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手のひらの蝶
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手のひらの蝶の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.79pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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マルチ頭脳と評される岡田先生(あ、本名です)ならではの作品でした。私は人間が古いのか、読みながら、中島淳の「山月記」を思い出してしまいました。あれは昆虫でなくて虎でしたが。 先に横溝賞受賞作品の「DZ]を読んでいたので、あの壮大さと比べてこちらはスケールが少し小さいとは思いましたが、舞台になっている地域の住民としては、石清水八幡宮やくずはのゴルフ場などが出てきて、親近感が湧きました。「DZ」が映画化されたらいいのにと、夢見たりしましたが、制作費を考えると、こちらの方が実現に近いかもしれません。 いつもの医学の知識は言うまでもなく、昆虫や吸血鬼の知識も豊富で、作家さんってほんとに博学なのだとしみじみ感じ入りました。臨床用の脳に繋がった、著述家用の別の脳をお持ちなのではと思える程です。 最後に真犯人がわかって仰天しました。ICUから抜け出して、まあ元気な患者だこと。よくぞ助かりました裕人君。でも、この子も腫瘍を手術しないと、とか、伊緒は犯人との性行為で感染してないかとか、要らぬ世話かもしれませんが、その後が心配になりました。感染してから発病するまでの潜伏期間は人によって違うのかとか、色々考えてしまいました。岡田先生の作品は、登場人物が肉親との繋がりが薄く、寂しさを抱えていて、今の社会を縮図的に表しています。 私は医療は全くの素人ですが、十分楽しめますし、医療系がお好きな方には特におすすめします。子供の頃から読書が大嫌いだったのに、岡田先生(小笠原さん)の作品にはまって、次々に読むのが楽しみになりました。 | ||||
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連休挟んでも遅れすぎ。他社から購入の時は連休の場合でも説明のメールが来ましたが、この書店は全く連絡ありませんでした。 | ||||
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実際は種が違うと免疫反応で排除されるはずだからありえないんですが、 人間と近い種で、なおかつ恐ろしい動物だったら「ありえるかも」と思えて もっと別なものになったかもしれないですね。 分子生物学に興味がある素人さん(=私です)なら面白いと思います。 結末は悲しいです。それだけ「こんなことしちゃいけない」という メッセージも感じました。 医学をしっかり学んだ人だけあって、不愉快なくらい女性の描写が綿密です(笑)。 女性が主人公だと、これだけ専門的内容を含む物語はネチャネチャするような 感じが個人的にするので、男性の主人公でさらっと書いてほしいかったかな。 全体的には好きです、こういう感じ。 | ||||
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肉体に宿る病巣からは、いかなる人も逃れられず、いつかその心は蝕まれてしまうのか・・・ 吸血昆虫の体液が混入することによって吸血鬼に変貌してしまうサスペンスであり、あり得ないと思いながらも医学専門用語を駆使されると、何となく説得されて面白かった。登場人物の精神分析が伏線となりストーリを膨らませているが、いつもの深く切り込むような切れ味鮮やかなエッセンスが少なかったのが残念です。 ストーリには直接かかわりないのですが、吸血鬼ドラキュラの精神分析は興味深い。不幸にも、人生のごく初期に母親らしい愛情を剥奪され、満たされない愛ゆえに乳房に貪りつくしかできない乳児の発達段階にとどまっている(性器的な段階まで発展できない)のだそうだ。また、母親の冷ややかな眼差しを連想して不快なためドラキュラは鏡に映らない。視線恐怖症は、しばしば赤面恐怖と合体しており、他人の視線を過度に意識して顔を赤くするのは、自分の性的な欲望が他人に暴露されるのではという不安のためである。視線恐怖者は抑圧的で誇り高い自我と押し隠した動物的本能の間で葛藤している。つまり不幸な生い立ちで性的不能となってしまった高潔なドラキュラは、人目につかない様に深夜にこそこそと行動し、眠っている女を吸うという幼児的な行為でしか愛を求めることができない。 夜中ふとしたことで目が覚めて、一人で寝るのが怖くなり、母親の布団に潜り込んで乳房を吸う乳離れのできない小学生と同じレベルですか・・・西欧では万能で気品があり人々から恐れられる高貴な怪人も精神分析にかかれば形無しである。 | ||||
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本格的なミステリはずっと食わず嫌いで、数年前に友人から勧められた「占星術」の島田荘司氏の作品以外全く手をつけなかったのに、 本屋でちらと見かけてタイトルと装丁に惹かれるまま手に取った作品がコレ。 ミステリにありがちな奇天烈な登場人物も、一息つけるようなコミカルな絡みも派手さも一切ない。 飛び交う難解な専門用語の数々にも辟易する。 けれど、淡々と綴られる登場人物達の繊細な心理描写には知らぬ間に手に汗握るほど。 圧倒的な恐怖感を味わえる作品。オススメ。 ただ専門用語が多すぎて一度読んだだけでは理解出来ないので☆4つ。 | ||||
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なんか、DZ読んで直ぐこの作品を読んでしまったせいか、主人公や設定が似ていてイメージがダブってしまった。この作品だけ読んでいればもっと星は付けたかも。この作家は医療から離れられないのか?なんて、ちょっと次回作への興味がなくなってしまった。 | ||||
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小笠原慧さんの作品は、読む前から期待する・・・今回は九才の子供が母親を殺す。アイスピックで問答無用!ワーオそれにひかれて本屋で買いました。読んでいくと『昆虫人間』が出てくる。最初、超巨大な虫が犯人か!?と思ったが、もっと深かった。う〜んこの人のシナリオは前例がない。小笠原慧さんにしか書けないウルトラ科学的な方向からくるので、自然に誰にもわからない展開に進んでいく。確かに細かい部分の不具合はある。けれども、それはこの素晴らしい作品に対して、「イヤイヤ、まだ甘いよ」なんちゅー小説お化け(僕の周りにいる)の呻き声であり、そんぐらい言っとかないと成仏できないのだ。気持ちはわかる。とにかく難しい内容だけれども、誰でも興味の出てくる話だし、涙で前が見えない純愛ストーリーなんかより、進化人間(前作)、昆虫男の現実世界に仮面ライダーな小笠原慧作品。ちょっとHな所もアリ、男の子の欲望を全て満たしてくれる。 | ||||
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怖い話だった。ミステリーというよりホラーの範疇に入るのではないか。 著者のデビュー作である’00年度「横溝正史賞」正賞受賞作『DZ』は、人類の進化という壮大なテーマを浮き彫りにした医学系のSFミステリーだったが、長編第2作の本書ではさらにそれを発展拡大している。 「昆虫人間」(こう書くといかにも陳腐な感じがするが、著者は感染による脳内の腫瘍の発現、および遺伝子の変化というように、その存在をきわめて科学的に説明している)と化した殺人鬼が、一定の周期ごとに吸血殺人を犯すといった、医学テーマに基づくサイコホラーサスペンスである。 また9歳の子どもが母親を殺害して、綜合児童福祉センターに預けられるといった児童犯罪の問題も本書のショッキングなテーマのひとつとなっている。しかもその少年も吸血殺人の真犯人も幼少期、「親子の絆の喪失」、つまり母親の愛情が薄かったという共通点を持っており、私は『家族トラウマ』のようなものを連想した。 著者は東大哲学科中退後、京大医学部を出た現職の精神科医であり、本名で『人格障害の時代』、『悲しみの子どもたちー罪と病を背負って』など多数の著書を発表しているという。 なるほど、これほどの医学サスペンス物語を書き上げるほど、凄く頭の良い人なのである。 | ||||
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純粋に「ミステリって面白い」って思えた作品。 昆虫のDNAだとか、ベクターだとか、現実ではありえない展開。でもそれにぐぐっと引き込まれていくのは、犯罪心理の描写とか各種心理テスト・脳の病態生理などリアルすぎる分析があるからこそかもしれません。そういった専門用語の多さもあり、軽く読める本ではない気はするけど、中盤からはとまらなくなります。最後の展開が焦りすぎで不消化な気はしますが、それを差し引いても、読む価値は十分かと。 | ||||
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血を抜いて人を殺す異様な殺人事件が続くなか、またもや中年女性がマンションの自室で殺された。駆けつけた者がみたのは、傍らにアイスピックを握った九歳の少年が。そのまま、母親殺しの容疑は少年にかかります。児童精神科医の伊緒は、少年の無罪を信じ、事件の解明に乗り出す。だが、彼女が足を踏み入れたのは、想像もしない悲劇への道であった。本当の悪とは何なのか、それを克明に綴っていく、ミステリです。 | ||||
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意外な結末や、所々に感じるセンスなど光る部分も多いし、精神科医の著者だからこそ書けた部分もあると思う。けれど、沢山の附線を貼っておきながら、投げっぱなしな部分や、専門用語を使いすぎることによって自己満足度ばかり無意識に重要視している点、など気になる部分も多かった。特に筋は悪くないのだから、クライマックスなどはもっともっと深く描くべき。どうでもいい部分をやたら細かく描写しているくせに、肝心な所は薄っぺらい。そういう意味では非常に歯痒く勿体無い作品。著者自身センスはあるので、肩の力を抜きつつ、緻密な計算をして、若しくは推敲を重ねて、書けるようになれば、いつか素晴らしい作品を書けるんじゃないかという気はする。いずれ!にしても注目株な作家だとは思う。 | ||||
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ページをめくる手が震えました怖くて背筋がぞっすることもしばしば。でも、ページをめくらずにはいられない…そんな気持ちで読み進めました。幼い子供が絡んでくるので、なんだか妙に物悲しい気持ちになります。ひとりの子供をとりまく環境、大人、事件。読み応えは十分ある一冊だと思います | ||||
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京都で起こった連続殺人事件、死因は失血死だった、刑事の西澤と薮原は通報により犯人を追いつめ犯人との死闘の末犯人を射殺する。2年後、失血死事件の再発、現場には血を飲んだ跡が。次々に逮捕される容疑者達、本当の真犯人は…飛び交う医学用語、一見煩雑に見られるが、抵抗無く追っかけられるストーリー、苦無く読めた | ||||
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前作、DZに比して格段にイイ。話自体も面白いし、知識面でも好奇心を刺激された。最後の悲しい展開もかなり泣ける。久々の秀作でした。 | ||||
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