世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

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評判

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドの評価:

4.24/5点 レビュー 267件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.24pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全295件 141〜160 8/15ページ
No.155
(5pt)

映像化

今頃(2011年)になり、ついにこちらの作品を読み終えました。
1985年当時に創造された作品なのに、
現代の近未来の描き方と変わってないことに圧倒されました。
是非、映像として見て見たい!

70、80年代のインディアナジョーンズやブレードランナーなどの冒険物やSF物の匂いもするなか、
90年から2000年にかけてのダークシティやマトリックスのさらに無機質で進化した世界につながっていき、
また昨今のインセプションにいたるまで、
世界の終わりもハードボイルドワンダーランドも、どちらの世界観も
時代を超え、国境を超えた影響力が実はあるのではないかと思います。

人間の奥深さ、複雑さをを味わうために、
現代の技術をもってして、美しい映像で堪能してみたい作品です。
映像美は後付けで、Paul Thomas Anderson監督あたりが
ストーリー重視で、新天地を開拓してみてほしいものです。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.154
(3pt)

2回読めばあるいは・・・。

有名な村上春樹に初めてチャレンジしたのがこの作品。

2つの物語が交互に進行して行きますが、読み終えても両者のつながりは
自分にはよく分かりませんでした。「ハードボイルド〜」の物語が終了後、
その主人公の精神が作り出した世界が、「世界の終り」につながるような
気はしましたが。

「ハードボイルド〜」では、お酒や音楽に関する記述が度々現れますが、
それらは作者の趣味・嗜好なのでしょう。地下から脱出する場面等では、
物語がそれなりに盛り上がりますが、引き込まれるほどのおもしろさは
感じられませんでした。

「世界の終り」は淡々と話が進んで行きます。終盤、主人公が、「心が
ない」とされる彼女の心を読み取って行く場面など、美しい描写がいく
つかありました。

冗長的な比喩表現などによって、読み終えるのに非常に長い期間を要し
ました。得てして、おもしろいと感じる物語は、ドンドン先に読み進め、
すぐ読了となりますが、本作品はそうは行きませんでした。
ですが、ところどころに、考えさせられる抽象的な表現があり、再度
注意深く読めば印象がガラリと変わり、名作になるのかもしれません。

しかし、自分にはその気力も勇気も今はなく、しばらくは本棚の飾り
となる見込みです。

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.153
(3pt)

2回読めばあるいは・・・。

有名な村上春樹に初めてチャレンジしたのがこの作品。

2つの物語が交互に進行して行きますが、読み終えても両者のつながりは
自分にはよく分かりませんでした。「ハードボイルド〜」の物語が終了後、
その主人公の精神が作り出した世界が、「世界の終り」につながるような
気はしましたが。

「ハードボイルド〜」では、お酒や音楽に関する記述が度々現れますが、
それらは作者の趣味・嗜好なのでしょう。地下から脱出する場面等では、
物語がそれなりに盛り上がりますが、引き込まれるほどのおもしろさは
感じられませんでした。

「世界の終り」は淡々と話が進んで行きます。終盤、主人公が、「心が
ない」とされる彼女の心を読み取って行く場面など、美しい描写がいく
つかありました。

冗長的な比喩表現などによって、読み終えるのに非常に長い期間を要し
ました。得てして、おもしろいと感じる物語は、ドンドン先に読み進め、
すぐ読了となりますが、本作品はそうは行きませんでした。
ですが、ところどころに、考えさせられる抽象的な表現があり、再度
注意深く読めば印象がガラリと変わり、名作になるのかもしれません。

しかし、自分にはその気力も勇気も今はなく、しばらくは本棚の飾り
となる見込みです。

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.152
(1pt)

春樹ワールド

村上春樹の突き抜けた世界観が惜しげもなく披露されていた作品。
凡人の私には到底、理解不能だった。

海外のメーカーやアーティストを事ある毎に埋め込んでくる、その意図。
自分の影を切り取られ、その影が自分自身に話しかけてきて、特にそれを疑問視しない主人公。
やみくろという、得たいの知れない物体の存在意義。

奇天烈な設定のオンパレード。純文学は難しい。





世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.151
(1pt)

春樹ワールド

村上春樹の突き抜けた世界観が惜しげもなく披露されていた作品。
凡人の私には到底、理解不能だった。

海外のメーカーやアーティストを事ある毎に埋め込んでくる、その意図。
自分の影を切り取られ、その影が自分自身に話しかけてきて、特にそれを疑問視しない主人公。
やみくろという、得たいの知れない物体の存在意義。

奇天烈な設定のオンパレード。純文学は難しい。





世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.150
(2pt)

これぞ自己満足 春樹の深層心理

全く意味のないものを、さも意味深なように脳内変換して受け取ることのできる人には面白いのかもしれない。
文体がオシャレだとか何とか言われているが、何をどう料理して何を作ったかとか、何という銘柄のウイスキーを飲んだかなんていうのを何種類も書き連ねることは小説として必要ない。
どんな女とセックスしたとか、こういう女とはセックスしたことがないとか、1回ならともかく、何度も何度も繰り返す必要性もない。
半分以上が無駄で構成された読み物で、上下巻に分割せずに1冊にまとめることも可能な内容。
どこかの一般人が書いたblogのようで、よくここまでどうでもいいことを延々と書き連ねられるものだと感心する。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.149
(2pt)

これぞ自己満足 春樹の深層心理

全く意味のないものを、さも意味深なように脳内変換して受け取ることのできる人には面白いのかもしれない。
文体がオシャレだとか何とか言われているが、何をどう料理して何を作ったかとか、何という銘柄のウイスキーを飲んだかなんていうのを何種類も書き連ねることは小説として必要ない。
どんな女とセックスしたとか、こういう女とはセックスしたことがないとか、1回ならともかく、何度も何度も繰り返す必要性もない。
半分以上が無駄で構成された読み物で、上下巻に分割せずに1冊にまとめることも可能な内容。
どこかの一般人が書いたblogのようで、よくここまでどうでもいいことを延々と書き連ねられるものだと感心する。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.148
(5pt)

『1Q84』出版以前に書いた文章です

高校時代に『ノルウェイの森』を読んで衝撃を受けて以来、村上春樹は、常に僕のヒーローであり、ロール・モデルであり続けてきた。

1985年に出版された本作。個人的には、村上春樹が世界的作家としての一歩を踏み出した、記念碑的作品だと思っている。驚嘆すべきイマジネーション、抜群の面白さ、人の内面世界に迫る物語の深み、そして、小説としての完成度の高さに、胸が震えた。何度も読み返しているのに、そのすばらしさに、感嘆のため息が出た。これだけの作品を、「作家としてのキャリアの初期に」書いたのか!?

村上春樹は、読者とのメールのやり取りを単行本化したものの中で、この作品(そして『ねじまき鳥クロニクル』)を書いたことに触れ、「骨をごりごりと削るような作業だった。一生のうちで、何度もできることではない」と語っている。

この作品が上梓されてから20年以上経った今も、村上春樹は、作家として進化し続け、自らの小説世界を異様なまでに深化させている。

個人的には、この『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』に加え、『ねじまき鳥クロニクル』、『海辺のカフカ』が、現段階での村上春樹の三大傑作だと思う。

Wikipediaの「村上春樹」の項目からの引用だが…



2008年4月、共同通信社とのインタビューで「今、次の長編を書いてます。長いんです。やたら長いの!」と明かした。「毎日五、六時間も机に向かい、もう一年二カ月ぐらい、ずっと書いてる。」と語り、新作のポイントを問う質問に対し、「それは『恐怖』です。手応えはある。僕の重要な作品になる気がする。」と答えた。



キャリアの初期にこれだけの達成をし、約30年のキャリアの間で、異様なまでに物語を深化させてきた作家が、これ以上、物語の深みを追求する…もう、言葉が出ない。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.147
(5pt)

『1Q84』出版以前に書いた文章です

高校時代に『ノルウェイの森』を読んで衝撃を受けて以来、村上春樹は、常に僕のヒーローであり、ロール・モデルであり続けてきた。

1985年に出版された本作。個人的には、村上春樹が世界的作家としての一歩を踏み出した、記念碑的作品だと思っている。驚嘆すべきイマジネーション、抜群の面白さ、人の内面世界に迫る物語の深み、そして、小説としての完成度の高さに、胸が震えた。何度も読み返しているのに、そのすばらしさに、感嘆のため息が出た。これだけの作品を、「作家としてのキャリアの初期に」書いたのか!?

村上春樹は、読者とのメールのやり取りを単行本化したものの中で、この作品(そして『ねじまき鳥クロニクル』)を書いたことに触れ、「骨をごりごりと削るような作業だった。一生のうちで、何度もできることではない」と語っている。

この作品が上梓されてから20年以上経った今も、村上春樹は、作家として進化し続け、自らの小説世界を異様なまでに深化させている。

個人的には、この『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』に加え、『ねじまき鳥クロニクル』、『海辺のカフカ』が、現段階での村上春樹の三大傑作だと思う。

Wikipediaの「村上春樹」の項目からの引用だが…



2008年4月、共同通信社とのインタビューで「今、次の長編を書いてます。長いんです。やたら長いの!」と明かした。「毎日五、六時間も机に向かい、もう一年二カ月ぐらい、ずっと書いてる。」と語り、新作のポイントを問う質問に対し、「それは『恐怖』です。手応えはある。僕の重要な作品になる気がする。」と答えた。



キャリアの初期にこれだけの達成をし、約30年のキャリアの間で、異様なまでに物語を深化させてきた作家が、これ以上、物語の深みを追求する…もう、言葉が出ない。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.146
(5pt)

大好きです

最初、舞台に入っていけませんでした。異様で、奇妙で、安っぽい架空の世界のようにさえ感じました。その状態から舞台に入り込むまで、100ページ程かかりました。 そこからは、読むのを止められませんでした。上下巻、1日で読み切ってしまいました。 突拍子も無い世界から、”こんな事もあり得るかもしれない”と思わせる所まで引っ張っていく、(僭越ながら)春樹氏のパワーを感じたと言いたいです。 他の作品も楽しみです。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.145
(5pt)

大好きです

最初、舞台に入っていけませんでした。異様で、奇妙で、安っぽい架空の世界のようにさえ感じました。その状態から舞台に入り込むまで、100ページ程かかりました。そこからは、読むのを止められませんでした。上下巻、1日で読み切ってしまいました。突拍子も無い世界から、”こんな事もあり得るかもしれない”と思わせる所まで引っ張っていく、(僭越ながら)春樹氏のパワーを感じたと言いたいです。他の作品も楽しみです。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.144
(3pt)

好みの問題

ストーリーは非常に良かったと思う。展開に引き込まれ、早く次が読みたいという衝動に駆られた。もっとも、長い比喩や比喩としては難解に過ぎるものが多く、それらは読み飛ばしたいと思ってしまった。冗長な比喩表現が物語の展開の足を引っ張っていると感じた。設定や人の心に着目した点、それを表現しようとしている点は評価できるが、心がないこととの対比を生かせなかったように思う。世界の終わりの図書館の女性など、心がないという点は強調されているが、心がある者と対比や差が伝わってこなかった。個人的には、影に最も感情移入できた。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.143
(4pt)

まるで、よくできた精密機械のよう…

この作品は例えるなら、よくできた精密機械のようだ。余分な隙間が無い。細かいパーツも素晴らしく、その出で立ちは美しいほどに完璧に近い。 読み始めると、この作品の持つ圧倒的な文章力と巧みに練られたストーリーで、ぐいぐいと引っ張るパワーを感じることが出来る。そこですんなり感情移入となれば良かったが、自分はそのドアを見付けるのに手間取った。それを見つけたのは、下巻の半分を過ぎた辺りだ。だから純粋に楽しめたかと言うと、そうではない。 好きな人はとことん好きになるんだろうな、と思う。そういう意味では残念だ。けれど、素直にいい作品だとは言える。最高傑作と謳われるのも分かる気がする。文章、ストーリー共に解りやすい。結末は他の村上作品と比べても、すっきりしている。あとに残る独特な余韻は例によってあるが、それは決して居心地の悪いものではない。少なくとも、個人的にはそう感じた。またいつか読み返してみようと思わせる一冊だ。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.142
(5pt)

最高に好きな作品です

大学生の頃に村上春樹作品を読みあさり、その中で一番好きだったのがこの本です。切なさがたまりません。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.141
(5pt)

いつまでも「新しい」作品!!

個人的には最高傑作。2つのストーリーが同時進行していく構成は、読み進めるとともにリンクする。村上春樹氏の作品は「哲学」を題材にし、深層心理の描写に比喩表現が多く用いられる。しかし、本作品は「科学」を題材にし、現実と虚構の狭間を上手く表現している。珍しくオチが理解しやすい。(東野圭吾氏の作品、「パラレルワールドラブストーリー」と似通った雰囲気を持っているだろうか?)本題に入るまでの長さは相変わらずだが、入ってからの物語の展開速度は他作品の追随を許さない。「もし存在するなら巻き込まれてみてもいい世界」、ぜひ一読していただきたい。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.140
(4pt)

まるで、よくできた精密機械のよう…

この作品は例えるなら、よくできた精密機械のようだ。余分な隙間が無い。細かいパーツも素晴らしく、その出で立ちは美しいほどに完璧に近い。 読み始めると、この作品の持つ圧倒的な文章力と巧みに練られたストーリーで、ぐいぐいと引っ張るパワーを感じることが出来る。そこですんなり感情移入となれば良かったが、自分はそのドアを見付けるのに手間取った。それを見つけたのは、下巻の半分を過ぎた辺りだ。だから純粋に楽しめたかと言うと、そうではない。 好きな人はとことん好きになるんだろうな、と思う。そういう意味では残念だ。けれど、素直にいい作品だとは言える。最高傑作と謳われるのも分かる気がする。文章、ストーリー共に解りやすい。結末は他の村上作品と比べても、すっきりしている。あとに残る独特な余韻は例によってあるが、それは決して居心地の悪いものではない。少なくとも、個人的にはそう感じた。またいつか読み返してみようと思わせる一冊だ。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.139
(2pt)

……え?

賞を受賞したり、ファンの間でも評価が高く、期待して読みました……が ……えらくスケール小っさくないですか?計算士、記号士という独自の特権的な職業が出て来て、かなり生々しい勢力争いがされてるようですがそれはあくまで背景で、作中、主人公が遭う被害は、家メチャクチャにされて、ちょっと腹切られるだけ。 地下の冒険も非現実的過ぎるし、「やみくろ」も結局何なんでしょう?単に邪悪な存在?そんなもんいませんよね、現実には。この作品は単なるファンタジーですか?オマケに登場人物も非常に少ない。なんていうか、この作者の作品の主人公は、自分を大事に大事にするのが多いですね。「〜じゃないか」とか言って、反省しない。 あと、周りに愚かしい人間がいて、それに主人公は巻き込まれてしまう、みたいなパターン。「やれやれ」とか言って。作者のそれとなく、しかし揺るぎない自己肯定に付き合わされ、それに共感できた読者には、彼の作品は傑作なんでしょう。ある意味、今の時代を象徴する作家かも。僕には合わなくなりました。ただ、音楽や小説に対する知識、引用は並の作家とは一線をかくすと思います。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.138
(5pt)

不思議なストーリーの中で

村上春樹さんの本を何冊か読みましたが、面白い面白くないに関わらず、気がつけばなぜか引き込まれてしまうものが多いと感じました。
この本も例外ではなく、不思議で実際にはあり得ない世界をリアルに描いていました。初めはこのタイトルの2つの関連性について全く分かりませんでしたが、これを見事に関連づけて表現していました。
少々ネタばれになってしまいますが、特に自然と共感できる部分があったので引用させて頂きます。
『世界には涙を流すことのできない哀しみというのが存在するのだ。それは誰に向かっても説明することが出来ないし、たとえ説明できたとしても、誰にも理解してもらうことのできない種類のものなのだ。その哀しみはどのような形に変えることもできず、風の無い夜の雪のようにただ静かに心に積っていくだけのものなのだ。』
この部分を見た時なにかジーンとくるものがありました。多分十年前の私が同じ部分を見たとしても何も思わなかったと思いますが、この哀しみというのは、人が年月を経て、あるいはいろいろな経験をしていく過程を通して自然と感じるものなのかもしれませんね。結局、人は他人になることはできず、自分も他人には成り得ない、そういった所でなにか説明できない、あるいは言葉には表現できない、自分だけしか分からないものがあるのではないでしょうか。
最後に、私の独りよがりかも知れませんが、村上氏はこういった小説を書くことで必死になって”自分探し”をしているのではないかと思いました。自分という存在がなに者であるのか、自分自身でも説明がつかない自己のアイデンティティーについて。村上氏の本では”森”や”井戸”といった場面が度々見られますが、進めば進むほど、下れば下るほど、深淵へとつながるこの2つの様に、自分という存在についても深いところまで考えることで徐々にその意義や核心に迫っているのではないか、そう感じました。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.137
(4pt)

パラレルワールド

以前にカフカを読んだことがあり、全く面白くなかったし、いちいち鼻につくし、カーネルサンダースみたいな登場人物って。。。冗談のつもりか?
(私にはよくわからん世界観だ)と思っていました。
でも気になる作家なんで、それで読んでみました。
とても面白かったです。
世界の終わりと、ハードボイルドワンダーランド
選択を迫られる世界と、選択権のない現実
心がない分平和にすぎていく世界と、心にふりまわせれたりひきずられたりしながら生きていく世界
失ってきたものと残っているもの
。。。。
二つの世界の主人公、それぞれに葛藤があってとてもとてもよかったです。
『僕』と『影』の関係がなんだか切ない気分になったなー。
ただ音楽に関して自分は知識がないので、深く読み込めていないのではないかと思い星を一つ減らしました。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.136
(5pt)

パラレル。「世界の終り」より

「懲りるのはいいことだ。人は懲りると用心深くなる。用心深くなるとけがをしなくなる。良い樵というのは体に一つだけ傷をもっているもんだ。それ以上でもなく、それ以下でもない。ひとつだけさ。俺の言っていることはあんたわかるよな?」
「俺はこの前、君に会ったときに、この町は不自然で間違っていると言った。そして不自然で間違っているなりに完結しているとね。たしかにここの人々は、誰も傷つけあわないし、だれも憎しみ合わないし、欲望も持たない。みんな満ち足りて平和に暮らしている。なぜだと思う?それは心というものを持たないからだよ。」
「しかし、君はいくつかのことを見落としている。まず心の問題だ。君は俺にこの町には戦いも憎しみも欲望もないと行った。それはそれで立派だ。俺だって元気があれば拍手したいくらいのもんさ。しかし戦いや憎しみや欲望がないということはつまりその逆のものがないということでもある。それは喜びであり、至福であり、愛情だ。絶望があり、幻滅があり哀しみがあればこそ、そこに喜びが生まれるんだ。絶望のない至福なんてものはどこにもない。それが俺の言う自然ということさ。」
「俺がこの町に必ず隠された出口があると思ったのは初めは直感だった。でも、そのうちにそれは確信になった。なぜだかわかるかい?なぜならこの町は完全な街だからだ。完全さというものは必ずあらゆる可能性を含んでいるものなんだ。そういう意味ではここは町とさえいえない。もっと流動的で総体的なものだ。あらゆる可能性を提示しながら絶えずその形を変え、そしてその完全性を維持している。つまりここは決して固定して完結した世界じゃないんだ。動きながら完結している世界なんだ。だからもし俺が脱出口を望むなら、脱出口はあるんだよ。君には俺のいっていることがわかるかい?」
「よくわかるよ。僕もその事に機能気付いたばかりだ。ここは可能性の世界だってね。
ここには何もかもがあるし、何もかもがない。」
「しかし、森の中の生活は君が考えているよりずっと大変なものだよ。街とは何から何までが違うんだ。生きのびるための労働は厳しいし、冬は長くつらい。一度森に入れば二度とそこを出ることはできない。永遠にその中にいなくてはならないんだよ。」
「影を失ってしまうと、自分が宇宙の辺土に一人で残されたように感じられた。僕はもうどこにも行けず、どこにも戻れなかった。そこは世界の終りで、世界の終りはどこにも通じてはいないのだ。そこで世界は終息し、静かにとどまっているのだ。」
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359