■スポンサードリンク
海辺のカフカ
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
海辺のカフカの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全345件 281~300 15/18ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
村上春樹は今迷っている。そう確信出来る作品です。どうしても迷いから抜け切れない、どこに道があるんだろう?今までの自分ではない何かが体の中、心の中に既に準備があるのにも拘らず、まだ表現の手段がない。こういう時期作家は苦しい。ただ耐えるしかないんだと思います。 星野クンとナカタさんという性格に新しい村上春樹を見る読者が多いと思いますが、多分もっと深くて暗い性格、例えば主人公カフカの父親で、ジョニー・ウオーカーと呼ばれる男、そしてケンタッキー・フライドチキンのカーネル・サンダースのようなイメージにもっと作家の新境地があるような気がするのは、深読みでしょうか?このようにグロテスクで、しかも輪郭鮮やか色彩豊かな国際的商業的意匠を盛り込む村上春樹。それは、自身の作品が既に世界の読者を想定したものである事、ゆえにそうした新しい市場新しい読者に染み入るグローバルなイメージの喚起を試みたものと言えると思います。 暗いどろりとした人間の底辺を探る事。それがこのカフカ以後の村上春樹の仕事になって行くのではないでしょうか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読んだ本を「良かった」と思う人は読者の3割程度だということを理解してほしい。「ノルウェイの森」をレビューを見て買ったが、あまり面白いとは思えなかった。 僕は同じ作家の小説を2冊以上読んだことがあるのは5名程度しかない。村上さんの作品と知らずに読んだ「風の〜」を除いてこの作品は4冊目だった。この作品の前に「世界の〜」を読んだので、驚いたのだが、構成は「世界の〜」と同じ2人の主人公の観点から交互に展開されていく。2つの世界が同時に展開されるような感覚である。 村上さんの作品に頻繁に出てくるキーワードがいくつもある。例えば死、性、影、生・・・など。独特の世界観を言葉で表現するので、この作家の作品には想像力が必要とされる。現実主義に固執する方には勧められない。また、結論が出ないまま終焉を迎えるということがこの作家の特徴で、その後の展開や結末は読者に委ねるというスタイルである。完全に内容を理解させないように展開させているのではと思うのは僕だけあろうか。 色々書いたが、この作家の読後感は僕は好きである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
わりと専門用語等も乱立するけれど、総じて「読みやすい」のが 村上春樹氏の1番の魅力かな、と思ってます。 カフカ少年のエピソードと、星野さん、ナカタさんの エピソードとが交互に登場し、進展していく形式は テンポがあって良かったです。 が、カフカ少年、15歳にしては達観しすぎ? こんな15歳がいたら生意気だなぁと思ってしまったり。 個人的には、星野さんの人間臭さ、ナカタさんの秘密めいた 存在に魅かれて読破した口です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
それを進化とするのか退化とするのかは人によりけりだと思う。変化は難しいが、村上春樹の挑戦だととりたい。 まず目を引くのが文体の変化だ。いままでの〜だった。〜した。などの過去形の文体からうってかわって、〜だ。〜する。という現在系への変化。一文一文は今までより短くなり、個人的な見解からすれば、冗長性、情緒性、ともに失われているような気がする。 さらに、フィジカルな面を省き、徹底的に精神的、あるいは抽象的な話、ストーリーに分解されている。ナカタさんパートの序盤なんか、児童向けファンタジー?みたいな。 村上春樹のあらたな挑戦か。初めは戸惑ったけど、後半になればなるほどおもしろくなっていく。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
前半で提示された謎が一つに収斂しそうに思わせつつ、読者に対しては解明されないまま終ってしまうという手法を、「エヴァンゲリオン」とは違って意図的に使用した作品だと思いましたが、上巻から下巻にかけての盛り上がりは圧巻で、私は見事にのせられてしまいました。 ただ、この小説の基本的な主題は「他者と向き合うこと」だと思うのですが、これすらもエヴァンゲリオンをなぞっているように思え、あんまりオリジナリティは感じられませんでした。 やはり時代が生んだ作品なのではないでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
安易な結論を出すような作品に碌な物は無い。傑作というものは安易に結論を出しておらず、読者の見方次第で幾通りにも読み取れるものだ。 こう私は考えております。この作品を読んで読者は戸惑うだろう。そりゃ当然だ。結論を明確に出していないんだから。でも、出たからといってどうなのだ。「これこれこうですよ」という結論だけでは「あっ、そうなの」で終わりだ。それで全て終了。でも、名作と呼ばれるものは違う。絶えず複眼的な解釈に晒される。それだけ堪能する価値があるからだ。そして時を置いて読み直せば、新しい解釈を得るかもしれない。 私にはこの『海辺のカフカ』という作品には、そういう要素があるように思うのだ。読みきったのでしばらく本棚の中で眠ってもらおうか。そしてしばらくしたらもう一度読もうと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本に出てくる少年をとりまく様々な事柄に、気付かないうちに、しかし確実に吸い込まれていきます。それとこの本を読む前にやはりフランツ・カフカの本も読まれた方がいいのではないでしょうか?そうすることで何故、この本の題名が「海辺のカフカ」となった所以を想像することが出来るかもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
関連性の無い話が複数で進められ初めは訳がわからなかったが、複数の話の点と点が線で結ばれていくテンポが心地よい。妙にリアルで具体的だったり、まるで夢のような非現実性が同居していて非常に面白い。15歳という年齢や父親との関係、母親との関係・・・様々な構成が絡み合い絶妙な村上ワールドに引き込まれる作品だと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本屋さんで平積みしている人気作家の作品だからって、万人受けするとは限らない。村上春樹をよく読みこんでいる人の間でさえ、本作は毀誉褒貶が定まらない。だから春樹デビューをしたい人は、まず図書館などで借りて下読みしてから注文されることをお勧めする。 本作は村上作品の中でも特殊な文体で進行するし(カフカくんの章)、ナカタさんの章は童話的にほのぼのしていてホッとするからって油断して読み進んで行くととんでもない場面に出くわすのだ。コケると最後までたどり着けない。 物語の主人公カフカくんの自己制御力は15歳という年齢設定からすれば異常とも思えるほどだが、清潔を保つ習慣や体作りを怠らないこと、栄養バランスの取れた美しい食べ物を好み、孤独を孤独と思わず、クラシック音楽や古い文学作品を愛する教養などは、どれも作者・村上春樹氏の美意識に適っていることばかりである。逆に正反対ともいえる星野青年の造詣こそが、作者のプロとしての力の現れとも思える。 村上春樹の世界観を「分からない」と思える感覚はある意味で正常だと思う。この暗さ、救いの見えないやりきれなさ、痛みを万人が意識し出し肯定するような世界は異常である。恐らく春樹読者の半数くらいはあんまり面白いとは思っていないのではないだろうか。 村上春樹がいくらノーベル賞候補の聞こえの高い人気作家であっても、彼に引きずられて孤独を自覚する人が増えるよりは、素直に「分かりません、好きじゃありません」と言える人が増えたほうが健全である。ハマればのめりこむのは必須だが(私のように)。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今まで何冊かの村上春樹さんの本を読みましたが、この『海辺のカフカ』はそれまであまり本を読んだ事のない私にもすっと村上さんの世界に入る事が出来た作品だと思います。 本屋で他の作品より先に見つけたという理由だけで最初に『海辺のカフカ』を読んだのですが…。 私には村上さんの作品の中で『海辺のカフカ』が一番興味深く、読んだ後に考えさせられる事も多々あり、非常に有意義な時間が過ごせたと思います。 村上さんの本を読みたいけれどどの本から読もうか考え中という方、もちろんそれ以外の方も、ぜひ読んでみてください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
村上氏の著作は、基本的にはこの「海辺のカフカ」と同じようなストーリー性を持っています。根本のテーマは“自分探し”です。 フロイトやユングの心理学を念頭に置きながら、この物語を読んでいくと、よりいっそう理解が深まるとともに、楽しむことが出来ます。 結論を知っていても、何度も読み返すことの出来る本ですね。読むたびに得るものが違いそうで、毎年読みたいくらいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私はこの本を知り合いに進められて読みました。 最初はよくわからなかったけれどだんだん読んでうちに 続きが気になるようなワクワクする本でした。 私はナカタさんが出てくるほうは 途中で読み止めてカフカの方だけ進めていました。 けれど途中でストーリーが繋がってると知って 急いでナカタさんの方も読みなおした時 すごい寒気のような緊張感が走りました。 こんなすごい話しがどんどんすごい展開 で進のでもう何時間もとまりませんでした、 私は昨日読み終えたんですけど、 すごく良い気分になります。けどもっとよみたいな っていう感じも持ちました。 だからぜったいオススメです!! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
早く続きが読みたいけれど、読み終えてしまうのがもったいない・・・久しぶりにそんな風に思えるお話に出会いました。残り200ページというところで、このレビュー書いてます。読み終わったとき、何を思うのでしょうか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本の中に書いてあったこと全てを上手く読み取ることは凄く難しいことでした。でも、読み終わった後になんとも言えない清清しさが残りました。春樹さんの書く文章は、「なんとなく」読んだ後でも何かがどっしりと自分の中に残ります。 カフカ少年が、今まで考えたこともなかったことを考えたり、見たり、触れたり、新しい発見を自分の中に取り込んで成長していく様が鮮明に描かれていました。孤独で力だけ強かった少年が、色々な出会いを通して最後には素敵な笑顔を作れるようになり、本当の意味で「タフ」な15歳になっていく…多感な時期を乗り切った少年は懐が大きくて優しい大人になるのでしょう。私ももっと早くにこの作品を読みたかったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
村上春樹はこれがはじめてのひとも、ファンもどちらも満足できるでしょう。通勤電車でちょっとずつ読んで、その一月くらいの間は、作品に入り込めたのはよかった。 登場人物、音楽、自動車、猫、背景など素敵でした。やむをえず、そうしてしまう、というのが切ない。 村上春樹の長い小説が、また読みたくなりました。 ハードカバーも、紙がいいので良いです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み始めは、「ねじまき鳥クロニクル」のようなダークなイメージで始まりましたが、下巻を読み進むにつれて、曇天模様の空から雲が晴れていくイメージへと変わってきました。 私は今年で春樹さん14年目の愛好者ですが、いつも思うのが、春樹さんの作品には、「青年」や「若者」へのオマージュが投影されていると思えてなりません。 というのも、どの作品をみても「若気のいたり」というように、誰もが若かりし頃に感じた色々な思いや感情、行動が詰め込まれているからです。 クライマックスに、作中のカフカ君が決意したのは、春樹さんが何かを突き動かそうとしている証拠なのかもしれません。 そして、それを温かくすっぽりと包んでくれる優しさのシンボルが、常に女性となって投影さえている気がします。 作中の佐伯さん、さくらは、他の作品の直子やミュウにみられるように、まるで母性の象徴として、描かれているようだからです。 また、春樹さんの作品には、常に、生きることへの渇望が描かれていると思います。 古い記憶を残しながら、絶え間なく記憶の「図書館」をフレッシュに保っていくことの必要性。 もしかしたら、それも、今の現代の「若者」「青年」、特に、居場所を求めてさまよう者への、温かいメッセージへとしてのメタファーなのかもしれません。 いわゆる、作品自体が、メタファーなんだと思います。 実体を伴わないから、面白い。 たくさんの春樹ワールドのキーワードを読みときながら、言葉のおくを探っていく、行間を読ませる春樹さんの手法は、確かに超絶技巧です。 アートに近い。 これは、10代の子達にぜひ、読んでもらいたい作品。 作中の大島さんが語りかけることに、耳を澄ましてみてください。 まるで、図書館に入っていくように、静かに・・・・・・。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
上巻読了時点でのレビューです。ですので作品の完成度(全体)も不明ですが、傑作の予感です。作者独特の世界観の中で魅力的、幻想的な物語が進行していきます。2つの独立した物語が上巻の終盤では絡み合って来ました。長尺な物語ですが冗長ではなく、全ての出来事が物語の構成上必要であるのです。正月休みのまとまった時間で一気読みですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「そう、僕らは二人ともこの世界からすでに失われてしまった相手に恋をしているのだ」(村上春樹著/海辺のカフカ下巻より) 物語の主人公、15才の田村カフカ君は幻のような少女が見つめている1枚の絵、「海辺のカフカ」に嫉妬をする。それは油絵で、水平線と空と雲と砂浜・・・そしてキャンバスの椅子に座る少年が描かれている。 その絵を私(YAYA)も描いてみたい、と思った。 自分の感覚・インスピレーションごと春樹世界にキッドナップされたように感じた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
かのプルーストは「個人的主張を盛り込んだ作品は値札をつけたままの プレゼントのようだ」というようなことを言っています。 正確な引用ではありませんが、つまり物語はただ、物語として そこに横たわっていれば良いというのが主旨でした。 私のような未熟なものは、つい何のメタファーだろうかと考えたく なりますが、なるべくそういった「思考」は横において、 「感じるままに」読み進めるように しました。何かのインタビューで、村上春樹さんご自身が、 「決して物語に何もメッセージを込めていないということではないが、 正解は特に用意していない、読者に委ねられるべきだし、物語は物語だ」 というようなことをおっしゃっていたのを思い出しまして。 ですから、よく彼の作品に言われる、思わせぶりな、曖昧な、 などという批判はこの作品には当たらないと思います。そもそも、 そういうものを求めるには、畑が異なると考えた方が良さそうです。 ただ、物語として読むと、素直に面白いです。 ぐんぐん作品にひっぱられ、もっと先を、と読みたくなります。 邪道の? メタファーが何だろ、と思考する読み方をしても、 案外分かりやすく、(作家にとって、正しいかどうかはわかりませんが) 自分なりに結論つけやすい作品ですから、読み終えた後に、 「時間の無駄」だったとは感じにくいでしょう。 作者の主張に溢れた饒舌すぎてうるさい文学が多い中、 読者に多くをゆだね、物語の力を最大限に発揮している印象があり、 好感が持てました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
われわれが悲劇を共有できるのは、かつて神話を通して我々が悲劇を共有できたからだ。 神話は人間のこころの傾向性の核となっている。 たとえば、親殺し、近親相姦に良い印象を持つ人間はあまりいないだろう。 神話ではそれらは悲劇として描かれているからだ。 しかしこの物語はどうか、心の傾向性が狂った人たちがたくさん登場する。 やってはイケナイという境界線をいとも簡単に踏み越えてしまう。 神話を相対化してしまうことの恐ろしさをこの物語は悲劇として教えてくれる。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!