■スポンサードリンク
(短編集)
第三の時効
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
第三の時効の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.52pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全190件 121~140 7/10ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
6つの事件がそれぞれ違う目線で描かれていながらも、朽木、楠見、村瀬という各班のリーダたちの存在感がとてもよく現れていて、リアリティのある物語だった。また、ただ事件を解決するだけでなく、マスコミとのやりとり、捜査課長とリーダとの軋轢、強行班内部での揉め事など、人間関係についても丁寧に描かれており読み応えがあり文句のつけどころがなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
大変楽しめました。それぞれのストーリーがスパイスが効いていて、どんでん返しも楽しめます。しかし何よりもすばらしいのは、登場する刑事たちのキャラクターです。それぞれトラウマを抱えていたりもするのですが、決して感傷に流れた描写は行われません。それがかえって、抱えているものの重みを感じさせました。 多くの刑事が登場しますが、それぞれの個性が、考え方や動作や捜査方法などに現れ、一人一人の人物がくっきり見えるようです。登場人物の多さがまったく苦になりません。必要充分で硬質な描写が見事の一言です。その研ぎ澄まされた文体が、人物の硬質さや事件の緊迫感を高めていて、迫力があります。 ストーリー・人物・文体、どれをとってもプロ中のプロの技が駆使された作品ですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とても面白い。 「動機」や「陰の季節」あたりよりは格段にスリリングだし、「半落ち」をしのぐ横山秀夫の最高傑作だ、との声も否定するものではない。 ただ、私にとってはあまりに「面白すぎる」というか、過剰なまでの読者サービスを感じてしまうのが、ちょっと興ざめなのだ。 料理に例えるなら、最初の一口から美味しすぎる、というか、インパクトの強すぎる味、というか。 「最初はあっさりしているが、食べ進むうちに徐々に滋味が湧いてくる」というような味とは全く違う。 まあ、贅沢かつ我が儘な感想であることは重々承知しているのだが・・・。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
横山秀夫の作品の中でもナンバー1だと思います。 短編集ですが、それが逆にテンポを良くしています。どの登場人物も”いい味”出してます。 是非続編も期待したいですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
以前に読んだ『影の季節』と『動機』から受けたインパクトが大きく、自然と次なる作品に手が伸びた。本書にはタイトルの「第三の時効」を含む計6本の短編が所収されているが、すべてを読み終えると1つの繋がりをもった長編小説としての体裁を十分に整えているという印象である。すべての短編がすでにテレビ放送化され、なんとなくテレビを通じて見ていた光景が浮かんできた。私としては、「第三の時効」という謎めいた、そして意外な真犯人を暴き出す巧妙な仕掛けを巧みに描いた作品以上に、「密室の抜け穴」と「ペルソナの微笑」がとても興味深かった。長時間に及ぶ会議、いやその会議が行われている会議室それ自体が実は「密室」であったという結末には驚嘆したし、そこへ至るストーリー展開も見事である。「ペルソナの微笑」は、その構想をどのような経緯で思い付いたのか是非とも知りたいと思った作品である。子供を殺人の「道具」に利用するという悪質極まりない犯行ではあるが、それを(学生時代に落語研究会に所属していた)刑事の言動がそれを冷静にさせ、後味のよい締めくくりになっており好感が持てた。「囚人のジレンマ」という作品も、この言葉が経済学のゲーム理論のなかに登場する重要な概念として使われていることもあり、その表現が有するリアルな臨場感を味わうことができた。警察機構、特に捜査第一課強行犯係の3つの班同士が抱える熾烈な葛藤や、それを束ねる刑事課長・部長の内面を鋭く炙り出す作風と文体に、多くの読者が惹き込まれるだろう。すべての作品がその「出だし」からすんなりとわれわれを横山ワールドに引き入れる神秘的ともいうべき雰囲気を醸し出している。巻末の「解説」には、本書の諸作品を貫いているのが、手柄を競ってせめぎ合う刑事らの「心理的ダイナミズム」の鮮明な描写であると書かれてある。「心理的ダイナミズム」、この言葉で作品の理解が更に深まった気がした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「動機」、「陰の季節」を読みましたが、この「第三の時効」が最も警察小説の真髄であると感じました。 他の作者とは異なる視点から書いていますし、短編でも内容は吟味された文章で読み易く 人間模様がリアルさを醸し出している作品でした。 今、「深追い」を読んでいます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
派手なアクションシーンがあるわけでも、 捻くれたトリックがあるわけでもないのに、 グングン引き込まれました。 そのことに非常に感動しました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
警察小説としては普通なかなかスポットがあてられない、地方の県警、警務部なんていう部所を扱った作品をスタートに 婦人警官の問題や、退職刑事の問題などなど、とにかくこれまでの警察モノと一線を画した作品が続いた、横山秀夫。 今回、言わば満を持してというか、待ってましたというか、捜査の第一線、中核である、とある県の捜査一課をど真ん中 に据えた連作集が、本作品である。 いずれも個性的な人物に率いられる一係から三係までの、三班によって構成される捜査一課。 6つの作品からなる本書だが、舞台はこの架空のF県の捜査一課から外さず、個性的な班長達と、どちらか言うと彼らに 振り回されがちな課長を舞台回しに、非常にスリリングに事件を扱っていく。 犯罪者と、これを暴こうとする捜査一課。事件の謎解きというより、むしろ人間に注目しているとこが一層ドラマチック になっている。 捜査陣に負けず劣らず個性的な犯罪者、容疑者達。 そして、この表題「第三の時効」が最も顕著だが、いずれの話しでも重要なキーファクターになるのが「時間」。 さまざまな「時間」に人間模様が相まって、これまたおもしろいシリーズが始まったもんだ。 しばらく、F県警捜査一課から目が離せない、って感じです。 しかし、こんな班長達に調べられる側にはなりたくないなぁ。。。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
事件の謎解きに加えて、警察内部の個性的な捜査官の面々の心理描写も綿密で、いろんな意味で楽しめる小説です。でも、女性にはちょっと重いかな? 旦那は絶賛でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
短編集でありながら、登場人物は同じなので、F県警の世界にどっぷり浸かれた。 1班班長の朽木・・隙のない手堅い捜査でホシを必ず挙げる。決して笑わない男。その理由も描かれている。 2班班長の楠見・・冷徹な刑事。人間らしい温かみがなく、女性を嫌悪しているかのよう。鋭い目でホシを挙げる。 3班班長の村瀬・・動物的な勘に優れ、感情的な部分こそあれ、独自の信じる捜査方法でホシを挙げる。 こんな個性的で実力のある3人をまとめる立場の田畑課長の苦悩や、班長の部下たちの手柄抗争など、 事件をめぐり、謎解きを楽しみながら、色々な立場の人間模様を楽しめる。 登場人物は同じでも、描かれているのはそれぞれ他の人の視点からなので、そこがとても面白い。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
単行本が発売されてから、ずっと気にはなっていましたが、なかなか手に取る決心がつきませんでした。 そんな折、文庫化されたのを本屋で見つけ、迷わず購入。 おもしろかった!この一言につきます。なんであの時買わなかったんだろうと、本気で 後悔しました。 今までもいろんな作家の短編集を読んできましたが、ここまでにのめり込み 白熱する小説は初めてです。 警察内部のことだけでなく、周りを固める登場人物たちの細かな心理模様。 しかし、主人公にあたいする3人の男たちの心の内部が、なかなか透けてこない。 このジレンマ、病み付きになります!短編でここまで書けるのはすごい! この小説を読まないのはもったいないです。 ここまでの作品はそうそうないですよ。自分の目で是非確かめてください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
キャラが立っている。 短編のミステリーだが、短編とは思わせない重厚な話ばかりである。それに、短編の強みも持っている。 各話ごとに中心となって来る人物が違って来るが、そこが横山秀夫氏の小説の醍醐味とも言える。加えて、警察内部の生々しい争いも。 特に題名にもなっている『第三の時効』、これは凄い。 まんまと騙されてしまった。 ちょこっと何かを読みたい方にお薦めする。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とっても、読みやすかったです。 よく調べてあるし、文章も簡潔なのに 生々しい。 でも、読後にもやもや感が残らなくていいです。 「男の世界」は、厳しいけれども、こうあり続けて欲しいと 女性の読者としては、思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
横山秀夫の小説としては、第6作となる。 ちなみに本書以前の小説は以下の通り。 第1作: 「陰の季節」 (1998年10月刊行) 第2作: 「動機」 (2000年10月刊行) 第3作: 「半落ち」 (2002年9月刊行) 第4作: 「顔 FACE」 (2002年10月刊行) 第5作: 「深追い」 (2002年12月刊行) 本書では、F縣警搜査第1課の強行犯係が描かれてゐる。 強行犯係は1班から3班に分かれてゐるのだが、それぞれの班長が一癖も二癖もあるつはもの揃ひ。 本書は連作短篇集で6篇が收録されてゐるが、作品毎に主役が異なつてゐる。 その主役たちの個性が強烈なだけに、それぞれの作品が樂しめるのだ。 「沈默のアリバイ」:第1班(朽木班) 法廷の場でいきなり無實を主張し始める容疑者。 なんとアリバイがあるといひだしたのだ。 「第三の時效」:第2班(楠見班) 時效間近の事件で、容疑者は海外にゐた期間があつた。 その期間を含めた「第二の時效」が成立した時、事件の眞相は明らかになつた。 しかし・・・。 「囚人のジレンマ」:搜査1課 第3班には退官間近の刑事・伴内がゐる。 いまの事件が最後の事件になるだらう。 搜査1課の3つの班はそれぞれにいがみ合つてゐて、お互ひに情報交換をするといふことがない。 その状態を搜査1課長の田畑はまるで砂漠のやうだと感じてゐた。 しかし、搜査1課には、水も緑もあつたのだ。 「密室の拔け穴」 :第3班(村瀬班) 第3班の班長・村瀬が腦梗塞で倒れ、東出が班長代理で事件を擔當した。 容疑者が暴力團の構成員である關係で、やむなく「暴對課」の協力を仰ぎ、張込みをしてゐたのだが、容疑者に密室ともいへるマンションから逃走されてしまふ。 何故そのやうな事態になつたのか、關係者を集めた會議が召集された。 その場に現はれた第3班の班長・村瀬は、謎のやうな言葉をつぶやく。 「ゆつくりやれや。時間はたつぷりあるんだからよ」 「ペルソナの微笑」:第1班(朽木班) 青酸カリを使つた殺人事件が發生。 13年前には同じやうに青酸カリによる殺人事件が發生してゐたが、その事件は未解決のままだつた。 13年前の事件と今囘の事件の關係は? 「モノクロームの反轉」:第1班(朽木班)&第3班(村瀬班) 事件の早期解決を期待して、犬猿の仲である朽木班と村瀬班を投入した田畑搜1課長だつたが、彼らはまるで協力しあはうとしない。 しかし、重要な事實に氣づいた朽木は・・・ この作品、TVドラマで見た記憶がある。 刑事といへども人間であり、事件搜査における泥臭い人間ドラマがある。 この作品では登場する刑事のひとりひとりにドラマがあり、はつきりとした個性がある。 さうしたドラマを、ことさらにウェットになることなく、硬質な文章で見事に描ききつてゐる。 それだけに、事件そのものもさることながら、刑事たちのキャラクタが記憶に殘る。 續篇が待ち遠しいかぎりだ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
お勧めの本てことで読んでみました! おもしろかったです。 でも男っぽい小説とも感じました。 笑いとかなし。ひたすらダークで硬質な感じ。 タイトルにもなってる第三の時効がやっぱり一番面白かったです。 え!??って感じでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
清張やエドマクベインとか好きなので、「半落ち」の方は映画でがっかりしたものの、この作者の最高作と誉れ高いこの短編集をわくわくして読み始めた。 で、なぜ、これに五つ星がつくのか、わからない。巻頭の「沈黙のアリバイ」では、印象の薄い登場人物が、最初の数ページだけでもわらわら出てきて、読者の記憶に残らないうちにシーンが進んでしまう。では、これは純粋にトリックを楽しむためのストーリーかというと、心理に訴えようとしているようでもある。が、その心理もかなり浅はかで、納得いかないところが多すぎる。素人判断だが、確かに直木賞授賞のレベルではないと思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文句なしです。 横山さんの作品はどれも面白いのですが、 物によってはリズムが独特で、作者が一人で のめりこんで走っていくのを「ちょっと待って〜」 と追いかけているような気がしていたものです。 しかし、この作品にはそういうところが殆どあり ませんでした。 人物の心理や事件の流れの描写の距離感が絶妙で、 個々の人物像もくっきりと浮かび上がっています。 連作短篇ですが、どの短篇にも、事件の核や登場人物、 彼らの織りなす泥臭くも熱き戦いがあますところなく 描かれていて、きらりと光る作品群です。 泥臭いのや熱血は嫌いという人以外には、是非一度 読んで欲しいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「動機」ですっかり横山秀夫作品に魅了されてしまいましたが、「第三の時効」は「動機」を更に上回る出来です。 先ず、F県警捜査第一課の強行一係から三係の各班長のキャラクター設定が良いです。 ライバル意識むき出しで競い合う男の世界が見事に展開されています。 6つの作品が収録されていますが、一押しは「第三の時効」です。 楠見の完全な暴走だと思って読んでいたのですが、暴走ではありませんでした。 冷徹なまでの策謀..。 この展開には本当に参りました。 読み終えてから暫く呆然としてしまいました。 是非、この感覚を味わってみて下さい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一編一編が長編小説にも勝るほどのリアルな濃密さ 刑事たちの男臭さが強烈な迫力をもって迫って来る連作短編集。 プライドとプロ意識のぶつかり合いは息詰まるほどに圧倒的だ。 場面が展開する度に息を止めていたのに気付くような気がする。 読み終えた時にはもう何冊もこの作家の作品を読んで来たような気がしました。 とてもじゃないが、自分は刑事にはなれないということを思い知らされた。 でも、この本を通して覗き込むその世界には、とても惹き込まれます。。。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
横山秀夫を読み始めて4冊目にして、最高傑作に当たった気がしている。 警察と言う特殊な組織を舞台に描かれている男達の人生劇場である。 「陰の季節」や「顔」のような女性の出る幕は一切ない。 まさに男の独壇場であり、短編集ながら、男のギリギリの生き様を描き切っている。 続編は要らない。 しかし、どうにもこうにも登場人物が全員、かっこいいのだ。 もちろん見栄えのことではなく、気の利いたセリフでもなく、追い詰められ混乱し迷い決断し諦め奮い立つ、その一つ一つが、どうしようもなくかっこいい。 懸命に生きている、それだけで色気があるんだな。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!