手のひらの蝶
- サイエンスミステリ (8)
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マルチ頭脳と評される岡田先生(あ、本名です)ならではの作品でした。私は人間が古いのか、読みながら、中島淳の「山月記」を思い出してしまいました。あれは昆虫でなくて虎でしたが。 先に横溝賞受賞作品の「DZ]を読んでいたので、あの壮大さと比べてこちらはスケールが少し小さいとは思いましたが、舞台になっている地域の住民としては、石清水八幡宮やくずはのゴルフ場などが出てきて、親近感が湧きました。「DZ」が映画化されたらいいのにと、夢見たりしましたが、制作費を考えると、こちらの方が実現に近いかもしれません。 いつもの医学の知識は言うまでもなく、昆虫や吸血鬼の知識も豊富で、作家さんってほんとに博学なのだとしみじみ感じ入りました。臨床用の脳に繋がった、著述家用の別の脳をお持ちなのではと思える程です。 最後に真犯人がわかって仰天しました。ICUから抜け出して、まあ元気な患者だこと。よくぞ助かりました裕人君。でも、この子も腫瘍を手術しないと、とか、伊緒は犯人との性行為で感染してないかとか、要らぬ世話かもしれませんが、その後が心配になりました。感染してから発病するまでの潜伏期間は人によって違うのかとか、色々考えてしまいました。岡田先生の作品は、登場人物が肉親との繋がりが薄く、寂しさを抱えていて、今の社会を縮図的に表しています。 私は医療は全くの素人ですが、十分楽しめますし、医療系がお好きな方には特におすすめします。子供の頃から読書が大嫌いだったのに、岡田先生(小笠原さん)の作品にはまって、次々に読むのが楽しみになりました。 | ||||
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連休挟んでも遅れすぎ。他社から購入の時は連休の場合でも説明のメールが来ましたが、この書店は全く連絡ありませんでした。 | ||||
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実際は種が違うと免疫反応で排除されるはずだからありえないんですが、 人間と近い種で、なおかつ恐ろしい動物だったら「ありえるかも」と思えて もっと別なものになったかもしれないですね。 分子生物学に興味がある素人さん(=私です)なら面白いと思います。 結末は悲しいです。それだけ「こんなことしちゃいけない」という メッセージも感じました。 医学をしっかり学んだ人だけあって、不愉快なくらい女性の描写が綿密です(笑)。 女性が主人公だと、これだけ専門的内容を含む物語はネチャネチャするような 感じが個人的にするので、男性の主人公でさらっと書いてほしいかったかな。 全体的には好きです、こういう感じ。 | ||||
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肉体に宿る病巣からは、いかなる人も逃れられず、いつかその心は蝕まれてしまうのか・・・ 吸血昆虫の体液が混入することによって吸血鬼に変貌してしまうサスペンスであり、あり得ないと思いながらも医学専門用語を駆使されると、何となく説得されて面白かった。登場人物の精神分析が伏線となりストーリを膨らませているが、いつもの深く切り込むような切れ味鮮やかなエッセンスが少なかったのが残念です。 ストーリには直接かかわりないのですが、吸血鬼ドラキュラの精神分析は興味深い。不幸にも、人生のごく初期に母親らしい愛情を剥奪され、満たされない愛ゆえに乳房に貪りつくしかできない乳児の発達段階にとどまっている(性器的な段階まで発展できない)のだそうだ。また、母親の冷ややかな眼差しを連想して不快なためドラキュラは鏡に映らない。視線恐怖症は、しばしば赤面恐怖と合体しており、他人の視線を過度に意識して顔を赤くするのは、自分の性的な欲望が他人に暴露されるのではという不安のためである。視線恐怖者は抑圧的で誇り高い自我と押し隠した動物的本能の間で葛藤している。つまり不幸な生い立ちで性的不能となってしまった高潔なドラキュラは、人目につかない様に深夜にこそこそと行動し、眠っている女を吸うという幼児的な行為でしか愛を求めることができない。 夜中ふとしたことで目が覚めて、一人で寝るのが怖くなり、母親の布団に潜り込んで乳房を吸う乳離れのできない小学生と同じレベルですか・・・西欧では万能で気品があり人々から恐れられる高貴な怪人も精神分析にかかれば形無しである。 | ||||
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本格的なミステリはずっと食わず嫌いで、数年前に友人から勧められた「占星術」の島田荘司氏の作品以外全く手をつけなかったのに、 本屋でちらと見かけてタイトルと装丁に惹かれるまま手に取った作品がコレ。 ミステリにありがちな奇天烈な登場人物も、一息つけるようなコミカルな絡みも派手さも一切ない。 飛び交う難解な専門用語の数々にも辟易する。 けれど、淡々と綴られる登場人物達の繊細な心理描写には知らぬ間に手に汗握るほど。 圧倒的な恐怖感を味わえる作品。オススメ。 ただ専門用語が多すぎて一度読んだだけでは理解出来ないので☆4つ。 | ||||
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