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(短編集)
金星の蟲(オクトローグ) 酉島伝法作品集成
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金星の蟲(オクトローグ) 酉島伝法作品集成の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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漢字と造語とふりがなで世界を作っています すぐに世界に入れる中編と、少し時間がかかる中編とがありましたが、挿絵も素晴らしかった | ||||
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皆勤の徒とか宿借りの星の印象が強かったこと、直前に読んだ「るん(笑)」の影響でダークでディープでシニカルなイメージがあって、そこが好きだったんですが 重厚で癖のあるSFをベースにしつつもストーリーラインがジュブナイルものだったりラブストーリーだったりするものも収録されており、「こんなに多彩なジャンルを書く人だったのか!」と感動しました。 | ||||
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まず万人にお薦めしない。造語や複雑な漢字の組み回せによる当て字を目一杯使い綴られる物語は、意味の補足などもなく文脈から想像するに任せた癖のある作風で、つまり非常に読みづらい。私の読書スキルの低さもたたり、娯楽として読むSFなのにこれほど苦痛な読書はなかった。これを経験を積めば豊かな日本語表現として楽しめるようになるものなのだろうか。。 内容について堂々とあやすじや感想文を書いたりはしないが、SFと銘打たれているもののいわゆるハイテクではなく、全体的に生物的なグロテスクさが漂った独創的なものであった。私はギーガー的なイメージを被せながら読んでいた。好き嫌い分かれそうだが個人的にはとても興味のそそられる内容なだけに、この読み難さをなんとかしてほしいと何度も思う。なんとかしたらこの作家のらしさがなくなるという懸念もあるだろうが。 話題作と一味違う体験ができるが、それなりに向かい合って読む姿勢が求められるため、重ね重ねなんとなくSFを楽しみたい人はお薦めしない。 | ||||
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酉島芸。時間の無駄。 無駄な時間を楽しめなくなった体力のない自分のせい。完全に。 ロシアアニメが好きな人には刺さりそう。深く。深く。 | ||||
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2020年ベストSFだと言うので買いました。読みました。ぐろい(笑) SFマガジンで掲載されていたときにも読んでいるので、2度めだけれどやっぱりぐろくてハードル高い。 こんなこと考える人は他に居ないよね、という意味では凄いSFだと思うけれど、バイオ系のSFはホラー寄りになる作品が多くて、注意して近寄らないと鬱になってしまう。 ※読んだこと有るなら再読する必要なかったんじゃ?という話は有るが、再読したら印象違うかと思って&SF界へのお布施ですよ。TVで見たアニメの円盤を買うのと同じですね。 | ||||
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自然生命体にフォーカスした作品が多かったイメージの著者だが、本作では近未来的メカトロニクスや進歩した科学技術に関する世界観が展開される作品が多く、これまでの酉島伝法とは違った一面が見れたようでまた著者のことが好きになった。 | ||||
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本書のタイトルは、なぜ『オクトローグ』としたのでしょう? 巻末の「解説」(大森 望さん)によれば、 「タイトルのオクトローグ(octo-logue)は、〝八話〟くらいの意味」(303頁)とのこと。 読者といたしましては、タイトルのオクトローグは、 <タコの八ちゃんの独り言>くらいの意味ではないかと拝察いたします。 「オクト」は、<八>。オクトパスは、タコの八ちゃん。 「ローグ」とは、「さまざまな媒体にばらばらに発表された単発の短篇」(303頁) という意味の(モノ)ローグ。独り言。 ブツブツぶつ切りの蛸酢で一杯やりながらのおやじギャグ連発の独り言かも。 <メンダコ>の足のように、四方八方に伸び、しっちゃかめっちゃかに動く足。 まとまりも<XX>もない「単発の短篇」。単短麺。 ひとつにまとめるだけなら、<七話>でもいいはず。 わざわざ「書き下ろし」を加える必要はなかったのでは…… なぜ<タコ>かって? 宿借りかも。 「体の細胞組織は――軟体動物門に近い」(138頁) 「老い飛蠡(どり)たちが、殻羽(からんば)を脱落させ、たよりない軟体を晒しはじめた」(142頁) 「樹幹のあちこちに備わる遷洞(うろ)に身を沈め、魂を遷(せん)じつつある舞乱蛸(ぶらんしょう)や百嘴蛛(もしも)などの息物(いきもの)」(148頁) 「そのおこぼれに与ろうと、あちこちの舞乱蛸(ぶらんしょう)が、複数の触肢を交互に伸ばして枝を飛び渡っていた」(150頁) タコの乱舞。 「気球めいた体に触手とは。まるで空飛ぶ巨大メンダコだな」(164頁) 「最後尾を飛んでいた華の精の前で、同胞(はらから)が青い粘液を噴き上げ、派手にひっくり返って落ちていった」(175頁) やっぱりタコです。 生きたタコの血液は青く見える。緑の色素<ヘモシアニン>がタコの血液中にあるから。 ということで、この本の装幀は、青か緑を基調にしてほしかった。ブロッコリーの緑色に。 短篇「ブロッコリー神殿」がおもしろかったです。 「〝ぶろっこりー〟〝しんでん!〟」(169頁) 「ブロッコリーが並んでいるみたい」(148頁) 「いずれにしろ神殿めいている」(149頁) ブロッコリーを神殿に結び付ける、何というユーモア。 「物に語らせるなっていうの」 「だからこそ物語って言うんだろうに」(144頁) これもユーモア。くくく。 「ブロッコリー神殿」は、 「ブリューゲルの絵みたい」 「『反逆天使の墜落』あたりだな」(149頁) そう! 酉島伝法さんの作品のぐにゅぐにゅした、吸い付くような肌触りは、タコです。 その気味悪さは、ブリューゲルの絵みたいです。 あらためて、酉島伝法さんが描いた「本文挿絵」(132頁)を見る。 海に浮かびながら増殖している生物、息をしている「息物」。 本書の中の短篇「ブロッコリー神殿」を読んで、 スタニスワフ・レムの『ソラリス』という長篇小説を思い出しました。 地球の海全体を覆いつくそうとする、人間以外の理性、謎の知性を有する生き物。 新型コロナウイルスは、人間の肉体に潜り込み、感染を拡大し続けています。 ウイルスたちは、小さいので、どんな生き物の細胞の内側にも潜り込めます。 もしも「百嘴蛛(もしも)などの息物(いきもの)」(148頁)が、 地球全体を覆ってしまったら、人間たちは生き続けていけるでしょうか。 心配です。新型コロナウイルスとの闘いに疲れ気味の人間が増えてきているようですし。 ウイルスは、酸素のない宇宙でも生きていけます。 RNAウイルスは、酸素のない宇宙ではDNA(デオキシリボ核酸)となって 遺伝し増殖していきます。ウイルスと人間の戦いは、まだまだ始まったばかりです。 本書「解説」の大森 望さんは、 「酉島伝法の変わらなさと変わり具合を同時に味わえるオクトローグ。十年後にまた読み返したい」(311頁) と書いています。 読者も、これから十年間、酉島伝法さんの作品から目を離せなくなりました。 | ||||
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粘膜ぐちゃぐちゃ、ドロドロ、陰鬱、が全開でこうゆうのが好きな自分としてはたまりません。 1篇1篇、味わいながら読んでいます。牧野修、筒井康隆、飴村行、高田侑などが好きな方、必読です。 作者は「皆勤の徒」「宿借りの星」などで今までに無い独創的な文学世界を構築しており、こちらもお勧めです。 | ||||
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