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背の眼
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背の眼の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全88件 81~88 5/5ページ
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「レエ オグロアラダ ロゴ」という謎の言葉を白峠村で聞く作家"道尾"。道尾の相談相手の霊研究家"真備"。白峠村で起こる子供連続失踪事件。その中の一人の頭部は発見される。頭部の発見場所である白早川河岸を含む"白"の謎。真備の所へ集まる相談の写真中で背中に眼が写っている人物が立て続けに自殺するという怪現象が。そして、近隣の町で死んだ男にも「背の眼」が。白峠村に伝わる天狗伝説。意外な形で関る東海道五十三次。霊視ができるという少年。次第に明らかになる道尾等の宿泊先の主人の過去...。 これだけの材料が揃っていながら、ドロドロした怨念のような"濃さ"が感じられないのである。また、薀蓄を傾ける真備と語り手の作家の道尾の関係は「真備=京極堂」、「道尾=関口」でたやすく京極夏彦氏の作品を連想させ、イメージ的に随分損をしていると思う。道尾達の会話や日常生活を書き込むより、白峠村の異界性、魔境性を強調した方がインパクトの強い作品になったと思う。本作は現実感があり過ぎる。 道具立ては申し分なく、細かい調査など行き届いていて力量は買えるが、この設定なら、もっと大掛かりな妖異譚、怪異譚になっていたかと思うと惜しい。 | ||||
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「レエ オグロアラダ ロゴ」という謎の言葉を白峠村で聞く作家"道尾"。道尾の相談相手の霊研究家"真備"。白峠村で起こる子供連続失踪事件。その中の一人の頭部は発見される。頭部の発見場所である白早川河岸を含む"白"の謎。真備の所へ集まる相談の写真中で背中に眼が写っている人物が立て続けに自殺するという怪現象が。そして、近隣の町で死んだ男にも「背の眼」が。白峠村に伝わる天狗伝説。意外な形で関る東海道五十三次。霊視ができるという少年。次第に明らかになる道尾等の宿泊先の主人の過去...。 これだけの材料が揃っていながら、ドロドロした怨念のような"濃さ"が感じられないのである。また、薀蓄を傾ける真備と語り手の作家の道尾の関係は「真備=京極堂」、「道尾=関口」でたやすく京極夏彦氏の作品を連想させ、イメージ的に随分損をしていると思う。道尾達の会話や日常生活を書き込むより、白峠村の異界性、魔境性を強調した方がインパクトの強い作品になったと思う。本作は現実感があり過ぎる。 道具立ては申し分なく、細かい調査など行き届いていて力量は買えるが、この設定なら、もっと大掛かりな妖異譚、怪異譚になっていたかと思うと惜しい。 | ||||
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ところどころにちりばめられた罠に、引っかかるまいと思いつつも、陥ってしまい、背筋がぞっとする経験を、何度もさせられる。確かに、スリラー感覚を味わえる。しかし、読後感に残るものの強さ、という点ではどうだろうか。確かに、楽しめはするが、、、というレベルである。 | ||||
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白峠村で不気味な声を聞いた、主人公は、「霊現象研究所」の友人、そして助手と、白峠村へ秘密を探りに。そこで発生していた、児童の連続誘拐事件、天狗の伝説・・・。不気味な声の正体は、事件との関係は、そして、犯人はいるのか・・・。 この世の事件とも、あの世の事件ともつかぬ謎を、主人公たちは、追いかけます。 雰囲気に参りました。鄙びた村の描写、謎の住人たち、不思議な少年、天狗とは何か、霊とは、古い絵・・・。独特の雰囲気をもって、迫ってくる本でした。 登場人物も多くなく、話の筋も追いやすく、読みやすい本でした。それもあって、一気に読みました。 登場人物がそれぞれ背負った過去など、読みどころ満点で、がっかりさせない本だと思います。 | ||||
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京極夏彦氏の影響ももちろん受けているのだろうが、どちらかと言えば内田康夫氏の旅情ミステリーの読後感に近い。「背の眼」というタイトルから想像される夜中に一人でトイレに行けなくなるような怖さよりも二転三転する展開が楽しい本だ。さらさら読めるし、東海道五十三次のアレってそういうことだったの!という「へえ」なネタもあり、単純に面白い。主人公3人組の絡みも悪くないし、シリーズ化への期待大。因みに、ノベルズ版にするときはタイトルと表紙の雰囲気は変えた方がいいですよ。タイトルさえ良ければかなり売れる本。 | ||||
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厳密に言うとこれはホラー小説ではないと思います。よく言えば超自然の要素をちりばめた、本格推理小説というような仕上がり。悪く言えばどっちつかずの中途半端な作品。 タイトルと表紙から伝わる重厚なイメージはあっさり裏切られ、キャラクター描写、文体と、ライトタッチである意味とても今風な小説ではあります。 連続して起きた自殺。生前、撮影された写真にうつるその人間の背中に現れる眼。事件を調べるうちにある田舎町に発生している連続失踪事件。そしてその村に伝わる「天狗伝説」と、とても良い雰囲気で話は進みますが、どうしてもキャラクターの描きこみや表現が軽く感じて、正直自分にはいまひとつ。さらにホラー小説を期待して読んだ点もマイナスになりました。 しかし、本格推理としては随所にちりばめられた伏線や、収束に向かうまでの展開、まさに意外な真相など、なかなか良くできた構成。 なので、この小説の楽しみ方はホラーの味付けがなされた本格推理小説として読むと、良いと思います。 ホラー小説的には星2つ、本格推理物としては星4つ、中間を取り星3つの評価とさせていただきました。 | ||||
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読み終わった後にすがすがしくなるミステリー(ホラーかな?)はめずらしいと思います。風土色の強いミステリーで、語り手の私の人柄のよさがでていて好感がもてます。自殺者にかかわる心霊写真・子供の失踪・殺人・・などの事件の徐々にわかってくる真実に一気に読みたくなりますが、細かいところの説明がされてないような「あれはなんだったの?」と、いう疑問も少し残ってしまいました。ちょっと長いのですが、中盤からおもしろくなるので投げ出さずに読んで下さい。主要人物の3人の活躍する、続編を読んでみたいです。 | ||||
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本作は、「ホラーサスペンス大賞」の特別賞受賞作であるが、賞のタイトルから予想されるよりも、ずっと濃密な「味」を持った作品だと言える。ホラーやサスペンスの要素はもとより、本格ミステリーとしての強烈なインパクトと完成度の高さを持ち合わせているのだ。それに加えてこの作品には、スケールの大きな世界を描いたホラーやサスペンス、ミステリーがしばしば抱えてしまう問題である、「読後感の悪さ」が全くない。最終頁を読み終えた人は、これまで感じたことのない最高の読後感とともに、「まいった」「やられた」…そんな言葉を思わず口にしてしまうこと請け合いである。もう一つ驚かされたのは、一人称で語られる主人公の心理を、読み手の心と同調させる手腕だ。「私」という主人公が、全編を通して、読み手の感じる恐怖、疑問、焦燥感を、絶妙なタイミングで感じ、語ってくれる。このことにより読み手は、絡み合う物語をハイレベルな臨場感とともに経験することができる。著者のデビュー作とのことだが、いったい今後この作家はどんな作品を私たちに読ませてくれるのだろう。ホラーファンとして、ミステリーファンとして、この上なく楽しみだ。 | ||||
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