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花闇
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花闇の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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これは読者をえらぶ小説だ。 私のように小さい頃から芝居(歌舞伎)を観て、その世界に親しんできた人々には、きわめて面白い一冊だと言えるだろう。 是非とも一度は読んでおきたい作品である。 しかし、芝居に馴染み薄い読者や、本作の語り手たる市川三すじの、やや斜に構えたものの見方に感情移入できない人々にとっては、なかなか難しい小説なのではないか(決して難解なのではない)。 田之助の驕慢狷介な性格に、いくらか嫌気がさす人だっているのではないだろうか。 小説というのは、いかにも真実味ある細部の積み重ねで成り立っているものなのに、著者の勉強不足から破綻しているディテールも見受けられる(たとえば、まだ爵位制度が定まる以前の明治初期だというのに、「伊藤博文伯など政府の高官たちもいて、」といった誤表記)。 贔屓の僧侶尚海との行く立てをもっと描き込んだほうが、女形役者の生涯により深みをもたせられたかも知れない。 いろいろと注文をつけたい点はあるものの、断じて本書は一部の圧力団体の手で葬り去られてはならないものだ(東京都心部の公共図書館の蔵書一覧に本書が欠落していた。意図的なものを感じさせる)。 言葉狩りで文章表現を貧しくさせる偏向には、うんざりである。 ともあれ、過度の期待感をいだいて読んだせいもあり、この評価とさせていただく。 | ||||
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