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マーブル館殺人事件
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マーブル館殺人事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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語り手スーザン・ライランドの性格と行動にうんざりする。スーザンのでてこない作中作の部分は面白く読める。カササギからずっとうんざりさせられていたのに忘れて3巻目まで買うなんてほんとにバカだった。2度とだまされない | ||||
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言い訳になりますが、旅行中に発売されたため取り掛かるのが遅くなりました。<ホーソーン&ホロヴィッツ>シリーズ「死はすぐそばに」を読んだのが、2024/9月。そして今回のホロヴィッツの新しい翻訳は、「カササギ・・・」、「ヨルガオ・・・」に続く<アティカス・ピント・シリーズ>最新作。 いつものように現実の?本格探偵小説の中に架空の?本格探偵小説が入れ子になって埋め込まれています。 クレタ島からロンドンに舞い戻った編集者、スーザン・ライランド。彼女は上司から<アティカス・ピント・シリーズ>を若手作家エリオット・クレイスが書き継ぐことになったためその編集を依頼されます。エリオットの祖母は児童文学作家、ミリアム・クレイス。代表作は「ちっちゃな家族」。ミリアムは、売上部数が十億部を超える世界的ベストセラー作家でした。 途中まで書かれたエリオットの原稿は、南フランスの館シャトー・ベルマールに暮らす一族に纏わるミステリですが、作中で殺害されるレディ・マーガレット・チャルフォントが明らかにミリアム・クレイスがモデルであることにスーザンは気づきます。 架空のパズラーに於いていかにレディ・マーガレットは殺害され、犯人は一体誰なのか?現実の?パズラーに於いて殺害されたと思しきミリアムはいかに殺害され、犯人は一体誰なのか?そのエッシャー絵画のようにうねり、繋がるストーリーはおそらく私たちをパズラーの<涅槃>へと連れて行ってくれます。その二転三転するストーリーを追跡する際の<酩酊感>こそがホロヴィッツを読むということなのでしょう。勿論、パズラーの詳細をここで明かすつもりはありません。 途中、エルキュール・ポアロを思い、トマス・ハリスを想起させるシークェンスに至っては一瞬作風を変えたのかとすら思いましたが(笑)、しかしその反転し続けるストーリーは、ビアンコ・カララの如きマーブルの輝きを煌めかせながら大団円へと爆進していきます。 「そうでしょう?モナミ」(笑)。 ▫️「マーブル館殺人事件 上・下 "Marble Hall Murders"」(アンソニー・ホロヴィッツ 創元推理文庫) 2025/9/28。 | ||||
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過去作品も全て読んでいる身としては今回もやはりホロヴィッツは素晴らしいストーリーテラーだと断言出来る。 但し、今回はスーザンのあまりに強引な調査行為には少々行き過ぎ感を覚えた。 確かに色々問題を抱えている人間ばかりだし、いつも体当たりで真実を掴み取って来る感があるので致し方ないのかもしれないが。 また、警部が登場してすぐに彼女との未来の関係性がわかってしまったり、何度も語られているように出版業界の大半に背を向けられているにも関わらず最終的に仕事も上手くいくような流れは少し安易ではなかったか。 本筋からは外れるが、裏切り者は誰かもすぐわかってしまったがこれは過去作からの流れを完結させるために必要だったのかもしれないとは思う。 このシリーズ、最終話と思っていたのがまだ続くとのことなので今後の展開が気になるところだ。 | ||||
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みんな、もう読み終えてしまったのか。もったいなくないか。わたしはもったいなくてまだ上巻の初めのほうだぞ。今年いっぱいかけて楽しみながら読むこととしよう。 | ||||
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アンソニー・ホロヴィッツの人気シリーズ3作目。 3部作完結編って聞いたけど、本当なのかな。 もう、本当にホロヴィッツは天才。 現代作家の中で、最上段にいる一人。 まず、作品の中に作品があるというシリーズの手法が、 奇をてらってるわけじゃなく、完全に成立している。 つまり、本の中に別の作家(いや、ホロヴィッツが書いているんだろうけど)が書いた本がある。 これは、訳者さんも含めてすごすぎる。 文体や全く違う時代,舞台などを感じて、まさにそういう気分にさせられる。 主人公のスーザンが編集者だから、読後(実際の読者としても)の感想での納得感。 本の中の世界で成立している本(二層目)。 そこに関連してくる現実(これは現実から数えると一層目の本)があって, それでいて、整理されている。 どういう風に書いていくんだろうか。こんな本。 もう一つのシリーズも,現実との境目を曖昧にするのが上手いけど, この作品は最高傑作かもしれない。 最後の100ページに、読み返したい部分がたくさんある。 これは全体に言えることだけど、「伏線」という言葉で言い切れない深みと罠があり、 ページを戻っては、驚き、納得し、を繰り返す。 一人で「あー、そういうことか」と何度も感嘆する。 ぜひ、劇中作のアティカス・ピュントが主人公の小説も一つ、スピンオフで出してほしい。 | ||||
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現代の英国ミステリー最高峰と目されるホロヴィッツの最新作。 期待に応える堂々とした本格的ミステリーでした。 ネタばれしないように、主に、主人公について考えさせられたことを記します。 普通、人生の実り豊かさとは、年齢を重ねるごとに芳醇になると私たちは思うのですが、ここで描かれた主人公スーザン・ライランド(50代後半だと推定)の人生を考えると、それがまったくの「幻影」であることに気づかされます。 スーザンがこれまでに出会ったのは、別離、孤独、挫折、解雇、そして破壊された人間関係とその結果としての人間不信。本来は出会いたくない不幸が前作までに次々に襲ってきた彼女の半生。特に直近の前作では信頼していた盟友(上司)とも言える貴重な理解者に、なんと殺されはぐった彼女です。そして、ついに愛せる人を見つけて地中海の小島に移住したのもつかのま、愛はさめて、ひとり、ロンドンに戻ってきた彼女。前回の事件により、彼女の属する出版界でよからぬ汚名が流布され、かつての名編集者が「安定した社員編集者」としての地位を確保するため、フリーの編集者に身をやつして、意にそぐわないひとつの原稿を担当します。ところがこの作品と著者がまた彼女をさらなる奈落の底にまで引きずり下ろすことになるのです。地獄へようこそ、と言った感じです。 そんな設定だからこそ、読者は「人生」を考えざるを得ません。そして、もし自分の人生に「甘え」が感じたら、恥ずかしく思うのではないでしょうか?私はそうでした。 この作品の面白さは、そんな彼女の内面が、言動と心理描写でわかりやすく伝わってくること。そして、ホロヴィッツ作品の魅力ですが、個性的な登場人物とのふれあいと、先の見えない展開です。 今作でもスーザンは普通考えられないような手痛い苦痛を何度も味わいます。しかし「くじけない」という強い人間が描かれているのではなく、もっとせっぱつまった感じで、「やるしかない」的な状況に追い込まれた果ての彼女の決断と言動に多くのことを感じさせられるのでした。 人はどう自らの信念と向き合い、その時その時の事態と対峙するか、を考えさせられる名作と言えると思います。 | ||||
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小説パート、現実パート、どちらも楽しめた。世界的絵本作家が実は陰険で家族を縛り付け、憎まれているという、ギャップが凄い。日本でいうと、手塚治虫とか、やなせたかしとか、吾峠呼世晴とかにあたるのかな?個人的にはある人の逆恨みが一番怖ろしかった。フレネミー。ヒトコワ。ラストも上手く大団円。ただ、アティカスとアランの呪いはまだ続くそうで、スーザンも年老いてきているのにかわいそうな気がする。 | ||||
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以下、ネタバレないように努力します。 概要 〇「小説編」と「現実編」から成る点は『カササギ殺人事件』(以下『カササギ』)『ヨルガオ殺人事件』(以下『ヨルガオ』)と同じ。 ◯「小説編」は『カササギ』ではアラン・コンウェイのピュントシリーズの最新作兼遺作で、『ヨルガオ』ではシリーズ旧作であったが、本書では、アラン死後のピュントシリーズ続編を、売れない若手新人作家に書かせることになり、出来上がっていく続編が、3回に分けて「現実編」の間に挟み込まれるという趣向になっている。 ◯「現実編」の主人公スーザンは、『ヨルガオ』では、クレタのホテル共同経営者兼イギリス出張私立探偵であったが、本書では、『カササギ』と同じロンドンに住む専業編集者に戻っている。そのため、本書「現実編」スーザンは『カササギ』の続編的な部分が多めで、『カササギ』「現実編」のネタが容赦なくバラされている。 ◯「ヨルガオ」は『ヨルガオ』「小説編」のホテルの名前だが、「マーブル」は本書「現実編」の邸宅の名前である。『ヨルガオ』「小説編」も現実の事件をモデル小説風に書いてはいるが、本書「小説編」は、マーブル館のかっての住人が書いていて、モデル性類似性が強いのが面白い。 ◯本書で一番面白く、ユニークなのは、「ちっちゃな家族」シリーズが本・アニメ・グッズ、ミュージカル等で子供大人に大勢のファンを持ち、慈善家として尊敬され、死後も財団が多大な利益を上げている大人気児童文学作家ミリアム・クレイスが、マーブル館の主として、実は品性下劣、ハラスメント愛好者、人種差別者で、家族を精神的虐待し、憎まれながら、金と権力により一族を支配していたとする設定で、見事な悪役と思う。 私的感想 ◯今回も傑作と思う。『ヨルガオ』よりもすっきりしていて読みやすい。(もちろん、『ヨルガオ』も傑作) ◯メインの事件の意外な真相とトリックは、「小説編」も「現実編」も、よくできていると思う。 ◯スーザン大ピンチとなるサブの陰謀も、スリリングで、面白い。 ◯後日譚も楽しい。 ◯『カササギ』『ヨルガオ』に比較して、スーザン妹ケイティの出番が少ないのがちょっと残念。 | ||||
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文句なく★★★★★★ 高齢者になりつつある私だが、第4弾Mile End Murdersが発売されるまで健康でいなければと肝に銘じる | ||||
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