或いは、共感できないのは、作者が挑戦している三人称の小説への違和感か?二度三度再読してみます。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.47:
(3pt)

『1Q84』『東急不動産だまし売り裁判』

村上春樹『1Q84』と林田力『東急不動産だまし売り裁判』は共通点がある。前者はオウム裁判を執筆の契機とし、後者は東急不動産消費者契約法違反訴訟アルス東陽町301号室事件を描く。共に現代社会における倫理とは何かという大きな問題を日本社会に突き付ける。また、主人公は共に強い想いを抱いている。それがリアリティを生み、人生を形作っていく。『1Q84』では主人公の天吾が想像した小説世界が現実となる。『東急不動産だまし売り裁判』は不利益事実を隠して問題物件をだまし売りした東急リバブル東急不動産の不正を憎む消費者の強烈な想いが勝訴を導いた。
1Q84 BOOK 2Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.46:
(3pt)

なるほど

ネットでの情報、TVでの特集など、
読みきるまでは全てを見ないようにして
さきほど読み終わりました。
年中、村上春樹を読んでいるので
どちらかというと、村上ファンですが…
皆さんのレビューの1つ1つに納得でき、
時には、笑わせてもらいました。
 ・世の中を一生懸命生きていけば〜
 ・ぐいぐい惹きこまれたけど、最後は〜
 ・前半は関心薄かったけど、後半から〜
などなど。全て肯けますね、正直。
自分の意見を言わせてもらえば、既視感があるのは否めないです。
村上春樹の過去の遺物をミックスして、ややタイムリーな事象を背景に
した感じでしょうか。心地良くも、悪くもありますね。
少なくとも、アフターダークよりは面白かったんじゃないでしょうか。
既視感を抱きつつも、純愛に希望を託せば好感を覚える。
既視感に嫌悪しつつ、振り回されたと思えば反感を覚える。
いろんな意見があるでしょうが、大まかに二分すると
こんな感じじゃないでしょうか。
いろんな意見に肯けるという点では、
ターミネーター4を見た後の感じに似てました。
村上春樹に牧村拓が重なって見えたのは気のせいではないかも…
1Q84 BOOK 2Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.45:
(3pt)

話題性はあるが・・・

村上作品には好みが分かれる。独特のトーンと世界観が好きな人にはたまらない。一方で、それがハマらない場合には何とも響いてこないものだ。この作品は、「久々」の登場だったこともあって大変なブームだが、私には今ひとつだった。流行が流行を呼ぶのも、今の日本の社会の一つの特徴であり、問題である気がするのだが。。。物語としては、ファンタジーの面もあるが、人間関係を描いたものでもあり、社会へのメッセージと読み解くこともできる。そういう意味で、読者が色んな読み方が出来る点では素晴らしい作品とも言えよう。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.44:
(3pt)

商業戦略の成功

1Q84 BOOK 1装丁。売られるまでの長い期間と沈黙。
これまでよりクリアなタイトルと設定。
基本的な内容は少し変われど、過去の彼の作品とあまり違わない。
全く異なるのは、長編にもかかわらずわかりやすいキャラクター設定とデザイン、
読みやすい文体。
ふかえりが指摘されたことと全く同じことを誰かが書き直したみたいだ。
例えば、タイトルが「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」と「1Q84」どちらが覚えやすい?「羊」「やみくろ」に対して「ふかえり」「リトル・ピープル」のどちらがイメージしやすい?
丁寧で俗説的な描写と、宗教という現実世界に通ずるテーマ。
あとはいつもの村上ワールドなんだけど、これは徹底的に売ろうと彼か誰かが決めて作られた壮大なプロジェクトだと思う。私がやっと手にいれたのは第12版だ。おそらくいつもは村上作品に手を伸ばさない人も買ったくらいエンターテイメント性に比較的優れているからだと思う。
これも何故かふかえり現象と重なる。
村上さん、バックに誰かいませんか?それともこれもあなたがしかけた悪戯ですか?
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.43:
(3pt)

見た目のとっつきやすさが酷評を生む?

特にBook1のストーリーは「ワクワクドキドキ感」があり、「大ベストセラーです!」「品薄です!」という世評・マスコミによる喧伝につられて読み始めた人も、いわゆる“フツー”の小説として楽しめる要素があると思う。であるがゆえに、それらの人たちがいつも気軽に読んでいる小説と同様のわかりやすいエンタメ性やメッセージ性を求めてしまうのかもしれない。しかし残念ながら、この小説はいかにも“村上春樹的”であり、そもそも村上春樹的な小説とはそんなにわかりやすいものではない。
で、特にBook2や結末に対する不満や酷評が生まれてしまうのではないかと。
私個人は、今回の『1Q84』は楽しく読めました。ファンタジーであり、ラブストリーであり、(読みようによっては)警世の書であり。言葉で表現しきれぬものを表現しようと試みつつ、読者に対する説明を拒否する面もある。複層的重層的な「人間」「社会」「世界」が表現されているように感じました。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.42:
(3pt)

どんどん読み進められた。が……

村上春樹の長編はだいたい読んでいます。
この1Q84は、さきが読みたくて2日くらいで一気に読みました。
読んでいる最中は話に引き込まれましたが、読後感は……微妙。
作者が意図したものなのかも知れませんがすっきりしなかったです。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.41:
(3pt)

面白いが好きになれない。もっと説明すべきでは?

これだけ長い小説を読ませる著者の力量や話の面白さについては、他の人が色々書いているので、あえて書きません。
しかし、著者の小説がこの日本で売れる現状については、否定をしたくなります。
主人公は、「ノルウェイの森」でもそうでしたが、「あきらめ」を肯定しすぎではないでしょうか?
著者の小説のモチーフとして、「言葉の無力さに対するあきらめ」が感じられ、今回も作中で、「説明しなければわからないということは、説明してもわからないということだ」との文が繰り返されます。
また、主人公の一人は「あらゆる責務から身をかわし続けてきた」人物が登場してきます。
「世界の一つだけの花」の歌詞にも通じる、あきらめ、自己肯定感というものは、今の日本の社会全体の空気を作っている気がしてなりません。
著者は、最近でこそ、例外的にイスラエルでの講演で政治的・社会的な事柄に言及していますが、その著者は、社会的な影響力を考えれば、一見そのようなあきらめを肯定するような小説を出すというのはいかがなものかと思います。もっとも小説家は道徳を語る存在ではないと思いますが。
著者は、言葉の無力さにあきらめを持ちながらも、言葉を使って物語を語っています。決して、言葉の無力さをあきらめきっている訳ではないはずです。
主人公も最後には、前向きに生きていくように考え方が変わっていますが、そのメッセージがどれだけ世間に届いていくのでしょうか?
著者は、村上龍ではありませんが「日本はもっと頑張ろう。個人も頑張ろう」と多くの場を使って語ることが、著者にとっての責務ではないかと思います。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222

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