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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン オセージ族連続怪死事件とFBIの誕生
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン オセージ族連続怪死事件とFBIの誕生の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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先に映画を見て原作を読みました 面白いです | ||||
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映画で描かれていること以上が知れて良い。 小説ではないので少し読みづらいです。 | ||||
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スコセッシの映画が最高だったので原作も読んでみたけど、映画ではわからなかった時代背景とかがよりわかる。本当に事実は小説より奇なり。 | ||||
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映画を鑑賞する前に買って読みましたがとても参考になりました♪ | ||||
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マーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロ、レオナルド・ディカプリオ主演の映画「キラーズ・オブ・フラワームーン」の原作。五百ページ近い分量があるものの文章が大変読みやすくスイスイ読めた、これは翻訳の功績か。 1920年代に発生したアメリカ先住民オセージ族の連続不審死。自然死か他殺か?黒幕は一体誰?石油が生む巨大利権が絡んだ陰謀が町を脅かす……。 事実は小説より奇なり。映画と違い本作の第一章はモリ―視点のミステリー仕立て、第二章は捜査官トム・ホワイト視点の謎解きパート、第三章は時間が現在に飛んで著者がモリ―の子孫や被害者の遺族にインタビューする三部構成。 先住民を無能力者と見なし金の出納を管理する後見人制度など、人権や尊厳を蔑ろにする搾取システムが罷り通っていた時代。どうしてこんな酷い事が見過ごされてきたのか、理不尽に憤りを感じる。ありていに言えば胸糞悪い。 白人優位社会における差別する側の傲慢さ・愚かさが描かれ、人間のどうしようもなさに打ちのめされた。 作中には資料写真が多数添付され、被害者やその遺族、黒幕ヘイルやその共犯アーネストの顔が拝める。同時に膨大な脚注や巻末の謝辞から、本作が数年に亘る綿密な取材をもとに書き上げられたとわかる。 映画を見た人の中には(ひょっとしたら)アーネストに同情する向きもあるかもしれないが、本作を読めばその気の迷いは消し飛ぶ。 爆弾で吹き飛ばした家に当日自分の子供ふたりを泊まらせる予定だったとか……しかも釈放後は現地に戻って自分の両親や兄弟と暮らし、「オセージの地に遺灰を撒いてくれ」、こともあろうに息子に頼んでいる。 いやいやどんだけ自己本位な人間なのお前、最初から最後まで自分の事ばっかやん。自分がした事と子供への仕打ち考えたらよくそんなこと言えたなオイ?? 本作を読むと映画はまだ美化されていたというか、アーネストがマシな人間に思えてくるから怖い。 映画はパンフレットないらしいので、パンフ代わりに原作に当たってみるのを推奨。映画は犯人側視点のサスペンス、原作はモリ―(被害者)+トム(捜査官)視点のミステリーとなっているので、それぞれの状況を補完できる。 タイトルの花殺し月はインディアンの五月の呼び名。小さく白い花の養分を、丈の高い雑草が吸い取って枯らしてしまうから花殺し月と呼ぶ。 「神様が紙吹雪(ペーパー)を撒いたような」と比喩される光景であるが、私には白人が持ち込んだキリスト教の価値観(ペーパームーン)が、インディアンの信仰や文化を覆い滅ぼしていくメタファーにも思えた。 本作の深い所は、決して他国の過去の出来事と割り切れない点。人種差別はアメリカだけじゃない、世界中に、そしてこの日本にもある。 我々はオセージ族の連続不審死を見て見ぬふりしていた傍観者や、裏で手を貸し搾取に与する加害者になってないか? 第三章にて当時の資料を漁った著者は、ヘイルに罪を被せて逃げおおせた無数の「殺人者」の存在に気付く。 我々の中にもヘイルはいる。 アーネストがいる。 唾棄すべき卑劣な悪党が、劣ってる人間は差別していいと奢り、そもそもその「劣ってる」前提が間違いであるのを認めず、他者を食い物にして許されると考えている底抜けの愚か者が。 福田村事件は百年前の出来事?たった百年前だ。 | ||||
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映画公開の直前に単行本で読んだ。 単行本の日本語タイトルは「花殺し月の殺人」。 由来は、4月に咲いた小さな花が5月に生えてきた大きな草や花によって駆逐されてしまうので、オセージ族は5月をフラワー・キラー・ムーン、花殺し月と呼ぶ、ということから。 英語タイトルとは違っているが、キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンは、花の月を殺す者たちという意味なので、「花殺し月の殺人」は意味的には合っている。 先に咲いた小さな花は先住民、あとから咲いて小さい花を駆逐する大きな草花は白人だろう。 映画化は、オセージ族のある家族の財産をねらう2人の白人を最初からワルに描き、それ以上に話が広がらない、先住民を食い物にした当時の白人社会の悪までは描かれていないのが残念だった。 本書はまず第一部では誰が悪いのかよくわからないように描き、第二部で財産を狙う白人たちのワルぶりを描き、そして第三部で悪いのは一部の白人だけではなかったという衝撃の事実を見せる。 この展開がミステリーとして面白い。 映画もよいが、歴史を知るにはこうした本をきちんと読まなければだめだということを思い知った。 本書では原文でインディアンと書いているところはインディアンと訳している。古い資料では先住民とは書かず、インディアンと書いていたので、そうした資料からの引用がインディアンとなっている。 | ||||
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丹念に記録を調べ、膨大な証言をもとに紐解く恐るべき邪悪。 スコセッシが映画化するというので読んでみたが、実に驚愕の書であった。 アメリカ史における「開拓」とは実際のところこうだったのだ。血が叫ぶ土地である。 | ||||
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この現実に起こった悲しい歴史の町に行きました。2022年は映画が撮影されて、映画関係者が250名近く半年近く滞在し、撮影が行われ、正直こんな残忍がことが本当に立った100年前に起こったのかとびっくりしました。ネイティブアメリカン、オセージ族は政府の強制移住法によってオクラホマ州に歩いて移住してきました。ブランケットにくるまい、わずかな水と食料、たくさんの命が途中絶たれました。オセージ族の中心地パファスカの町は以前はさびれた町でしたが、いまはカジノ経営のライセンスをとりカジノ経営もしそのお金がオセージ族の収入にはなっていますが、アルコール依存症、ギャンブル依存症もうんでいます。この本は善い悪いと片付けるのではなく、事実を知り、どのような未来をこれから作っていくのかきっかけになる本だと思います。多くの方に読んでいただきたいです。映画にはレオナルド、デカプリオが悪役になりますが出演しています。予定では2023年秋には一般の方にも観れると伺っています。15年の間に600人以上の方が小さい町に亡くなり、行方不明者はカウントされませんので、実際はその2倍3倍とともいわれており、本当の数はわからないのです。日本のアイヌと通じるものがあります。本当にあった話です。ぜひ読んでいただきたいです。 | ||||
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この間見た「アイリッシュマン」に続くスコセッシとデニーロの次作(+ディカプリオ)ということで読んで見た本。1920年台のオクラホマでの石油利権をめぐるインディアンの連続怪死事件に関するノンフィクション。FBIの捜査で解決したかに見えたのですが、100年後の調査でさらに驚くべき真相が明らかになります。 アメリカとヨーロッパによる黒人搾取の歴史への抗議が連日ニュースのトップを占める中、インディアンに対する収奪の歴史を鋭く描いた本です。お勧めします。 | ||||
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三部構成の最初の二部は残されている資料をもとに書かれているのか、事件のあらすじを読んでいるようで、それほど面白さは感じませんでしたが、三部目は筆者が実際に現地に赴いて取材をしているので、グッと面白みが増します。そして、徐々に事件の全容が明かにされますが、人種差別の根深さにただただ驚かされるばかりです。「インディアン」は差別用語だから「ネイティブ・アメリカン」と呼びましょうと言われても、逆にわざわざ「ネイティブ・アメリカン」なんて呼び名を変えて呼ぶほうが差別なんではないかと今まで思ってましたが、集団で形成される差別の感情の大きさには恐ろしさすら感じました。ただ、もう少しFBIの誕生という点に焦点をあてたり、取材に赴いた筆者が「ずっと聞きたくてうずうずしていた話」を省略しないで書いててくれたら、もっと面白かったのになと、それだけが残念です。 | ||||
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原題は「Killers of Flower Moon(5月の満月の殺人者)」で邦題は拙いだろう。以下、今では差別語となっているインディアンという呼称を用いるが、これは訳文でそう表記されているので、ご容赦を。本作のヒロインはオクラホマ州のインディアンのある部族のオセージ族(保留地が豊富な石油埋蔵のため資産家)の4人姉妹の次女。第一部において、物語はヒロインの姉の失踪・殺害から始まるが、どちらかと言うと、19世紀後半~20世紀前半(事件は1920年代)のオセージ族の年代記及びアメリカの開拓史という体裁である(ヒロイン一族を初めとする写真が満載)。記録から事件が連続殺人かつ史実である事が分かる。 第二部において、FBIの前身である捜査局の捜査官ホワイトの捜査が始まるが、こちらも記録文学の趣きが強い(こちらもフーヴァーやホワイトや犯人(!)等の写真が満載)。FBIの成立過程(これで副題-FBIの誕生-の意味が分かった)やホワイトの半生が綴られる。更に、フーヴァーの"人となり"や当時の賄賂・買収・偽証が横行する腐敗した警察・司法機構の様子なども紹介される。勿論、ホワイトの捜査過程や泥沼化した裁判(陪審員は白人12名、インディアン達を殺した罪で白人を有罪とする陪審員が居るだろうか?)の模様が中心であるが。判決後、高潔なホワイトは捜査局を去り、フーヴァーはFBIを設立する。 第三部(時は21世紀初頭)において、著者の分身である記者が石油枯渇のために今は寂れたオセージ族の住む街を訪れ、推理とは言え、第二部までは闇であった事件の深部を炙り出す。題名からミステリと思うと落胆するが、インディアンとFBIに関するノンフィクションだと分かると違った重みがある。インディアン(先住民)に対する思い遣りをベースに、インディアン蔑視及び金持ちインディアンからの強奪という倫理に悖るアメリカ史を卓越した調査力(巻末の参考文献の夥しい事)及び取材力で"つまびらか"にした力作だと思う。 | ||||
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約100年前に軽く見積もって20人以上犠牲となったオクラホマ州での殺人事件の話。100年前とは言え大きな事件の為、私が知らないだけで結構有名な事件なのかと思ったが、著者曰くアメリカ人でも大半が知らない事件らしい。 1870年代、白人たちの都合で他の地域から追い出されたオセージ族と言うアメリカ先住民がオクラホマ州の一画に移住する。痩せて農耕には向かないため、白人にとっては無用と思われた土地なのだがオセージ族が移住後に石油が発見される。 当時のオセージ族には賢いリーダーがおり移住するにあたり地下資源等々にも権利が及ぶような条件で契約していた。そのため全米の石油発掘業者が事業を行う際オセージ族に掘削権のリース料を払う形になりオセージ族全体に莫大な金が転がり込むようになる。 移住から40数年後、オセージ族は全米でも屈指の富裕層となっていた(アメリカ人が自動車を持つ割合は10人に1人に対しオセージ族は1人あたり平均で10台保有していた)。有色人種や先住民に強い差別がある時代のアメリカで、オセージ族は白人を使用人に雇い、人によっては白人と結婚している者もいた。 事件の始まりはオセージ族のある姉妹の長女(アナ)の失踪から始まる。失踪から一週間後、アナは頭を拳銃で撃たれた死体となって発見される。さらに時を同じく別のオセージ族の男性がアナと同じように頭を拳銃で撃たれて死亡していた。 その後、別の犯罪で捕まった男がアナの離婚した元夫(白人)からの依頼でアナを殺したという自供をする。元夫は逮捕されるが何も証拠はない上に自供した犯罪者との接点もなく釈放される。理由は分からないが嘘の自供だった。 殺されたアナの妹(モリ―)は地元有力者である男の甥(白人)と結婚しており、その有力者である叔父の力で検察を動かしさらなる捜査を実施するも容疑者不明で迷宮入りとなる。そして数か月後アナとモリ―の母親も謎の病気で死亡。母は毒により殺されたのではないかとモリ―は疑いを持つ。 先住民族に無関心な司法当局を動かす為、資金力だけはあるモリ―たちは犯人探しに懸賞金を賭け、大牧場の経営者でお金持ちの叔父は都会から凄腕の私立探偵を雇うなどするも捜査は進展しない。さらには他のオセージ族、親先住民的な弁護士、ワシントンで連邦当局に働きかける事を約束をした石油業者の男など、次々に不審な死が続く。 この本は3部構成で、第1部はモリ―の身の回りで起こる不審死とオセージ族周辺の社会情勢、モリ―やオセージ族に関係する人物紹介。第2部は司法省捜査局(FBIの前身)局長フーヴァーの野心により派遣される捜査官の紹介と事件捜査から解決にいたるまで活躍と事件の真相、そして裁判。第3部は事件解決後、残った謎に著者が迫る内容。 金はあってもまともな国民として扱われない先住民に対し、極悪非道な白人たちと先住民から搾取するインチキ極まりない制度、正義のかけらもない地元司法関係者が絡むアメリカの暗黒史。 見出しにミステリーとして読めるノンフィクションとは書いたが、フィクションならミステリーのお約束は無視のすっきりしない話で、目的はほぼ明確に分かるが、登場人物たちの供述や発言が嘘にまみれ、誰が誰を殺したか完全にははっきりとしない複雑な犯罪。 著者は資料に基づいた事実のみを真面目に書いており、自分の推測は入れておらず至って硬派な内容。 若干の不満点としては、本の最初に【主な登場人物】として12人ほど紹介されてはいるのだが、その程度では全く足りないほど登場人物が多く、メモしながら読まないと「この人誰だっけ?」となる。(私の記憶力が弱いだけかもしれないが) 不謹慎だがノンフィクションであるにもかかわらずエンターテイメント性がある事件で面白かった。個人的には映画化して面白くなる本はほとんど無いと思っているが、この本に限っては映画化したほうが分かりやすくなるかもしれないので期待できる。(帯にスコセッシとディカプリオで映画化と書いてあった。) | ||||
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