■スポンサードリンク


正雪記



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

正雪記の評価: 3.91/5点 レビュー 22件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.91pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全22件 21~22 2/2ページ
<<12
No.2:
(4pt)

予想外に面白かった

最初の部分を読んだときにはこの後どうなるやらという展開だったが、意外や意外、思ったよりもかなりおもしろ
い作品だった。由井正雪の乱とは人為的に幕府によって作られた事件であるというコンセプトのもと書かれて
おり、細かな史実が不明な分、通説とは全く違う見方で再評価しようとしている。その意味で栄花物語の田
沼意次に通じるものがある。この作品での正雪は、山本周五郎氏自身の考えでもあろうが、自害もしくは自
滅を拒否する生き方を選び、あくまで生き抜くこと、最後まで努力することに価値を見出している人間として
描かれており、「樅の木は残った」や「長い坂」と同じ思想で貫かれている。つまりはきわめて正統的な山本
周五郎作品ということが言えるだろう。
正雪記 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:正雪記 (新潮文庫)より
4101134162
No.1:
(4pt)

怪力・乱心を語りつつ...組織権力に破れるポジティブな理想主義者の姿はリアルに美しい

由井正雪..といって、どことなくインチキくさい人物を思いうかべこそすれ、ヒロイックかつ真っ当なイメージは描きづらい。そもそも、正雪は駿府の紺屋の息子といわれ、慶安事件そのものはもとより、その出自自体謎めいている人物だ。周五郎はこの人物に、当時の江戸幕府の浪人弾圧策に立ち向かった冷静なNPOとしての役柄を与えている。結果、謎の洞窟金銀財宝や謎の占星術師と御嶽山で修行、日英混血の霊感少女などを登場させ、世にすくっと立った後の与志郎、すなわち民部正雪のカリスマ性にリアリティを持たせるという荒技を用意した。そのため、初期の海南太平記のような荒唐無稽さを幾分含んでいる嫌いはある。また、特に覚念坊の取り扱いに破綻があったり、各人のキャラ設定に甘いところもあるが....その辺は割り引かねばならんが、このお話は「何があろうと、どんな困難があろうと、精一杯生きて、あきらめないでやるだけやろうよ」というのが骨太なテーマとしてあり、充分重みのある読後感を楽しめる。ところで、正雪と惹かれあいながら結局結ばれないおはんのストーリーは柳橋のおせんちゃんとかぶるところがあって、なかなかどきどきした。実際はわからんけど、周五郎の正雪は原田甲斐や田沼意次と並ぶ素敵な人物である。間違いない。
正雪記 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:正雪記 (新潮文庫)より
4101134162

スポンサードリンク

  



<<12
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!