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海辺のカフカ
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海辺のカフカの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全345件 261~280 14/18ページ
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村上春樹本人が別の世界を覗いてきた。だからこそこんな素晴らしい小説がかけるんだと思ってしまう。村上春樹はよく、別の世界、もう一つの世界を小説にしている。 クールでミステリアスな大島青年とカフカ、それに対するようなユーモラスな星野君とナカタさん。その静謐な世界に、暗く邪悪な影を落とし、掻き乱すジョニー・ウォーカーさん。彼は、いつからジョニー・ウォーカーなのか。母親と会う前か、その後か?彼もまた別の世界を覗いたからなのか? 登場人物が魅力的で猫の一匹一匹にまで親近感が沸いてくる。カフカとナカタさん、そして、UFOの挿話。突飛なようで、それが一つに終結していく。先が気になって、ぐいぐい引き込まれ、ゆっくり読むつもりがどんどん読み進んでしまう。読み終わっても、また読み返してみたくなる。 終わり方がさらりとしすぎている気もした。しかし、主人公の15才という年齢にふさわしく希望に満ちた終わり方で、心地よい読後感を得ることができる。 | ||||
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村上春樹は最近、次のように語っている。「僕が参照する小説は、もうほとんどありません」。これは何を意味しているのか。それは、この小説から、すべてが始まったことをあらわしている。 この小説は一部だけを取り出して論じることができない。内容、文体、意味、引用、それらすべてが渾然となって有機的に成立している、戦慄すべき本だ。そのうちのどれかだけが論ぜられるから、評価が極端に分かれる。村上春樹を嫌う人間はわざわざ彼の小説を読んで悪態をつき、彼を好む者はほとんどすべての本を読む。けっきょく、みんな村上春樹から目が離せないのだ。 『海辺のカフカ』すら、通過点に過ぎない。未完成なのである。新たな文学の地平を示した記念碑的なこの本を読まないで、一体彼の文学の何を語ることができるだろうか。 | ||||
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オイディプスコンプレックス・憑依・死の世界・超能力などを舞台設定に、カフカ少年の“成長”を一応時間の流れにして、世界観・文学・音楽に関するペダンティックでない知識が散りばめられたとても面白い物語。氏の構成力、文章力、想像力に毎度のことながら感心します。 特に印象的なのは漱石の「坑夫」についてのカフカの感想。「この小説はいったいなにを言いたいんだろう」「でもなんていうのかな、そういう『なにを言いたいのかわからない』という部分が不思議に心に残るんだ。」 これはそのまま本書についての読者の感想といえるのではないだろうか。 文学・小説についてのもっと知識があればより楽しめるのではないかとも思う。巻末に載せられた、本書と関連する文学作品を読みたくなる。読書欲をそそる書。 | ||||
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始めて村上春樹の作品を読む方にもお勧めな良質の作品。海辺のカフカは世界的に見ても評価の高い作品であり、この作品の登場が彼をノーベル賞に最も近い作家たらしめたといっても過言ではない。ノーベル文学賞の前哨戦といわれるフランツカフカ賞を受賞したこともあり国内外問わず、ますますハルキ・ムラカミへの評価が高まってきている。一回二回読んだだけではとてもじゃないが作品の全貌を把握することはできない。それほどのとっても不思議な小説である。読書家ならマストな本ですよ! | ||||
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或る意味では、これまでの村上作品の総決算的作品。『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』のような閉じた終わり方や、『ねじまき鳥クロニクル』のような冗長的な作風と違い、適度な長さで、グングン読めて面白く、個人的には、ラストも非常に納得のいくものでした。 「世界はメタファーだ」という台詞が象徴するように、この作品自体が、総体的な世界のメタファーであるように感じ、敢えて平易な言葉で物語を書き連ねることで、意図的に作品の抽象性を助長させている気がします。また、個人的にはホシノ青年が殺したのは、「抽象概念」であり、「カーネル・サンダース」なのではないかと思いました。自分の深層意識の象徴である「森」から抜け出し(この点が自分の深層意識に留まる決意をする「世界の終わり〜」とは違います)、そこから大事なものを抱えだし、そして最後に、「ほんものの世界で一番タフな15歳」となったカフカ君は、現実の中で逞しく生きていけることでしょう。 ……うん、まだ実は良く分かってないのですけど (笑)。でも、とにかく読んでいて楽しかったので、後に機会があれば再読するに値する本だと思います。 そもそも、僕が村上作品を読む動機は、村上作品独特の空気感に浸ることと、単純に物語を楽しむことです。村上作品には、哲学的な要素も、もちろん含まれますが、それ以上に、他の作家には無い、魅力ある物語性が特徴です。釈然としない曖昧性は、敢えてそのままでも良いような気がします。氏の作品を読む際には、ただ、物語を楽しむこと、そして汲み取れるべき哲学的要素(この作品で言えば、「相互メタファー」など)は、きちんと汲み取って、現実世界に適用させること、これが重要だと思います。 「読んでいて楽しい」というのは、それだけで、十分素晴らしいことではありませんか。 | ||||
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細部においては、「こんな無茶苦茶な設定ありえない!」とい風にも思ってしまうが、 作者によって、(あるいは作者の作り出したキャラクター自身が意思を持ったかのように) 半ば強引に話は進められていく。細部にこだわらず、全体の、そして一番大切な核心 に向かってストーリーが吸い込まれていくような感覚。そのため、一度ストーリーに 飲み込まれたら一気に最後まで読破してしまう。 求心力や構成力という意味では、まるでストーリー中にも出てくるベートーヴェンの音楽を連想させる。 作者がキャラクターを借りて自分の考え、思想!?を語っている、ということには、 賛否両論あるかも知れないけれど、村上さんはそんなことは百も承知でやっているんだろうと思う。 (他の小説でもそれは多かれ少なかれ一貫しているし・・) 細部にあまりこだわってはいないけど、一分の冗長さもなしに(少なくとも私にはそう思えた)、 全体として見事に構成されている作品で、その骨格に男性的な力強さを感じる。 また、それを全体として実現する技術と才能、想像力や知識には感服するしかない。 客観的に見て、どう見ても話はファンタジーなのだけれど、 まったくリアリスティックに描き切っていることで、 この人は本当にこの話にあるようなことごとをある意味心より信じているのだなぁと思った。 また、そうじゃなければ、こんな作品を作れるわけがないと思う。 | ||||
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なんともいえない不思議な気持ちになります。 どうやら、普通の小説ではないようです。 世界が違う、というか、小説という娯楽の枠を超えたもの、というのでしょうか。 小説で描ける範囲を超えた小説、という気がします。 しかし、性的な描写が多すぎます。 いろいろ過激なシーンが多いので、小さい子供には読ませないほうがいいでしょう。 | ||||
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読んでいるうちに、なんだか不思議な感覚に陥りました。 繋がるとは思えない二つの話が最後には一つになってゆくのが とてもおもしろかったです。 | ||||
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自分に選択肢は与えられてはいませんが、どこかRPGのような雰囲気を感じる作品だなと感じました。村上氏らしい教養の高く、気品すらただよう文体は、いつの間にか読者をその世界に誘いこみ、あたかも自分の内面に入り込んでゆくような錯覚さえ覚えました。特にこの『海辺のカフカ』が扱っているテーマが主人公の「内省的な成長」というようなものであったので、主人公と同年齢程度の若者には多くの共感を生むのではないでしょうか。 本作品を読み終えて―というか、村上氏の他の作品を通じても―感じたのは、その時々で読者個人が必要としているものを与えてくれるという印象です。主人公をながめながら、様々な伏線を想像しながら呼んでゆくことで、主人公同様、内省的な気持ちにさせられます。 カラスと呼ばれた少年は、あるいは「ゲド戦記」に登場する影のような、自分のもう一つの側面を表しており、作中に登場する森は、葛藤を抱える人間の胸中を象徴しているようでありました。 間違いなく、本作は「象徴」、「メタファー(隠喩)」という一筋のテーマをもって編まれたもので、だからこそ、人それぞれ感じ方が違い、必要なものを与えてくれているような、自分個人に文体が話し掛けてくれているような錯覚を覚えるのではないでしょうか。象徴や、メタファーの感じ方は人それぞれなのだから。 主人公の少年はテグジュペリが砂漠に飛ぶ孤独なパイロットを「象徴」として描きたかったことであり、人間そのものなのではないかと感じました。 大変面白い、深みのある作品でした。 | ||||
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従妹に散々勧められて読んだ海辺のカフカ あっという間に引き込まれていきました 上下巻ですが長く感じませんでした。 不思議な世界です。 | ||||
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少年の成長を描いた物語。自分の父を知り、自分の母を知り、自分自身を見つめていく。物語には現実に並走する仮想現実(精神世界)があり、主人公は両方の世界を行きつ戻りつする。 読書中は、主人公とともに未知のことを発見し、精神世界のベールがはがれていき、この先どうなるんだろうっていう胸の高鳴りを感じ、本の世界に落ちていける作品です。 | ||||
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「ノルウェイの森」を読んで感激して、そのすぐ次で読みました。 相変わらず(と言っても2つしか読んでない訳ですが)独りよがり の極致という内容で、読者の謎解きに等一切付き合ってくれません。 ではつまらないか、というと、ところがそうではなく、一気に読ま されてしまいました。感じるのは、この人の強みは文章の上手さ、 なのでしょう。上手すぎて、登場人物が皆、15歳の少年も、自衛隊 上がりの元不良青年も、知恵遅れの老人まで、皆大層頭が良く感じ られてしまう。実にウィットに富んだ会話を繰り返す。カーネル氏 とホシノ青年の会話等、そのやりとりをずっと聞いていたい、と うっとりしてしまいます。でも、恐らく作者が伝えたいのは、その 様なウィットではなくて、生きるということ、自分以外の人間と向き 合うことの大事さ、なのでしょう。これが胸に来るか、というと、個人 的には余り来ない。来る人は勿論居るのでしょうが。「ノルウェイ〜」 では、その不細工な恋愛振りに、個人的にも大層共感したのですが、 こっちはちょっとピンと来ませんでした。誰かが書いていますが、 エヴァンゲリオンとかが好きな方には良いのでしょう。それでも、 読まされてしまうのは、やはり文章の上手さ。これだけでも星4つ。 読み手を選ぶでしょうね。 | ||||
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1人称と3人称の使い方がうまい。 ところどころで、見方を変えて描写している。 それでいて、違和感もなく、難しくもなく、気づかない人も多いのでは。 すばらしい芸術だと思います。 もちろん、本の内容も面白いですよ。 | ||||
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『ノルウェイの森』以来の村上作品を久しぶりに手にとった。 村上作品の独特の静けさが今は大好きとなっている。年をとったものだと自覚したりして・・・。 『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』が大好きで。 この作品と『ノルウェイ〜』を足したような作品だ。と、思いながら読み進めていた本作品。 佐伯さんとの別れの言葉。と、大島さんのお兄さんとの会話はラストの方だったし心に残っております。 大島さんは難解でした。 田村カフカくんが逃げないでちゃんと自分自身に戻ろうとする。 旅立ち?って感じ。(逆旅立ちだよね) しかし少年カフカ15歳にしては早熟だよね。 | ||||
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上巻だけを一ヶ月間の旅行のお供にして、下巻は帰国して読みました。じっくり上巻を読んでいた分大体結末は読めてたので、15歳の少年の方は冗長に感じましたが、ナカタさんと星野さん編は読みやすくて良かったです。二人のエピソードに絞った物語を読みたいなあ・・ | ||||
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不思議な世界に導いてくれる作品だ。何が現実なのか、どこからが幻想なのか。 しかし、最後にはすべて現実の話と一致していく。。。 特に印象強いのは、幼少の頃に不思議体験をして頭脳明晰から一転おバカになったという"老人ナカタ"。 それと強烈に絡むのが、猫の首集めの"黒服の男"。 もう壮絶です。なにが凄いって、目の前で繰り広げられる展開が・・ これは、ファンタジーでありながら、かなりブラックが効いているところがあり、なおかつ 少年の複雑な心境を繊細に書いている。読み終わったあと余韻が残る作品です。 | ||||
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漂々とした中、物語が進んでいきます。物語は少年が家出をしてそこで人々に出会い成長していくんですが来たるべき事件に巻き込まれていくという話です。この事件というのがとても不思議で言葉で説明できません。感覚で理解するという感じです。それに視覚や聴覚、嗅覚、触覚なども刺激してくれます。とても不思議な作品ですが、ちょっと読み始めるとどっぷりとはまってる自分がいました。おすすめの本です。 | ||||
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自分の中に抱える言いしれぬ衝動に突き動かされながら、各人がそれぞれの不思議な運命に巻き込まれていく。それぞれの運命は全く個別に抱えた宿命を具現化したものでありながら、その宿命は互いに引き合い、それが引き金となりひとりひとりの運命に新たな地平を開いていく。この小説を読んでいると、物語の中に出てくる数々の具体的な出来事を通して、自分自身も意識の深い地点に降り立っていくような、まるで催眠術にかけられているような不思議な気分になってくる。私たちの運命もひとつひとつの出来事は全く無秩序に起こっているように見えて、それぞれに深くコミットメントすると意識の底のところでは全てつながっているのであろうか。 | ||||
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奇数の章で展開する田村カフカ少年の物語。偶数の章で展開するナカタさんの物語。二つの物語は、上巻ではずっと平行線のまま続く。いつか交わる気配を感じさせながら・・・。その気配を楽しみたい。 カフカ少年が、しばらく居住することになる甲村図書館と、そこに飾られている「海辺のカフカ」の絵も、読者の心の中に鮮やかな残像を残す。高知の山小屋や森も同様だ。想像するという読書の一番の楽しみ方に身を委ねて、ただただこの世界を楽しみたい。 ナカタさんと星野青年との会話は、下巻での楽しみとなる。 下巻では、「メタファー」というキーワードが出てくるが、あまりこだわらず、奇数章と偶数章のそれぞれの空間を最後まで楽しみたい。 解釈しようとすると、少々苛立ち、苦しむことになってしまう。解釈しないことが、この作品の楽な読み方だと私は思った。 | ||||
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村上春樹が好きな人には「最高」 村上春樹が嫌いな人には「イマイチ」 と感じる、完全に村上春樹ワールドな作品だと思います。 15歳の少年が旅(もしくは空想、逃避)を通して、 自分の価値や存在などを認めていく物語。 カフカ(偽名)は15歳の誕生日に家を出て四国に向かう、 そしてとある図書館でであう、不思議な人々。 そしてネコと会話が出来る老人ナカタさん。 それぞれが運命や過去を通して交錯し、瞑想し、 それぞれの世界が一つになっていく。 殺伐とした内容ではありながらも登場人物1人1人、 特にナカタさんのほのぼのとしながらも強い意志が全体をなごませ、 不安定な物語を一直線に進ませる良い先導者となっているように感じる。 村上春樹好きや、村上春樹ワールド初体験の方には、 ぜひともオススメな作品。 そうでない方は、ちょっとオススメできないかも。 | ||||
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