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迷家奇譚



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【この小説が収録されている参考書籍】
迷家奇譚

迷家奇譚の評価: 3.86/5点 レビュー 7件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.86pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(5pt)

面白かったです。

面白かったです。
迷家奇譚Amazon書評・レビュー:迷家奇譚より
4794969635
No.6:
(4pt)

実録の枠を超えた文学的怪異譚

本書は、実録怪談に加えて、古典的知識や民族学的な考察等をふんだんに盛り込んでおり、或る意味ではとても”川奈氏らしい”作品だ。
勿論、こうした”解説”を煩わしいと感じる読者も多いかもしれないが、単なる怪奇譚よりも寧ろ、そこに口承伝承等の裏付けがあれば一層重みが増すとも言えるので、個人的にはこうした作品の方が有意義に感じた。

収録されているのは16篇で、川奈氏自身の体験談もあれば取材に基くものもあり、更には実際の事件(記憶に新しいものも含む)もあるので、内容は実にヴァラエティに富んでいる。
例えば、冒頭の「追憶の遠野紀行」は川奈氏がまだ少女時代、学者だった御尊父と遠野を旅した際の紀行文であり、イタコへの取材や座敷童の宿での宿泊体験が中心ではあるものの、その一方で反抗期だった川奈氏が旅を通して徐々に心情を変化させていく心象風景が文学的でもある…そうかと思えば、人形を題材とした典型的な怪異譚「いちまさん」「人形心中」では井原西鶴『男色大鑑』の「人形の恋」の紹介もあり、私は以前からこの作品が好きだっただけに、心にストンと落ちるものがあったように思う。
更には、イザナギ流の呪詛返しの怖さを思わせる「精霊返し」、”七つ迄は神のうち”の伝承と昨今の事件を織り交ぜた「神隠し」、そして一見作り話にも思える怪異譚にも元凶となるべき事件があり、然もそれが伝説へと辿り着く「熊取七人七日目七曲り」…何れの話も、単に恐怖を求めるだけの怪奇譚ではなく、その背景の奥深さが印象に残った。

とは言え、実は私が最も共感を覚えたのは、所謂”単に怖いだけ”の「廃墟半島にて」である。
…と言うのも、実は私も伊豆半島で思い掛けなく”廃墟ホテル”に遭遇した事があるのだ。
勿論、そこは心霊スポットと言う訳ではなく、単なる”街のお荷物”に過ぎなかったのだが、蔦の絡まった巨大な無人の建物は「存在している」だけで街全体を陰鬱にしていたし、現に、伊豆半島にはこうした廃墟が多く残されていると言う。
一時的なブームやバブルという虚飾の末に残された残骸…仮に事件等が起きなくとも、嘗ての虚栄はその残骸にしっかりと刻まれており、そんな虚しい廃墟では何かが起こっても不思議ではない-そして、本作品ではそこに人間の恐ろしさもリンクさせている為、妙に迫力があった事は言う迄もない

本書は心霊現象の恐ろしさのみならず、人間の恐ろしさにも目を向ける。
だからこそ…であろうか、何やら余韻の残る一冊であった。
迷家奇譚Amazon書評・レビュー:迷家奇譚より
4794969635
No.5:
(5pt)

怪事件の真相

ミステリー協会員、川奈真理子さんの代表作です。
執念の取材と実話の怪事件。神の存在を否定できなくなる事でしょう。
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No.4:
(3pt)

読むリズムがとれなかった

すごく調べてらっしゃるので、それは良いのですがあまりにその部分が長いと何について語ってるのか忘れて(大袈裟ですが)しまいそう。まさに探偵のごとくですが。「蛭夫」が予想とは違い面白いし怖かった。
迷家奇譚Amazon書評・レビュー:迷家奇譚より
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No.3:
(4pt)

近年の怪談話なので、事件を検索できる!リアルホラー

山怪の田中康弘、佐藤愛子の本、あるいは加門さんの本を愛読している者は、一度は思うこと・・それは何十年の前の話を掲載されていて、別に悪くはないが時代背景が古すぎて実感がわかない?ということ。

今回何気なく読んだこの 川奈まり子氏の迷家奇譚は、異色のAV業界を経て培われた経験と体験が良く絡み合い、
心霊スポットでのAV撮影での奇妙な出来事や、その裏事情が垣間見える告発本のようでもあった。
またこの著者も、やはり霊感が鋭いのか、自分自身も幽霊を目撃したと記している。

もっとも興味深い話は、「生霊返し」
この章では、義理の母の生霊に苦しめられる嫁を見かねて両親がその道のプロに依頼します。

そこで、いざなぎ流がでてくるのですが、明らかに読んでいて生霊返しの秘術の失敗が読み取れるのです、相手の生霊が強すぎるからでしょうか?
助ける側の術者が謎ですが、おそらく術を行ったこの術者もただではすまないと・・

人の恐ろしさを感じさせる、新進気鋭の作家だと思った。
迷家奇譚Amazon書評・レビュー:迷家奇譚より
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No.2:
(2pt)

実話怪談集を期待していて怪談色は少なく更にテンポを悪くする説明の多さに失望しました。

筆者の 実話怪談 出没地帯 を実話怪談として気に入ってフォローしてきています。

先行のレビュアー様の指摘通り 実話怪談 穢死 (竹書房文庫) は怪奇物としては、少し力が弱くなってしまった印象です。
その一方で本書に好意的なレビューもあり購入してみました。

しかし、全16話中実話怪談として評価できるのは筆者の女優時代にロケ地で経験する怪異「廃墟半島にて」、友人が人面犬の目撃談のメッカのトンネルでの体験「彼岸トンネル」、別の友人が体験するアンティーク箪笥の怪異「鍵付きの時代箪笥」、自殺した夫の義母の生霊に苛まれる友人の話「生霊返し」位で、その他は著者や家族の体験を切り口にした奇譚集の色彩が強く、なんとなく小池壮彦氏の作品を連想する内容になっています。

それから題材にもよるのでしょうが、解説部分が多くて本論に入るまでの導入が長すぎる様に感じ話のテンポが悪く緊張感を殺いでしまう文体も気になります。

以上の点で私は本作品は余り好きにはなりませんでした。
迷家奇譚Amazon書評・レビュー:迷家奇譚より
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No.1:
(4pt)

調子が戻ってきて安心

著者の近作の『実話怪談 穢死』はやや玉石混交で、かつ自分の一族にまつわる闇を無理に怪奇譚に仕立てたようなところもあり、このまま変な方向にそれなければいいがといささか危惧していた。
しかし今回の『迷家奇譚』は、以前の『出没地帯』のレベルに大分戻っており、ほっとした。
内容は、著者の見聞に入ってきた怪奇談の紹介、怪異な事件についての「奇譚探偵」としての考証が中心で、枕として、著者の少女時代の遠野旅行の思い出(説話研究者の父の取材に「助手」として同行)が、いわば奇譚探偵の出発点として語られる。
枕がいささか長い気はしたが、続く02~15までの逸話はそれぞれなかなかの怪談になっている。評者は特に、伊豆の廃墟で目撃した霊(?)を語る「廃墟半島」、怪奇トンネルで異常体験した女性の遠い過去を霊媒師が見抜く「彼岸トンネル」、大阪府のある町で7件の連続不審死が起きていたという「熊取七人七日目七曲り」、お決まりの人形怪談ではあるがやはりぞくっとする「いちまさん」、部屋に忍び込んで勝手に飲み食いする何者かの意外な正体が分かる「蛭夫」が印象に残った。残念ながら最後の「鬼婆の子守唄」は、実際の猟奇事件を扱ってはいるものの、怪談ではなかった。
ともあれ、今後ともこの路線を守って正統的な怪異譚を紡ぎ続けて頂きたいと希望する。
なお、帯の推薦文に「群雄割拠の怪談実話界にまたひとり、凄い書き手が加わった」との一文があったが、これは非常に頓珍漢な評言だと言わざるを得ない。川奈まり子氏はこの作品で「凄い書き手」として頭角を現したわけではなく、既に遅くとも『出没地帯』で第一線の書き手に躍り出ていたのである。それを知らない人も世の中にはいたのだなあと、かわいそうになった。
迷家奇譚Amazon書評・レビュー:迷家奇譚より
4794969635

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