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天国はまだ遠く
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天国はまだ遠くの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全73件 61~73 4/4ページ
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文庫本には瀬尾さんのあとがきが載っていました。この話は瀬尾さんの経験からできた話なのかなと思いました。 読んだ後、心の中に暖かさと少しだけ寂しさを感じました。 あの集落が自分の居場所になれたらよかったな…。 | ||||
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死ぬつもりで田舎の民宿へ辿り着いたのは、生命保険会社の若いOLだ。 しかし、死ぬどころか、数々の生きる喜びに接する事になる。 その表現には一切の誇張が無く、淡々と時が流れる。 簡潔で短い文章は、多くを語る。 海釣りして船酔いしては吐き、酒を飲んでは吐き、、、。 よく吐く女性だが、こんな生命現象も彼女を変えたのかも知れない。 また、釣った魚や、鶏がさばかれ、 色々な農作物や、時々焼かれるパンに接するうちに、 都会人の女性は、着実に変化してゆく。 著者の描く情景は、何と透明なのだろう。 この淡々とした物語は、主に「生きる」という事を著している様に思う。 生きる事の意義という仰々しいものではなく、単に生きるという事を、だ。 そして、生きる事は、こんなにも素晴らしい。 | ||||
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自殺志願の女性が一人自分のことを知らないところで死のうとする。 山奥の民宿で睡眠薬自殺を計るけど・・・。 しかし、彼女は死ねなかった。 そのまましばらくその民宿で寝泊りし、 徐々に自分のあるべき場所を見つけていく。 そこはその民宿のある山奥ではなく やはり今まで自分が住んでいた場所だった。 あるべき場所、やるべきこと それに気付いたとき彼女はまた自分の町へ帰っていく。 淡々と進む物語。 でもそれが心地いい。 誰でも仕事に疲れ、毎日の生活に疲れ そして自分を見失いそうになるときがある。 自分だってそうだ。 でも、その場から離れて自分を見つめなおしたら、 違う気持ちを持てるようになるんじゃないか・・・。 そんな思いを抱かせてくれる物語でした。 | ||||
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当り前の主人公は、当り前の人と出会う。 当り前だけど、どこにでも居そうだけど、どこにでもいないかも しれない人達と出会う。 田村さんは普通の人だと読者である僕たちは思う。 主人公の彼女も普通の人だと僕たちは思う。 でも僕は田村さんと、彼女と出会いたい。 農家のおばあさんと、パン屋のおばさんと出会いたい。 出会いたいけど出会えない。それは小説だからと当たり前の事実に 僕らは気づく。 そんな小説だからこそ愛をしい。 心の隅にしまっておきたい、でも貴方に伝えたい、貴方と分かち合いたい。 そんな小説に出会えた事がとてもうれしい。 | ||||
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主人公は自殺を考えて旅に出る・・・辺鄙な民宿で睡眠薬を飲んではみたものの、爆睡しただけですっきり目覚めてしまう。そこから始まる小さな土地での生活。食べ物はきちんと素材の味を保っていて、命を感じさせるし、土地の人たちとの小さな関わりが主人公をすこしづつ変えていく。でもそこがいくら心地よい場所であっても、生きていくのは自分が自分として有るべき場所なのだ。瀬尾さんの本は小難しいことはなにもなく、自然にさらさらと読めるので、読んでいて心地良い。優しい空気が流れる中で一気に読めた一冊。 | ||||
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自分が思っているよりずっと強いものかもしれない。読み終えたとき、そんなふうに感じた本でした。はじめのほうを読んでいるとき、自分がかつて抱いた思いと重なって、とても泣けてしまったのに、読み進めてゆくうちに、この作者の独特の味わいある文章にどんどんひかれて、主人公と同じように、その小さな村のなかを歩き始めていた。あっという間に読み終えて、こころがやわらかくしっとりと落ち着いていた。心地よい1冊でした。 | ||||
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主人公は力を抜くことが下手な性格 元来明るく友達も多かったのだが 仕事にその性格がなかなか生かせない 生きて行くには仕事もしなくちゃいけないし 嫌な上司とも付き合わなくちゃいけない 毎日血を吐く思いをしても・・・ そんな風に思いながら仕事をしている人って 都会には結構多いのではないだろうか? 仕事ってそんなに大事? 人間関係って血を吐く思いをしてまでも我慢するのも? 頭の角ではこんなの生活おかしい 抜け出したいとおもいつつ メビウスの輪にはまっていませんか? そんな気持ちになった人は 是非読んで貰いたい一冊 瀬尾さんの本は読んだ後に体の力がぬけて なんだかポカポカ暖かくなりますよ! | ||||
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文体、リズム、重苦しさ(嫌気)を感じさせない内容、全体的に作者の世界がバランス良く展開し、読み終えたあとは、すっきりと素直に「いい本だったなぁ」と思うでしょう。「いい話だったなぁ」ではなく、「いい本だった」と思わせる作者の力量に、今後も期待していいのではないでしょうか? | ||||
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悩みなんて、他人からみたらクダラナイことが良くあります。でも、本人にとっては、それこそ生きるか死ぬかって問題なんですよね。説教されても、慰められても、だめだったりします。そもそも、他人をありのまま受け止めるのって、とっても難しい。ましてや自殺したい人を受け止めるのなんて。 田村さんにそれができたのは、民宿っていうシステムがうまく働いたからなんでしょうね。お客と宿の主っていうワンクッションが、絶妙の距離を保っていたんじゃないでしょうか。それから、星や海や森や田舎のおじちゃんおばちゃんやチャボ(たぶんあのニワトリはチャボ)…。 自殺志願者なんか甘えてるって切り捨てる人もいると思いますが、でも時にはうんと甘えられる人や場所が存在しなきゃ、やってられないですよね。自立した人間関係の確立のためには、依存の段階も必要なんだし。 | ||||
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仕事にも人間関係にも疲れ果ててしまった千鶴。 貯金を全部おろして、「終わらせる」ために、北へと向かう。 北を目指すのは、日本海の、人を拒絶するような厳しさが、ためらう自分の背中を押してくれると思ったから。 一件だけあった民宿「たむら」の一室で、医者からもらってこっそり溜め込んでいた睡眠薬で、「終わりにする」はずだった。 でも、きょうびの医者がくれる睡眠薬なんかで、死ねるわけがない。 千鶴も失敗して、かといって家に戻る気なもなれず、「たむら」に連泊することにする。 民宿「たむら」は、30歳の独身男田村さんが一人でやっている。千鶴の前の客が来たのは、2年前。民宿ってどういものかわからないから、一泊1000円で泊めてくれるという。しかも、朝・夕二食つき! 死にたいとまで思いつめた千鶴の心は、田村さんの作ってくれるおいしいご飯や、田舎の空気や、田村さんの飄々とした(そうみえる)性格に触れることで、癒されていく。 かといって、明確なカタルシスを得ているわけではなくて、規則正しい日常を送ることで、ごく自然に癒えていくのだ。 千鶴にとって、「天国」は遠く遠くなっていくわけである。 結局のところ、「死」の対極にあるのは「日常」で、救世主なんかいなくても、おいしい食事と暖かい風呂なんかがあれば、人の心って癒されてしまう。 癒されたいなんていってられる内は、幸せなんだろうな。今日を生き抜くだけで精一杯な人も、世界には多いんだもんね。 | ||||
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この本を読むと、とにかく癒されます!日常生活のあわただしさや喧騒から離れてゆっくり自分の進むべき道を考えることの大切さを教えてくれるような気がします。そして、読後がとても爽やかです。自殺しようとしていた主人公が素敵なものに出会って、また前向きに生きていこうとする姿には勇気をもらえます。 風景描写や心理描写が細かく丁寧に描かれているので、文章を読んでいるのに映像が簡単に目に浮かんできます。 | ||||
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新作を楽しみに待っていました。最後に何か?・・・。はなかったですが何より民宿のおじさんのキャラがとてもよかったでした。本当にさりげなくて自分の隣にいそうな感じがしました。主人公の悲しみはとても親しみがあり自分に当てはまるところも多々あったりします。生きていく上で必要なことを教えてくれたように思います | ||||
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良い作品だったとおもいます。 自殺を決意した主人公が死ににいくストーリーだったので おもたいかなぁと思いましたがそんなことはなかった。 人生ってちょっとしたつらいことでヘコみますよね。 主人公みたいな気持ちに私はよくなるので読んでよかった! こういう経験うらやましい。私もいってみたい。 | ||||
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