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罪の水際
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罪の水際の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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| 読むスピードが落とせない素晴らしい展開。十分楽しめるが、納得がいかない点が数点残る。まあそんな事は気にしないで楽しめる作品。 | ||||
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| 男性作家なのに、女性作家のような感覚。 主人公のアレックスは予感?直感?が大きく働く休職中の刑事だが、そんななかで起こる事件解決に手を貸す設定だがスリルやスピード感は全くなく全体的になよなよした作風。 次の作品には手が出ない。 | ||||
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| 面白かった。他の作品も読みたい。 | ||||
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| この小説は秀逸だと思いました。 舞台は現代、英国ケント州の、英仏海峡を臨む海辺のまちダンジェネス。 英国ではここだけという砂漠が広がる荒涼としたエリアらしいです。 (表紙のイラストがよくその様子を表しているかと) ここに母娘で暮らす女性警官アレックスの物語です。 彼女は現役の警官として多くの悲惨な殺人現場などに触れてきたため、 現在は、PTSDと言う略語で知られる「心的外傷後ストレス障害」をかかえ、自宅療養を上司から言い渡されています。 しかし、地元である夫婦が謎の陰惨な死を遂げて、彼女も事件の推理・解決に自然に向かいます。 しかし、療養中なので、もちろん犯罪捜査の担当ではないわけです。 警察の同僚は、それを阻止しようとします。彼女のPTSDが重篤になる可能性が大きいからです。 それを心配する一人娘のゾーイ、そして地元の友人たち、近所の知人など。 アレックスはそれら周りの人の配慮を知ってるものの、地元で起きたこの不可解な事件にのめり込みます。 そして、担当警察官ではないからこそできる自由奔放でいささかアウトロー的なアプローチで 真犯人に気が付き、たった一人で追い詰めていきます。 その過程で、件の夫婦の謎の死は、過去の別の未確認の行方不明者の事件につながり、さらには新たな死人も出て・・・。 アレックスの身も何度か危険にさらされ、まさかの展開が物語中盤から何度か繰り返されます。 この小説は、設定がとても魅力的で、ダンジェネスの海辺の荒涼なシーンや、 深夜の夜空を息絶えた人の魂が昇天していく様子、 小さな列車の中での花嫁と花嫁(レズビアン)を祝福する結婚パーティーのシーン そして、フェリーで海峡を越えて、フランスの港町のレストランでのアレックスと男とのひとときなど。 もういきなり冒頭から名場面続きなのですね。 一つ一つの場面が目に浮かぶそうなシーンばかりです。 そして、それぞれ情感を感じさえてくれます。 ウイリアム・ショーの小説で和訳されたのはこの物語がはじめてですが、 アレックスシリーズとしてすでにこの物語含め5冊出ているとのことです。 これは、翻訳されるのが待ち焦がれる作者になりそうです。 ちなみに、玉木亨さんという訳者の訳もとてもよかった。 平易でありながらも、情景や心理がよくわかる、上質な日本語のチョイスがそこかしこで見られます。 真にご機嫌な小説でしした☆彡 | ||||
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| 英国ならではの推理小説だが、いわゆる本格ではなく限られた空間の人間関係を解きほぐしていくタイプのストーリー。あっと驚く真相とかはほとんどないが、舞台となる街の空気やキャラクターを楽しむ小説です。 このタイプのミステリ、確かに色々な関係性を知りたくて一定程度は読ませるのだが、パズルをはめる絵図(犯人、真相)が割と固定化されてしまい、読んでる時に予想外の裏切りを感じることはないように思う。 ※「主人公がいい感じになる相手が○○」みたいな 予定調和がある上で楽しめるかどうかはキャラクターと舞台設定、そして文章力にかかってくるわけだが、本作はそのどれもが70点くらい。 特に主人公はある意味ではスーパーマン的な推理力を持つ一方でトラウマを抱えている(これもよくある設定だ)のだが、カウンセラーとの対話など何の伏線にもならない、感情移入もしづらい部分が多すぎる。 決して悪くはないんだけど何だかつかみどころのない小説だなあというのが正直なところ。これを翻訳七福神の人たちが複数推していたけど単なる不作なのでは?とも思った。 | ||||
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| シリーズ物なのを知らずに買ってしまいました。この巻を単体で読むこともできますが、小さな町で全員が知り合いという設定で、過去に何かがあったらしきことが匂わされるので気になります。 主人公はPTSDのために休職している女性警察官です。解説に書かれている通り、惨殺死体が見つかったり、大きな詐欺事件が発覚したりと小さな町とは思えないほど事件が立て続けに起きます。主人公は居ても立っても居られず事件にクビを突っ込みます。 専門のチームが調査しているのに、蚊帳の外にいる主人公が頭の中で考えただけで事件を解決していく展開はご都合主義に思えました。 この本の魅力は謎解きよりもキャラクターにあるように思いました。どのキャラクターも人間臭く、それぞれに魅力を持っています。「傷ついた」という表現が随所に見られ、人間の脆さが表現されています。最後には絆ができ、希望が持てる展開になります。 ここに登場する人物の幾人かは別の本で主人公になっているそうです。この作者にはまると他を読みたくなると思います。 私はミステリとしての謎解きに感心しなかったので星を減らしました。 | ||||
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| 一、あれこれ イギリスの男性作家ウィリアム・ショーの日本初紹介の作品。解説によると、1959年生まれなので、年齢は60代半ばのよう。 長編ミステリー(警察小説、犯罪小説)は2013年頃から刊行しているようで、まず、1960年代のロンドン近辺を舞台にした《刑事キャサル・ブリーン&女性警官ヘレン・トレーザー》シリーズの長編を年1冊のペースで4冊出し、その後この2人の娘である女性刑事アレックス・キュービディが脇役として登場する長編を1冊出し、アレックスが主役に昇格した長編を5冊出している。 本書はアレックス主役シリーズ第四長編で、原書は2021年に刊行されている。 二、主人公アレックスと物語の舞台 ◯刑事アレックスは夫と円満離婚して、変わり者だがしっかり者の17歳娘のゾーイと2人でダンジェネスに住んでいる。残酷な殺人事件の捜査でPSTDになってしまい、休職中である。 それなのに、ダンジェネス駅のカフェの女性同性婚のパーティの席で、乱入女性が山刀を抜いて花嫁の1人に襲いかかるのを阻止することになってしまう。さらに、近くの街ニュー・ロムニーで凄惨な夫婦殺人事件が起き、同僚たちが捜査に来るが、PSTD休職中のアレックスには捜査情報を教えるな、という上司の指示が出ていて・・。 ◯ダンジェネスはイングランドのケント州南東部の海沿いの町で、原子力発電所があり、一見小石だらけの荒野のようだが、植物、昆虫、鳥等の生態系は豊かで、自然保護区が広がっている。 ◯映像作家デレク・シャーマンが晩年を過ごした土地で、住んでいたコテージと庭が残り、「デレク・シャーマンの庭」として人気のようである。また、本書にも登場するロムニー・ハイズ鉄道がハイズからダンジェネスまでの海岸線を走っている。蒸気機関車が客車を牽くミニサイズのSLで、世界中から鉄道ファンが来るようで、様々な体験乗車写真がネットに載っている。 ◯ハイズの東にフォークストンがあり、その東にはドーヴァーがあるので、パスポートがあれば、ドーヴァーからフランスのカレーまで日帰りデートに行くことも可能であり、アレックスはそれを実践することになってしまう。 ◯アレックスの父は亡くなっているが、母親のヘレン・ブリーンは元気で、ロンドンに一人で住んでいる。本書ではちょっとだけ(?)出てくる。 ◯アレックス同様に魅力的なのが、娘のゾーイ。はじめは野生動物、自然保護に夢中で、突拍子のない行動をしているが、後半は自分の中のレスビアン好みに目覚めて、女性愛花嫁たちの新居に入り浸っている。一方、アレックスの同僚だった元警官と強い友情でむすばれている。しかし、ゾーイがアレックスと住んでいるのは、アレックスの面倒を看る必要があると考えているからである。 三、私的感想 ◯傑作であると思う。 ◯たくさんの楽しい要素を織り込んでいる。アレックスの一人捜査小説としても、アレックスと同僚ジルや元同僚ビルとの友情小説としても、残酷夫婦殺しミステリーとしても、スリラー風味小説としても、アレックスとゾーイの親子関係小説としても、レスビアン小説としても、詐欺犯罪小説としても、男女ラブ小説としても、ケント州南東部の情景小説としても、コミカルな要素を織り込んだ小説としても楽しめると思う。 ◯しかし、本小説の最大の魅力は、アレックスが様々な手がかりにより謎を解いていくと、関係ないと思われていた事件や出来事や物や人間の行動が結びついてくるところにあり、勘違い、人違いを経て、すべての真相にたどりついた時には、この本の中で起きたできごとの中で、偶然に起きたことはほとんどないように思えてくる。 ◯つまり、本書はなによりも、見事な本格ミステリー、犯罪謎解き小説である。 ◯このシリーズをもっと翻訳してください。絶対に読みます。 | ||||
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| 同性婚のパーティーで、波乱があり、警察官がたまたまいあわせ・・・というお話。 人物や人間関係が輻輳し、互いにもつれ合いながら、緩くきつく絡み合い・・・というプロットは推理小説としてよくできていると思います。CWA賞の候補に残ったのも納得できます。 ただ、シリーズ物の5作目という事で、主人公の警察官が抱える懊悩、人間関係などが、いまいち判りづらく、感情移入しにくいのも(個人的には)真実だったりします。出来のいいものから翻訳し、徐々にファンを増やすという流れは、シリーズ物の翻訳ではよくありますが、それだと、中途半端な所からの読みとなり、興を削ぐ感じが否めませんでした。 尤も、推理小説としては、上記の様に良くできているし、翻訳でも文章の上手さは判るので、読んでいる間は楽しかったです。同じ著者のシリーズはもっと読みたいです。が評価が高くても売れ行き次第で、途中で終わるシリーズが多いので、あまり期待しないで続刊を待っております。 推理小説としては、良くできていると思われるシリーズ物第五作。機会があったら是非。 | ||||
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