■スポンサードリンク


風の歌を聴け



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

風の歌を聴けの評価: 4.06/5点 レビュー 370件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.06pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全274件 21~40 2/14ページ
No.254:
(5pt)

文才がすごい

本書をきっかけにして村上春樹の小説を乱読し始めた。
本書を読むまでは村上春樹を敬遠していた。だが、読み始めてびっくり。文才がすごい。
読ませる力って大事。簡潔で明瞭で、誘惑的。次のページが気になる仕掛けになっている。
これは人気作家にもなるわ、と納得。
カートヴォネガットジュニアっぽい世界観ですね。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.253:
(5pt)

友人によると、無人島に何か一つ持って行けるとするならば、本作だとの話。

一年半に一回くらい読んでしまう。
今日もまた読んでしまった。
サクッと読めてしまう短さと、短いながらも味とクセのある文。
誕生日などのプレゼントに困ったときに、この本を上げることもある。それくらい、自信を持って人に勧められるし、知って欲しい作品だ。
村上春樹では、これが一番!という人もけっこういる。
短いし、安いので、まだ読んだことがない人は読んで欲しい。
もし、これを読んで面白くなかった・・・と思うのであれば、たぶん、その人が間違っているのだ!とさえ言ってしまえる。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.252:
(5pt)

大好きな小説の一つです。

村上春樹らしいエッセンスを味わえる作品です。この小説の誕生を事件と評した論客も居る様で、処女作らしい瑞々しさと都会的なセンスを感じる文体に思わず酔いしれてしまいます。

また、夏の匂いを強く感じる作品で、是非夏の夜風が気持ち良い季節に読んで欲しいと思います。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.251:
(5pt)

村上春樹さんの文学はここから始まった。

彼はこの作品を始め日本語で書こうとしてうまくいかなくて、英語で書いた後、日本語に直したらしいですね。そのせいか、神戸の港の風を感じる。ポートタワーがまだ中突堤という広場ができる前、立っていた頃に、その下に行ったら吹いていたような、そんな風。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.250:
(5pt)

風が吹いた

架空の作家を引き出しにに始められるこの本は冒頭からスッと引き込んでくる。
一つ一つのエピソードは短いながら最後までは語ることはなくその言葉の、意味の切れ端をそっと読者に渡してくる。
あらゆるところに小説技法が散りばめられていて綿密に計算して作られていることがわかる。
わずか200ページ程度なのにその本の薄さとは反対に密度はとんでもなく濃い。
読み返すたびに違う解釈が浮かんできたり違う色彩を見せてくれる。
村上春樹が好きな人は絶対に読んでおくべき本であろう。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.249:
(4pt)

詩的な作品

その年の夏は暑かった。大学生の主人公は、夏休みに地元に帰省する。彼の周りを充たす空気は甘酸っぱく、時にドライだ。さわやかな石鹸や冷えたビールの優しい香りが漂う。そこで過ごす夏はとても短い。あっという間にドアを開けて去っていく。

非常に詩的な作品で、人生の無常や青春の儚さが全編を貫いている。70年頃の乾いた空気に満ち溢れているのも不思議と懐かしい(、たぶん)。荒削りなところも多いが、逆にそれだけ純粋な作品だとも言える。村上春樹の記念すべき処女作である。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.248:
(4pt)

風のようだ

飄々と風が吹いている
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.247:
(5pt)

商品

状態も良く無事に届きました
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.246:
(4pt)

時間は過ぎ去り、戻ってこないもの。

気付かぬ間に、時間は一瞬で過ぎ去り、
戻ってこないことを教えてくれた。
その間になにか学ぶことがあれば、その時間は
有益なものに変換できるということも。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.245:
(5pt)

本作は『ウォーリーを探せ』だ!そして...(ネタバレあり)

本作を読んだのは21世紀に入って、30歳前後のこと。
ストーリー設定の季節と合わせて真夏の8月、エアコンつけずに家で読む。
それまでに読んでいたハルキ作品は「ノルウェイの森」と短編を幾つかのみ。

1回目。
冒頭は「どんな窮地・死地にも救い・希望はある」の逆説的な作者流言い換えで、上手いな面白そうだなと惹きつけられたけど、本編が始まったら...どうしよう、オモシロくない。情景描写があっさりしてて変に凝ってないのは好感が持てるけど、文体と断片(章)のリズムがいまいち合わない。そもそも主人公の性格としゃべり方がなんかイラッとする。こんなアンニュイで芝居がかった(と感じた)話し方するヤツ1970年前後ならおるんか?今なら女にモテんやろ~などと思いつつ数時間でサラ~ッと読了。ひと夏の青春なんてまあこんなもんかもなあ、みんな心に痛みを抱えながらも出さないだけだしなあ、そこの心情を描くのはハルキっぽいかも、まあ処女作だし、その時代の空気感や音楽・金言などは少しは学べたし良しとしよう、という感じだった。

しかし、何か引っかかるものがある。いや待て待て。主人公のこんな性格・話っぷりは「ノルウェイの森」でも同じ。それになんと言っても村上春樹だ。深い何かがあるのに自分が読み込めてないだけかもしれないと思い直す。冒頭の「象」のくだりだって多分、「星の王子さま」へのオマージュだ。帽子を描いていると見せかけて、ボアに飲み込まれた象を隠している、というヒントの気がした。ネームバリューに半ばわざと騙されてみて、すぐにもう1度読み返す。

2回目。
主人公の性格・セリフに慣れてきた(笑)1回目ほどにはムカつかない。そこで気付く。この主人公はわざと加点方式の性格設定にされているのではないかと。主人公に共感・感情移入してストーリーを楽しんでしまうと、ああオモシロかったで終わってしまい、2回目を読もうとはあまりならない。読んだとしても、物語のアラや主人公に共感できない部分が増えてくる、減点方式の読み方になる、感動もどうしたって初めてよりは薄くなる、のが人間の真理。でも出だしの印象が悪いと後は上がるだけ、イヤなヤツがやさしいとこ見せると意外といいヤツだなという心理が働くように、そうなるように作者が仕掛けた主人公の話し方なんじゃないだろうか?そこで読み手をふるいにかけてる可能性はないか?と考えてみる。1章に「必要なものは感性ではなく『ものさし』」と書いてあるし、物語・主人公と距離を取り、イヤなやつだとか感情的にならずに、冷静かつ分析的に読み進めようという気持ちになる。

たぶん合ってると思った。4本指の女が最初は主人公を激しく嫌悪していたのに途中から好意を持ち出すのもヒントだと思う。読者もそうリードするための。そして、これは現実の女性にも当てはまる、あるあるリアリティ。機嫌悪かったのにそんなこと忘れたかのようにゴキゲンになったり、イニシアティブを取るためなのか何なのか、恋愛関係の出だしにおいてツンデレ的になんか怒ってるけど、ある時を境に急にフレンドリーかつラブラブ感出してくるパターンは個人的には何度か経験した(笑)この主人公に○イパーの疑いをかけている設定なのも、最低まで落としといて後は上げるだけのテクニック。4本指の女は読者にも主人公を下げ→上げにするための役割も担ってる、などとストーリーと一定の距離を保ちつつ2回目も数時間で読了。

そこで、後半部分の34章のある箇所が妙に気になり始める。過去に付き合ってた彼女に『嘘つき!』と言われ、それを受けて『僕はひとつしか嘘をつかなかった』という章終わりの一文。同章の冒頭の嘘に対する考察なども相まって、直感的にこの章終わりの断言はヒントだと思った。この物語の中には人間関係におけるやさしい嘘や、自分を正当化しているかもしれない嘘など、数々の嘘が散りばめられている。その中に決定的に嘘だと断言できる嘘がひとつだけある=僕はひとつしか嘘をつかなかった=探せ!という意味じゃないだろうか、という考えに私は囚われ、興奮し始める。村上春樹からの挑戦に自分は気付いたんじゃないだろうかと。

3回目。
すぐさま今度は飛ばし読みで、嘘だと断言できる箇所を探し始める。主人公はやっぱりヤッたんじゃないだろうか、本当は葉書を読んだんじゃないだろうか、とすると主人公は女が手術をする予定なのを知っていた?、相手はもしかして鼠だったのか?鼠の相談てそれか?、いやいや単にバーで会った女の年齢を若くリップサービスしたことかもしれん、単に34章の交際相手と結婚する気なんかなかったことに直接かかってるだけかもしれんなどとウダウダ嘘を探しまくった。そもそも考え過ぎか?決定的に嘘だと断言できる箇所など本当はないのかも、ハルキの意図はそこにないのかも、いやいやこの書き方は経験かつ感覚では絶対にウソを探せ!だ。それは信じたけど、こういう時はひと晩眠って間を置いたら、翌日閃いたりするので、探すのを一旦やめて持ち越すことにした。

4回目。
翌朝から今度は本に書き込みをしつつ、ラストから一行ずつ逆に読んで、読み解こうと試みる(私は気にいった本ならよくこうやる)。わからない。どれだけ考えてもどこが決定的な嘘か見えてこない。どこも嘘に見える。もうすっかりハルキワールドの虜である。降参。しょうがないからネット検索してみることにした。すると...デレク・ハートフィールド!!おまえが嘘か~い(笑)架空の作家かよ!ったく研究者や引用まで用意しやがって!やられた!たしかに決定的な嘘だ。たしかに作者は本作でひとつしか嘘をついていない。これ現代ならともかく、ネットが普及してなかった20世紀には、見抜ける読者ほとんどいなかったんじゃないですかねえ。アメリカ文学に詳しい研究者や文学者でもそんな作家いないと断言できたかどうか。本屋や図書館でハートを探す人がいっぱいいたっていう逸話もなんかわかる。ったく人を喰った話だ。本作は『ウォーリーを探せ』だと思った。嘘を探させるのが作者の意図だ。本作は二重構造になっている。ひと粒で二度楽しめる。エッシャーのだまし絵のようなことを小説で表現している。これが村上春樹かあ~、こ~ゆ~ことするヤツなのかあ~、と騙されたことや主人公に対する嫌悪感などとっくになくなり、虚を衝かれた私の心のガードはすっかり外れてしまった。すこぶる爽快・痛快な気持ちだった。

5回目
「はじめの一歩」風に言えば、視覚外・意識の外から打たれたパンチによって、無意識にガードの外れた素のままであろう私は、なんとなくパラパラとまた本作を飛ばし読む(言わば力の抜けた1番自然体な状態=これがたぶん最も大事。嘘を見破ってやろうという我欲がない、無我の境地に近い)。そこでまた気付いた。後半32章のハートフィールドのくだりの部分だ。彼の作品ということに作中ではなっている『火星の井戸』の一部分、ここの井戸の中を彷徨う描写はおそらく「産道」の比喩だろうな、とは初見で思っていた。それだけじゃなかった。私は不意に猛烈な恐怖に襲われた。何かがわかった・伝わってきた気がした。その怖さの正体を初めて言葉で理解し始めた。もしかして、私は母の胎内から産まれて、初めて外に出た瞬間、怖かったのか???その恐怖で産声の泣き声を上げたのか??火星の荒野で太陽と風しかいない描写に飲み込まれて、覚えているはずのない、その感情の絶対的な孤独を思い出した気がした。この箇所を書いた時の作者にシンクロした気がした。おそらくはテクニカル的にわざとガードの外された私に、直感的かつまっさらな素直さで、文章の言霊が入ってくる。産道の比喩?今まで嘘の箇所を探して彷徨ってたのは産みの苦しみ?産まれ落ちたら風しか話し相手がいない孤独?『母体から切り離されて産まれ落ちた時に赤ん坊は孤独のさみしさ・怖さで泣く説』はたしかに何かで聞いたことはあった。その予備知識も手伝ってるとは思うけど...もしかしてハルキはここの文章で産まれた瞬間の絶望的な孤独を読者に再体験させようとしている?風の歌を聴けって産まれた時の怖さをもう1度感じろって意味?産まれ直し?この「火星の井戸」のくだりはよく読めば、「細かいところは忘れてしまったが、大まかな筋だけをここに記す。」とはっきりヒントが書いてある。引用じゃなくて筋を思い出して書いた設定、つまりハルキの創作物である。見落としていた。タイトルはボブ・ディランへのオマージュでよいにしても、タイトルに掛かる重要なテーマの部分がハートからの借り物であるはずがない。しかもこんなに長い文章で。ネットなんて必要なかった。本文にハート=嘘だとわかるようにちゃんと書いてある。嘘を探させ、その疑似体験的産みの苦しみの先に嘘だとわかる箇所を発見させ、しかもそこを掘れば何か(テーマ)が隠されている。本作は三重構造だ。私は村上春樹が怖いとも思った。産道の比喩や産まれた時の孤独を表現しようとする作家は他にもいるかもしれない。しかしもし、その孤独の怖さを読者に再体験させるためにわざと嘘を探させ、遠回りさせ、苦労の先に嘘だと気付いた時に心のガードを外させるのも計算だったとしたら?それをさせるための手順や連想言葉、テクニカルタームがものさし的に作中で並び変えられ、お経やある種の呪文のように読者をある精神状態に導くように配置されているとしたら?だから断片章を並べ変えた?そんなこと考えつくやついるか?私は考えたこともない。未知の恐怖だ。人間は知らないものに恐怖を覚える。もしかして作者への怖さを産まれた時の怖さを思い出させるためのフックに使ってるんじゃあるまいな。吊り橋効果で恋愛感情を持たせるかのように。中原中也が覚えているはずのない自身の幼児の頃の記憶にまで作品モチーフを求め始めたのは危険、というような趣旨の考察を何かで読んだ覚えがある。春樹はそれすら越えて産まれた時の感情まで表現しようとした、しかもそれとは簡単に読者にたどりつけないように。以上のようなことが脳内でグチャグチャにはげしく混じりあい、私はしばらく呆然としてしまった。私は村上春樹が怖い。

ここまでは私の考えすぎかもしれない。でも、作者が嘘まみれの中に1つだけ「嘘の白状=本当」を仕込み、その本当をカモフラージュにして、更にその下に何かを埋め込んだのは間違いないと思う。言わばこれも加点方式、嘘まみれの作品と見せかけて真実を仕込む、その真実は読者それぞれで違うものだから、真実を見つけたその読者にとってそれは絶対に嘘にはならない。これは作品として、時代を超えて読み継がれるために、恐ろしく考え抜かれた手段だと思う。作者は最初から本作を名作にする気マンマン!ギリシャ人が書いたものと同等と思ってるはず。

私には風の歌が聴こえた気がした。風と作者に「君は何を学んだ?」と問われて、私は「この世に産まれ落ちた時の絶望的な恐怖を思い出した。そして、その恐怖をもう1度感じ、言葉で理解し、表現できたので、今までよりはずいぶん孤独が怖くなくなった」と答える。そう錯覚できた。そして読者ごとに、その学んだ答えは違うんだと思う。

1章に「必要なものは感性ではなく、ものさしだ。」と書いてあるけど、ひっかけだと思う。文章や人生・物語との距離を確認するものさしも必要だけど、最初と最後はやっぱり感性だと私は思う。ウォーリーを探せどころじゃなかった。さながらゴール・D・ロジャー、「この世の全てをそこに置いてきた。探せ。」のように感じられた。アルケミストのように宝物はスタート地点にあった。私は2日間に渡って本作を思う存分に楽しんだ。スピード命の現代で、ここまでじっくり読もうとする人はなかなかいないのかもしれない。でも名作と呼ばれる作品には隠された何かがあることって多いと思う。しかも本作は2作目以降にもつながっていくので、四重構造以上になっている。1度読んだだけで判断するのはもったいない。逆から読んでみたり、声に出して朗読してみたりすると、物語の意外な姿が現れるって名作には割とある(ex.山崎ナオコーラの「人のセックスを笑うな」とか。これ、主人公が実は恋人と友人に裏切られてる可能性が、作品中であちこち示唆されている。インスタグラムでの縦読みとか、悪意を仄めかし続けて相手の精神を病ますモラハラなどにも通じる)。

☆☆☆☆☆★★

追記(2021/08/08、つまり本作の時代設定の始まりの日から、ちょうど51年後に)

他にも予備知識として、谷川俊太郎の「二十億光年の孤独」は何度か読んだことがあった(卒アルに載ってる笑)。風の歌を聴いたのには、たぶんこれも心のどこかで作用していると思う。また本作を読み返してみて、風の歌をもう1度聴こうとしたけど...やっぱり初めて再体験した気分になった、あの時の感動はもう感じられない。あの境地・錯覚にはもう降りられない。自分なりの答えをもう知ってしまったから。再読してみたらやっぱりオモシロイし、それなりに気分が良くなったり、孤独や死を感じたりはする。細部でなら新たな気付きもある。昔の夏を想い出す。でも作者が本作で書いている通り「、みんないつ果てるともない甘い夏の夢だった。そしてある年の夏(いつだっただろう?)、夢は二度と戻って来なかった。」にもなってしまった。何人もの読者が言ってる通り、気の抜けたビールめいたものも感じる。何かが足りないのだ、自分の中に。それでもいいさ、たった1度だけでもあの感覚を思い出し、それを言葉で記憶することができたんだから。

(更に追記)
本作でネットを使わず誰にも訊ねずに、ハートフィールドが架空の作家だと気付き、それを断言できる証拠がある32章にたどり着き、そこを堀り進んで自分だけの風の歌を聴いた人がうらやましい。私とはまた違った心象風景が見える人なのかもしれない。「嘘だと言ってくれないか(鼠)?」・「本当のことを聞きたい(女)?」・「そういったお名前ではどうも電話帳には載っておりません(交換手)」→そういったお名前では、というところが良い(僕)などなど、これらはハートの嘘に気付いてという伏線なんでしょうね(笑)純文学も中には、推理小説に近いものもあると思う。犯人(テーマ)に到達するためのヒントが散りばめられている。純文学がズルイのは、必ずしも犯人がわからなくてもよいところ。まあ研究論文なんかも結果が弱くても、途中まで証明できた過程をまとめて、続きは次回に持ち越しってことで発表するって聞いたことあるけど。

人間は母親の胎内にいる時に羊水の対流は感じても、外界の空気(風)を感じることはできないはず。産まれ落ちて初めて、外の風に触れることができると思う。ハルキが龍さんの「コインロッカー・ベイビーズ」を絶賛しているのは、産まれた瞬間の孤独さえ越えて、母体の中でずっと聞いていた母親の心臓の鼓動にまで遡り、そのビートで物語が駆動しているからじゃないだろうか。小説で大切なのはリズムです。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.244:
(5pt)

嘘つき。僕は一つしか嘘をついていない。

村上春樹のその後の名作の原点。
デビュー作の最初はそのアーティストのそれまで自分の中で溜めて育てたもの、これから表現したいものが抽出されており、荒削りのざらついた結晶のような質感と美しさがありました。まるで、ビートルズのI saw her standing there, ニルヴァーナのblew,メセニーのbright size lifeのごとく。

「完璧な文章などと言ったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」

「昼の光に、夜の闇の深さがわかるものか。」

村上春樹の小説の中でも特に大好きな小説です。タイトルの部分が一番好きなシーンです。ビールが飲みたい。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.243:
(5pt)

日本初のハードボイルド小説

ミステリー小説家の法月綸太郎さんの話によれば、
日本にハードボイルド小説の技法を取り入れたのは村上春樹さんだそうです。

村上春樹さんは、若かりしころの自著について、
自分というものを相対化しないまま、ダラダラと書き連ねている日本の私小説に対する反抗心があったと語っています。

私小説といえば、日本文学の象徴と言っても良いジャンルですし、
そこに日本文学と、小説家たちが考えていた日本人というものの精神が反映されていたことは間違いありません。

つまり、ハードボイルドの手法を取り入れ
それによって私小説をパロディー化することで
日本文学、ひいては日本人の精神を相対化したのが
村上春樹さんの小説の文学史的な意味だと思います。

とはいえ、文学になんて興味の無い人にとっても
「自分は社会とどこか上手くいかない、孤独な一匹狼だ。だけど、世界の真実により近いのは俺のほうだ。みんな気づいてないけどね、やれやれ。」
という、たくさんの人が持っているに決まってる幼稚な気分を満足させてくれるというのが
ファウストにしろ、ハムレットにしろ、聖書にしろ
ヒット作品の条件のようなところがあり
村上春樹さんの本が売れる1番の理由も、ここにある気がします
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.242:
(5pt)

村上春樹の原点

前半はやや退屈ですが、中盤から面白くなります。しかし、何が面白いのかと言われると説明できないのが氏の魅力です。
わたしは研究者ではないので詳しいことはわかりませんが、氏の作品を読み解くうえで鍵となるのは

戦争
学生運動


だと思います。作中に出てくる様々なモチーフは、これらのテーマを象徴しているのだと思われます。気まぐれで書いた作品ではないことだけは確かです。

作家は処女作に回帰すると言われますが、氏の作品群を理解する上で今作は外せないでしょう。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.241:
(5pt)

状態すこぶる良し

状態すこぶる良し
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.240:
(5pt)

内容は面白く楽しめました。

初めてkinfolk版を購入しましたが、思いのほか読み易くインターフェースも使いやすかったです。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.239:
(5pt)

とても楽しいよ。

デレク・ハートフィールドは言葉を武器として戦える数少ない小説家であり、彼の人生はとても魅力的だ。墓石にはニーチェの言葉が刻まれているらしい。お洒落でとても楽しいよ。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.238:
(5pt)

素晴らしい

タイトルから良い!
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.237:
(4pt)

ヌッ!

僕は村上春樹の作品が好きだ。
僕は偉そうな評論家もどき(笑)でもなんでもない一般人だから、村上春樹のスカしてイキった文が普通に好きだ。
だが、周りの友人には「村上春樹?ノルウェイの森の中でセックスしてるだけやろw」とかゼミの教授には「俺はノーベル賞の有力候補にされるほど面白いとは思わんけどな。文が受けつけないんだよ」なんて一蹴される。
まあ、僕にしてみてもノルウェイの森は正直面白くなかったけれど、風の歌を聴け、1973年のピンボール、羊をめぐる冒険といった所謂鼠三部作は僕にどこかノスタルジックな気持ちを植え付けてくる。少しだけ心がキュッと締まり、どんなに願っても戻ってくることはない青い記憶を掘り起こされて泣きたくなる。
僕はその感覚がたまらなく好きだからこそ、これからも村上春樹の作品を手に取ってしまうんだろうな。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.236:
(5pt)

又々❗面白い話でした‼️(^з^)-☆

自分の死んだ昔話?死に方が、彼女と,,
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.235:
(5pt)

最高

村上の最高作品 彼の本は色々読んだけどこれが一番好みだな やっぱり天才だよ
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!