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黒い家
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黒い家の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.99pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全337件 221~240 12/17ページ
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あまりに怖くて読後眠れなくなりました。犯人は自分の子供に対してさえ愛情を持たず、何のためらいもなく殺人を犯すという全く異質の存在。主人公は保険会社の社員で、普通に日常業務をさばいている中でこういう人物に遭遇してしまい、執拗に追いつめられます。犯人の思考が短絡的で、犯罪行動もまるで見つかることを全く気にしていないかのような稚拙さがあり、それが逆に犯人の殺意の強さや異常性を際立たせています。普通に生活していて、自分には何の落ち度もないのに強烈に殺意を抱かれてしまうという恐怖。主人公のように不特定多数のお客さんを相手に仕事をしているような人にとっては、本当に怖い小説だと思います。 | ||||
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以前に郵便配達の仕事をしていて、担当地区は住宅地だったのだが「不気味な家」が あったのを覚えている。玄関先がひどく乱雑で、草は伸び放題、猫を大量に飼っていて、 嫌な雰囲気を感じる。そして室内の異様な臭い。そんな家で事件は起きた。中学生の 子供が両親を殺害したという。この小説を読んで、そんな記憶が蘇った。実話である。 本作品は猟奇的な保険金殺人を描いたサイコホラーだ。そして「サイコパス」が重要な テーマになっている。我々が彼らの存在をもっともよく知る機会は保険金殺人ではない だろうか。しばしば報じられるそれには鬼畜の所業としかいいようがないものが多い。 著者は保険会社勤務の経験があり、本作で描かれる生保の実務にリアリティがある。 それが恐怖を高める効果を生んでいて、読み始めるととても本を手放すことができない。 先天的なものかどうかはともかく、私も「関わってはいけない」人間が存在することを 認めるしかない。だがそのつもりがなくても関わらざるを得ない場合はどうすればよい のか。本作品を読み進めるうち、そんな恐怖が現実のものとして迫ってくるのである。 | ||||
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ホラー小説ですが、幽霊は登場しません。 この本で怖いのはサイコパスという実際にある人格障害の人間です。 その人間には生まれつき「良心」がありません。知識はあっても。 彼らは善悪ではなく損得で行動を決めます。 だから必要とあらば我が子も殺す。 現実に、そんな人間こそが進化であり、この世に増加しているとしたら…。 そしてそんな化け物と関わり合いになったら…。 仮定の話だけれど本当の話かもしれないと思うと、外出すら怖くなるかもしれません。 この小説の面白い所は、サイコパスを認めない女性を登場させた事。 その対比によって読者は否応にも逡巡させられるのです。 主人公の彼女が心の純粋な優しい女性という設定で、 「生まれつき心が欠けた人間なんか存在するはずがない。 心が病んでいるだけ。育ちのせい」と言い続けるのです。 世にはばかる”あの手”のおめでたい考えに近いものを感じて、私は薄ら笑いを浮かべずにいられません。 しかし、彼女は酷い目に遭わされてもなお信念を曲げないのです。 それは精神的な強さによるものでしょうか? 正直言って、私は彼女の頑固さに呆れました。 が、彼女に言わせれば私はこういう人間なのです。 「病的なペティシズム。自分たちの見るものすべてに、その暗い絶望を投影しているだけ」 …確かに物は考えよう。しかし「言葉にあるものはすべてある」のだ! さらに、 「サイコパスより恐ろしい事は、自分達を脅かす存在に邪悪のレッテルを張って排除しようとすること。」 …明らかに危険なのに「それは危険ではない」と無理矢理思い込もうとしているみたいです。それでは自分を守れません。 自分を守るために時には冷徹な判断を下す必要がある。 優しさとは弱さでもある。悪の前で弱さを見せれば負けるしかない。 | ||||
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コンディション、『中古品、良い』の本を注文させていただきましたが、本体の状態が思っていたよりも非常にきれいでとても良かったです。対応、配達も早くて驚きました。ありがとうございました。とても満足です。 | ||||
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情動や徳性というものを,根本的に欠いている殺人鬼の物語。 プロット,語り口,登場人物の造形,そして人の殺し方,すべてがうまく組み合わさって構築され,文句なく面白い。傑作だろう。 この殺人者の特異なキャラクターは,普通はあり得ないだろうと思うところだろうが,自分のすぐ隣りにもいそうな設定で描かれているので,非常にリアルである。保険会社の査定担当者という主人公の眼から物語が語られることも,殺人者の描写に役立っている。 そしてこの殺人者の存在可能性や存在意義が,過去における歴史上の事実や心理学・法医学などの学問的知見に裏打ちされていることも,作品の奥行きをより深くしている。 ミステリーというよりホラーかも知れないが,ミステリーファンにはぜひ勧めたい。 | ||||
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数段構えの恐怖、というべきでしょうか。 読み進むほどに怖さの度合いが、まだ来るか、まだ来るか、とどんどん積み重なっていきます。 その面白さもさることながら、作家さん自身が生保会社にお勤めだったとのことで、小説内に挟まれるエピソードのすべてがその業務にまつわるストーリーの主軸を支えて、一本の大きな芯にしていると感じました。またそれをとても丁寧に、かつ読み手に興味深く書かれています。 このリアリティとクオリティの高さは、お勤めの経験が満遍なく生かされているからなのだなと思いました。 何はともあれ、私などが言うに及ばず。 もうすでにレビューはたくさんついていますし、(中には低評価の方ももちろんいらっしゃいますが)それらの多くが高評価なのは伊達じゃありません。 ドキドキする話、怖い話が好きな方は読んでみて損はない作品では、と思います。 はーそれにしても、怖かった…。 | ||||
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これほどまでに凶悪かつ狡猾でリアルな殺人鬼を描き出す作者の技量は、ホラー作家の中でもかなり卓越したものと見受けられる 生保に勤める主人公と、狂気満々たるサイコパスとの対決を描く長編ホラー “保険金殺人”という普遍的な事件を題材に巡る事件には、SFと言った要素は一切無し 事件の全容が見えない頃は、霊的な何かの存在を疑わざるを得なかったが そこがこの作者の仕掛けた読者への暗示だろう 気づけば主人公と思考や推理を同じくしていた 終盤が近づくにつれての人間心理のその生々しさは、あたかも自分がその現場に居る事を錯覚させ、身の毛もよだつ戦慄を与える クライマックスの追い詰められる感覚は、酷く印象に残っている 静かな夜長にはこの一冊 オススメです | ||||
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これは「あ〜怖かった」で片づけられるような、単なるホラーではないですね。 保険金殺人は、数多くある犯罪の一例に過ぎません。が、誰しもが当事者となる可能性があるだけに、決して他人事ではいられない……。 “正常”な人間にとって、常軌を逸した人間ほど理解できず、恐ろしいものはありません。 殺人とまで行かずとも、他人を傷つけることに何とも思わない人間は現実にも多く存在します。 それらはみんな“サイコパス”なのか? 甚だ疑問ですが、人間ほど奥の深い生き物はいないのでしょう。 小説は本を閉じれば読むのを止められるけど、生きている限り現実から目を背けることはできないのです。 | ||||
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本屋で作者のコーナーがあり、以前「硝子のハンマー」を読んで好感触でしたし、本作品が平積みになっていたので購入しましたが、衝撃的なホラー作品でした。 ネタバレが怖いので中身には余り触れないようにしたいと思いますが、生命保険勤務の会社員である主人公が、職務を通じて恐ろしい殺人鬼のような人物と関わりを持つこととなり、それがきっかけとなって恐怖のどん底に落とされていくという話です。抑え目の語り口が、身の毛がよだつような気持ちの悪さ、恐ろしさを際立たせているように感じます。 結構古い本ですので字が小さいのが難点ですが、読み終えた今は字の小ささも恐怖を高めているような気がします。当分、”黒い家”には近づかないようにしたいと思います。 | ||||
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合理的思考は現代社会で否定されるものではない。 しかし、それがサイコパスだったら・・・ 保険は金のなる木なんだろうな。 圧倒的にリアルで怖い! ホラーというジャンルに収まらない作品です。 | ||||
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元々、和歌山カレー事件に興味があり、この作品の内容が似ているという口コミを耳にして読んでみた。 人間味の無い容疑者には、恐怖するばかりだった。 | ||||
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ホラーとして面白くあっという間に読めた。犯人は早い段階から目星がつくのだが、いつどうやって主人公へと凶行に及ぶのかドキドキさせられる。最後の方は犯人のあまりの狂気に若干面白さすら感じてしまうことと、あの犯人がそれほど多くの残忍な犯行を行えるのか疑問を感じないわけではないが、全体としては十分に楽しめる作品であった。 | ||||
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ずっとものすごく怖いホラーだと思い込んでいて手に取らなかったんですが、サンスペンスだったんですね!荻原浩さんのコールドゲームみたいなハラハラ感がおもしろく、一気に読みました。確かに、途中のサイコパスうんぬんや生命保険うんぬんは斜め読みしてしまうぐらいでしたが、それを引いても★4つです。"異様さ"が読んでいて徐々に浮かび上がってくる感じ、嫌いじゃないです。けど正直、あの人にどうやってできたんだろう?と思うところも少し。。。 | ||||
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僕が今まで読んだ中で 別段格別の怖さを醸し出した作品の一つです。描写もさることながら、後半の息もつかせぬ怒涛の展開にただページを捲る手が止まりません。夜に一人で 一読されることをお勧めいたします。怖さが一層引き立ちますよ。 | ||||
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大いに不満がある。 この作品にではなく、世間における本作の認識のされ方について。 本作を「ホラー小説」と捉えると、この作品の価値を見誤る。そうではなく、この作品は「社会派ミステリ」に分類されるべきと思う。それも極上の。 「ミステリ」の理由は、殺人事件がおこるから。そして「社会派」の理由は、生保業界の話題が、見事に物語の本筋に絡めてあるから。 一概に、「家族」を対象とした「連続」保険金殺人というのは常人の神経でなせる技でないから、その犯人はよほどの異常性をもって設定されてないと、話として嘘くさくなる。よってそのような設定が入念になされた犯人像は、おのずからホラー色を帯びる。 たとえば強度のストーカー気質とか、殺傷行為にかんする鉄のような実行力とか、人間的な感情の欠損とか、そのために死体の横で平気で飯が食えるような鈍感さとか、だから住居は衛生状態を欠いて異臭を放っているはずとか、いずれもこの種の連続殺人犯には欠かせない要素であり、それが描かれてなかったら逆に嘘くさい。 つまり本作のホラー性は、読者を怖がらせよう的な商売心よりむしろ、連続保険金殺人という重いテーマに真正面に取り組んだ結果、必然的に生まれてきたものだと思う。だからこそ本作の菰田幸子は、圧倒的なリアリティと必然性を帯び、ヒリヒリと怖いのだ。 もしこれが単に「包丁もった殺人鬼が突然襲ってきました」みたいな、13日の金曜日的なノリだったら、怖くも何ともない。必然性のないスプラッタは一過性のスリルがあるだけで、怖くない。だからもし、13日の金曜日をホラーと呼ぶのなら、本作をホラーと呼んで欲しくない。本作はもっと真面目に、保険金犯罪に真正面からとりくんだ社会派ミステリであり、ヒリつくようなホラー感は作者の圧倒的な力量から二次的に生まれたものだと思う。 想像するに、本作が「ホラー小説大賞」をとったことから誤解が始まっているのではないか。 もし本作が江戸川乱歩賞受賞作だったら? イメージもだいぶ異なっていたように思う。 いずれにせよ、本作がここ数年の最高傑作のひとつであることは間違いない。 | ||||
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ある日、主人公・若槻の勤める生命保険会社に一通の電話がかかる。 彼が対応した女性の「自殺で保険金はおりるのか」という質問に 彼女が自殺するつもりなのだと感じた若槻は、 何とか女性の気を抑えようと懇意に話しかける。 この行動を利用され、彼は多くのおぞましき事件に巻き込まれてゆく。 この小説において高く評価したいのは、 「主人公に迫る脅威・そしてそれによって生ずる不安や恐怖の表現のうまさ」である。 上記の電話で事件の状況を勝手に解釈していた若槻は 様々な人物と知り合いながら事件を解決しようとするが、 その途中自分の予想が間違っていたかもしれないという考えを閃く。 すると彼が新たに感じた不安を待ち構えていたかのように、 思ってもみなかった"敵"が残虐な行為を起こし若槻の命を脅かすのだ。 ここでは、主人公や読み手に対する「実は想像以上に危険な人物だった」という印象の与え方が特徴的だ。 加えて、その危険がすでに自分の大切な人にも差し迫っているのだと気付いたときの衝撃、 そしてこの小説のクライマックスである、敵の巣窟「黒い家」における戦慄の真実と、 そこで繰り広げられる若槻達の行動には、本を読みながら本当に心臓をドキドキさせられた。 本を読み終わった日の夜は、幽霊ものの映画では感じられない憎悪を思い出し、寝つきが悪かった。 このように高い評価ができたのだが、残念に感じた点も少しある。 1つは学問については素人である私が不満に思ったことではあるが、 作中に登場する心理学者の意見が語られすぎだと思ったことだ。 この手の話に詳しくない私は、解説が敵に都合よく当てはめられているような気がしてしまった。 2つ目は、残虐な殺戮をおこす"敵"が、場面によっては態度に妙なギャップが生じていることである。 物語の最初ではなぜか、一般人に比べればその度合いは低いと思われるものの、 いくらか友好的に話しているし、終盤ではある人物に怯える素振りも見せている。 もっと人間的な要素を排除した方が怖かったと思う。 しかしこのような点を挙げても、 私がこの小説を読んで感じた恐怖・焦燥感はかなりのものであった。 リアルな舞台設定を元に起きるサスペンスを感じたい方におすすめの一冊である。 | ||||
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今までこれ程本にのめり込んだことがあったかなって位面白く、追われる気分に浸りながら若月になりきり、恐怖感満点で読みました。貴志さんの本を読んだことない方はぜひこの本から始めてみては? | ||||
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引きこまれて通勤中も歩きながら読みましたが、後ろにいくにつれ、幸子のモンスターぶりが逆に怖さを薄れさせた気がしました。 | ||||
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「天使の囀り」を読んで著者のファンになったものです。 レビューで絶賛されているので、今回もかなり期待して読みました。 結論から言うと、間違いなく面白いのですが、 「天使の囀り」で感じたような圧倒的な恐怖感はなかったです。 また個人的には、「クリムゾンの迷宮」のように読むのが止めれないほど 惹かれるストーリーでもなかったです。 全体的に著者の他作品と比べると、インパクトに欠ける印象。 強弱はあるものの、全体的にゆったりした展開が続くので、 もうちょっとサクッとした分量で良かったように感じました。 貴志祐介の作品が初めてで、アクの強くないものを求めるならオススメかもしれません。 | ||||
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どこか投影してしまう。 英語でinto・・・・という語を使う。 入り込んでしまう。熱中してしまう。ハマッてしまう。 2010年にしてなぜだか初めてこの作家の本に出会った。 ネットで調べて、天使の囀り、青の炎など、すでに手中にある。 生命保険と狂った家、環境、育ち、金・・・ 面白くないわけがない世界をこうも戦慄の断片をつなぎ合わせ、 恐怖に落とし込んでいく過程は見事。 主人公の若槻くん・・・相当タフであり、 狙う中年おばはんも相当強い。 退廃のストーリーにタフネスが潜む傑作だ。 | ||||
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