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愛しても、獣
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愛しても、獣の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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少女連続暴行殺人事件の容疑者・工藤芳雄は、裁判の結果証拠不十分として無罪になった。しかし社会は彼と彼の家族を“犯罪者”として疎外する。失踪した芳雄を捜す父が出会う出来事を通して、事件の真実と息子の姿が浮き上がってくる社会派サスペンスです。同じ作者による『たまらなく孤独で、熱い街』や『氷雨』に近い感じで、ミステリーというほどのトリックやプロットの豪快なひねりはありません。とはいえ、作者独特の乾いた文体が乾いた世間を描くテーマにマッチしてどんどん読ませるし、事件の真相だけでも充分引っ張ってくれます。タイトルは女性から見た“男”の姿ですが、「(略)どんな女でもよかった。とにかく女と寝たかった。いまから考えれば、ぼくは寂しかったのかもしれません。女と寝たところで、その淋しさがまぎれるはずがないのに、女と寝ることしか考えていなかった」というのももうひとつの本作のテーマといえるでしょう。それら2つのテーマと対立するように、よりどころの柱として、父と妻・息子の家族と社会、というのが描かれ、相克しながら、結論を出すことなく幕切れとなります。他の山田作品と同じく、心にずしんと響く作品。 | ||||
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