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天龍院亜希子の日記
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天龍院亜希子の日記の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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小説すばる新人賞受賞ということで、読んだ。 ゆえあって、ここ最近新人賞受賞作を何冊も読んでいたのだが、本作は群を抜いて面白くなかった。 お話の起承転結はちゃんとしているし、小説として構成されてはいるが、起こる事象がどれ一つ面白くない。 登場人物は薄っぺらく、主人公などは過去のイジメをまるで、武勇伝かのように述懐する。 浮気の描写などもありふれているにも関わらず、ちょっと斜めからみたような、ちょうど気持ち悪い自意識が前面に出ていて、怖気が立つ。 文章は下手ではないと思うが、冒頭が最悪で、ポエジーなのかアートなのか、何か意味不明なものを狙った風に書かれていて、盛大にスベっている。ちなみに、何作か読んだ新人賞受賞作の中で文章が一番下手だと感じたのは、このミス大賞の『密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック』である。この作品には「そして」が「伝説」になるくらい頻出する。けれど、本作に比べたら100万倍は楽しめた。 しかし、他の方のレビューを読むに、どうやら本作はエンタメではないらしい。 これに私はハタと膝を打った。 すばるには本作の「小説すばる新人賞」の他に純文系の「すばる文学賞」があるから、てっきり本作はエンタメ作品だと思っていたのだ。 確かに、同賞の『櫓太鼓がきこえる』もエンタメとしてはかなり弱いし、出来がいいとは言えない(相撲の呼び出しが主人公というオリジナリティがあるため、『櫓太鼓がきこえる』はまだ楽しく読めたが)。 なるほど、文学作品としてこれは読まれるべきなのかと、考え直したが、なら、余計面白くないという結論に至ってしまう。なぜなら、新規性がないからだ。ただの、旧態依然とした中途半端なリアリズム小説である本作に文学、文芸としての価値は、何もない。 作者自身も最先端を走る文芸と思ってやってはいないだろう。これは確信的に言える。 となると、これは文学崩れの大衆小説というのだろうか。 そんな気がする。エンタメでも文学でもない。 まとめると、本作は、 起承転結はしっかりしているし作者の狙いはあるが、起こる事象がいちいちつまらなく、登場人物に魅力がなく、作者の思想性(メッセージ性)には反吐が出る(あくまでも個人的に)ものである。 そして、作者の一番の企みであろう、「天龍院亜希子」が日記だけで、実際に登場しないというハズシもスベっていて、面白くない。 | ||||
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