世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

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評判

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドの評価:

4.24/5点 レビュー 267件。 B ランク

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平均点4.24pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全295件 221〜240 12/15ページ
No.75
(3pt)

春樹の最高傑作と名高いらしい。('-,_ω-`)プッ

二つの物語が交互に展開されていきます。世界の終わりでの<僕>ハードボイルド・ワンダーランドの<私>が不可思議な世界へと入り込んでいきます。
村上春樹の小説の一人称ってのは大抵「僕」ですけど、この小説に限っては「私」の方が面白い気がします。村上春樹の小説って大抵の場合、洋楽とか映画とかの曲名だったり俳優の名前が登場します。一見特に意味のなさそうに見えるこれらの引用ですが、不思議と春樹作品には重要な気がします。むしろこの引用がないと話がつまらなくなると思います。今回、こういった引用が多々出てくるのは「私」の方の物語なんですよね。で、「私」の方が大人っぽい。「僕」は「私」に比べると子供っぽいし、上記した引用があまり出てこないのでいまいち面白みに欠けます。
春樹作品ってなかなか一口では語れないんですよね。そこが良い所でもあり悪い所でもあるような気がする。だって意味不明ですからね。完全な自己満小説だと評価する人もいるでしょう。僕はといえば・・・まあ、中立ですかね(笑)春樹作品は物語を楽しむんじゃなくて、物語の中に流れ続ける不思議な空気とか雰囲気などを味わうものだと個人的には思います。('-,_ω-`)プッ
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.74
(4pt)

うおおお 下巻が楽しみだぁぁ

交互に話が展開される《世界の終わり》パートと《ハードボイルドワンダーランド》パート。
両者は、一見まるで別の世界の話のようですが、だんだんと読み進めるうちに微妙にどこかがリンクしてきます。
おそらく下巻では、2つの世界がぴったりと重なるようにリンクすることになるでしょう。
一体、この小説がどのようなオチを迎えるになるのかっ!
ぐいぐいと引き付けるストーリーは、この先どうなることかとワクワクさせられ、すいすいと読み進められます。
おもしろいっ!エクセレンッ!
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.73
(5pt)

村上さんらしい作品

かなりの長編ですが、一度読み始めたら途中ではやめられないくらいひき込まれる作品です。
全く違う世界の二つの物語がどうこでどう交わるのか。村上作品の中では『海辺のカフカ』に近いものがあります。
大人向けの童話・・・とでも言いましょうか。こういう作品を書かせたら村上さんの右に出るものはいないと思います。
老科学者、一角獣、思考回路に隠された秘密・・・レビューを読んだだけでもうワクワクしてきませんか?!期待通りの内容でした!!
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.72
(5pt)

クオリィティー隆士

 2つの物語が展開していき最後につながっていくという異種な
小説です。ですから最初は読むのに戸惑うでしょうが、物語がつ
ながっていくうちにだんだん引き込まれていきます。
 確立された独特の世界観とSFっぽいストーリー。村上さんの
長編では一番印象が強いです。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.71
(4pt)

ワールド・オブ・ワンダーを軽く楽しみたい人に

さらりと入ってでてこれる、くねくねと気持ちの良い不思議の文体の国。著名なのと、装丁が目を引いたので読んでみた「ノルウェイの森」は、何が言いたいのかさっぱり分からないうっとうしい自己陶酔本にしか思えなかったが、これは面白かった。特に心に残るストーリー内容や人物描写といったものはないが、独特の文体を追っていく過程で、むにゅむにゅくねくねとした材質のストレス解消系トイをいじくっているのに似た、妙な快感が得られる。分量もちょうど良いくらいだし、ゆきとどいたテーマパークのような質の高い娯楽作品であると思う。子供時代に不思議世界を描いたファンタジー絵本が好きだったが、それは今更、かといって重厚な本格ファンタジーを紐解くほどでもないという方向けでは?ただ、「ねじまき鳥」の分厚さとタイトルの<第一部>を見せつけられてからは、げんなりしてしまい、以降村上作品は手にとっていない。いくらむにゅむにゅのオモチャが気持ちいいからといって、何時間もずっといじっていられるわけではない。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.70
(5pt)

操り人形

操り人形。今の自分がそれだ。
現実感で囲われた「ハードボイルドワンダーランド」。平板彫刻に例えれば、それは掘り進められた部分だ。光のもとで、しっかりとした影の調子をつくる。逆にそれがしっかりしているからこそ、幻想に包まれた「世界の終わり」は、薄らいだ平面から、そっと浮き上がってみえる。
生暖かい微風が漂う「世界の終わり」で、<僕>は最終的に意外な行動を取る。その意外な行動に、読者は困惑し、村上が載せたメッセージを探ろうとする。
物語で最後の驚きを創れる作家はたくさんいる。しかし、たいてい読者が感じるのは驚きだけだ。本を読み終えて一息ついた後に、物語について深く考えるような行動をとることはなかなかない。
作品を読み終えた読者は、気がつつけば、隠されたメッセージを捜そうと、主体的に行動をしている。こんなふうに読者を動かすことが出来るストーリーをつくれるのは、彼の魔力の一つだと思う。
あの<僕>の行動はなんなのか。どうして最後にそうしたのか。
必死にメッセージを探ろうとする自分は、この時点で村上の操り人形となっている。
巧妙な文章や、奇抜な構成も楽しめる良作。隠されたメッセージを探ろうと、もう一度読みたくなる素晴らしい作品。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.69
(5pt)

言わずと知れた最高傑作

「あたたかく親密に自足していながら、
何かが途方もなく狂っていて不吉な、負の桃源郷的小世界」
村上春樹の文学世界の核心にあるイメージを、
そんなふうに言い表すことができると思う。
『羊』の北海道の農場や、『ノルウェイ』の「阿美寮」、
『カフカ』の四国山中の村などは、その好例だろう。
この作品に限って言えば、
隔章形式で繰り返される「世界の終り」と
「ハードボイルド・ワンダーランド」のうち、
前者が丸々この根源的なイメージの絵解きに充てられている。
となれば、多くの読者によって最高傑作と見做されていることも、
ある意味当然と言えるかもしれない。
作者自身、「その時点での自分の力よりも、
二、三段高いところにハードルを設定して書いた」
という意味のことを、どこかで書いていたはずだ。
あえて言うなら、「世界の終り」のパートの結末近く、
図書館の女の子の「心」を見つけるために
手風琴を弾く場面の描写は、やや甘過ぎるように思う。
「ダニー・ボーイ」という曲に特別な思い入れでもない限り、
いささか白けた気分になってしまうのは、仕方のないところだろう。
最後に一つだけ。
最近気付いたのだが、この作品の着想の少なくとも一部分が、
手塚治虫の『ばるぼら』にインスパイアされていることは、
ほぼ確実だと思う。
文庫版なら下巻の後半あたりで、主人公の作家が、
「ばるぼら」という名の女と一緒に、
東京の地下をさまよい歩く羽目になり、
ようやく地上に脱出したかと思うと、
「センセ、あと○時間だね……」
と言われる場面があるのだが、
こう書いただけでも状況が酷似していることは、
すでに読まれた方はお分かりだろう。
興味を持たれた方は、チェックしてみることをお勧めする。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.68
(5pt)

この本に出会えて良かった・・・

村上さんの本のなかで一番気に入っていて、何回読んでいるか分からないくらいだ。何回も読んでいるのにたまにふっと読んでしまうそんな魅力のある本だと思う。「ハードボイルド」編では計算士である「私」が架空の生物、やみくろがいる地下へ自分の秘密を知りに冒険する。真っ暗でやみくろが支配する地下での冒険はシリアスでとてもおもしろい。そして、壁に覆われて完璧な世界「世界の終わり」編に少しずつリンクし謎が明らかになっていき、最後に驚くべき結末が待っている。このラストシーン・・・大好きです。また、最後に残された時間が少ない中で図書館の胃拡張の女の子と食事をし、一緒に過ごすシーンも好きだ。あと、やはり主人公がかっこいいんだよね・・・しゃべり方とか、考え方とか女の子への接し方とか。ぜひ、もっとたくさんの人に読んで欲しい!!
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.67
(5pt)

引き込まれる

 エレベータの中で左右のポケットの小銭を数える私。 うーん、冒頭から引き込まれる。 美しい情景の中で、引き剥がされた影を思い、図書館の女の子に恋をする。 この話は初期の三部作と繋がっている。影はすなわち鼠であって、その影に対しての僕の選択は極めて重要な意味と真実を持つ。 さて、その世界の中で僕は何を選択をするのか。歴史に残すべき傑作。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.66
(5pt)

やばいですね

 何回も読み返したくなる本。 あまりに美しすぎる文章に、心理的背景。 次第に収束していくふたつの世界。 その中で、僕は選択を迫られる。 村上春樹の中でもめちゃくちゃ人気の高い作品。 是非是非。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.65
(5pt)

希薄な現実感覚

 他の人はどのように思っているか分からないですけど、僕自身は「私」という感覚に対してとても不確定性を感じています。おそらく、その感覚は身体の外にあるのではなく、しかし意識の中にあるのでもないと思います。「私」を「私」として実感させられる物事というのはそういったものではなく、人との関係であると思います。 美味しいコーヒーを飲んで、気に入った服を着たり、または優れた本とか音楽とか映画に自己を没入させても、そこには活動をする自分という与件しか感じることはできない。僕たちの存在を肯定してくれるものは、他人との交歓ではないでしょうか。それは数少ない「友人」とか好きな異性とか「小さき者」との語らいだと思います。 村上の作品を多くは読んでいないので確かなことは言えませんが、彼の作品の主人公は独りである場合が多いように見受けられます。周りの人間に馴染むことができないという状況で物語が始まり、何かの出会いがあって話が進む。その間、主人公は分析的な独白を続けます。主人公には好きな異性も出てくるがそこにも内省がある。他人との関係に酔えないような、自己を絶え間なく対象化する透き通った(?)感覚のようなものがある。 その一方で、個人を道具として見なす管理社会化が進み、僕たちの意識はますます希薄になる。社会が人間を使役させるのは当然のことだとしても、その結果が希薄な現実感覚であるというのはあまりにも哀しいことだと思います。村上さんは現実態としての自分を受け入れろと言っているんじゃないでしょうか。 この作品は読むのが疲れますね。マンガの『MONSTER』にしてもそうですけど、途中で中だるみしている感が否めない。特に物語の中盤とか。そこにも何らかの意味があると思うし、そもそも文学というのは中だるみとかそういうものではないと思いますが、僕には退屈に感じられました。それ以外の部分は読ませる内容です。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.64
(5pt)

最高傑作

著者の最高傑作だと思います。
稀有の物語る人、村上春樹。
小銭稼ぎのような本も何冊か出ていますが、彼をサポートしていると思うと分かっていて買ってしまいます。それもこれも、本書や初期三部作、短編の数々の素晴らしさのなせる業です。
2重構造の鮮やかさ。ハードボイルドワンダーランドと世界の終わりを別に読んでも楽しめます。
我々誰もが持っているであろう、現実と非現実、意識と無意識。こうした、人間の多重構造をも示唆しています。
そしてなにより、次はどうなるんだろうとわくわく楽しみながら読めます。
この作品でというのではないですが、ノーベル賞を取るかもしれませんね。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.63
(5pt)

自分自身の終わりが「世界の終わり」?

 出だしから全く別の2つの物語が交互に進められていくのに多少違和感を感じて読み始めました。それでも、下巻に入るとその二つの物語の係わりが分かるようになり、段々と話に吸い込まれるようになり、最後の「世界の終わり」まであっと言う間に読み終えました。 「死」は誰にでも訪れることなのに、誰も「死」ということがどういうことなのか認識できていないでしょう。身体は消滅しても、心はどうなるのと言う疑問を多くの人が持ったことがあると思います。そんな疑問に対する確かでない答えの一つをここに見たように思います。意識の上で人間が死ぬということが、どのように訪れるのか。認識によって捉えられる世界の姿とは。永遠の生を受け、自分自身になれる不死の世界とは・・・。 一人の人間の今現に生きている世界と、その世界が終わってからの永遠の生の世界の認識の仕方がおもしろいです。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.62
(3pt)

独特の世界

 村上春樹の作品はこれが初めてです。 これはファンタジーなのか否か?という何とも形容しがたい雰囲気の中で、独特の二つの世界が同時進行してゆきます。それと共に感じるのはこの物語全体を包み込む、清々しいような孤独感。 二つの物語がラストに折り重なる様は何とも言えない気持ちになりました。もの凄いメッセージが秘められているようにも思われ、ただ、一人の人間の中で世界が終わっただけのようにも思われる。読む人によって様々な思いを起こさせる。まるで詩のようです。 カラン、と音がするような乾いた孤独な世界の中には、想像力の源が詰まっています。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.61
(5pt)

何度も読み返してしまう、不思議な魅力をもった本です

この本を読んだのはこれで3度目です。機会があってまた手に取ってみました。丹念に読んでいるつもりでも、読み始めるとスピードがついてしまう不思議な物語ですね。「本が好き」という方でも、『同じ本を2度手に取る』という機会は少ないのではないでしょうか?(実は私がそうなのですが・・・)確かこの本を初めて手に取ったのは学生の頃だったので足掛け10年になると思いますが、その間になぜかこの本は複数回「ああ、あれが読みたいな」と思わせられることがありました。とても不思議な感覚です。そんな気持ちになる本は私はあと2つしかありません。内容は「世界の終り」と「ハードボイルドワンダーランド」の重層構成になっていて、それぞれの物語が短編形式で“繰り返し登場”します。そこにリンクを読み取るも、2つの物語として読むも、それは読者の自由。好きに読んでいいのではないかと思います。とっても想像力をかきたてる物語(その割には淡々とした描きぶりで読者に押し付けるようなところがないのが好きです)で、私の中のイチオシです。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.60
(5pt)

物語の終わり方が自分の中でいくつも創造できます

この下巻で「世界の終り」と「ハードボイルドワンダーランド」の2つの物語に結末が語られます。それぞれに余韻のある(和歌でいうと「余情たなびく」というのかな?)終わり方なのですが、ここで頁を閉じてからがこの物語の不思議なところです。それは『自分の中で作者と違う終わり方が次々と浮かんでくる』ということなんです!何でかはわかりません。同作者の他作品でもこんなことはないのですが、読み終わるたびに私の中にちがう終わり方が創造できるんです(ちなにみ今回で3回目)。こんな物語、私はこれの他にはまだ見つけられていません。故に珍しく複数回読み返しているのかもしれません。ほんとに不思議な魅力を持った物語です、これは。ちなみに文庫版の表紙が変わりましたよね?前はもっと青っぽくてトランプのQやKのような顔が描かれていたような・・・
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.59
(4pt)

闇の奥の希望

上巻を読み終えた時点で、下巻でこれほどすべてがクリアにされるとは想像つかなかった。「ハードボイルド・ワンダーランド」も「世界の終り」もどちらもとても暗い世界の中でストーリーは進むが、上巻と比べてとても視界がいい。そこまで作者が意図したかどうかはわからないが、その変化が心地よく感じた。クライマックスに向けてどんどん希望が見えてくる。やはりどんな暗い現実でも、人は希望を求めてしまうということだろうか。「ノルウェイの森」よりも「ねじまき鳥」よりもこの作品が好きだ。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.58
(5pt)

この世の理不尽さを嘆く人へ

面白くて、しかも深い文学。その意味で、村上春樹の最高傑作と言われる小説です。奇数章と偶数章で別個の物語が交互に描かれます。ひとつは、ハリウッド映画を思わせるハードな展開、近未来的舞台装置、小憎らしいユーモアに満ちた「ハードボイルド・ワンダーランド」での物語。もうひとつは、宮崎アニメを思わせるファンタジー世界での内省的で静かな生活、草原と古い建造物に囲まれた「世界の終わり」での物語。「ハードボイルド・ワンダーランド」の主人公は暗号の解読を依頼されます。次から次へとハードなアクションや冒険が巻き起こる。ダイハードか007か、と。「世界の終わり」の主人公は影を失い、光を失い、壁に囲まれた幻想的な世界での生活を始めます。ドラゴンクエストやファイナルファンタジーみたいに町の中を冒険する。どちらの物語も謎で引っ張ってくれるので、夜更かししてでも先を読みたくなります。独立した作品なので、村上春樹作品を読んだことのない人でもすぐに理解できる、読みやすい小説です。その上、文学的には「ノルウェイの森」と「海辺のカフカ」を含み込み、「ねじまき鳥クロニクル」と肩を並べる小説と言えるでしょう。村上春樹ってどんなもんかな?という人はこの作品から読んで間違いはありません。大長編ですが、あっという間に、楽に、読み終わってしまいます。しかも、村上春樹にとって、最も重要なテーマが表現してあります。社会に対する不満を強く感じている人には、治療薬ともいえる小説ですね。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340
No.57
(5pt)

迷路のような感覚に恍惚

氏の作品はこの長編で初めて出逢った。友人から(それまで小難しい哲学書ばかり読んでた小生に)「これ、漫画本みたいに読めちゃうけど読んでみてよ」と云われ、分厚い装丁のズシリ感(私は単行本で読んだ)に惑わされて手を出したのが、運のつき・・・見事にハマッた・・・とにかく面白い!!冒頭の“エレベーター”のシーンから「イッタイ ナニガ ハジマルンダ?!」異様な匂いに圧倒されながら物語りはどんどん進んでゆく。二重構造の 〔世界の終わり〕の方では “影”の存在、“図書館”の色調・・・〔ハードボイルド〕側の色彩とは全く違う世界を確立。「迷路のような感覚」に恍惚する。“ポジ・ネガ”を想わせるような構成。「死(消滅)とはなんぞや?」というテーマを(氏がよく扱うテーマだが)“色”と“匂い”で著した作品。このアイデアは氏にしか描けない世界観だと想う。「羊を・・・」や「ダンスx3」のようなダイレクトな“哀しみ”の表現の仕方はしていないが、クールな内に秘めた “悲痛さ”が伝わってくる。単行本の ピンクの装丁が作品とある意味 ミスマッチしていて内包された世界を表していて素敵だ。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)より
4101001359
No.56
(1pt)

村上ファン

私は、村上春樹ファンだ。誰が何と言おうとファンである。この作品を読んで思ったこと。「つまらない」正直に言って悲しくなった。中途半端な哲学書・・・・・・それがこの作品のタイトルといって良いだろう。イメージとしては、ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』という感じだろうか。「心」の持つ不完全性をテーマとして、様々な事象に疑問を投げかける。考えることに対する崇高さ、当たり前のことを当たり前としてとらえれば、そこに不条理さと新鮮さが生まれてくる・・・・・・そんなことを私は彼が言いたいこととして読み取った。しかし、「だからなんなのだ?」といいたい。小学生~高校生に対して書かれた、ただ漠然とした彼の哲学感を投げかけた小説なのだろうか。抽象的かつ印象深い比喩を多用した彼の文体は相変わらず読んでいて心躍らせてくれる。ただ、肝心のストーリーがはっきりいって「つまらない」。抽象的に哲学っぽいことを語れば純文学なのか?村上春樹はこの程度の作品をして、最高傑作と呼ばせていいのだろうか?正直言ってショックである。
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)より
4101001340