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DZ(ディーズィー)
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DZ(ディーズィー)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.52pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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アメリカでの過去と現在の事件と,日本の障害児施設の少女をめぐる一連の出来事と3つの系列で物語は進む.中核となるテーマは“進化”である.ジャンルとして医学サスペンスになるのだろうが,犯行手段やトリックではなく,動機に医学的・科学的な要素を取り入れているのが面白い.進化と,それに伴う孤独という視点は斬新で深いテーマだと感じた.生物学的な孤立という,この絶望的に深い孤独が理解できないとこの小説のテーマは伝わらないだろう.少々複雑で,ストーリーにやや冗長さも見受けられるが,一読の価値のある作品. | ||||
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著者は京都大学医学部卒業の医者で、基礎医学の分野にも属していた経験をもつらしく、例のごとく、医学、最新のバイオテクノロジーの知識をちりばめたミステリーとなっています。 正直、こういった遺伝子操作、胚操作を人間に行ってしまうという倫理問題を絡めたミステリは、医学ミステリの分野では、巨匠ともいえるロビンクックの作品にいくつか見られますし、著者自身もおそらく読んでいる可能性が高いわけで、その焼き直しか、という感想を途中までは抱かざるを得ませんでした。 最後まで読むと、まあオチとしては、少しひねりが効いているんですが、それも、ロビンクックの「クロモゾーム6」を思い出させられて、どうも二番煎じの感がぬぐえないです。 ロビンクックをあまり読んでないヒトであれば、違和感なく楽しめるかもしれません。 ただ、全体的に、ちょっと専門的な知識を要求されるところも少なくないので、「染色体って何?」という方は、少しつらいかもしれないです。 場面が、フィリピンからアメリカそして、日本へと移り変わり、最終的にはそれが結びついていくところなどは、まずまずの構成かとは思いましたが、オチは途中で読めてしまいました。 それなりには楽しめて、少しひねりがあったので、星四つで。 | ||||
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とても新人賞ものとは思えない上手さというか、なんか、すごいです。 アメリカあたりの翻訳ミステリっぽい書き方をしつつ、中盤まで話がどっちに展開していくのかが見当もつかない。 読み進めていくうちに、そこここに張り巡らせてあった伏線が終盤に向けて怒涛のように収束していく様が、いやもう、快感ですね。 「あれって結局どういう意味だったの?」と気になるような派手なやつに隠れて、ひっそり張ってある伏線とか…。 読みながら思わず「おおおっ」と声を上げてしまいましたよ! 設定的にはミステリ色の強いSFって感じなんだけど。 確かにこりゃミステリで横溝賞でオッケー。 これこそミステリ読む醍醐味ですよ先生。 難しげな遺伝子の云々は、わかった方がそりゃいいですが、右から左でも十分いけます。 ただ、人間とか社会とかの捉え方がかなりシビアなので、ちょっと神経が疲れますね。 あと、変に文章を書きなれてる感じで、若干マンネリ入った中堅作家のような表現が多かったのが、気になったといえば気になりました。 | ||||
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全く期待せずに手に取った本でしたが、面白い本でした。 現実味はないとは思いますが、衝撃のラストといい、もしかして本当にこんなことがあったら…と思わせるところは上手いのではないでしょうか? | ||||
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ミステリーと生物系が好きな人にはお勧めです。 私は生物系の大学院生なので 分子生物学・進化・遺伝子・染色体に関するの専門用語や 知っているジャーナル、実験器具・機械のの名前が出てくるだけで どういう実験をしているのか、どのような研究室なのか想像が膨らんで楽しかった。 読み始めは、場面が飛び飛びで読みにくいなーと思ったが 読み進めるうちに四方からパズルを組み立てるような話の展開に引き込まれたしまった。 | ||||
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推理が淡々と進む。展開される。だからあまり気持ちが乱されるようなところはあまりない。最後のクライマックスの場面でさえ、そう。 ただ、そこかしこに含みのある表現があり、関心は決して途絶えることが無い。 最後の落ちも思わず、「ほお〜」と言ってしまいそうな感じ。 | ||||
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とても面白かった。専門的な内容は適当に流して読めばいいのであって、筋を理解すればいいのです。 残忍に人が殺されすぎるのは気になるけど、主人公の一生懸命な姿が救いになる。主人公に魅力が無い作品はつまらないもんね。 最後の展開は「うーん」ですね。希望、それとも…。 | ||||
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進化、障がい、虐待とヘヴィーなテーマだがSFミステリーとして面白く読めた。 前半は場面の切り換えが早くて慌ただしく、遺伝子等の専門用語多発の場面を読み進めるのに根気がいった。 専門家の著者としては、拘りがあり、話の信憑性を高めたかったのだろうが、少々アバウトでもシンプルに書いて欲しかった。 後半のテンポは良いし、最後にサプライズもある。 横溝正史賞受賞作であるが、SFに馴染みの薄い人が、犯人当てミステリーを期待して読むと失望するかもしれない。 | ||||
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ちょっと、展開が速いよと思いながら何とかついていきました。しかし、点と点が結びつき線になったとき、まとまりが無かった作品の世界が一気に頭の中に地図となって流れ込んできました。少々、強引な面もありますが、よくできた一冊だと思います。 | ||||
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進化。 それは生命の悲しきプロセス。 進化、イノチ、愛、悪。 さまざまな壮大なテーマを盛り込みつつも作者の完璧なまでの知識に裏打ちされていてすべてがまったくの遜色なく、そして不協和音を立てることなく絡み合い一つの大きな物語を奏でています。 ベトナム難民女性の産んだ双生児、アメリカペンシルバニアで見つかった夫婦の死体、女医志度涼子が重度障害者施設で出会った少女。 それぞれの無関係な序章と事象がやがて一本の大きな川へと流れ込み荘厳なエピローグへと向かう。 読後の何かしら気持ちよささえ伴う喪失感とやさしさは読んでみてはじめてわかるものです。 なにかにつけて病名や薬品名などが詳細に出てきますが解説もきちんとしてるのでなんら問題なく読み進められます。 すごいスピードで読めるのでぜひお試しを。。 | ||||
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ベトナム、ペンシルバニア、日本とつながりのない3点で起こる出来事が、じわじわと意味を結んで行く。頭脳明晰な青年グエンが淡々と行っていく人類への挑戦であぶりだされたものは・・・。今までにない読後感だった。この本は、「文学」という域を越えた、人間と芸術への挑戦であるように思う。 | ||||
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大森望氏が、「世界レベルの傑作」と書かれていることも納得がいく、完成度の高い作品だった。登場人物が背負わされた重い運命の絡まり合いと、人類進化という遠大なテーマが、みごとな構成と硬質な文体でつづられていく。最初の混沌から、一つの筋に物語が収束するさまは圧巻だ。 ヒロインの志度涼子の生き方からは、深い傷を抱えて生きる者の、強さと弱さが同時に伝わってきた。こんなふうにしか生きれない人間の切なさ。私の個人的に体験もあって、ぐっとくる場面もあった。涼子が働く愛育園という重度心身障害児施設の描写には、危機迫るものがあり、ハンディというにも重すぎる重度の障害を抱えて生きる子供たちの姿が、涼子の仕事ぶりとともに印象的に描かれていく。とてもおぞましく、目を背!けたくなるようなシーンが、ヒューマンな眼差しで、美しいとも言えるほどに活写されている。やがて、この施設が物語りの最終舞台となっていくのだが。 本物嗜好の読者をうらなせる、極上のSFミステリーだと思う。 | ||||
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