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さぶ



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さぶの評価: 4.47/5点 レビュー 120件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.47pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全120件 101~120 6/6ページ
No.20:
(1pt)

世の中は冷たい、けれど、やっぱり冷たい

時代小説の世界で、山本周五郎は筆頭に上げられることが多いが
私はこの人の書く物語を読んで、好い気持ちになれたためしがない。
どうしてかくも冷たく、厳しく世情・人情を書くのか?
直木賞を辞退=拒否したという傲慢さがなせる業なのか。
「周五郎がいい」と言っているあなた、本当にいいと思うか?
さぶ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:さぶ (新潮文庫)より
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No.19:
(5pt)

現代人にも通ずる生き方

 主人公は「さぶ」ではない。というのが一般的な見解だが、それでもやはりタイトルが「さぶ」だけに、サブの存在が強く効いている。どう効いているかというと、さぶというそんざいがあるからこそ、栄二(主人公)の人間的なところが引き立つし、さぶ自身の存在も引き立つ。
 さぶの地味で不運な生き様。最近ならそこからいかに脱却して成功を納めるかだけが注目されるだろうが、決してさぶは成功したといえない。むしろ栄二ですら成功を収めたといえない。面白いのは、さぶの不幸な人生を基準に栄二の人生・考え方が右へ左へと動くところじゃないかな。
 始め、さぶを救う立場の栄二が、ある事件からさぶ以下の人生に転落。しかしそこでもさぶは決して栄二を捨てず、むしろそんな栄二のために生き、栄二のためにさぶも転落。しかしその苦労を栄二はすぐには知らない。自分が腐ることによって自分のみならず人の人生をも狂わせる。そのことに気づくのは、いろいろと自分自身を見直す機会があったから。
 立ち直った栄二の人生はすぐには上手くいかないが、それ以降もまださぶという存在が大きなものに。そしてまた、「おすえ」に、「おのぶ」という女性の存在。みんな栄二という人柄を早くから認め、ともに人生を生きていく。みんな栄二のために生き、そして栄二は栄二で気づかないが、栄二もまたみんなのために生きる。この精神、忘れてはならないが、自然に出来ることの方が何よりも大事なのかもしれない。
さぶ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:さぶ (新潮文庫)より
4101134103
No.18:
(3pt)

「樅ノ木は残った」よりは下

20代で太宰治病にかかったものは40になって、山本周五郎にほれるという文句を聞いて、樅ノ木を読んだ。世をはすに構えるところが、太宰と似ているなと楽しく読んだ。そして、次に読んだのがこれ、さぶ。タイトルはさぶだが、描かれているのは幼馴染の栄二に関する部分のほうが多い。栄二がもっこ部屋からしゃばへ出て、おすえとさぶと3人で生活苦の中にも努力している姿には、読みながら声援を送った。感情移入できる小説である。ただ、この小説には非現実的なところがある。栄二が冤罪でもっこ部屋に送られた後の生活の乱れは人間、こうも変わるの?と疑問がある。そしてもっとも??なのは、最後のどんでん返し。こんなのありと疑問符がついた。この最後の場面さえなければもっと純粋に楽しめた。
さぶ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:さぶ (新潮文庫)より
4101134103
No.17:
(5pt)

社会に疲れた時 一服の清涼剤として

頭が良いとか、実力があるということが評価される現代社会ともすると自分中心主義に陥る危険性がそこにはある。人間に揉まれながら大人として成長してゆく「栄二」人から馬鹿にされながらも、ひたすら誠実を貫く「さぶ」「おすえ」「おのぶ」は男女の恋愛を越えた友情を教えてくれる。個性的なキャラクターの振る舞いが現代社会に忘れかけた大事なものを語りかけてくれる一冊でした。
さぶ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:さぶ (新潮文庫)より
4101134103
No.16:
(5pt)

是非読んでみて下さい

私はあんまり本好きではないんですが、あるきっかけで読んでみました。私はどの本も読むのが遅いのですがこの小説だけは気になって気になって・・あっという間に読み終えました。感動はしますが泣いたりするものではないです。でも読んでよかった~っと心から思いました。
さぶ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:さぶ (新潮文庫)より
4101134103
No.15:
(5pt)

題名がミソ

 題名にもなっている「さぶ」は主人公ではありません。主人公は「さぶ」の同僚と言うか兄貴分である「栄二」です。 しかし、やはりこの作品は「栄二」ではなく「さぶ」なのです。 内容は簡単に言えば「栄二」が成長する過程の話。「さぶ」はあくまで脇役ではありますが、「栄二」にとっての「良心」であり、「手綱」のような存在です。 何をやらせても人並み以上には出来ない「さぶ」ですが、人にはまねの出来ないような真っ正直で、どこまでも「栄二」を信じる心には、ひどく馬鹿らしいようで、この上なく感動的です。「栄二」の荒んだ心をほぐした「さぶ」の存在こそがこの小説におけるミソなのです。 山本周五郎入門書としては最適なものなのではないでしょうか?
さぶ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:さぶ (新潮文庫)より
4101134103
No.14:
(5pt)

代々伝わる本

 うすのろだけれども心やさしい・さぶと頭の回転の速い・栄二の二人の友情を綴る。また、栄二を通してさぶの心情も綴られている。 途中まで題名は『栄二』の方が良かったのでは?と思うが、最後になってなぜ題名が『さぶ』になったのか分かる、気持ちの良い作品。 因みに、この本は祖母が母親に勧め、母親が私に勧めてくれた本です。まさに、代々伝わる本です。 ソレデハ…
さぶ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:さぶ (新潮文庫)より
4101134103
No.13:
(4pt)

初めての書評

 とても読み応えのある作品で、気付いたらすでに終わっていたと思うような作品である。 著者はこの本で、人間が生きる上で大切なことを、男前で器用な栄二とその周りを取り巻く人々を通して、人は一人ぼっちでは生きていけなく、支えあって生きていくものであると主張している。 私はこの物語において、二つ程重要な点があると思う。第一に、『さぶ』という題名についてだ。この本は『さぶ』という題名ながら、栄二が中心となって描かれている。さぶは正にサブキャラ(笑)である。しかし、ここには栄二ではなく、栄二を取り巻く人たちが重要であるということから、『さぶ』という題名を付けたのではないかと考えられる。 第二に、栄二は無実なのにも関わらず、人足寄場という場所に送られた。これも、この物語において、非常に重要な著者のメッセージであると考えられる。人足寄場、つまり監獄の一歩手前のような場所に栄二は送られるわけだが、栄二はここで人間的に大きく成長する。寄場に送られる人は、やはり人には知られたくない過去を背負っている人が多い。そういった癖のある人達と付き合うことで、他人に対する優しさを知るのである。 また、それ程重要ではないが、作品中のおのぶは現代の女性像を投影しているようだ。活動的であるが、裏側にある隠されたもろさを備えたおのぶの姿はまさにピッタリである。 この二点+αを踏まえて見るときっと面白く読めるに違いない。文庫のサイズにしては少々厚いかもしれないが、人に対して信じられない出来事があった時には、この本を読み、もう一度人を信じてみてはいかがだろうか?
さぶ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:さぶ (新潮文庫)より
4101134103
No.12:
(5pt)

栄二とさぶ、周りの人間たちを結んでいる心の絆に感動

<<小雨が靄のようにけぶる夕方、両国橋を西から東へ、  さぶが泣きながら渡っていた。 >>心に残る冒頭の一行から始まる山本周五郎の『さぶ』。職人として同じ店に奉公するさぶと栄二。ひどい仕打ちに遭って心を閉ざし、自分の人生をめちゃくちゃにした者たちに復讐を誓う栄二。栄二のことを心から気にかけて、損得勘定抜きで、無償で奉仕するさぶ。さらに、人足寄場の住人たちほか、栄二の周りの人間たち。彼らを結ぶ心の絆が、かたくなだった栄二の気持ちを少しずつ和らげ、救っていく物語だと思います。彼らを結ぶ細い線が、今にも切れそうになるところにはらはらしました。また、冷たい世間の仕打ちに対して復讐を誓う栄二の気持ちが次第に変化していくところに、不安と期待を感じながら読み進めていきました。ラストは胸がじんと熱くなって、強く心を揺さぶられました。栄二がある行動をとった、そこに至るまでの長くて辛い道のり。栄二と周囲の人間たちとを結ぶ心の絆、それが切れることがなかった、そのことを思うと……。涙がこぼれてきて、しばらく止まりませんでした。
さぶ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:さぶ (新潮文庫)より
4101134103
No.11:
(5pt)

周五郎作品中でもひときわ出汁のきいたキャラが目白押し

すばらしい。いい話、です。他の皆さんと同じような感想になってしまうので、ストーリーそのもには多言を労すまい。ここではちょっと違うことを言いたい。周五郎職人ものは大概に気分のいい人物が出てくるものであるが、さぶはまた、その点でもいい。寄場の英二の仲間たちだけでも、口と柄の悪差が愛嬌に見える根は優しい差配赤鬼こと松田権蔵を筆頭に、黄昏感の中に優しさがにじみ出る与平さん。気の小さな怪力男こぶこと清七。何でも金銭に勘定する調子のいい万吉。誠実な官僚で英二を見守る岡安喜兵衛や青木功之進。すみよしのおのぶもするどくっていい。そんな中、ヒロインのおすえはちとキャラが弱い感じがするのだが、最後にばっちり見せ場を作ってくれます。ちょっと鼻につくのが英二が男前で頭も腕も切れ、喧嘩も勝負も強い上に内省的で人間的にも優れすぎている点(もちろん傷つきながら成長していくわけですが)「ちいさこべ」の若頭領ほどではないが、鮮やかすぎるのである。はっきり言って嫉妬である。うーん、いい話だ
さぶ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:さぶ (新潮文庫)より
4101134103
No.10:
(5pt)

回心のドラマ

男前で器用な『栄二』を中心に、『さぶ』やその他の人物が出てきて展開されて行く人情物語。順風満帆な栄二に突然襲いかかる不幸。そこから、その苦悩との戦いがあり、栄二はそれを乗り越える。その中に、さぶの不器用ながらも、誠実・無私の人格が輝きを放つ。そして、折々にそれぞれの人物から、語られるメッセージが金言の趣きを呈している。序盤はつまらなく感じたが、トラブルが起こってからは、物語にグイグイ引きこまれていった。そして、読み終わる頃には、自らの人生にとって大事なことをいくつも学ばせてもらった喜びと感謝に満たされていることだろう。オススメの一冊である。ぜひ、読んでいただきたい。
さぶ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:さぶ (新潮文庫)より
4101134103
No.9:
(5pt)

これはいいよ!

たまたまドラマに取り上げられたことを嬉しく思います。これを機にあらゆる人の手に渡ってほしいです。
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4101134103
No.8:
(5pt)

山本周五郎はいいです

時代劇ファンではありませんが、何人か読み比べてみたうちで読みやすいほうに入ります。そして何より、著者の人間好きを感じさせる温かさがいいです。栄二は確かにかっこいいけど、さぶみたいな地味な人間をあえてタイトルに持ってくるところが、やっぱりいろんな人間に目を向けられる視野の広さなんでしょうね。ただ一人後味の悪い女がいます(笑)。誰とは言わないけど・・・。
さぶ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:さぶ (新潮文庫)より
4101134103
No.7:
(5pt)

成長

題名は「さぶ」だが主人公は栄二という青年。さぶは栄二の無二の親友。栄二が自分に起こる様々な出来事とさぶや周りの人たちとの関係の中で自分を築き、自分の葛藤を乗り越えて行くという話。思春期の葛藤において他者との関わりのなかで自分を築いてきたことを思い出した。(といっても最近なのだが。)いかに自分が周りの環境に恵まれていたか、迷惑をかけたか、それらがどれだけ有り難いことかに気づくことができた。この本を読んで自分は周りの人に本当に感謝した。また、いつか子供ができたときに読み返してみたい一冊だ
さぶ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:さぶ (新潮文庫)より
4101134103
No.6:
(5pt)

自分の在り方を考え直せる作品

タイトルは『さぶ』ですが、ストーリーは『さぶ』の兄貴分である『栄二』を中心に描かれています。『栄二』と『さぶ』は幼少の頃から一緒で、深い友情で結ばれています。『栄二』は悪人ではないのですが、少し屈折している部分があります。その『栄二』がある事件に巻き込まれ、様々な人と出会い、経験を重ね少しずつ変わってゆく物語です。内容を書けないのが非常に残念です・・・。これはもう、読んでいただくしかありません。時代劇が好きな方はとっつき易いと思いますが、時代劇はちょっと・・・と言う方でも、気になることなく読めるはずです。時代劇臭さが全くなく、変な違和感は感じられません。舞台を現代置き換えても、読めるのではないでしょうか。それほど自然に描かれていますので、躊躇することなく、読んでいただきたいです。ちなみに、原作を先に読み、自分で描いていたイメージとかけ離れていた為、ドラマの方は見ませんでした・・・。
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No.5:
(5pt)

ビデオを観て、興味を持ちました。

 藤原竜也さん・妻夫木聡さんが演じた「さぶ」をビデオで観ました。  いわゆる「時代劇」は普段見る機会が少ないため、「どうかなぁ・・・」と思っていたのですが、見終える頃には、ポロポロ涙が頬を伝っていました。 これはお二人の若さ溢れる魅力や演技力だけではなく、その根底にある筆者の人情味溢れる原作が作品に熱い血を通わせているのだなと痛感しました。
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4101134103
No.4:
(5pt)

さぶ

若手の人気俳優、藤原竜也さんが主演したTV時代劇を見損なった。時代物小説は、日本独特の文化風俗が味わえるが、どうもこの小説はそれだけではないらしい。読み進めながら、確かにこれは江戸時代の話であるが、人と人の心の結びつき、人は何を大切に生きていくべきかを、現代に生きる私たちに共通する足場から描いている作品、と感じた。最も魅力的な登場人物は、「おのぶ」だろう。封建時代に生きる女性でありながら、たくましく信念を持って生きている。これもまた、現代へのメッセージと感じられた。
さぶ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:さぶ (新潮文庫)より
4101134103
No.3:
(5pt)

人間の本当の弱さ、強さに、心が震えた

初めてこのの作品を手にしたのは、中学2年生の時だった。母が昔読んでいたという、それだけの理由で何気なく手にしたのだった。読み始めてまもなく、私はあっという間にこの物語の中にのめりこんでいった。それまではあまり馴染みのない時代設定であったにもかかわらず、この物語の魅力はそんなことをすっかり忘れさせ、私を引きずりこんだのだった。そしてやってきた、物語のクライマックス。あっというどんでん返しに、私の心は震えた。そこには、人の本当の弱さ、強さが全て込められていたのだ。私の世界は、その視点は、そこから一瞬にして角度を変えたといっても決して過言ではない。私は読み終えた直後の、あまりにも強烈な余韻のために、眠れない朝を迎えたことを憶えている。
さぶ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:さぶ (新潮文庫)より
4101134103
No.2:
(5pt)

何も言わずに、そっとおすすめしたい一冊

もう何度買い直し、何度読み返したことだろう。そのたびに、静かで深い感動がある。というか、読み返した回数だけ、何かしら挫折のようなものを味わっていたりするわけで、実に恥ずかしい限りなのだが。そしてそのたび「人はひとりでは生きられない」という、ごく当たり前のことが、静かに熱く、胸に伝わってくるのを感じるのだ。先般制作され、劇場でも公開された三池監督演出のドラマ版、若き日の小林旭が栄二を、長門裕之がさぶを演じた日活での映画版など、映像化されたものはいずれも佳作となっているが、それはおそらく作り手が、原作に対して誠実であろうとした、その証左なのではないか。それは、この物語の登場人物の多くが、身近な人に対し、時に不幸に見舞われながらも、そうあろうとするように……。
さぶ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:さぶ (新潮文庫)より
4101134103
No.1:
(5pt)

人の優しさに出会いたいなら・・・

江戸の若い職人たちの話です。 世知辛い世の中だから、人が人を疑えば限りはなく、心が卑屈に狭くなっていってしまう。そんな中で、さぶは騙されても馬鹿にされても友を信じて信じきって不器用だけど真当に生きようとしている。人の本当の優しさに出会える本です。
さぶ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:さぶ (新潮文庫)より
4101134103

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