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(アンソロジー)
英国古典推理小説集
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英国古典推理小説集の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.64pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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この本の最大のウリはやはりフィーリクス『ノッティング・ヒルの謎』の本邦初訳だろう。 江戸川乱歩や中島河太郎(ふるいなー(笑))の著作などで名前だけは有名なので、一度読んでみるかと購入。結論から申し上げると、やはり「小説としての面白さ」という観点からはおすすめしかねる。 被害者の系図、経緯の略年表、現場の見取り図など当時としては斬新な工夫がなされており、多数の証言や書簡から事件の全貌を読者に想像させようとする著者の努力は認められるのだが、それがつじつま合わせに汲々とすることに繋がって盛り上がりに欠ける。見取り図等の小道具も「ソレ、必要か?」と感じられるものが多く、全体にくどい印象だけが残る。これでは未訳だったのも納得である。 他の収録作もあまり感心しないものが多い。 帯には「犯罪、謎、探偵、推理 これぞ原点!ディケンズ、コリンズ、チェスタトン(以下略)」とあるが、名前の出ている三人の作品のどれもがあまり出来がよくない。ディケンズの『バーナビー・ラッジ』の一場面の抜粋など短すぎて作者名を出すのがはばかられるほどで、続くポーの書評の参考のためとしても不充分にすぎる。 評価の定着している『オターモゥル氏の手』はさすがの完成度だが、発表時期は後の黄金時代に属する作品でこの本の趣旨としては疑問符がつく。これが『ノッティング・ヒルの謎』同様の未訳作品ならともかく、過去何度も紹介された有名作なのだ。 中ではパーキスの『引き抜かれた短剣』だけが当時ではまだ珍しい女性の探偵役の登場で眼をひかれた。 全体としては・・・まあミステリの誕生はいつか、といった議論に特に固執される方なら話のタネに、ぐらいですかね。 | ||||
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