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ラットマン
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ラットマンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.84pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全81件 41~60 3/5ページ
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「道尾修介って人気あるらしいけど、それほど面白いとは思わないな」 まわりのミステリ好きに聞いても、そんなひとは意外と多い そんな道尾嫌いにも人気のある作品 ぶっちゃけ、道尾作品はトリックの凄さには関心するものの、地の小説の 部分がいまいちノレない そんな中で当作は小説として面白い ちょっと伊坂っぽくもある 道尾修介嫌いのひとでも楽しめる | ||||
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道尾秀介は若いが注目すべき作家である。伊坂幸太郎も良いが、好みでいうと、こちらに軍配が上がる。 さて、ラットマンとは心理学の実験で使う絵の事で、それは見ようによっては中年のオッサンに見えるし、ねずみにも見える紛らわしい絵なのだ。 ただ、絵の見せ方なのだが、リス、犬、猫の絵を見せた後にその絵を見せると、大概の人がねずみと応え、人間の小学生、大学生、20〜30代の絵の後、その絵を見せると中年のオッサンと応える。 要するにミスリードする事によって、回答が変わってくる心理の綾の面白さを云っているのだが、本書はまさに勘違いによって答え(犯人)が変わってくる妙を捉え、しかも二重奏になっているところが見事だ。 | ||||
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自分がバンドをやっていたからだろう、 著者のバンドの描写のリアルさには驚いた。 なによりもコノ本がすごいのは、 出だしと終わり。 まさに全て持っていかれた。 道尾さん、あなたの描く世界、いつも楽しませてもらってます。 | ||||
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『向日葵の咲かない夏』を読んで、あまりの気味悪さに読むのを避けていた作者でしたが、直木賞受賞記念に「1作で判断してはいかんな」と読んでみました。せつない勘違いの物語、空回りする優しさ、その連鎖。『向日葵の・・・』と違って、外連味のない、しみじみ読ませる作品で良かったです。あれを読んで避けている読者がいたらば、「こちらも読んでみては」と勧めてあげたいと思います。『ラットマン』というタイトルも良いのですが、カバーは単行本の方がベターだと思います。 | ||||
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「このミス」にベスト10入りしていたのと佐々木敦がBLOGで紹介していて気になる作品だったのが本著。舞台転換の少ない密室系の舞台設定がどこか演劇的でもある。主人公がメンバーでもあるエアロスミスのアマチュアコピーバンド(なぜかWalk This Wayがよく出てきます)がスタジオで練習中に遭遇した不可解な殺人事件の真犯人とは?主人公のトラウマとなっている過去の不幸な事件と残されたままの疑念。そして現在の恋人との壊れかけた関係を中心に紡がれるプロットは残り1/3で物語の展開速度が一気に加速。二転三転する真相とクライマックスまでのスリリングな展開は見事。一気に読んでしまいました。本格ミステリものとしても十分に通用する練りこまれた構成は絶賛されるだけはあるなと。意味深な「ラットマン」というタイトルもなるほどという感じ。センスはかなり高いです。 | ||||
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とっても道尾さんらしい作品でした。でも、最後のインパクトに欠けていたのが勿体なかったです。最後に近づくにつれてどんでん返しがくるぞっと待ち構えてしまいすぎたのかもしれませんが私はそのどんでん返しが好きなので、もう少し驚かせて欲しかった。しかし、とても考えられていてそこらへんのミステリーよりは、全然よかったです。ホントにおしい!! | ||||
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「向日葵」は別物として拙私の評価に分類するとして、今作は「カラス」「光媒」と合わせて、甲乙丙つけがたい傑作である。道尾作品の王道であり、ミスリードの極致、伏線回収の正確性、繰り返されるどんでん返しの痛烈さ、そして、いつもとは違う、叙述トリックを用いない正面からの真相への道程までを盛り込んである。登場人物や舞台設定も凝らず、わかりやすく、主人公が生まれてからの成長過程でのわだかまりをスパイスに、大人になることでの現実の揺らぎ、そして、何と言っても、最後は「救い」までもたらす。。。陳腐な表現だが、読者をわくわくさせる、真相を予見できない、読むのが止まらないといった表現がふさわしい。ミステリー愛好者が常に考えながら読み込む、「ミスリードに騙されないぞ」「犯人は?」といった大命題を、満足いくレベルで突きつけ、消化させてくる。言い換えれば、読者側の敗北感が実感できるともいえよう。道尾氏が、現在の立ち位置を強固なものにした、代表的作品。まだ未読の方は、上記の他2作品と合わせて、現代至高の若手作家のミステリーワールドを堪能して頂きたい。両巨頭のもう一人、伊坂氏の世界との対比も、また面白いぞ。。。 | ||||
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人気作家といわれる方の作品は、一歩下がって読んでしまいがちなのですが、本書はそれでもやはり面白いとうなづいてしまう。出だしの趣向の凝らし方も適度に読者の興味を引きつけ、物語の導入部分も情緒感がよい。そして肝心のミステリ部分ももちろん次々と新展開が待ち受けているが、しっかりと読者を捕まえてはなさいのは作者の力量の賜物か。読んでいて楽しめる良作のエンターテーメント作品です。 | ||||
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2年前、本格的に小説を読み始めるようになった者です。こんにちは。 ぎっしり詰まった文字を見るのも嫌いだった僕に、小説の面白さを教えてくれたのは東野圭吾さんでした。 依頼、東野さんの小説を読み続け、コンプリートも間近になってきたので、自分に合う新たな作者を探しているところでした。 道尾さんの読むキッカケになったのは「シャドウ」でしたが、面白くて違う本も読んでみようと思ったのが、「ラットマン」でした。 正直、前半はマッタリとしていて話しの中に入って行きづらかったのですが、本を読み切った時にノックアウトされていた自分を振り返った時に、あの前半の文章はボクシングで言うところの“ジャブ”だったのだなと思いました。 気づかないうちにジャブを打たれまくっていて、気づけば最後はノックアウト状態です。 1975年生まれと、自分と同い年という事もあってか?凄く共感できる中身でした。 自分の世代は結構特殊な心を持っている人が多いのではないかと思う者のレビューでした。 | ||||
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ミステリーとしては面白かったけど、最後はちょっとせつなくなる。 | ||||
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物語の構成力はすばらしいと思います。 さらっと読めますよ。 最後は納得感あり。でした。 正しさと過ちは表裏一体なのかもしれません。 | ||||
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タイトルの「ラットマン」とは、先入観によって人間の顔がネズミ男に見えてしまうという心理学用語。 『向日葵』や『ソロモンの犬』にも見られたが、今作も「信じたいものを信じる人間の思い込みの心理」と、そこから生じる「家族や友人との相互理解の難しさ」などをテーマに書かれた作品。 主人公の過去の忌まわしい事件と、現在の殺人事件の謎を絡めつつ、真相に近付くほどに各登場人物の関係性が変容していく心理描写が巧み。ミステリーの謎解きと共に回収される伏線と言い、最後まで一気に読ませてしまう著者の筆力は相変わらずスゴい。 ただ惜しむらくは、「先入観」や「思い込み」というのは、言葉を変えれば単なる「誤解」でしかなく、そういう意味で謎の真相にはインパクトや意外性が足りないところが残念。 | ||||
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’08年、「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門で第4位、「このミステリーがすごい!」国内編では第10位にランクインした、今最も“旬”な作家・道尾秀介の本格ミステリー。 姫川亮(ひめかわりょう)は結成14年目になるアマチュア・ロックバンドのギタリスト。彼は23年前、小学1年生の時にふたつ違いの姉と、父を相次いで失っていた。父は病死だったが姉は事故死だった。しかし彼はそれは殺人ではなかったかと思っていた。 そんなおり、バンドの練習するスタジオが年内で閉鎖すると知らされたメンバーは、クリスマスのコンサートに向けて最後の練習を行ったが、その最中に悲劇が起きた。同じスタジオにある密室状態の倉庫でバンドの元ドラマー、小野木ひかりが倒れた大型アンプの下敷きになって死んだのだ。 タイトルの「ラットマン」とは、人間の思い込みを利用した、先入観によって、人の顔がネズミに見えてしまうという一種の「騙し絵」のことだが、本書で道尾秀介は、読者のみならず、姫川までも虚構の迷路に迷い込ませるという技巧を尽くしている。彼の心の中で過去と現在の事件が複雑に絡み合い、複数の人物の思惑と小さな発見でそれまで築いてきた思い込みが逆転するのだ。 本書は、二重底三重底にも及ぶ真相と、それぞれの伏線がピタリと見事に張られた<道尾ミステリー>の本流といってもいい作品だが、その伏線の妙とサプライズ・エンディングの切れ味が光ると同時に、姫川の哀切な青春小説としても読める秀作である。 | ||||
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前半は読んでいて、どうも人物の言動がぎこちなく「読んで失敗だったかなぁ」と思いながら読み進めた。夏休みだったのがわたしの救い。でなければ、途中で投げ出していたかもしれない。なぜ殺さねばならないのかを考えさせる本だとも思っていた。動機ってやつですか。まぁ、それは違っていたわけだけど、前半の人物のぎこちなさとか暗さとか感情移入できないところは、それぞれが抱えた内面の歪みだったのだなぁとラストにわかってくる。それが大沢在昌が解説で書いている「体温」なのだろう。読後のすがすがしさにちょいとこだわりすぎた感はあるけれど、これ好きだなぁ。 | ||||
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若さは成長だと誰が言ったか、道尾秀介の快進撃が止まらない。 まったく違うテイストでこそあれ、張り巡らされている伏線が複数絡みあい、収束してゆく最後のGは、 折原一の世界にも引けを取らない美しいパズルのよう。 いいねいいね! あとがきに登場する大沢在昌の意見に、完全右に同じの、登場人物の平熱感を楽しみつつ、 かろやかにかつ複雑に展開される、論理のパズルをお楽しみあれ。 | ||||
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流麗な文章、作品に仕掛けられた伏線と技巧、ミステリーファンの期待を裏切らないどんでん返しの結末、本当に精巧なるパズルを組成させ、最後に大きな感動を読者に与える素晴らしい作品だった。 自分が読んだ道尾作品の中でも一番だった。大沢在昌が褒めること関係なしに、久々に読書の余韻に浸れる最高の作品。 | ||||
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今まで道尾秀介さんの作品をいくつか読んだが、構成力、リーダビリティに非常に優れた作家さんだという印象はあった。 そして、本作はその中でも最も高い完成度を感じた作品である。 主人公の姫川には初めから破滅的な印象を感じた。 そのキャラクターにあまり感情移入はできなかった。 しかし、その時点で作者の罠にはまっていたのである。 正直、最後の展開は全く読めていなかった。 全体的には明るい印象をもてる作品ではなく、どこか閉塞感を感じながら読んでいた。 しかし、読後感は最後の数十ページで良い物となった。納得のいく結末だった。 この作品はミステリーであるのと同時に、家族愛というテーマも含んでいる。 個人的には最後の姫川と母親のシーンが非常によかった。 「人間捨てたもんじゃない」と思える物語である。 そしてタイトルの「ラットマン」の本当の意味もわかる。なかなか唸らせるタイトルではないか。 本作はミステリーとして申し分のない作品である言える。 しかし、ここは敢えて今後に期待して☆四つとしておく。 道雄さんには、ただ「上手い」というものを超えた圧倒的な作品を描いて欲しい。読んだ後一週間くらいは余韻が抜けないような。 誠に勝手ながら、そのように期待させていただきます。 | ||||
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これは、もったいない。 けど、後々になって響いてくる読後感がそれを凌駕する。 きっかけは、瞬時で些細で、人為的でも見方によってこうも違ってくる「行為」の描写の数々。 一体何がモチーフでこの小説を書きあげたんだろうか。 「過ち」と題すべき、隠蔽すべく人生の暗闇をいくつものプロットのうち、 刺し、引き、覆す展開。 音楽スタジオでの殺人という背景は、わかりやすいはずなのに、 巻き込まれる。 ガンガン期待したいストーリー・テラーだと思います。 | ||||
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アマチュアのロックバンドに所属している主人公の姫川と 元メンバーで高校来付き合っている彼女のひかり、 そしてその妹の桂の人間関係を中心として話しは展開していく。 ロックバンドのネタを潤滑油にしつつ、姫川の家族関係にある暗い闇と、 同じように家族関係に傷を持つひかりと桂のエピソードを織り成すようにして 話は進んでいく。 タイトルになっているラットマンとは、先入観によってモノを見る目が変わってしまうことを言うらしく、 物語の最初のうちに説明がされるが、最後にその意味が明らかになる。 端的に言ってしまえば、密室の殺人事件が起こって、サスペンスものだけれど、 それ以上に人間関係の描写がうまいように感じた。 冒頭にあるホラー調のショートストーリーが 本文とはあまり関係なかったのが少し残念。 | ||||
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バンドの元メンバーで、主人公の恋人ひかりがバンドの練習中にアンプの下敷きになり死亡する。他殺か事故か?ストーリーは主人公視点かつ主人公犯人説を臭わせながら進むが、バンドのラストライブにあとに警察が現れ、本人に告げた驚愕の真相とは?と、作者お得意の2転3転のどんでん返しがまっているのだが、ひっくり返しすぎてありきたりの落ちになってしまった。ラスト前の落ちでは、こうきたかとうならされたが、その絶妙なラストをあえて平凡なハッピーエンドにひっくり返すあたりが、詰めの甘さっといったところか。だがラットマンの謎かけなど今までと一風変わった作者のオリジナリティが垣間見えた作品だった。 | ||||
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