ノルウェイの森
評判
ノルウェイの森の評価:
3.82/5点 レビュー 818件。 C ランク
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1,951件 961〜980 49/98ページ
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ノルウェイの森の評価:
3.82/5点 レビュー 818件。 C ランク
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はっきりした根拠はないのだが、処女作の"風の歌を聴け"を読むと、村上春樹自身が小説を書いていく中で啓蒙され、この作品を書くに至ったのではと思える。
作者自身、過去に実際に大切な人が自殺したように感じてならない。それについての結論がここに現れているのか?
自己主張を抑えているという意見が過去にあったが、
彼は、元々概念をはっきりと言葉に著すのが苦手で、決断力がない。だからこそ小説という媒介で物事を伝えることを選んだのだと思う。
女性のしかも若くして自殺した人間の心情を解釈をするのがおこがましく感じたから、当時の登場する人物の発した言葉を切り取って貼ったのだろうか。
そして"本質"という物を解しているからこそ、言葉にする事が困難になり、びっくりするぐらい聴き上手で、暖かく、強い人格を創っているのだろう。
sexシーンの件は人間関係にある種の親密さや人間臭さを求める、彼の特性かと思われる。この件について、私個人的には理解し難く、あまり重要でないと感じたので、これ以上語るのを控える。
そんな人の代表作がベストセラー、つまり「周りの皆が面白いって言うから」みたいな"本質を解さない様な人々"に買われ、名前だけが先行してブランド化するという何とも皮肉な現象が起きた。
何だか村上春樹のファンの大半は馬鹿なのに、ミーハーでカッコつけて思慮深いフリをしている現代のミスチルファンやジブリファンにも似ている気がする。それが、彼の学生時代のマルクス主義や早稲田の学生運動を差しているのだろう。
大震災の時の学生達の募金活動は、馬鹿だけれど、人を傷つけている訳じゃないので偽善でも讃頌する。それを他者に公表しない限りは。
一般的に、男性はだいたい18〜24歳の間で経験した事が一生の軸になる何かになると思うのだが、彼にとってのそれがこの作品に類似した体験、人間、勉強した事柄、人生に関するスタンスなのだろう。
作品の中身について述べると、
永沢と緑の父親の対比が何とも痛快。そして、緑の父親の類の人々がこの作品を読んで、"sexシーンが気持ち悪い"だとか"男の心理中心の恋愛"だとか何とも的外れなことを言っているのをみているのが痛快。
そして、主人公が最後には永沢のことを痛烈に批判しているところや下巻P167の発言、"君が残っている"という様に主人公が、緑の父親側の立場でいるのがよく、この温かさに泣ける。
"人生は驚くほど短い。時の洗礼を受けていない書物は読まないほうがいい。"という発言や"生きることに意味はない。あるのは紳士であるという行動規範。"自分のやりたいことではなく、やるべきことをやる"
"自分に同情するな"、"不公平な社会は能力を発揮できる"
永沢の発言は本当になるほどと思わせてくれる言葉だ。
それから、上巻P176。女性であるのに直子が"正義"とか"公正"といっただぐいの言葉を発するのが素晴らしくいい。
この類の思想を軸に生きている賢い女性が実際にはどれ程いるのだろう。
大事なのは人からの評判でいかに自分が幸せ者であり、素敵な女性に見られるかを気にして常に演じているのだろう。そして、演じていないこと自体が正しいと勘違いして、汚らしい、好き勝手な言葉を馬鹿げた"女子会"なるもので言い散らかす輩も多数。
ただ、自殺した人間が公正や正義であることを実現したかは甚だ疑問である。
下巻P63あたりの、学問の意義や、マルクスのくだりもいい。上に述べたミスチルファンみたいなことだ。
大学入試だけ頑張って、学歴が高いのに何も学んでない(自分では学んでいると思っている)人間や、
"私、読書好きで素敵でしょ?"さんとか、"英会話できてかっこいいでしょ?"さんなど手段の自己目的としていていちいち自分のことをソーシャルネットワークでつぶやく、自己愛馬鹿、特別な自分馬鹿さんにぜひ読んでもらいたい。
これを読むと、テレビでとりあげられる馬鹿げたミステリー小説や、自己啓発本の類は本棚から消え去り、自身の人間関係や社会との関連の仕方が、少しづつ改まるのではないか。
私は、永沢の言葉通り、生きることの意味や社会や正義、人間について、例えばV.Eフランクルやイヌマエルカント、ジョンロールズなどの時の洗礼を受けた者から学びとっている。
大切な人、大切なものを選び取るセンスが身についた。