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海辺のカフカ
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海辺のカフカの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全345件 21~40 2/18ページ
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私はカフカの名前は知っているが、読んだ事はない。作中に出て来る様々な文学作品についてもしかり。例えば源氏物語。何となく内容を知っているようで、ちっとも読んだ事はない。まあ、本作を楽しむ上で、そんなの関係ないと思った。 村上作品では珍しい、中学生と言う若い主人公だが、彼の行動や思考は、非常に老成しており、年上の女性との性交渉もあって、村上春樹らしいキャラであった。物語は、彼の語るパートと、一見無関係そうな内容とが、交互に進行する、いつものパターン。そして今巻の後半で重なり合うのだけれど、個人的には、オッと思わされる展開だった。主人公の謎が、見えて来るに連れて、父を殺し、母や姉と交わる、と言うのが、現実味を帯びて来て、非常にスリリング。 恐らく、嫌う人も多いと思うが、個人的には。読んでいて非常に面白いエンタメ作であった。エピソードの一つ一つが、細かく書き込まれ、エロやグロもあるが、それも含めて楽しめた。 | ||||
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自宅に家族が買ったのか、下巻だけあり面白かったので、上巻を購入しました。安く買えて満足です。無事話が繋がりすっきりしました♪中身はとても綺麗でしたが、裏表紙と中身数枚分に大きく折れ線があったので、★4にしました。 | ||||
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ホント、読み始めるやいなや 怒涛のスピードでサクサクすらすら読み進める。 おかげさまで多忙と夏の暑さに当てられ バテ気味だった読書の勘がモドりました。 といってはナンなんですが 巻が改まってからこっちのカフカくんは 些か失速気味? ナカタさんにつき合って職場放棄までして 四国高松までやって来たホシノちゃんの 映画『レインマン』のトム・クルーズもかくやの 奮闘に比べれば。 せかいでいちばんたふなしょうねん ってトコロは感じられませんでした。 | ||||
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8月(2021年/令和3年)末からコッチ、 溜まってきたBL文庫ばっかり読んでたら 読書のテンポがズレたみたいでひと月強で 6冊・・・。 読書の秋たけなわと言うこともあり 村上ブンガクで仕切り直しを図った。 夏前に『カフカ短編集』を読んだ流れで 語呂合わせ的な気分で購入したまま 部屋に転がしてた『海辺にカフカ』(新潮文庫版 上・下)。 思った以上に、サクサク読み進める。 ページを捲り業に目を走らす快感! 本を読む”勘”が戻ってきた感じ。 2日弱で上巻を読了! 内容をとやかく言いたい人も言えるケド 僕的にはこのスラスラヨメル感だけで 良い本とするのでアリマス。 | ||||
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三島由紀夫「潮騒」をモチーフにしているかな? ギリシャ悲劇、神話の要素も見られます。 | ||||
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ノルウェイとか世界の終わりと〜よりは腑に落ちつつ読めたけど、冒頭の集団失神の話だとか途中に出てくるウイスキーやケンタッキーのオッサン達の正体など、回収されない出来事が堆く積もりすぎて流石に消化できない。こんなに消化不良で、実際意味があるやら無いやら分からないことに思い悩みながら読み終えることになるとは(分かってはいたんだけどね)。とにかく誰にも真似できない新しい言い回しと新しい世界観を楽しむために読んでる。というか、読んでしまうって感じか。 ところであの性描写だけなんとかなりませんかね、生々しくていつも具合が悪くなっちゃうんだけどね。すぐ寝るのはいいとして。 まあ、快感にしても嫌悪感にしてもここまで人の心を動かすことのできる村上作品はやっぱりすごいんでしょう。個人的には大島さんが大好きです。 | ||||
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ずっと本棚に未読のまま置いてあったのですが、ようやく時間ができて上下とも読みました。 自分の体験と重なる部分が多い作品ですごく引き込まれました。「世界の終わりと…」やこの作品のようにどこか幻想的な部分がある物語が好きです。すべて辻褄を合わせようとするより、夢のように、そのまま楽しむ、あれはこういうことなのかな…と。余韻をいまだに楽しんでいます。 | ||||
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最初からすべてを読みつくそうとしないこと、それが薦めてくれた友人の言葉でした。少年の道を辿る、それだけでいいからと。 これは本当にありがたい導きでした。そして読み進めながら、作家としての自己証明ではなく、ひとりの人間として、この世界を見つめて生まれてきた思考を今書きとどめておかないとどこかに羽ばたいてしまいそうな怖れに似た感情を抱かれて、村上春樹さんは刹那よりも残照を選ばれたのかもしれないと想像しました。閃く想いは一瞬の邂逅でしかなく、それが生まれてきたことさえも憶えていない。だから付箋に留めるよりも一気に文字として描いたほうが早い。 モーツァルトのように自動書記さながらのスピードで綴られたのかもしれません(拙い想像ですので間違っていたらごめんなさい)。ある瞬間すべてのピースが嵌るということ。時には、書いた後に作家ご自身が別の意味を知って驚かれるということもあるそうですね。そんな感覚を持ちました。 この小説は三つのパターンで読んでみると楽です。最初はとにかく流し読み、登場する少年に導かれながら心の園を散歩するように天界から町を眺める感覚で。次は時系列で。少し右往左往した箇所もありますが、覆っていたフィルターが薄らいですっきりと読めます。そして最後は、徹底的に言葉のレトリックを検索し、謎解きをしながら、また困難すぎると感じられた箇所は諸先輩方の尊い鍵を頼りにしてみると、御明察の域に達します。面白かったです。完全な魔方陣ですね。ゲームなどより面白いと言われる意味がやっとわかりました。 実は、世代を超えてこの小説を一度は通っているとおっしゃる方が多いことに気づきました。外には絶対見せない、語らぬまま内在する森の中でひっそりと思考していらっしゃる方が本当に多くて、世の中の智を集めたらどれほどになるのだろうと頭を垂れるしかありませんでした。特にこの時期、最前線でcovid-19と闘ってくださっている方の中にも『海辺のカフカ』の愛読者がたくさんいらっしゃいます。 ふと見まわせば、他の何かから智を得ているけれど、日常には誰にも見せない片翼を抱きながら生きている方たちばかりです。しかもその片翼は家族や誰かへの深い愛につながっているかもしれない。 響き合う記憶と魂、時を超えた世界がつながっていると感じられること。自分の人生を生き、計らずも浮かび上がったひとりひとりの詩が誰かを救うかもしれない。混沌とする日常をひとりではなく遠い誰かと風のようにつながりながら乗り越えていくための感性。波紋の一滴、それが海辺のカフカでした。 | ||||
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大変良い状態であり、二日間で読了。 下を期待している。 | ||||
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何をテーマにしたのか分からない。読み手それぞれでいくらでも解釈できるのでは。伝えたいメッセージもモヤモヤしている。しかし、主人公の少年が物語の序盤と終盤で大きく成長しているので、少年が大人になる過程で、全ての人間が経験する何かがテーマかもしれない。 一人の15才の少年が主人公。彼は日常から飛び出したくて家出をし、単身、四国へと向かう。その道筋の見知らぬ大人の力を借りながら。もう一つの物語が中で同時進行している。中野区に住む知的障がいを抱える老人が、ある出来事を発端にやはり四国に向かう。話が進むほど、2つの物語がシンクロし、少年と老人は別次元で同一人物のような展開になる。終わり頃登場人物の多くが亡くなる。 村上様らしい読み易い文体なので枚数にこだわらずスムーズに読めた。所々に読者を退屈させないユーモアもある。 | ||||
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10年ぶりくらいにふと読み返したくなり手に取りました。 あの時と、今での感じ方を知りたくて。 | ||||
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良かった | ||||
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新品でした。 | ||||
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メタファーをテーマとした話。 基本的に難解で、一読ですっきり理解できない作品でした。 でも、実際に読んでみるとページをめくる手が止まらない。難解なのに、続きが気になって仕方ないのです。 あくまで私の考えなのですが、この作品の魅力の1つには「緊張と弛緩を上手く使っている」ということもあるのではないかと。 カフカくんのパートは倫理観に問いかける、緊張のパート。近親相姦をはじめ、重い成分が多いです。 いっぽうナカタさんパートは、猫との会話をはじめとするほんわかゆるやかシーンが多いです。星野青年との掛け合いも、不思議に会話が成り立っているのが面白いです。(だからこそ、急にシリアスになってドキッとするのですが) カフカくんパートを読んでいると手に汗が滲みます。そして、読むのが辛くなります。だからこそ、早く、早くナカタさんパートを読みたい。この緊張から解き放たれたい、というようにページが進むのです。 これは私がビビりすぎなだけかもしれませんね、、、 怒られてしまうかもしれませんが、そのような「緊張と弛緩」という、若干のエンターテイメント性を伴う要素に強く惹かれました。 | ||||
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「海辺のカフカ」はあらすじだけを追ってもわけのわからない小説です。でも読後に深い感銘を受けます。 しかし、明晰な文章で綴られているにもかかわらず、内容は謎だらけです。 ・田村カフカの父は人間であり、かつ、魔物のようであるが、どういう経緯で魔物になったのか(雷に打たれたから?)。親子でどういう生活をしていたのか。母と姉はなぜ出ていったのか。 ・戦時中の集団失神事件はなぜ発生したのか。なぜ、少年時代のナカタさんだけは意識を回復できなかったのか。意識を回復したナカタさんは、なぜ記憶を失い、文字を読む能力を失ったのか。なぜ、猫と話せるのか。 ・ナカタさんや佐伯さんの影はなぜ半分の濃さしかないのか。佐伯さんの書いていた過去にはどんなことがあったのか。影の濃さが半分しかないというので、死ぬのだろうとは思っていたが、なぜ、2人は出会ってから、急死してしまうのか。 ・この物語の設定が、ギリシャ神話の「オイディプス王」を土台にしているのはよくわかります。さらに、大島さんは病気だけでなく、性について複雑な設定がありますが、なぜ、普通の男性という設定ではいけなかったのか。物語にあるように、「プラトン の『 饗宴』に出てくるアリストパネスの話によれば、大昔の神話世界には三種類 の人間がいた」「昔の世界は男と女ではなく、男男と男女と女女によって成立していた」というように、ギリシャ神話が土台となっていることを強調するためだろうか。 ・神でもなく、仏でも なく、人間でもないカーネル・サンダースは何者なのか。なぜ助けてくれるのか。 ・田村カフカが、メタファーとしての母、姉を犯したと仮定して、実父を殺したのは、誰なのか。ナカタさんなのか、ジョニー・ウォーカーがナカタさんの中に入って自分を自分で殺したのか、それとも服に血のついていた田村カフカなのか。やはり、田村カフカが生霊になって父を殺したことにならないと、呪いが解消されないのではないのかと思うが、そうなっていない感じがする。 ・ジョニー・ウォーカーの作ろうとしている猫の魂を使った特別な笛とは一体何なのか。 ・入り口の石を感知し、開け閉めする資格を、ナカタさんが急にもつようになったのはなぜか。 ・入り口の石によって開く世界は、人に名前がなく、時間は重要な要素ではなく、そこから出るまでは後ろを振り返ってはいけないというと、あの世なのか、それとも、死者と生者が交わる特殊な亜空間なのか。 ・ホシノさんは、どうして入り口の石を開け閉めする資格をナカタさんから引き継ぐことができたのか。なぜ、ナカタさんのように猫と話をできるようになったのか。 考え始めるときりがない謎の迷宮が広がっているわけですが、この物語が教養的で豊穣なものであることに間違いはありません。 | ||||
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ノルウェイもねじまき鳥も良いがこのカフカが最高傑作だと思う じっくり読めて休日の読書に最適 | ||||
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極限まで息を止めて我慢しきったら、息を再開した時に気持ち良いだろ。 そんな具合、下巻の途中までは本当、驚くほど退屈。 ただ、最後に繋げるためには最初の詰まらなさすら必要なのかも知れない。 そう考えると、あの詰まらなさも無碍には出来ない気もする。 この約800ページ読んだ頃にやっと得られる丁寧な生き方の方法は 残念ながら、柴田亜美の漫画で似たような真理は得られる。 ゆえに、根っからの春樹好きでない限りは、 柴田亜美のジバクくんを読むことを薦める、強ち本気で薦める。 相変わらず国家権力大嫌いだね、この人。 想像力豊かなリアリストにとって現実世界、 とりわけ日本国で生きていくことは苦痛でしか無いのかもしれん。 とりあえずメタファーという単語が吐き気がするほど目に付く本。 腹立ったからこの本に何個メタファーという単語が出てるか調べてみた。 34個だった。 嘘だけど。 | ||||
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すき | ||||
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およそ、村上さんの長編については読み、このレヴューにも投稿させてもらっているのだけれども、この「海辺のカフカ」については、どういう訳か、読んではいたのだが、レヴューを書いて、いや、書けていなかったことに驚いている。 いつものように、村上さんの文章はそれほど難しくない。最後まで読ませる小説になっていることは、認める。 けれども内容については、いろいろな解釈が出て来よう。単に15歳の少年が家出して、自分を見つめ直す、そして成長する、と言う内容の小説だとはとても思えない。まったくカフカ少年と異なるナカタさんなる人物が登場して、同じ東京都中野区から出発し、同じ高松市に向かうのだけれども、ナカタさんはカフカ少年と結局出会うことはなかった。ナカタさんはカフカ少年の父を止む無く殺害するのだが、最後は入り口の石を見つけ、死に、そして口から細長い白い物体を吐き出した、だけで終わっているのだ。ナカタさんの役割とは、何なのだろうか。 また佐伯さんと言う、行方の分からない母親とほぼ同年齢の女性、そしてカフカ少年の実際の姉と同じ年齢の大島と言う女性が登場する。上巻では、オイディスプスの神話まで語られる。だが、父である田村浩一はカフカ少年ではなく、ナカタさんに殺害されているのだ。佐伯さんについても、母親である、とは断言できないし、大島は恐らく少年の姉ではないだろう、と推察できる。 小説としてはおもしろいし、最後まで読ませるのだが、結局どんな小説だったのか、と問われると、なかなか答えにくいのだ。特に、村上さんがこれだけの長い小説の中で何を読者に訴えたかったのか、と言う視点に立つと、難問を突きつけられることになる。村上さんの他の小説にしても、それは同じで、簡単には答えられない。 多くの読者を巻き込みながらも、正体をなかなか現わさない作家、と言うことになるのだろうか。この「海辺のカフカ」以降、「アフターダーク」、「1Q84」、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の旅」、そして「騎士団長殺し」、と長編だけでも4つの作品を書いている。今後も出版すれば、非常に多くの部数が売れるだろう作家、けれども掴みどころのない作家、と言うことになっていくのだろうか。 | ||||
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2002年9月に発表されたこの作品について、久しぶりに読み返してみたので考えてみたい。捜せば他にもあるのかもしれないが、村上さんが少年を主人公にした作品は余りないように思う。15歳の誕生日を迎えようとしている、中高一貫校に通う田村カフカ少年は、父親と二人で住む東京の自宅を家出して、四国の高松市にバスで向かう。カフカ少年は、高松では予め調べてあった甲村記念図書館を訪れ、佐伯と言う40代半ばと思われる女性の管理責任者に巡り合う。そしてその部下である謎めいた大島と言う人物の協力により、この図書館に居候することになる。やがてカフカ少年は、佐伯が20歳頃には大ヒットしたこともある歌手であり、その頃に恋人を失った過去を知る。 そしてもう一人の主人公であるナカタさんと言う東京都中野区に住む老人は、第二次大戦中に起きた不幸な事件によって、記憶を失っただけではなく、文字を読む力さえ奪われてしまっている。ナカタさんは猫と話す能力を持っているのだが、そのためにある殺人事件に巻き込まれてしまうのだが、自首した交番では信用してもらえず、ヒッチハイクしながら四国に向かおうとしている。 やがてカフカ少年の父親の正体が明らかになり、行方の分からなくなった母と6歳年上の姉の存在が語られ、オイディスプスが受けた予言が登場する。 出版時の2002年に読んだ時には、15歳の少年が主人公であることに敬遠したくなったことをよく憶えている。だがこうして幾度か読み返してみると、カフカと言う15歳の少年だけを主人公にするのではなく、ナカタと言う同じカタカナ3文字の老人を登場させることによって、物語の展開が単調にならないように工夫しているのだろう、と言うことが分かった。こうした工夫をしてくれていると言うことが分かると、おおよそのあらすじを記憶していても、下巻の展開について以前に比べてもう少し深く理解できるようになるのではないかと思う。 いつものことながら村上さんの読書量は、やはり大したものだと感心する。フランツ・カフカについては、残念ながら最も有名だが非常に短い「変身」しか読んだことがない。村上さんはこの他に、少なくとも「城」、「審判」、「流刑地にて」も読んでいる。それほど長い作品ではないから、村上さんはこれらを恐らく複数回読んでいることだろう。 好みの問題になるのだろうが、村上さんは情緒的な問題だけではなくて、論理的な問題についても明晰な側面を有している。甲村記念図書館に現われた2人の女性の主張に対して、大島が次々に理路整然と論破して、やがて納得のいく論理を展開するる場面は、爽快である。だが結末は、大島が自身の個人的なことを披歴することで、2人はこの小さな図書館を去らざるを得なくなってしまう形をとっている。 Schubertの第17番ニ長調ソナタについても、大島に語らせていることに、はっとした。村上さんの音楽の好みには、時々違和感を覚えることもあるのだが、Schubertについては、村上さんの感覚の方が上らしい。と言うのも、村上さんにはSchubertのピアノ三重奏曲の魅力ついても、他の作品で教えてもらったことがあるからだ。 | ||||
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