迷家奇譚
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面白かったです。 | ||||
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本書は、実録怪談に加えて、古典的知識や民族学的な考察等をふんだんに盛り込んでおり、或る意味ではとても”川奈氏らしい”作品だ。 勿論、こうした”解説”を煩わしいと感じる読者も多いかもしれないが、単なる怪奇譚よりも寧ろ、そこに口承伝承等の裏付けがあれば一層重みが増すとも言えるので、個人的にはこうした作品の方が有意義に感じた。 収録されているのは16篇で、川奈氏自身の体験談もあれば取材に基くものもあり、更には実際の事件(記憶に新しいものも含む)もあるので、内容は実にヴァラエティに富んでいる。 例えば、冒頭の「追憶の遠野紀行」は川奈氏がまだ少女時代、学者だった御尊父と遠野を旅した際の紀行文であり、イタコへの取材や座敷童の宿での宿泊体験が中心ではあるものの、その一方で反抗期だった川奈氏が旅を通して徐々に心情を変化させていく心象風景が文学的でもある…そうかと思えば、人形を題材とした典型的な怪異譚「いちまさん」「人形心中」では井原西鶴『男色大鑑』の「人形の恋」の紹介もあり、私は以前からこの作品が好きだっただけに、心にストンと落ちるものがあったように思う。 更には、イザナギ流の呪詛返しの怖さを思わせる「精霊返し」、”七つ迄は神のうち”の伝承と昨今の事件を織り交ぜた「神隠し」、そして一見作り話にも思える怪異譚にも元凶となるべき事件があり、然もそれが伝説へと辿り着く「熊取七人七日目七曲り」…何れの話も、単に恐怖を求めるだけの怪奇譚ではなく、その背景の奥深さが印象に残った。 とは言え、実は私が最も共感を覚えたのは、所謂”単に怖いだけ”の「廃墟半島にて」である。 …と言うのも、実は私も伊豆半島で思い掛けなく”廃墟ホテル”に遭遇した事があるのだ。 勿論、そこは心霊スポットと言う訳ではなく、単なる”街のお荷物”に過ぎなかったのだが、蔦の絡まった巨大な無人の建物は「存在している」だけで街全体を陰鬱にしていたし、現に、伊豆半島にはこうした廃墟が多く残されていると言う。 一時的なブームやバブルという虚飾の末に残された残骸…仮に事件等が起きなくとも、嘗ての虚栄はその残骸にしっかりと刻まれており、そんな虚しい廃墟では何かが起こっても不思議ではない-そして、本作品ではそこに人間の恐ろしさもリンクさせている為、妙に迫力があった事は言う迄もない 本書は心霊現象の恐ろしさのみならず、人間の恐ろしさにも目を向ける。 だからこそ…であろうか、何やら余韻の残る一冊であった。 | ||||
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ミステリー協会員、川奈真理子さんの代表作です。 執念の取材と実話の怪事件。神の存在を否定できなくなる事でしょう。 | ||||
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すごく調べてらっしゃるので、それは良いのですがあまりにその部分が長いと何について語ってるのか忘れて(大袈裟ですが)しまいそう。まさに探偵のごとくですが。「蛭夫」が予想とは違い面白いし怖かった。 | ||||
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山怪の田中康弘、佐藤愛子の本、あるいは加門さんの本を愛読している者は、一度は思うこと・・それは何十年の前の話を掲載されていて、別に悪くはないが時代背景が古すぎて実感がわかない?ということ。 今回何気なく読んだこの 川奈まり子氏の迷家奇譚は、異色のAV業界を経て培われた経験と体験が良く絡み合い、 心霊スポットでのAV撮影での奇妙な出来事や、その裏事情が垣間見える告発本のようでもあった。 またこの著者も、やはり霊感が鋭いのか、自分自身も幽霊を目撃したと記している。 もっとも興味深い話は、「生霊返し」 この章では、義理の母の生霊に苦しめられる嫁を見かねて両親がその道のプロに依頼します。 そこで、いざなぎ流がでてくるのですが、明らかに読んでいて生霊返しの秘術の失敗が読み取れるのです、相手の生霊が強すぎるからでしょうか? 助ける側の術者が謎ですが、おそらく術を行ったこの術者もただではすまないと・・ 人の恐ろしさを感じさせる、新進気鋭の作家だと思った。 | ||||
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