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八つ墓村
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八つ墓村の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.53pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全118件 81~100 5/6ページ
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初めて横溝作品を読みました。なんとなく知っていた本作品を、これまたなんとなく読んでみてはまってしまいました。小説はほとんど読む習慣がなく、活字は読んでもノンフィクションくらいだったので、今更ながらもっと早く読んでいればと思います。これを機に、獄門島、本陣殺人事件、夜歩く、悪魔の手鞠唄を読破しようと意気込んでいます。 本作品は金田一耕助はあまり全面に出て活躍する内容ではありませんが、主人公の語りで進む展開、歪んだ性描写、地方農村の分限者の権力等、今の時代では想像つかない背景も引き込まれた要因かもしれません。 | ||||
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懐かしくて一気に読み終えました。暗く悲しく恐ろしく救いもある物語。 | ||||
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映画でしか見たことがないので、一度ゆっくりと読んでみたく購入しました。視点が金田一でないのが面白かったです。ほかの作品も気になりました。 | ||||
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津山32人(だっけ?)殺しとか、落ち武者伝説とか双子の老婆とか… あまりに土着アイテムが多くて陰気な小説だと決めて掛かって、今まで読んでいませんでした。 映画も見ていなかったし。 他のは色々読んだんですけど、何だか犬神家や悪魔が来たりてのようにパンチが効いていない。 で読まず嫌いだった八つ墓村、読みました。 いや、面白かったです。 さすが何度も映画化され、ファンの多い理由も解りました。 横溝正史の話は事件の大事のわりに動機が薄かったり、説明不足で?となる物も多いのですが (短編長編係らず)、この作品は最初から最後まで丁寧に書かれて完成度の高い作品でした。 登場人物では典子ちゃん いいですねえ。彼女があんなに重要人物になるとは思わなかったですよ。 横溝の作品は可憐な少女がキーになる作品が多いのですが(本陣殺人事件・車井戸は何故軋る等)、 本作品もご他聞に漏れずです。 でも主人公の辰弥の最初の印象「いくらか足りないのではないかと思われた」は酷すぎ>< 彼女は横溝作品の中に登場する少女(26ですが)の中でも、ピカ一に頭が良い女の子です。 何はさておき、散々主人公から酷い思われようだった彼女が頭の良さと努力で、自分の恋を 成就していく過程はなかなか読み応えがあります。 横溝作品には珍しく後味の良いのも○ | ||||
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意外に思われるかもしれないが、横溝正史没後『八つ墓村』を販売してきた出版社は角川のみ。 だがその独占状態にかこつけて現在までテキストを改悪した状態のまま現在に至っている。 それに危機感を抱いたからかどうかは判らないが、07年に出版芸術社が出したベスト・オブ・横溝ともいうべき この『横溝正史自選集』は本来あるべき正しいテキスト校訂がなされている。 では角川版は何が改竄されているのか? ごく一部だが記そう。 最初期の黒背(緑304)あたりはまだマシなのだが、96年豊川悦司主演映画「八つ墓村」公開時に出た単行本からテキスト改悪が明白になる。例えば、 本書57頁上段4行目「どん百姓扱いに」(○) → 角川「馬鹿に」(×) 本書131頁下段21行目「醜い兎口」(○) → 角川「兎口」(×) 本書281頁下段1行目「犬殺し棒」(○) → 角川「棍棒」(×) 更に、正しい各章の見出しは本書のとおり「発端」「尋ね人」「無気味な警告」・・・と続いてゆくのだが、 角川は編集部が勝手に章立てを捏造し「発端」「第一章 尋ね人」・・・としてしまっている。 他にも細かい改竄はあるのだが長くなるのでこれだけにしておく。 言葉狩りもそうだが、章立てを改竄する理由が全くわからない。そしてこの状態のままの現行角川文庫版は解説さえもない。 明らかにケアレスミスではなく恣意的な改悪。角川文庫は全く信頼性のないテキストなのだ。 だから『八つ墓村』を、いや横溝正史を初めて読む方は角川文庫を買ってはいけない。欠陥商品なのだから。 愛蔵本である本書には正史のポートレート頁や解説、ご遺族(亮一・宜子・瑠美お三方)による語り下ろし座談、 『八つ墓村』について正史が語るエッセイが附録資料として掲載されている。 1951年の単行本化以来削除されてしまっていた箇所が初めて復元されたのも重要。 「危機を孕んで」〜「狐の穴にて」あたり(例えば本書251頁付近)を過去の本と比べてみるとよい。 映画・ドラマしか知らない方も是非本書を読んでほしい。 いつも映像では削除されてしまうが原作はヒロインの一人として里村典子が活躍し、 主人公・田治見辰弥と森美也子は鍾乳洞の中で乳繰りあったりなどしない。 上記のテキスト比較に関し、創元推理倶楽部秋田分科会及び掛谷治一郎氏の誠実な研究結果を参考にさせて頂いた。 深く御礼を申し上げたい。 | ||||
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品のないおどろおどろしい表紙なので、怪奇ホラー小説を連想しますが、中味は立派なミステリー小説です。退屈で読み飛ばすようなところはほとんどなく、次から次へと色々な事が起こり、一気読み必至です。このような昔にこんなすごい小説を書くとは、横溝氏恐るべしです。私的には「獄門島」「本陣殺人事件」よりもこちらの方が面白く感じました。 しかし、角川は装丁のセンスがどの小説をとってもよくないですね。 | ||||
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中学生の頃、夜一人布団の中で腹這いになって読み始め、止まらなくなり徹夜で読み終えた記憶があります。その間、余りの怖さに体が金縛り状態になって、後ろを振り向くことができなかったのも、鮮烈な記憶です。本書でそういう読書体験を初めて味わえるあなたが羨ましい。私にとっては、今もなお体が覚えて離さない至高の読書体験を与えてくれた(★5つでは全く足りない)日本探偵小説史に燦然と輝く一書です。 | ||||
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私の中でBest10に入る作品です。 金田一さんの登場場面は少ないのですが、冒険、伝説、洞窟と江戸川乱歩を彷彿させます。 ボリュームのある作品ですが、スピード感があるのでサクサク読めます。 推理物より冒険小説ですが、もちろん横溝流の妖しい人間関係も十分盛り込まれています。 金田一さんの出番は最後のほうなので、金田一冥利を楽しみたい方はちょっと物足りないかもしれませんが。。 社会から隔離された奥深い村里の集団心理は怖いですね・・。 | ||||
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横溝正史という作家は、ホームランを打つか思い切り三振するかと言われるほど作品の質または評価が分かれる作家ですが、この作品は間違いなく名作でしょう。古来より伝わる奇怪な伝承、陰湿で閉鎖的な村社会、呪われた名家に財宝伝説。これだけの魅力的な要素に彩られて巻き起こる謎の連続殺人。息もつかせぬ劇的な展開で読者は魔物に憑かれたように物語の終焉へ誘われるのです。もしもドラマや映画で『八つ墓村』を鑑賞した方でも、この小説は楽しめます。何故ならこの話が壮大すぎて、忠実に映像化できているものが無いからです。是非とも独特の横溝ワールドを御賞味下さいませ。 | ||||
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これは講談社漫画文庫版ですが、プラチナコミックス版のレビューを見たら、角川文庫版の原作のレビューばかり。どうなってるんでしょうか? 横溝正史原作、影丸穣也作画、1968年に少年マガジンに連載された劇画です。 荒々しい影丸タッチが、原作のドロドロした雰囲気をうまく伝えています。 登場人物が次々に毒殺される場面で、「ゲワッ」とか「ゴフッ」とか言って血を吐く絵の汚さが最高です。 当時、小学生ぐらいの年齢で、この劇画で原作の存在を知り、横溝正史ファンになった人も、けっこうおられるんじゃないでしょうか。角川が文庫でブームを仕掛ける数年前の話。 そもそも映画化は無理ですよ、あの小説。舞台となる鍾乳洞にしても、劇画であればいくらでもイメージを膨らませることができても、映像となると、ハリウッドでもない限り、予算や物理的な制約で難しいでしょうしね。 黒澤明の「影武者」や「乱」を見に行って、公開前に出版された絵コンテ集の壮大さに比べて、映像があまりに平板だったので、脱力しちゃったのと同様の事情です。 | ||||
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孤島の鬼、とは江戸川乱歩が書いた冒険小説です。 鍾乳洞、鍾乳洞の探索方法、双生児、片輪という言い回しー。 そして、この本の視点は、金田一耕介ではなく、違う人物からの目線で描かれている。 ミステリーは混ざってるのだけれど、展開の速い冒険小説です。 孤島の鬼を見てから見ると、孤島の鬼が思い起こされるので、必読です。 そして、一番楽しいのは、金田一耕介が今回、とっても端役ってことです(笑) | ||||
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横溝作品の中でも最もメジャーな作品の一つともいえる本作ですが、推理以外の様々な要素も含んでいる名作と言えるでしょう。 落人伝説によるオカルト要素、地下に広がる鍾乳洞での宝探しによる冒険要素、辰也とそれを取り巻く女性達とのロマンス要素が推理以外の要素として含まれています。 そういった多数の要素があるがために、作中で起こる出来事が現在の事件に関わるのか、それとも全く関係がないのか考える余地を与え奥行きを増していると言えるでしょう。 しかし、肝心の事件の部分が非常にあっさりと解決してしまうのが残念でした。金田一と犯人のやり取りをもう少し描写して、心理戦のようなものを描けていたら良かったのになと思いました。 | ||||
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ほとんどの方が私と同じような評価、感想を持たれているので、特に新しく言うことはありません。ただただ私なりのオススメポイントを羅列させていただきます。 まず何と言っても、横溝正史ならではのおどろおどろしい舞台設定。 落武者惨殺、村人大量虐殺という二つの忌まわしい事件が起きた村で、再び惨劇が幕を開ける・・・。 もうこれだけでお腹一杯です。前半の主人公を取り巻く怪事件、怪人物の描写は不気味としか言いようがありません。 しかし物語が進むにつれ、主人公の鍾乳洞探検へと小説の比重は移されていきます。 陰鬱な雰囲気はある程度残されていますが、映像作品をちゃんと見ていない自分にとって意外だったのは、恋愛要素も入ってくること。しかも相手は、主人公が最初にその姿を見たとき心の中でボロクソに貶していた娘なのです(笑) もっとも主人公が彼女を好きになっていく過程は丁寧に描かれており、納得の理由ですが。 そして推理です。 金田一がほとんど出てこないので若干の物足りなさはありましたが、人間関係の複雑さ、過去の事件の呪いのような状況に隠された真の動機など、圧巻の内容です。 星が一つ少ないのは犯人の解明と、金田一との対峙が呆気ないこと。稲垣吾郎さんが金田一を演じたドラマを見たことがあるので、ここら辺は肩透かしを喰らいました。 とは言え、全体としてはボリューム満点の最高の小説です。色々な要素がバランス良く盛り込まれているので、金田一耕助シリーズの入門書にいかがでしょうか。 | ||||
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古くから村に伝わる言い伝え、呪いが読者の身を黒い霧で包み隠すようだ。暗く先の見えない状況で次々と発生する殺人事件。その謎が科学的に筋道を立てて解き明かされていくことの快感。これは面白い!!! | ||||
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映画は見た事ありませんが、原作から読みたかったので購入しました。 かなり分厚い本で字も小さいんですが、なんと1日で読み切ってしまいました。 それぐらいぐんぐん引き込まれる作品でした。 やはり映画化される作品というのは、読んでいくうちに容易に映像が想像できる作品のようでこちらの作品もまさにそんな小説のような気がします。 普通のサスペンスに、祟り、慣習、田舎での社会心理などいろんな要素が含まれていて非常に興味深いです。 ただ、一人称の語り口になっていて、金田一耕介の存在感が薄く、特に最後の犯人との対決シーンはもう少しページを割いてほしかったかなという点が残念ではありました。 | ||||
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ドラマや映画のオドロオドロしいイメージが強いし 表紙がこんなだし・・・ 敬遠する方も多いかと思いますが、 意外にもロマンチックで 文体もオドロオドロしいものではありません。 前のレビューにもありますが冒険小説と 言ってもいいのかも。 言い伝えや宿命?みたいな ロマンチックな部分も多いため、 女性も抵抗なく読めるのでは。 ただし!! これ以外の横溝正史作品も 多分10冊くらい読みましたが (獄門島、悪霊島、悪魔が来りて笛をふく、犬神家の一族 等々)、 面白いのもあれば、 ただ不快な気分になるものも 少なくないので 「横溝正史、好き」と 宣言出来ない作家でもあります | ||||
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映画やドラマで有名な「八つ墓村」の原作本です。 原作本には映画やドラマとはまた違った魅力があります。他の方々もコメントされていますが、本作は犯人探しを前面に押し出したミステリー小説とは趣が異なります。主人公辰弥が幾多の試練に遭遇しながらそれを乗り越えて行くという冒険小説の色彩が大変に強い作品です。 まず第一に陰惨な歴史と旧家の因習がおりなす独特な横溝正史ワールドの中で、主人公が必死に自分の生き場所を探そうとする姿には目を離せません。過去の落ち武者の財宝探しの点なども非常にロマンのあふれる冒険小説だと思います。 もう一つ特筆すべきは登場人物の女性の性格の描き方が非常にすばらしい点です。ヒロイン典子の主人公への一途な愛情や先を見通す確かな考え方や行動、主人公の姉である春代のつつましやかながらもしっかりした態度には感動しました。本作は恋愛小説としても第一級の作品だと思います。 映画やドラマを見たけれども本作を読まれていない方にはぜひ一読をおすすめします。 | ||||
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本編冒頭の描き方を見る限り、江戸川乱歩の「孤島の鬼」を意識しているようですが、詳しく比べるのは、将来の楽しみにしておきましょう。 金田一耕助が出てくるのでミステリーの範疇で評価されることが多いようですが、いわりる犯人探しの要素は少なく、語り手の青年をめぐる伝奇物語もしくは貴種流離譚の色合いが濃い作品です。 最初の50ページほどにおけるラジオ放送による尋ね人など、戦後の社会事情は今読めば古く思えるかもしれませんが、終戦後60年以上過ぎて、歴史的な描写と割り切って読むことも今ならば出来るかもしれません。 むしろ作中には女性が多く登場しますが、いずれも男社会からみた都合や価値観での描き方が濃厚のように思えます。風俗よりもこのあたりの視点の方が時代がかかって読めます。 | ||||
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横溝正史の代表作のひとつ。 重量感ある作品で、不義の話も出てくるし、洞窟の場面もばっちり。血の問題がプロットを支えている点も、実に横溝らしい。 本書で最も優れているのは、犯人の造形だろう。なかでも動機の部分に仕掛けがあり、感心させられた。 物語として良く出来た作品と思う。 | ||||
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これは一般には推理小説に分類される作品ですが、伝説の財宝をめぐる洞窟内でのわくわくするような冒険が満載の恋愛小説だと捉えることもできます。また、金田一耕介シリーズには珍しく、話は主人公である辰弥の目線で展開されます。 ヒロインの典子は、今でいう「萌え」の要素に満ちています。典子は主人公のことを「お兄さま」と呼ぶのです(両者に血の繋がりはありません)。また作品中で、前に進むべきか逡巡している辰弥の背中を押すのが典子の役目なのですが、そのとき必ず「典ちゃん、その勇気ある?」「あるわ。お兄さまと一緒なら」というやりとりが交わされるのです。「萌える」やりとりだと思いませんか? また典子は「なあに?」とか「〜ですもの」「〜するわ」などという、非常に上品な言葉を使います。さらに、さすがに大正生まれの女性らしく、敬語を使いこなしています。思いを寄せている一歳年上の辰弥に対しても尊敬語を使っています。典子は大正12年生まれの26歳という設定なのでそのような言葉遣いをするのは著者にとっては当然だったのでしょうが、私はつくづく日本人から失われたものの大きさを思ってしまいます。 辰弥は典子に初めて会った時、「わたしはひとめその顔を見たときから、醜い女だときめてしまった」「いくらか足りないのではないかと思われた」「成熟しそこなったという感じである」「いかさま月足らずということが、ひとめでわかるようなひ弱さであった」と、心の中で罵詈雑言を並べ立てていますが、典子は辰弥に恋をするようになって徐々に女らしくなっていき、辰弥の印象も「素朴で可憐であった」に変わり、ついには「不思議なことには、典子が急に美しく見えてきたものである」とまで言わしめています! 典子は可憐さだけでなく、行動力や意志の強さも感じさせます。辰弥が、典子の兄である慎太郎のことを疑っていたことを知って辰弥を問い詰める時の典子の気魄はすごいものがあります。私は読んでいて身震いしました。しかも、問い詰める時の言葉が、あくまでも上品なのです。たとえ愛している辰弥でも、尊敬する兄を侮辱することは絶対に許さない典子は、誇り高くてとても立派です。「兄は、正しいひとです。」なんて、なかなか言えることではありません。 典子だけでなく、辰弥の「姉」である春代も辰弥をひそかに愛しています。春代が典子に嫉妬している箇所などは、とても可愛らしく感じられます。姉なのになぜ?と思う方がいらっしゃるでしょうが、それには辰弥の出生の秘密が絡んでいるのです。これは物語の核心部分であり、これ以上書くとネタばれになるのでやめておきますが。私には、春代が不憫に思われてなりません。 恋愛にばかり焦点をあててレビューを書きましたが、もちろんこの小説はそれだけの薄っぺらいものではなく、推理小説らしく謎解きの楽しさも味わえます。また、舞台が昔の日本であることから、田舎の因習や迷信などを読者が追体験できるようになっていて面白いです。380年前の落ち武者にまつわる八つ墓村にかけられた呪いや、実際に起こった「津山三十人殺し」からヒントを得たとされる田治見要蔵による村人32人惨殺事件が物語の前提となっていることも、読者の興奮を呼び起こします。洞窟内での冒険は、まるで『インディ・ジョーンズ』シリーズのようなスリルと迫力があります。横溝正史氏は偉大な作家だと思います。 | ||||
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