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(短編集)

福家警部補の挨拶



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福家警部補の挨拶の評価: 3.76/5点 レビュー 83件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.76pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全50件 41~50 3/3ページ
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No.10:
(4pt)

コロンボ万歳

福家「警部補」ってとこにコロンボ愛を感じます。作品の中でも例えば「月の雫」は、コロンボシリーズの中でも特に名作の誉高い某作をまんま思わせるようにできています。明らかに狙ってますよねえ、これ。
コロンボも少しずつピーター・フォークのカラーを出した人情ものに変わって行ったのですが、福家警部補シリーズも変わって行くのでしょう。楽しみです。
福家警部補の挨拶 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:福家警部補の挨拶 (創元クライム・クラブ)より
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No.9:
(4pt)

主人公の魅力と読後感のよさ

06年06月の単行本を文庫化した作品で,4編の連作短編集になります.
事件の様子や犯人,手法などが冒頭にあり,それからはじまる『倒叙ミステリ』で,
犯人はどこでミスを犯し,そして主人公である警部補はどうしてそれに気づいたのか,
主人公や犯人と視点が変わる中,小さな『ほころび』の積み重ねを追いかけていきます.
ただ,はじめにすべてを『見て』しまったせいか,伏線の類はかなりわかりやすく,
作品の性質上,トリックや謎解き,「まさか!」というおどろきはあまりありません.
また,推理や犯人の行動について,うまく行き過ぎなところはちょっと気になりました.
とはいえ,マイペースで相手の懐に入り込み,鋭い洞察力で解決に導く姿は魅力的で,
警部補には見えないという容姿と,刑事としての手腕のギャップがおもしろく読めます.
犯人を追い詰めていく終盤も,緊張感というよりは理詰めで互いに落ち着いている印象で,
実際の逮捕やその後までは描かれない,フェイドアウトするような締めは心地よく感じます.
なお,本作に収録の『オッカムの剃刀』が09年01月にNHKにてテレビドラマ化されましたが,
『キモ』の部分がすべて削られていましたので,ドラマ版しかご存じない方はぜひこちらも.
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No.8:
(4pt)

倒叙ミステリは犯人次第

刑事コロンボの大ファンだったという作者が挑んだ、倒叙ミステリの短編集。
「最後の一冊」、「オッカムの剃刀」、「愛情のシナリオ」、「月の雫」の4編からなっていて、「オッカムの剃刀」がNHKでドラマ化されるのがちょっと楽しみ。
刑事には見えない福家警部補という小柄な女性探偵役。めちゃくちゃ酒は強いし、睡眠もほとんど必要ないみたいだけど、コロンボに比べるとまだ個性がうすい感じ。
コロンボも古畑任三郎もそうだったけど、やはり倒叙ミステリは名犯人あってこそ探偵役が生きてくる。その点で犯人にもう少し狡猾さが欲しい。
福家警部補の推理のプロセスは、緻密で本格派。コロンボのようなあざとさはなく正攻法。
続編も出ているようだし、これからキャラが立ってくることを期待してます。
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No.7:
(5pt)

次作が楽しみ

知人の勧めで手に取りました。上品で荒唐無稽でなく、安心して読めました。次作が楽しみです。TVドラマ化に向いているように思います。脳内キャスティングでは福家警部補は永作博美さんです。
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No.6:
(5pt)

まずは『挨拶』から

髪はショートで、縁なし眼鏡がトレードマーク。
チビで童顔のため、現場ではいつも刑事として
見てもらえないが、実は30オーバーらしい……。
これが本書の探偵役・福家警部補(下の名は出てこない)です。
一見頼りない彼女ですが、連日の徹夜をものともしないタフさと、
鋭い観察力や洞察力で事件の真相を暴いており、コロンボや古畑
の衣鉢を継ぐ《倒叙ミステリ》の探偵役としての存在感を十二分に
発揮しています。
コロンボや古畑との最大の相違点は、言うまでもなく彼女が女性であるということ。
そのため、実はオヤジ受けがよかったり、同僚からも変わって
いるけどそこがまた……、などと思われているようです。
また、事件関係者に対する心くばりの細やかさも女性
ならではで、それは犯人に対する場合も変わりません。
このあたり、コロンボや古畑がどこか非情であったのとは
一線を画しており、彼女の得がたい個性となっています。
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No.5:
(5pt)

『コロンボ』のスピリッツを継いだ、古典的で上質なミステリー

本書の最大の魅力は、表面的に『コロンボ』を真似するのではなく、その核にあった“ミステリーの古典への敬意とそれを継ごうとするスピリット”を、さらに継ごうとしている点にあります。以下、思いついた点をまとめてみました。
★キャラに頼らない
意外かもしれませんが、第1シーズンの『刑事コロンボ』では、コロンボ警部は、愛嬌はあるものの、「得体の知れない謎の刑事」で、その描写も多くはなく、ミステリー中心の作風でした。『福家』は、フォークの魅力で人気の出た後年のコロンボではなく、初期のストイックなところからはじめています。これが『古畑』と違うところであり、かなりのリスクを背負った英断だと思います。
★手がかりの密度
『コロンボ』といえば、解決部分の鮮やかさだけが取り上げられがちですが、本当のすごさは、途中に置かれた手がかりの量と質にあるように思います。『福家』は、1作50ページほどの中に、10以上、多いときは20近い伏線や手がかりを詰め込むことで、『コロンボ』を見ているときのあのわくわく感を再現しています。
★適度に高度なミステリ
『福家』の謎解きは、天地がひっくり返るようなものではなく、論理的に筋の通ったところに落ち着きます。伏線の張り方も実にフェアなので、ミステリーが好きな方でしたら4作中1〜2作は主人公より先に解決できるのではないでしょうか。だからといってつまらないことはなく、実は、これこそが本来の「本格」の姿だったようにも思います。マニア向けではない、誰にでも気軽に楽しめる「明快な面白さ」も、作者はちゃんと「コロンボ」から継承しています。
★「倒叙」の意味
上記の項目にもつながるのですが、作者は「倒叙」を、最も純粋でフェアな「本格ミステリーを盛り込む器」として120%活用しています。「倒叙」は、心理描写を膨らませれば読者をエモーショナルに引っ張れますが、それはあえて避けているようです。近年、これほど「ミステリー以外の要素がまったく入っていない」、純粋なパズラーはなかったのではないでしょうか。それ以上にすごいのは、通常の犯人当てミステリーでは、文中に楽に隠せる手がかりが、フォーマットの決まった「倒叙」の場合、犯行の描写を読む読者は、「これが手がかりになるのでは?」と鵜の目鷹の目で読むため、手がかりの配置が何倍も難しくなるという点です。それをとりあえず4作(10月の「ミステリーズ!」に新作が載るそうです)、成立させているのは驚きという他ありません。
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No.4:
(5pt)

コロンボ、古畑を知らずとも楽しめます

確かにコロンボをこよなく愛する作者によるものですが、全く知らなくても必ず楽しめるでしょう。描写が映像を彷彿としてイメージしやすく、主人公が非常に魅力的。謎解きも論理的で犯人に対して警部補が敬意をもって接する所も、キャラクタの持つ雰囲気と調和して気持ち良いです。
個人的には、忘却の彼方にいたコロンボがよみがえる所が度々あり、不思議な読後感でした。
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No.3:
(5pt)

旧コロンボの世界観!

新シリーズに比べ、コミカルだが容赦ない、シャープな「旧」コロンボ。
その世界観を愛するファンにとって本書は、新シリーズや古畑任三郎に求めることができない、旧の乾いた斬れ味を体験することができます。
本家とのつながりも楽しく、一歩一歩追い詰められていく犯人にいつのまにか感情移入してしまう流れも鮮やか。
帯の「コロンボ、古畑の系譜」に偽りなしと言ってもいいでしょう。
ただ、短いのは本当にあっという間に終わってしまう感があるので、このシリーズは「オッカムの剃刀」くらいの長さがちょうどいいのでは?
このクオリティでいければ、続編も楽しみです。
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No.2:
(5pt)

心のこもったオマージュ

まるで映像が映し出されるような細やかな場面表現。いつか映像化されることを考えて書かれているのかとも思いますが,そのキャステイングを考えながら読むのも楽しかったです。
次はどんなお話が飛び出すか,あらためてコロンボももう一度観たくなりました。
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No.1:
(5pt)

コロンボファンに相応しき贈り物を

倒叙推理は限られた頁数の中で「知恵比べ」を描く最適の形式であり、
それゆえに、放送メディアが限られた時間の中で「知恵比べ」を描くに
当たっても親和性が高い。その最高傑作が「刑事コロンボ」シリーズで
あり、既に日本のテレビ界では「古畑任三郎」が堂々たる本歌取りに成
功していることは衆目の一致するところであろう。
本作は、コロンボのノベライズやパスティーシュでも実績のある作者
が、コロンボ研究で世界屈指の実力を誇る編集者の協力を得て世に問う
た倒叙推理小説集。そのトリックにおいても、人間描写においても「聖
典」に迫る内容である。
収録された4作の場面毎に「ここは『逆転の構図』、ここは『二枚のド
ガの絵』と思わせておいて『愛情の計算』、ここは『祝砲の挽歌』」と
いったコロンボの元ネタ当てを楽しみながら、エスタブリッシュな犯人
の完全犯罪がいかに破綻して行くかも楽しめるお徳用の作品集である。
ん、それでは作者に失礼?
いやいや、ものが倒叙だけあって、本末転倒で、第一作者が喜びます、
などと軽口を叩くと、この作者が得意とする落語のような話だが、実は
そこに課題もあって、「オッカムの剃刀」のラストで聖典を凌ぐ驚愕を
演出した以外は聖典へのリスペクト故に、やや手堅く纏めすぎたきらい
がある。第二シーズンでは、作者ならではの遊びも期待したいところ。
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