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実話怪談 恐の家族



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【この小説が収録されている参考書籍】
実話怪談 恐の家族 (竹書房怪談文庫 HO 604)

実話怪談 恐の家族の評価: 3.11/5点 レビュー 9件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.11pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

家族を主体とした怪談アンソロジー

怪談ルポライターとして実録怪談集を上梓する一方で、古典知識を活かしながら伝統的な日本の怪談にも取り組んでいる川奈まり子氏が選者となって編集したアンソロジー作品集。
川奈氏曰く、古典怪談にしろ、現代の実録怪談にしろ、家族に纏わる話が非常に多いとの事…「家族間では赤も他人同士より互いに強い感情を抱き易い」為に、そこに渦巻く負の感情が尋常ならぬ怪談を生み出していくのだ。

さて、本書に収録されているのは西浦和也氏、松永瑞香氏、岩井志摩子氏、Dr.マキダシ、そして編者本人の川奈氏、以上5名の作品であるが、怪談分野に明るくない私は何方も存じ上げなかったので、客観的な書評は詳しいレビュアーの方達にお任せするとして、私はあくまでも素人なりの感想だけを書かせて頂こうと思う。

先ず印象としては、家族の怪談というともう少し「ほのぼのとした」ものだと思っていたが(勿論、祖先が守ってくれる、亡くなる時に会いに来てくれるという定番もあるのだが…)、実際にはかなりドロドロとした、或いは戦慄を覚えるような作品が多い。
特に、西浦氏「義実家の墓」は運命と因縁に加えて祖先の重さ…という避けがたい宿命が二重にも三重にも重なる重苦しい作品であるし、松永氏に依るタイの怪奇譚は読んでいるうちに外国を舞台とした作品である事を忘れてしまうくらいに親近感がある。
また、Dr.マキダシの作品は家族云々よりも典型的な「病院の怪談」として存在感があった。
尚、何れの作品も仮にそれが憎しみや嫉妬…或いは歪んだ形であったとしても何処かに“家族の絆”が感じられる作品が多かったのだが、正直言って、岩井氏の作品にはそれが感じられず、少々不快な印象が残ってしまったのは事実である。
勿論、これは私が「家族」に理想を抱いているだけかもしれないが、この作品を読んでしまうと「家族」と言うものがとても不潔に思えてしまうので、本書の意図にはやや反するのではないかと思うし、内容からしても怪談集に収録するのは如何なものであろうか…。

だからこそ最後を川奈氏自身の作品で締め括った事には安堵感がある。
やはり川奈氏には編者としてではなく、御自身の作品で勝負して頂きたいと思う。
実話怪談 恐の家族 (竹書房怪談文庫 HO 604)Amazon書評・レビュー:実話怪談 恐の家族 (竹書房怪談文庫 HO 604)より
480193482X
No.1:
(3pt)

星四つの話を岩井志麻子が台無しに…怒怒怒

単著『家怪』を出したばかりの川奈まり子さんが編者となり、自作の他に西浦和也、松永瑞香、岩井志麻子、Dr.マキダシの家族に因む怪談を集めた実話怪談集。川奈さん、西浦和也さんの作品は改めて言うまでもなく充実している。松永瑞香さんはタンザニアで現地の呪術師に弟子入りしたという異色の人、Dr.マキダシさんも精神科医兼ラッパーという人で、作品はやや小ぶりながら興味深く読めた。これだけなら星四つは堅いところだ。ああしかし、アタオコロイノナよ! 岩井志麻子の「焦熱極楽家族」が、例によって怪談とは真っ赤な偽り、読者をひたすら不愉快にするだけの汚らわしい代物で、せっかくの力作に泥水(というか屎尿)をぶちまけた。怪談界にも人間関係のしがらみがあって、川奈さんも岩井さんに仁義を切らざるを得なかったのか、編集者の強い意向か…などいろいろ推測はしてみたが…とにもかくにも出版社は、怪談の領域に二度と再び岩井志麻子の五文字を持ち込まないでほしい。
あと、西浦和也さんの『義実家の墓』、「ヨシザネ家」という固有名詞かと思って読み始めたが、いつまで経ってもヨシザネさんが登場しない。やっと分かったのは「義理の実家」という意味らしいということ。こんな言葉、今回初めて目にした。どうもネットの世界で使われ始めているらしいが、「実家」という言葉自体が「婚家」との対なのだから、「義理の実家」はやはり変でしょう?
実話怪談 恐の家族 (竹書房怪談文庫 HO 604)Amazon書評・レビュー:実話怪談 恐の家族 (竹書房怪談文庫 HO 604)より
480193482X

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