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烈火の月
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烈火の月の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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ビートたけし主演監督作品「その男、凶暴につき」の小説版。 ただし、登場人物や結末は映画と大きく異なる。 映画「その男、凶暴につき」を視聴して面白かったので、 原作の小説にも手を出した。 東京湾アクアラインに繋がる千葉県の架空の市町村「愛高市」を舞台に、 「愛高署の瞬間湯沸かし器」の異名を取る暴力刑事の我妻諒介が、 麻薬を巡って街に渦巻く陰謀に対して戦いを挑む話。 映画版を先に見ていたので、主人公の我妻はビートたけし、悪役の仁藤と 清弘はそれぞれ岸部一徳、白竜を頭に思い浮かべながら読んだ。 物語途中から登場し我妻と共に捜査を担当することになる 「マトリの女」烏丸は、なんとなく真木よう子を想定した。 烏丸の気の強さとやさぐれっぷりが真木のイメージと重なる。 当たり前だが、映画では端折られていた話が小説だと より細かく書かれている。特に、我妻が世話になっている先輩の 岩城課長に関する部分の話は、小説を読むと理解しやすい。 終わり方は、小説の方が好きだった。 映画も小説も巨悪を一刀両断して万々歳、なんて わかりやすい終わり方ではないものの、 我妻と清弘の狂気ばかりがクローズアップされた映画より、 「何があっても生きていく」というメッセージが感じ取れる 小説の終わり方のほうが後味が良くて好き。 警察組織に関する細部の描写や 麻薬を摂取した者の心理描写なども、 リアルに描かれていてハマってしまった。 総じて言うと、クライムノベル好きは読んで損しない作品。 こんな面白い小説を書く方が自死してしまった事が惜しまれる。 | ||||
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東京湾アクアライン完成前後から急激に人口が膨れ上がった千葉県・愛高市―。人間の流入は東京湾の対岸から「毒」を呼び寄せ、スモッグにけぶるこの臨海工業地帯を、新しい権利に目の色を変える悪党どもの餌場に変えた。とりわけ若者が集まる倉庫街「愛高ソーホー」は麻薬密売の拠点となっていた。そんな犯罪多発地帯が必要とするもうひとつの「毒」が、愛高警察署・刑事課の我妻諒介。「笑いながら人を殴る」のが特技という破天荒な「厄ネタ」刑事が、欲望渦巻く街を食い物にする巨悪と、腐敗した権力に決死の闘いを挑む。 | ||||
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北野武監督、主演映画「その男、凶暴につき」の脚本を書いた野沢さんが、小説に書き直した作品。脚本は現場で北野監督にいくらか修正されたらしいので、映画とは多少異なるストーリーになっています。映画は封切り当時観て北野武の迫真迫る演技に、かなり興奮したのを覚えています。小説の方も主人公、我妻刑事の暴れっぷりが凄かった!最後に麻薬組織の親玉、それに群がる県警組織のトップ達を、完膚なきまでに叩きのめす様は痛快でした。殺し屋の清弘、麻薬取締官の瑛子等登場人物達も印象的で、結構掘り出し物の一冊でした。 | ||||
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強烈な印象を残す、ハードな警察小説。野沢尚にこのような作品があったのかと驚いた。無論、野沢尚作品なら期待を裏切ることは無いと信じていたが。 主人公は千葉県・愛高警察署の我妻諒介。破天荒な暴力刑事の我妻は麻薬密売人殺害事件を捜査するうちに麻薬取締官の烏丸瑛子とコンビを組むことになる… 北野武の『その男、凶暴につき』の原型となった作品だけに思い切りの良い派手な展開とプロットの面白さが光る。大沢在昌の『新宿鮫』に映画『ダイハード』、安達瑶の『悪漢刑事』を足したような面白さ。 | ||||
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古い出版物ですが、評価どおりで書棚に置いても問題ありませんでした。 ありがとうございます。 | ||||
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深作欣二が監督する予定で書いた脚本。急遽ビートたけしが監督となりその脚本を大幅に変えて、大ヒットした「その男、凶暴につき」その原版ともいうべきものである。野沢尚の深作欣二への思いというか執念はすごいものがある。あんなに嫌っているあとがきを書かざる負えないとこまで、深作へのこだわりが強い。しかし、たけしへのリスペクトもあり、複雑な心境がうかがえた。さて、本作。相変わらずうまい人物描写。凶暴な男と凶暴な男が対峙するシーンなど映像が起ちあがってくるほど。暴力的な描写も非常に秀逸。とにかく、各々に孤独と哀愁を抱えた登場人物たちがぶつかり合う戦闘シーンは圧巻である。警察組織というもう一つの闇も忘れず描ききっている。面白かった。 | ||||
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ビートたけしの映画「その男凶暴につき」の脚本はこの野沢によって書かれたが、現場でたけしによってかなり修正され、 野沢はかなり悔しい思いをしたらしい。その野沢がその脚本を全面的に小説に書き直し、出版したのがこの作品である。 正直、非常に面白い。批評にあるように野沢が「一球たりともおろそかにせず全力投球した」作品になっている。 何といっても主人公の暴力刑事我妻の存在感は圧倒的である。自閉症の娘を持ち、その行く末を案じる一人の親で ありながら、権力の腐敗に目をつぶれず立ち向かう。犯罪人に対する容赦ない仕打ちははっきりと言って極めて痛快で あり、その徹底した暴力は爽快でもある。周りの人間描写もうまい。パートナーとなるマトリの女烏丸暎子、敵対する暴力団の 男清弘。さらに愛高署の面々。かなり作者が警察組織の取材や勉強することによってより現実味を帯びた描写が続く。 この才能豊かな作者野沢が04年6月に自らの命を絶って二度と彼の才能に触れることが出来ないのは極めて寂しい。 | ||||
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野沢尚の作品の特徴の一つ、徹底的な描写が随所に見られる。 あとがきにあるように、尊敬する人物へ向けて力を入れて書い たということがよく分かる力作。 時には嫌悪感さえ覚えるほどのリアルさで迫ってくる文章は、 著者が持っていたエネルギーの放出なのだろう。 そのエネルギーを自分自身に向けてしまったため、今、もう 同氏の新作は読めないという不幸な事態を招いてしまったの だと思う。 巻末の夫人の言葉は、悲しみを乗り越えたが、今なお理解し きれないという歯がゆさが滲んでいて心が痛む。 | ||||
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ホームレスに扮し、ホームレス狩りの少年たちを骨折するほど痛めつけ事件を解決するなど、型に嵌らない暴力刑事:我妻が主役のバイオレンス作品。 麻薬取締官:烏丸が登場してからの麻薬常習者の描写が凄いです。 芸能人により麻薬ニュースが話題を呼んでいますが、麻薬について細かく描かれています。 1951年に覚せい剤取締法が制定されるまでの、第2次世界大戦中、戦後には日本国内ではヒロポンというなでメタンフェタミンが合法的に流通ししていたという事実。 モルヒネから生まれたヘロインの禁断症状の恐ろしさ。 そしてそれらを取り締まる警察組織の腐敗。 後半の銃撃戦での銃火器類の表現は、「殺し屋シュウ」、「魔笛」などでもそうですが、細かい描写からよりリアリティが増しています。 強烈な内容ですが、さすが野沢作品非常に楽しめました。 | ||||
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本作は、著者が脚本をつとめた1989年制作の映画「その男、凶暴につき」を改稿し小説化したものである。 監督が当初予定されていた深作欣二から北野武へと代わり、脚本も野沢作品とは大きく違ったものとなったなったようである。 この作品は、変更される前の野沢オリジナル版「その男、凶暴につき」であり、骨子は同じながらも映画とは違った展開と結末を持っている。 そうした、この作品が生まれるまでの経緯は、巻末にある「単行本のためのあとがき」に詳しく書かれてある。 作品の内容であるが、警察と麻薬組織の暴力の応酬を軸に据えながら、よごれた部分を共有化させることで、真の正義とは何かを考えさせるものとなっている。 そして主人公の我妻をはじめ登場人物たちの背負う暗い過去は、対外的には強さを見せ付けながらも内に秘める弱さを持ち合わせた、深みのある性格付けをつくりだしている。 全6章からなる長編ならがも、力強く確かな筆致で書かれた作品は、読者を飽きさせない完成度がある。 | ||||
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北野武監督の映画「その男凶暴につき」のシナリオって、野沢尚さんが書いていたんですね。 これは、その小説版。 しかし、筆者が後書きで説明しているように、非常に不幸な生まれ方をした小説なのだ。 深作欣二監督と映画を作るために時間をかけて練ってきたシナリオが、諸事情で企画が倒れ、北野監督の手に渡った。 筆者自体が「天才」と認める北野氏の即興的な変更で、映画は原型をとどめない作品に。 そんな筆者の小説によるリベンジ・・・。そんな雰囲気がある。 主人公は、はみ出しものの刑事。それゆえに、大事な家族を失い、苦しんでいる。 そんな男が、麻薬密売にかかわる狂った殺人者と対決する。 家族だけでなく、友や、同じ職場の仲間たちまで失いながらも、孤高の戦いを続ける主人公は、まさにハードボイルド。 暗いトーンの物語で、救いのない展開なのだが、ラストは破綻せずに美しくまとまっているのもよかった。 犯人に迫る過程の性急さや唐突な展開など欠点もあり、傑作とまではいいがたいが、読み応えのある佳作です。 | ||||
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面白い。前半やや他の野沢作品と毛色が違うか?と感じさせるややユルい展開。暴力的な刑事が主人公というプロットは度肝を抜く、というほどではありません。野沢真骨頂は中盤以降。平板にみえた主人公や脇役、敵役の表情にディティール・色が加えられ、ユルいストーリーが急加速する。乗り遅れに注意してください。著者はあとがきで「後講釈はいやなんだけど」と言いつつ、本作品が産まれた背景を語ります。「その男、凶暴につき」の脚本として書かれた本作品の原案。麻薬や暴力などいろいろなかたちをとって本書で表現されているのは人間の破壊願望。何をどうして破壊したいのか。願望の実相を見事に描ききっています。ピカレスクロマンという表現は陳腐ですが、人間の極限状態を描かせたら野沢の右に出るものなし。期待を裏切りません。 | ||||
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面白い。前半やや他の野沢作品と毛色が違うか?と感じさせるややユルい展開。暴力的な刑事が主人公というプロットは度肝を抜く、というほどではありません。 野沢真骨頂は中盤以降。平板にみえた主人公や脇役、敵役の表情にディティール・色が加えられ、ユルいストーリーが急加速する。乗り遅れに注意してください。 著者はあとがきで「後講釈はいやなんだけど」と言いつつ、本作品が産まれた背景を語ります。「その男、凶暴につき」の脚本として書かれた本作品の原案。 麻薬や暴力などいろいろなかたちをとって本書で表現されているのは人間の破壊願望。何をどうして破壊したいのか。願望の実相を見事に描ききっています。 ピカレスクロマンという表現は陳腐ですが、人間の極限状態を描かせたら野沢の右に出るものなし。 期待を裏切りません。 | ||||
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結構、分厚いし登場人物も少なくないので読むのは大変かと思いますが、後半はページをめくる手が早くなる作品だと思います。ストーリーも暴力的な部分もありますが、私は結局最後に涙をながしました。本とミステリーが好きな方なら読むベシと思います。 | ||||
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愛高署管内で起こったヤクの売人殺人事件、被害者の手帳から分かった次の取引に張込む我妻巡査部長は先日ホームレスになりすまし、ホームレス襲撃犯の少年たちを病院に送り込んだ凶暴なる刑事だった。取引に現れたのが、マトリこと麻薬取締官瑛子だったことから2人で事件を追いかけることになる。はみ出し者の2人が麻薬組織に立ち向かって行く姿を描いたエンターテイメント、アドレナリンが沸騰する読み物でした。話が進んで行くうちにこじんまりして行くが、新宿鮫よりホットで禿鷹よりまともな我妻のキャラ、続編が出ることに期待します。 | ||||
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