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未完成 (アンフィニッシュト)



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【この小説が収録されている参考書籍】
未完成 (講談社ノベルス)
アンフィニッシュト (文春文庫)

未完成 (アンフィニッシュト)の評価: 4.25/5点 レビュー 4件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.25pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(4pt)

小銃消失事件の捜査が淡々と地道に進んでいく

「アンノウン」と同じキャラクター再起用による自衛隊ミステリであります。
小銃消失事件の捜査が淡々と地道に進んでいきます。展開に大きな起伏も派手な見せ場もありませんが、それでも300ページ近い分量を緊張感を維持して読ませ切るのは御見事な腕前。
飄々とした軽いタッチが奇妙な味わいとなっていた前作でしたが、『少年たちの密室』を間に挟んだせいか、本作は全体に重いタッチです。野上三曹視点の場面では前作の語り口に近づけようとしているんですが、それも少々滑りがちなような。
過疎の島、国防の不備、在日朝鮮人問題、戦争犯罪といろいろ盛り込んだために全体として散漫な、まさに「未完成」な印象になってしまったのが残念。
未完成 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:未完成 (講談社ノベルス)より
4061821814
No.3:
(4pt)

自衛隊ミステリー

南西諸島の孤島の空自の通信基地。僻地のため司令自ら地域住民との交流を重視し良好な関係を保っていた。そこでおこった小銃消失事件。調査部のコンビが送り込まれる。事件は外敵にさらされても法規制により何もできないことに不満を感じた若手が問題提議のためにあえて起こしたものだが、自衛隊自体のアイデンティティの矛盾がその根源にある。サイドストーリーとして在日韓国人と旧軍、自衛隊の関係も語られる。エンタメとして一定レベルの上に、重いテーマに挑んだ意欲作。Bの上。
アンフィニッシュト (文春文庫)Amazon書評・レビュー:アンフィニッシュト (文春文庫)より
4167753219
No.2:
(5pt)

面白い

ミステリといえば、少なからず殺人事件がからんでくるのが常識であるが、前作のUNKNOWNにしろ、今作の未完成にしろ、ミステリの材料にならないようなことを上手くミステリにしあげていく。

 今作はど田舎の島の自衛隊基地における拳銃消失事件である。ミステリとしての迫力が足りないと思われるかもしれないが、その実とても端整で退屈しないミステリとなっている。背後には命の危険にさらされる自衛隊員の所謂「踊る大走査線」でやろうとしていたテーマや、在日朝鮮人問題などがからみ、奥深い。お勧めだ。
未完成 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:未完成 (講談社ノベルス)より
4061821814
No.1:
(4pt)

社会派の作品

 著者の作品は単なる謎解きにとどまらず、それにからめて「いいたいこと」が必ず示されているところがいい。謎解き自体はきわめて常識的で、ミステリーマニアには退屈に感じられるかもしれない。とはいえ、手堅い解答を示していて無理がないところにも感心する。 この本は「unknown」の続編で、メインキャラクターの浅香ニ尉と野口三曹は変わらないので前作を読んだ人は安心して読める。今回のテーマは在日朝鮮人。ここには日本軍が彼らにいかにひどいことをしたかが記されているし、現在でもその状況が劇的に変わったとはいえないことが示されているが、ここには著者の真剣な思い入れがにじんでいる。読んでいて暗い気持ちにはなるが、明るさを感じさせる最後でまとめているので読後感は悪くない。ただ、中盤で少しだれてしまうのが残念。続編も期待したい。
未完成 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:未完成 (講談社ノベルス)より
4061821814

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