わたしの知る花
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物語は短編小説という形になっているが、全体を通して読むと絵描きジジイと呼ばれている77歳の葛城平という老人の数奇な物語だった。 好きな人と一緒にいるだけで幸せなはずなのに、全然うまくいかず、常に回りに振り回されて生きてきた平。 そんな平の人生が、全然違う人生を生きてきた他の登場人物の話をきっかけに少しずつ明らかになっていくという展開。 一章に登場する高校生の安珠と奏斗、二章に登場する母の紫里と娘の三園、三章に登場する老人の光男、四章に登場するアパートの大家をしている風太郎と奈々枝夫婦、そして最終章は平と幼馴染の悦子。 それぞれに悩みながら自分の人生の懸命に生きてきた者たちの短編だけでも十分に読み応えがあったが、苦難の道を行く葛城平とそれを見守ってきた悦子の物語は最後まで胸が締め付けられた。 最後まで読み終わったあと、改めて一章を読み返すと、友人の奏斗との関係に悩んでいる安珠に対して、平がかけた言葉の節々から改めて後悔や苦悩が感じられて切なかった。 特に印象に残った言葉を以下に抜粋。 ・話をしろ。何度だって言葉を重ねて、相手の言葉に耳を傾けろ。いったん離れてしまった気持ちは、もしかしたら取り戻せないかもしれない。でも、きっと間に合うと信じろ ・近くにいてもらおうとして傷つけるくらいなら、離れた場所で笑っていてほしいわ。束の間でも傍にいて笑いあえた、その記憶だけで十分。大事なひとが笑っている、それだけでいいのよ ・事実だけを並べたら悪いひとなんですよね。でも、あのノートを見たら、簡単に言い捨てていいとは思えない。たくさんのひとの意見も大事だけどお、あたし本人が感じたものを信じるのも、大事だなっていまは思っています | ||||
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人生にはその時々に出会う花がある事に惹かれました。 | ||||
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一話ごと(五話からなる)に語り手が代わっていく。 物語が進むにつれ、一人の老人の来し方が浮き彫りにされていく、という趣向。そこに季節の花を寄り添わせながら。 相変わらず、読者の心の琴線に触れてくるストーリー展開と、作者ならではの筆運びは流石だ。 読了後は崇高なカタルシスを味わう事ができた。 日々の暮らしに心が渇いてしまっている人に勧めたい。 | ||||
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人物設定がリアルじゃなく、この人がこんなことするわけないっていうのを感じすぎて半分までしか読めませんでした。 | ||||
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章によって話が違うのかと思いきや同じ登場人物が出てきて、ん?これは繋がっているのかと思いながら読み進むことができあっと言う間に読み終えました。そして涙がポロポロ溢れます。笑えるところもありいろんな感情を掘り起こしてくれました。読んでよかったと思える1冊です。 | ||||
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