世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
評判
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドの評価:
4.24/5点 レビュー 267件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全295件 101〜120 6/15ページ
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世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドの評価:
4.24/5点 レビュー 267件。 B ランク
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1983年(←10月2日が日曜日)東京を舞台にしたサイバースリラー(ハードボイルドワンダーランド)と、時代と場所は不明だがどことなく中世ヨーロッパを思わせるル=グウィン風ファンタジー(世界の終り)が並行に進む。やがて「世界の終り」は、「ワンダーランド」の主人公「私」の思考システムがコンピュータ処理され更に映像化されて生まれ、そして「私」の脳の核に埋め込まれた世界であることが判明。両ストーリーの進行と共に、「私」の脳に埋め込まれた機器の不具合により、「私」の意識が、記憶を失い「世界の終り」に「僕」として入り込み生きていることが、読者に対し判明する。
2つのストーリーは、最終的には相互補完して完結するが、それまではそれぞれ独立しても面白く、読者を引き込む。この一見まったく無関係な2つの物語がどう接合するのか、そこへの推理も読者を更に引きつける(2つ以上のストーリーを並行させたり時系列をシャッフルさせる手法は、これ以降アメリカ映画などでも急速に広まるが、本作の影響が大きいように思える)
両主人公ともに失われた記憶(あるいはそのようなもの)をつかみどころなくたぐり寄せようとする中、(読者に)両者の関係性が明らかになった時、「ワンダーランド」の「私」の「何か遠いものに手が届きそうで届かない」孤独な心象が強烈に伝わってきた。その後、「世界の終り」の「僕」の、失われた以前の自分への回帰欲求、犠牲の上に成り立つ安定した世界への懐疑(ヒント:オメラス)、図書館の女の子への感情、それらの間を揺れ動く葛藤も、痛いほど伝わってきた。これだけ複雑な感情を、読者にダイレクトに感じさせる文学作品は稀。この点では大傑作だ。
ワンダーランドでの「組織(システム)/計算士」対「工場(ファクトリー)/記号士」対立の構図は、その後の実世界でのセキュリティ対ハッカーを予見。本書の僅か前に原書が出版された『ニューロマンサー』からの影響は明瞭と思う(蛇足だが、「組織」や「工場」に「システム」や「ファクトリー」のルビをふるのは、その黒丸尚の邦訳に通ずるが、この邦訳の出版は本書刊行の少し後。何か影響関係はあるのだろうか?)
欠点。「ワンダーランド」が量的に多くアンバランス、冗長感もある。これは、「ワンダーランド」ではイベントが多い一方、「世界の終り」ではその世界の説明的描写が中心でそれほどイベントが無いため。「ワンダーランド」からは非現実な地下世界部分を、そこの住民「やみくろ」共々、削ぎ落とした方が、現実の東京の物語である印象を強め、「世界の終り」のファンタジー性との対照もくっきりしてよかったと思う(ディテールに様々な意味がこめられているだろうことを留意しつつ、あえて)。文体は前作『羊』に比べると、まどろっこしい比喩が少なくなり、読みやすくなったが、相変わらずの音楽映画文学その他の記号羅列は中2。飲酒喫煙シーンの多さも辟易、飲酒運転はもってのほかだ怒
最後の疑問:カバー/上巻表紙裏折込みページのイラストは何か?