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おごそかな渇き
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【この小説が収録されている参考書籍】
おごそかな渇きの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.41pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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表題作のみについてのレヴューであることを最初にお断りしておく。「朝日日曜版」に8回連載して中絶した遺作。今までの著者とは別の面を切り拓きそうな気配の濃厚な作品であることからも、途絶を惜しむ声が多いが、人生に完結がない、という意味では、むしろ、置いてけ堀をくわされたわれわれはかえって色々と考えさせられるという意味で、僥倖だった気もする。この作品が、山本周五郎の最後の向かう先を示していることに、憧憬というか、ホッと安堵するような気もするのだ。「神は人間に命を与え、それを奪いたもう」「どうせ召し返す命なら、なぜその命を与え給うのか」。この命題に答えを見出せる御仁など、この世に存在するとも思えない。そもそもそんなものを小説の主題にしてどうなるものでもないだろう。答えを見出しての起稿ではなかったはずだ。それでも、彼は、どうしても書いておきたかったのだろう。原子力などという途方もないものを作り出した人類の行く末どころか、自分の存在の意味さえ皆目つかめない。人間は成長するために生まれてくるのだ。とも言えるかもしれないが、それも一つの解釈でしかない。生きる意味なんて、自分で納得いくように思い込むしかないものでもある。こんな今さら、のことを青臭いと一蹴しない山本周五郎文学の最後のやむにやまれぬ“渇き”につきあうことこそ、この作品の意義だと思う。行き倒れの主人公・松山隆二も、彼についてくる「りつ子」も、その父である竹中敬吉も、作中で生き生きと息づいている。四十がらみの啓吉は日本脱出を試みようとしている。それは、日本の風土が生む人間関係に嫌気がさしたかららしい。しかし、三十代と思われる松山は、ブラジルへ行こうとも事態が好転するとは思えない。彼自身は東京へ行こうとしているが、それは事態の打開を望んでのことでもないらしい。ただ、喪うもののない強みだけが頼りのようでもある。十四歳の「りつ子」は、そんな松山に着いてくる。そのわけは、ブラジルには行きたくないからだ、ということになっている。「りつ子」の子どもから女性へと変態しようとする様が生々しく描かれる。それは物語の“胚胎”をも意味しているかのようだ。誰も悟りすましていないし、この三人のお互いを思う気持ちの優しさも身に染みる。彼岸を前にした山本周五郎の観念の先に幻視した世界の豊穣に想いを馳せた。 | ||||
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・一本気な奉公を描いた戦前の2作を除けば、周五郎の人情を基底に据えた、味わいのある世界が、この本にも詰まっている。人としての幸せを、どうすれば手繰り寄せられるか、張る意地が月並みな幸せを逆に、遠ざけてしまったりして、そうじゃない、と読みながら独り言ちしてしまったりするが、正しく一徹な周五郎ならではの筋立てに、唸らされもする。 中でも、映画となった「雨あがる」の、現実に裏切られる中で強まる夫婦愛に漂う哀しみは、忘れ難いし、死によって未完となった表題作には、珍しくも現代ものに託さんとした、人間のあるべき生き方に向けた、周五郎の一途さを、強く感じたりもした。 | ||||
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山本周五郎さんといえば時代小説ですが、表題は絶筆となった宗教を問う現代を扱った作品です。 いささか内容が概念的な要素を多くて、★4つにさせていだきました。 これが判るようになると、山本周五郎を理解できたことになるのでしょうか? 他に収められている作品としては、映画化されて話題となった『雨あがる』こちらは何度、読んでも飽きない作品で、 主人公とその妻の関係は心を温かくしてくれます。 中でも、この作品集で一番好きな作品は『あだこ』。 読み終えると、自分の心の中をさわやかな風が吹き抜けます。周囲で人間トラブルが起きた際、読み返しては勇気をもらいます。 | ||||
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どの小編も、分かりやすく素直な気持ちになれます。修身の教科書のようでやすらかに読み終えました。 | ||||
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山本周五郎作品は好きなもので、すぐに入手出来、綺麗な本でした。 | ||||
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相変わらずの庶民の生活を描く山本周五郎。 短編集であるが、各お話は最初の数ページはほぼ頭に入ってこない。 これは文体が少し古いのと、登場人物が分かりにくいのともろもろの理由があるが。 しかし、中盤から終盤にかけてどんどん話が盛り上がってくると内容が俄然頭に入ってきて最後は感動してしまう、 というのが自分の周五郎さんの読み方である。 基本的に長屋人情物を描く周五郎さんの短編はさほど代わり映えがしないが、この書はバラエティに富んでいた。 ちょっと、ホラーっぽいのもあったし。 最後の未完成で絶筆した表題の「おごそかな渇き」は長年対峙してきた宗教を扱ったものであるとのこと。 さながら現代の聖書を志した著作であったがかなり早い段階で絶筆してしまったのは惜しいところ。 | ||||
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いい本です!! 皆さんにもおすすめします!!! 自分をいい本です!! 皆さんにもおすすめします!!! 自分を見つめるいい機会になればと思います!!! 見つめるいい機会になればと思います!!! | ||||
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人間の心情を見事に巧みな文章で 描いていて読んでよかったと思います。 どの短編も心に響きますが 今回「あだこ」「もののけ」 そして絶筆「おごそかな渇き」が 特に印象的でした。 山本周五郎をもっと丁寧に読み込んで いきたいです。時代を超えて残っていく 短編の名品です。 | ||||
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名人芸!そう唸るしかない出来栄えである。 「山周=人情」という見方があるが、 その人情は決して甘いものではない。 情ある行動を貫くことの厳しさをとことん 描ききっているのが山周だ。 もっと背筋を伸ばして生きなければ。 いずれの作品も読後そう思わせる力がある。 私はどちらかというと本をきれいに扱うことは しない。線を引いたり、ページの端を折ったり。 ただこの本は、傷つけないように、汚さないように 丁寧に読んだ。 なぜか。 何か神々しいような輝きが行間からにじみ出ている 作品集だからである。 | ||||
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周五郎さんの小説はほとんど読んでいます。 どれを読んでも良いですので、まだの方はどれからでもどうぞ。 …こういう短編集は読みやすいので、それもお薦めです。 周五郎さんの本の主人公は、 決して「人を押しのけ前へ前へ」と出る人はいない。 そしてどんな小さい事でも「やり通す」人、「やりきって」結果を出す人の強さと輝き。 そこに人としての本当の人生を感じさせてくれます。 人の勝利観があります。 この「おごそかな渇き」も、 通勤電車なんかで読んでると… じんわり泣けて泣けて仕方のない… …そんな気恥ずかしい体験をされるかもしれません。 「常識は時代と共に変わるもの」と思っている方もおられるかと思いますが、 読んでみると「普遍の人間的なもの」を分からせてくれます。 そして「ああ、こういう人間に成りたい…」と常に思わされる「人生の達人道」があります。 おすすめ。 | ||||
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とにかく山本周五郎の小説は、心の動きの機微をよく表現しているのが、いいと思います。 | ||||
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10の作品、山を分け行くように作者の世界へ引き込まれるようです。そして夫々の物語の夫々の主人公が語っています。その心情を吐露する言葉、考えを結晶化したような言葉を伝えんがために書かれた小説です。もちろん、読者を物語の中に引き込む優れた技法もあるのでしょうが。なぜにこの作者に惹かれるのかは、明確に説明できませんが、人それぞれに、時折おりにゆたかさを与える書物だと思います。書名の「おごそかな渇き」は十作品の中の一作品のタイトルで、唯一抽象的な意味合いがついたものです。書名にこだわらず、楽しめます。「石中に火あり、打たずんば出でず。」今回のベストアイディア。 | ||||
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珠玉のヒューマンドラマがつまった傑作短編集。すべての物語が本当に心を揺さぶらせるものであります。時代小説が主でありますが、そこは周五郎先生、現代の我々が読んでもまったく古さや時代によるズレなどありません。ほんとうに感動しっぱなしです。その感動を呼ぶのは物語の主題だけでなく、やはり筆の力によるものでしょう。人間の心をやさしく見つめる周五郎先生、最高な物語集をありがとうございます。 また、絶筆となった表題作。現代の物語であるが、旅に出た二人はどうなってしまうのか、また残された父親はどうなるのか?今となっては結末まで読むことはできませんが、興味深い作品です。 山本周五郎に興味のある人は本作から読んでみてはいかがでしょうか?心を揺さぶる熱い作品が詰まっています。 | ||||
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表題作は長編として煉られた新聞小説ながら、わずか8回目で絶筆となったもの。なわけで、後期の短編を集めたのかと思えばそうでもなく「蕭々十三年」「紅梅月毛」はいかにも周五郎の戦前戦中らしい作風でややたじろぐ。しかしそれ以外かなりせつない「野分」をはじめ黒澤明の絶筆とも言える「雨あがる」「将監さまの細みち」など絶品ぞろい。中でも「鶴は帰りぬ」は青春小説としてかなり胸キュンである。「あのときあたしは人の一生の決まるところを見たんだってね」というおせき姐さんのせりふが粋で決まっている。平安もの「もののけ」は現代批判を戯画化したいつもの手だがこのジャンルでは悪くない。「かあちゃん」はできすぎた話だが読んでいて相当気分がいい。あたくしのおすすめはなんてったって「あだこ」これはかわいいでしょう。津軽弁も効果的にかまされてます。しかし、最大の問題作は表題作であろう。これだけは相当異質である。おもしろいかどうか、これからというところで終わってしまうので残念だが、完成していたら村上龍コインロッカーベイビーズのような作品になっていたのではないか。しかし正直なところ、他の短編が極上、ゆえに星5つ、というところである。 | ||||
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