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UNKNOWN (アンノウン)
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UNKNOWN (アンノウン)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.56pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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満足しています | ||||
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第14回メフィスト賞受賞作。 ある意味密室といえる自衛隊の基地内で、侵入不可能な部屋の中に盗聴器が仕掛けられていた。その密室の謎に防衛部調査班所属であり、防諜のエキスパート朝香二尉が挑む。 評判の違わぬ面白さでした。何といっても朝香二尉と語り手である野上三曹のコンビがいい。少し石持浅海の雰囲気に似ているなと思いましたが、こちらのほうがちょっとユーモラスですね。脇役の描かれ方も好感が持てますし、構成がきっちりしている印象でした。これは間違いなく本格ミステリです。それも高いレベルの。 けっこう深いテーマを扱っているのですが、それを本格ミステリに結びつけた手腕が素晴らしい。 それにしても朝香二尉、コーヒー飲みすぎ(笑) | ||||
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自衛隊基地を舞台に盗聴事件の顛末を描く、自衛隊ミステリ。 事件は地味でシンプル、登場人物同士のやりとりは軽妙で明快、そして、捜査はあくまでドライに淡々と進んでいくといった調子の、ちょっと奇妙な味わい。ボリュームも短く盛り上がりを欠きますが、どこまでも堅実な作りであります。 国防の最前線で自衛隊員たちの置かれているジレンマに考えされられます。 | ||||
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歴代のメフィスト賞受賞作のなかで最もページ数が少ないのではないかと思われる本作。 自衛隊の基地を舞台に密室に仕掛けられた盗聴器の謎を巡る一応ミステリーだが、メフィスト賞らしい奇抜なトリックやキワモノ臭は全くなく、いわゆるメフィスト賞らしさがないまともな作品である。後に直木賞候補になる作者らしい、端正な非常にまとまったデビュー作で、ミステリーというよりは自衛隊内の内情や人間関係をユーモラスに描く方に重点が置かれている。メフィスト賞ファンよりはどちらかというと江戸川乱歩賞ファン向けという感じがする。 | ||||
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第14回メフィスト賞受賞作ということで購入しました。 古処誠二さんの作品は他に「ルール」を読んだことがありましたが、 本作「アンノウン」についても期待を裏切らない大変面白いミステリーでした。 コーヒー好きで冷静沈着な調査班朝香二尉(監察官)が、 少々真面目さには欠けるものの、行動力のある野上三曹を伴って隊内の事件を解決します。 まさに自衛隊版の「相棒」のような作品です。 自衛隊という組織に起因する習慣や、特徴的なルールに基づくトリックが展開され、 平時における自衛官の葛藤や不安もストーリーに絡めて描かれています。 読んだ時期的にも、トリックやサスペンス要素に加えて心動かされた内容でした。 朝香、野上コンビで続編が出ているそうなので、そちらも読んでみたいと思っています。 | ||||
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航空自衛隊レーダー基地の隊長室の電話機に盗聴器がしかけられていたため、防衛部調査班から幹部が派遣されてくることになった。 犯人は?そしてその目的は? 防衛部調査班の朝香二尉のサポートをすることになった、監視隊の野上三曹の語りで描かれています。 野上三曹は22歳で入隊4年目。 レーダー基地内の習慣や仕事についてはあたりまえのこととしてさりげなく説明されますが、盗聴器の事件の捜査をする朝香二尉の行動の不思議な点などについては、読むこちら側と同じに「変なことをする」という視点から見ているので とても読みやすく計算された筋立てになっています。 識別不明機(アンノウン)を発見した際のオペレーションルームの緊張感が見事に描写されていて興味深いものになっています。 謎を解き明かしていく過程に無理がまったくなく、また犯人の動機やその後の処理なども納得がいく筋立てになっていてとても面白かったです。 なにより、野上三曹の成長が清清しいので読後感がよい面白い本でした。 | ||||
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自衛隊内で起きるサスペンスですが、戦車もミサイルも出てきません。だから派手な演出もなく、謎解きもかなり地味ですが、自衛隊員が持つ挟持が強く感じられました。同時に戦う組織として成立させるための上官の苦悩と配慮も印象的でした。 最後のセリフが全体を引き締める決め手となっています。 | ||||
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自衛隊レーダー基地で起きた盗聴事件。主人公である語り手は、派遣された調査官の補佐役に任じられた若き三曹。捜査の進展につれて彼に生じる心境の変化が、読者にも共感できる形で描かれています。 ミステリは得手ではないけれど、謎解きのレベルはたぶんまあまあ。人物描写は、探偵役の朝霞二尉がとくに魅力的。ある面深刻なテーマを扱いつつも、全体的にユーモアを失わない。そして爽やかな読後感。 読んで損はない作品だと思いますよ、これは。さすが、メフィスト賞受賞は伊達じゃない(って、そういう賞があるなんて知らなかったけど)。 あまりわれわれが知る機会のない、自衛隊についてのあれこれが書かれているのも、なるほど感が高いですね。「〜士」は期間限定の契約隊員だなんて、あなた知ってました? | ||||
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自衛隊の硬いイメージとは裏腹にユーモラスな軽い文体で書いていて、おまけにミステリにならないような材料でずっと書かれている。まさに作者の実力が窺える。 誰も死なないし、どこも爆破されない。でも、どうしようもなくミステリ。メフィスト賞の中でも、すべてがFになるの次くらいに、評価の高い作品。 | ||||
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自衛隊レーダー基地の中でも侵入不可の部隊長室に仕掛けられた盗聴器。野上は、派遣されてきた防衛部調査班の朝香と共に調査を開始する。 というわけで、舞台は自衛隊、根底に流れるテーマ自体も決して軽いものではない。自衛隊という存在の立場、そして、その組織というものについても描かれ、むしろテーマとしては重いものかもしれない。 が、そんなテーマで描かれているにもかかわらず全く文章自体は重いものではない。随所にギャグも散りばめられていて、楽に読むことができる。そんな軽妙な文章を読みながら気づくと重いテーマを語られていた、という感じである。主人公の野上、調査班の朝香、部隊長の大山、後輩の竹田…登場人物たちも個性溢れる面々で魅力的である。 面白かった。 | ||||
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■ 自衛隊に勤務する野上三曹は、極秘裏に防衛部調査班の朝香二尉の補佐役を命じられた。調査内容は、外部からの侵入が不可能であるはずの隊長室に仕掛けられた盗聴器の謎を追うこと。犯人はいつどうやって、そしてなぜ盗聴器を仕掛けたのか? ■ 「国防」「自衛隊」という見るからに堅い素材をひたすら軽い文体で仕上げている点にまず意表を衝かれます。蘇部 健一氏の『6 枚のトンカツ』 (講談社ノベルス刊) がお好きなかたなら、このノリはたまらないはず。ところが、古処氏はこの 99.9% の爆笑のあとに、じつに真摯な 2 ページの「転結」を用意しています。読者は、ミステリィとしての「どんでん返し」、そしてこの「落差」というどんでん返しの 2 つを愉しむことができるのです。本作読了後、自衛隊を見る目がかわることは間違いない、社会派本格ミステリィです。 | ||||
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