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レッドクローバー
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レッドクローバーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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子どもは親を選べない 生まれ育つ場所も選べない 夢も希望もない町で生まれ育った人々が抱える陰鬱な負の感情が渦巻く、おぞましくも哀しいお話 | ||||
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やっぱり面白い。過去と現在が交互に語られる形は元々好きですが、さすがにありきたりではすみません。面白い。 | ||||
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これは、著者のまさきとしかさんが、本の雑誌社による「WEB本の雑誌」連載の「作家の読書道」第245回インタビューで、本書について言われた言葉でした。もう少し前の方から引用すると、「出てくる人達の持っているものが暗くて重くて深いので、そこに寄り添うと引きずり込まれて、浮上するのに時間がかかりましたね。書くのに覚悟が要る小説でした。」となります。 私は、本書に登場する、とてもキャラの濃い人々の言動に驚きつつ、この後どうなっていくのだろうとハラハラしながら、一気に読み終えてしまいましたが、まさきとしかさんが言われた通り、本書に「出てくる人達の持っているものが暗くて重くて深い」ということはとても感じたのでした。そのため、実際のところ読み手の方でも「引きずり込まれ」る感じがありました。そういうこともあり、書き手であるまさきとしかさんの「引きずり込まれ」方は、半端ないものだったのではないかなと推測致しました。 さらに、まさきとしかさんは、そのインタビューで、「プロットを作ってさあ書こうと思って書き始めて気づいたら、脇役の人の視点で60枚くらい書いてたんですよね。原稿にならないものを書いてしまったあの時の絶望感...。編集者に相談したら、それも入れようと言ってくださって、結果的には良かったんですが。」と続けられていました。 私も本書を拝読した時に、様々な脇役の人の視点を感じていました。そして、それら脇役の人の感情や言動には如何にも小説といったタイプの嘘臭さは感じられず、「実際にこういう人居そう」という現実味がありました。そのため、知らず知らずの内に様々な脇役の視点から私も見る様になっていました。 そして、この様に、かなり濃いキャラを持ち「暗くて重くて深い」ものを持っている人々であったとしても、その人々の感情や言動には嘘臭さがなく現実味があるため、知らず知らずの内にその人々の視点からものを見ていることになっているという点が、私が本書に引き込まれた大きな理由であったと感じます。 ちなみに、数多い登場人物の中で私にとって最も印象深かったのはタキでした。本書の登場人物にはとてもキャラが濃い人達が多いのに対してタキはキャラが比較的薄く控え目に見えました。しかし、その割には他の登場人物に見方や考え方が一変してしまう程の大きな影響を与えた様にも見えました。そして、そのタキがいろいろなことをどこまで知るに至ったのかは分かりませんが、自分が知ったことや行ったことを、その後の人生の中でどの様に消化していったのだろうと考えたりしました。 上述の通り、本書は「出てくる人達の持っているものが暗くて重くて深い」ということもあり、本書を読み進めていくのは結構しんどいと感じる方もいらっしゃると思います。しかし、人によってはとても引き込まれるものであると感じます。どちらになるかは実際読んでみないと分からないところではありますが、本書を「作家の読書道」第245回インタビューと合わせてお薦め致します。 | ||||
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まさきとしかさんの話は悲しい話が多いけど、毎回読むしかない。面白い。 | ||||
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東京・豊洲のバーベキューガーデンで、ヒ素が混入した飲み物を飲んだ男女3人が死亡、4人がヒ素中毒となり病院に搬送されるという事件が起こり、その場で逮捕された丸江田逸央が殺害目的でヒ素を混入したことを認めました。 東都新聞を定年退職し、1カ月ほど前に系列の出版社の月刊総合雑誌の記者として再就職した勝木剛は、この記事を読み、12年前に担当した北海道・灰戸町で起きたヒ素による一家殺害事件を思い出します。「灰戸町一家殺害事件と呼ばれているが、実際は家族全員が殺されたわけではない。夫、妻、小学三年生の長男、そして遊びに来ていた夫の母親が死亡し、同居する家族のうちで唯一の生存者が高校一年生の長女だった。・・・すぐに匿名での報道に切り替わったのは、長女による犯行の可能性が出てきたためだ。長女だけがヒ素を摂取しておらず、また事件当時の説明が二転三転したという。容疑者が十五歳ということで、警察発表は慎重なものとなった。捜査の進展具合がなかなか見えてこないなか、長女が逮捕されないのは無実が証明されたからではなく、決め手となる証拠が出てこなかったためだとささやかれた」。 事件後、完璧に姿を消した長女・赤井三葉はどこかで生きているのか、それとも死んでしまったのか、彼女は家族を殺したのだろうか、丸江田にヒ素を渡したのだろうか、だとしたら彼女を駆り立てたものはなんだろう――この謎を解くべく、勝木は三葉の関係者たちを訪ね回ります。「三葉はどこにいるのだろう。なぜ黙っていなくなったのだろう。家に火をつけたというのはほんとうなのだろうか。火事に紛れて町を出ていったのではなく、骨さえ残らないほど焼けてしまったということはないのだろうか」。 「パソコンに向かい、豊洲バーベキュー事件と灰戸町一家殺害事件の概要と疑問点、丸江田逸央との面会内容、そこから推察できるふたつの事件のつながりをまとめているのだが、二、三行書いては削除するのを繰り返している」。 『レッドクローバー』(まさきとしか著、幻冬舎)は、どんでん返し、どんでん返し、また、どんでん返し、さらに、どんでん返しと、息詰まる展開の連続なので、一気に読み終えてしまいました。推理小説としては確かな歯応えのある一級品と言えます。 ただ、世の中には、こんなに不幸な家族が犇めいているのか、自分の不幸は周りの他人のせいだと考える人間ばかりなのか――と暗澹とした気持ちにさせられました。従って、自分は幸せな人生を送っていると思っている人は、本書は手にしないほうがいいでしょう。 | ||||
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東京での無差別毒殺事件の被告人と数十年前に北海道で発生した一家毒殺事件との関わり合いを、雑誌記者が取材を始める。 北海道の小さな町で暮らす事件関係者達の閉塞感と絶望に、とにかく強烈な負を感じます。そして明らかになっていく事件の真相は予想を超えたものでした。 社会問題を事件の背景に取り込みつつも、エンターテインメント性も兼ね備えたミステリー。 | ||||
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東京のバーベキュー場でヒ素を使ったほぼ無差別の大量殺人が起こった。犯人はすぐに逮捕される。取り調べで犯人が「ざまあみろって思っています」と言ったことはセンセーショナルに報道された。 記者の勝木は、この事件から、自身も取材した十数年前に北海道灰戸町で起こった同じくヒ素による家族毒殺事件を思い出す。 その家族毒殺事件ではたった一人少女が生き残り、容疑者とも噂され、いつの間にか姿を消したのだった。今回の事件との接点は?あの少女の行方は? ネグレクト、明らかに親から虐待されていたり、精神的に捨てられたりした子供たちが、何を考えているのか、どこに居場所を見つけ出すのか? 不穏な雰囲気のうら寂しい田舎町灰土町での子供たちに突き刺さる悪意には、思わず首をすくめるような思いをした。そういう意味では最初から結構つらい読書だったのだが、衝撃の展開がなんども続き、息を吞むように読み続けてしまった。 最近耳にする恐ろしい「拡大自殺」の動機にも共通する何か、理解できそうでやはり理解できない何かをこの本を読んでいて感じられた。 強烈な余韻を残す衝撃の作品でした。そして結局本当の被害者は誰なんだろうか。 | ||||
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