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(短編集)
クライム・マシン
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クライム・マシンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 21~22 2/2ページ
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作者のジャック・リッチーは、ほぼ短編のみを350編も書き続けた、短編ミステリ職人だそうで。なんだか『ヒッチコック劇場』を観ているような気になる作品が多いがそれも道理、ヒッチコックマガジンやEQMMなどが主な活躍の場だったらしい。 とにかく文章を削る事に腐心した作風で、結果としてアイデアを綴る最小限の言葉しか使わない事が、時代を感じさせる単語をも排する事になり、普遍性をもたらしているのである。 印象に残ったものを挙げておく。 -)「歳はいくつだ」 余命くばくもない男が、最後にやりたかった事は。。。。重さや暗さを感じさせない痛快編であるが、ラストの悪魔的余韻が曲者。 -)「エミリーがいない」 人間心理の裏を読む対決モノなのだが、仕組まれたどんでん返しが痛快。81年のアメリカ探偵作家協会最優秀短編賞受賞作。 -)「罪のない町」 僅かなとりとめの無い会話から、悪の萌芽を漂わせる、まさに職人芸の逸品。 -)「カーデュラの逆襲」/「カーデュラと鍵の掛かった部屋」 本書に4作収録されている、カーデュラ探偵社シリーズから二作。世界的に有名なあの貴族を捩った、タフネスどころか不死身のオプ、カーデュラの奮闘編。仇敵である民俗学者の末裔に立ち向かうカーデュラのウィットに富んだ作戦が秀逸な「逆襲」。「鍵の掛かった部屋」は、知性とセンスが光る、密室モノ。 | ||||
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日本ではあまり知られていない作家です。 「このミステリーがすごい!」2006年海外編第1位ということなので、期待して手に取りました。 驚きました。衝撃でした! どの小説も、犯罪のにおいのする出来事が淡々と進行していき、おきまりの最終場面に行き着くかと思ったところで、信じられないようなドンデン返しが待っています。 とえば、アメリカでMWA賞というのを受賞した『エミリーがいない』では、“妻殺し”と思われる物語が進行します。 エミリーが不在になったことを不審に思う従姉が、少しずつエミリーの夫を追い詰めました。とうとう夫は夜中にスコップを持って、屋敷内のある場所を掘り始めたとき、懐中電灯の多数の灯りが周りを取り囲み……。 ありふれた物語でしたら、ここで死体が発見され、夫から殺人に至った事情が語られることでしょう。 しかし、ジャック・リッチーは違います。 実際に何が起こったかは本書を読んでいただくとして、あまりの意外な結末に「やられた!」と心の中で叫んでしまうことは間違いないでしょう。 他の短編も、最後の最後まで目が離せません。終わりのたった2行で、物語が正反対にひっくり返ってしまったものもありましたよ。 あの映画『スティング』のドンデン返しばかりを集めた本、と言っても、けっして嘘にはなりません。 どんな頭の構造をしていたら、こんな発想ができるのかなぁ。……と感心したのは、星新一のショートショートを読んで以来です。 「このミス」の過去のリストを見ると、映画でも大ヒット中のあの『ダ・ヴィンチ・コード』が、2005年度の4位にランキングされています。 たとえ大ヒットしても「4位」と位置づけるところに、「このミス」の真骨頂を見ました。 ふだんミステリーを読まない方も、この機会にお試しください。 | ||||
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