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(短編集)
虚構推理短編集 岩永琴子の密室
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虚構推理短編集 岩永琴子の密室の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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※以下の内容には【ネタバレ】が含まれる可能性があります テレビアニメ(第二期) に合わせ,とりあえず出したとは考えたくありませんが, 短編集でサラッとしたものが多く,読み応えのある長編でなかったのはちょっと残念. とはいえ,入り混じり,乱れる,家族を描いた,二つの編については悪くはなく, 二重,三重にと掛けて畳み掛けてくる,それぞれの終盤の流れには思わず息を呑み, 主人公はただ淡々と,時に憎らしく語っているだけなのに,自然と緊張が高まります. 特に,依頼者の話を聞きながら,その場でいくつもの虚構を組み上げていく様子は, 単純に推理だけでなく,『真意』までを指摘する姿に,ゾクリとしたものを覚えます. 一方で,相変わらず彼女への扱いがぞんざいな彼と,可憐な容姿や家柄とは裏腹に, まるで恥じることなく,下ネタを入れてくる彼女には,今回も苦笑いというところで, 作中で彼女に一目惚れをする男子高校生が,女性不信に陥っていないといいのですが…. | ||||
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短編集ということで、大きい話は扱わないものの、その話運びは「巧い」と思います。 小さい話なのとズルい解決のこのシリーズなので、らしさはあり好きですが、 めちゃくちゃ面白いかといわれるとみたいな所はあります。 ちなみに短編集最後の事件は、生きている人の心残りをはらすためだけに推理を提案しているだけで、 実は全然解決しておらず、罪をなすりつけているだけの可能性もあるという。 殺人が意図的に行われたことを前提に話していますが、 「女性の一軒家暮らし」だったから、偶然の強盗にであってとか、村人が暴行からついというパターン も十分ありえるという。 関係者からなぜか犯人が決まる王道のミステリーにたいして、本当はそうでないかもしれないが、 ある種の決めつけで、「関係者を犯行関与者にする」という相変わらずの邪道ミステリーらしい内容です。 まあ作中でもありましたが、もやもやした真実より、納得できる虚構のほうが安心するものですが。 作中最後の事件は、約50年前で、事業拡大できたのが60年前くらいからになりますから、 これは日本の高度経済成長期で東京オリンピックなどがあった時期。 東京などの都市部集中が加速しますが、地方もけっこう景気よく、まだまだ人も多かった時期なので 田舎に館をたて、村に住むというのも十分ありえたと言えます。 その何十年かでバブル弾けて、経済悪化、高齢者増加で、地方のテーマパーク閉鎖で廃墟とか 村がつぶれて消えていったわけですから。 だから「事件がおきた村がもう消えた」というのも虚構そうに思えるリアルという。 そして事件がおきた後は石油ショックなどおきて経済成長が悪くなり出すわけで、 ある意味事業を縮小撤退させるというのは先をみすえた判断ともとれるわけです。 作中ではそういう蘊蓄は描かれませんが、これが琴子の後半の推理の補強にもなる歴史の流れにもなります。 後半の推理がまさに真実の時は、犯人の判断の正当性を後付けで正当化できる要素にもなりえるんですね。 おきた結果から、行動をおこした判断を正当化させ、安心を与えやすくなるという。 | ||||
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